吉川町まちづくり基本条例試案ver5 |
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目次 前文 第 1章 総則(第1条−第3条) 第 2章 まちづくりの基本理念と目標(第4条・第5条) 第 3章 まちづくりの基本原則(第6条−第9条) 第 4章 住民の権利と役割及び責務(第10条・第11条) 第 5章 議会の役割と責務(第12条・第13条) 第 6章 町長及び執行機関の役割と責務(第14条−第19条) 第 7章 まちづくりの計画策定(第20条・第21条) 第 8章 情報(第22条・第23条) 第 9章 評価(第24条・第25条) 第10章 財政(第26条−第29条) 第11章 住民投票(第30条) 第12章 連携(第31条−第34条) 第13章 この条例の検討及び見直し(第35条) 附則 前文 信仰の山、尾神岳が町の東部にどっしりと座っています。汚れのない大気に包まれて、森林があり、田畑が広がっています。いくつもの小さな流れが集まり、吉川となって、しなやかに流れています。この空間で、さまざまな昆虫が棲み、小鳥がさえずり、野草が花を咲かせ、そのほかたくさんの野生生物が人間とともに生きています。どこにでもありそうで、世界に一つしかない農村風景が人々の心を和ませてくれる。これがわたしたちの住む吉川町です。 吉川町は、近世からの酒造りと優れた杜氏の輩出で全国に知られています。また、新潟県自由民権運動の発祥の地として、民主主義の伝統があります。町総合計画策定では、住民参加のもと、県内で初めて集落段階から積み上げ方式で策定するという経験もつんできました。 21世紀を迎えた今日、わたしたち住民と議会及び町は、先人たちが築いてきた歴史と文化を引き継ぎ、住民一人ひとりを大切にし、みんなで協力し合い、助け合う協働のまちづくりを行います。吉川町は人口5,600人の小さな町です。しかし小さいからこそ、住民一人ひとりの顔が見えます。住民が主役の、きめ細やかなまちづくりができます。 このような認識のもとに、わたしたち住民と議会及び町は、顔の見える規模の自治体としての利点を生かし、まちづくりの基本理念と目標を共有し、協働のまちづくりをすすめるため、この条例を制定します。 第1章 総則 (目的) 第1条 この条例は、わたしたち住民が住民自治の担い手として、議会や町とともにまちづくりを推進するために基本的な事項を定めることを目的とします。 (用語の定義) 第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによります。 (1)住民とは、町内に在住する個人及び町内に事務所を有する法人その他の団体をいいます。 (2)町とは、議会を除く執行機関をいいます。 (3)協働とは、吉川町を構成する住民、議会及び町が、それぞれの果たすべき役割と責務を自覚し、相互に助け合い協力することをいいます。 (4)参画とは、町が実施する施策や事業等の計画策定、実施、評価等の各段階に住民が参加することをいいます。 (5)コミュ二ティとは、お互いに助け合い、心豊かな生活を送ることを目的とし、自主的に結ばれた地域内の住民組織及び集団をいいます。 (この条例の位置づけ) 第3条 町は、条例、規則、規程を定めるときは、この条例を最大限に尊重します。 第2章 まちづくりの基本理念と目標 (まちづくりの基本理念) 第4条 住民は、一人ひとりが自ら考え、行動するなかで、誰もがまちづくりを楽しみ、住民が主役となったまちづくりをすすめます。 2 まちづくりは、わたしたち住民、議会及び町がそれぞれの果たすべき責任と役割を分担し、協働することを基本にします。 (まちづくりの基本目標) 第5条 わたしたち住民と議会及び町は、まちづくりの基本理念に基づき、次に掲げるまちづくりの推進に努めます。 (1)環境にやさしく、豊かな自然環境と歴史・文化を大切にするまちづくり。 (2)福祉を大切にした、温かみと安心感が漂うまちづくり。 (3)都市住民との交流や地域資源を活かし、経済力を高めるまちづくり。 (4)健全な農産物の生産を推進し、食料基地として発展させるまちづくり。 (5)次代を担う青少年が夢と希望を抱き、元気に活動するまちづくり。 第3章 まちづくりの基本原則 (男女共同参画の原則) 第6条 まちづくりは、男女の平等を基本とし、共同で参画することを原則とします。 (子ども参画の原則) 第7条 わたしたち住民と議会及び町は、青少年及び子どもが、それぞれの年齢にふさわしく、まちづくりに参画できるようにします。 (情報共有の原則) 第8条 わたしたち住民と議会及び町は、まちづくりにあたっては、まちづくりに関する情報を共有することを基本にすすめます。 (協働の原則) 第9条 わたしたち住民と議会及び町は、協働してまちづくりの基本理念と基本目標の実現に努めます。 第4章 住民の権利と役割及び責務 (住民参画の権利) 第10条 わたしたち住民は、まちづくりの主体として、まちづくりに参画する権利を有します。 2 わたしたち住民は、町が保有する情報について、その提供を受け、又は自ら取得する権利を有します。 (住民の役割と責務) 第11条 わたしたち住民は、まちづくりの主体であることを認識し、積極的にまちづくりに参画するとともに、住民相互の連携に努めます。 2 わたしたち住民は、まちづくりの活動において自らの発言と行動に責任を持ちます。 3 わたしたち住民は、まちづくりを支える自主的、自立的なコミュニティの役割を認識し、守り育てるように努めます。 第5章 議会の役割と責務 (議会の役割と責務) 第12条 議会は、町の議決機関としての責任を認識し、行政の監視機能を高めるとともに、住民の生活水準の向上に努めます。 2 議会は、議会改革に努め、情報の公開と住民の参加を推進します。 (議員の責務) 第13条 議員は、住民の代表者として議事に参加していることを自覚し、審議能力及び政策提案能力の向上に努めます。 第6章 町長及び執行機関の役割と責務 (町長の役割と責務) 第14条 町長は、まちづくりの基本理念を実現するため、公正かつ誠実に町政の執行にあたり、まちづくりの推進に努めます。 2 町長は、まちづくりを推進するため人材育成に努めます。 3 町長は、住民との協働に必要な企画、調整能力を備えた町職員の養成に努めます。 (執行機関の役割と責務) 第15条 町は、住民がまちづくりに参画する権利を保障するとともに、多様化、高度化する行政要望に適切に対応できる総合的な行政運営に努めます。 (組織機構) 第16条 町は、まちづくりや住民の多様な行政要望に柔軟かつ迅速に対応でき、住民に分かりやすい組織機構の編成に努めます。 (説明・応答責任) 第17条 町は、町政運営における公正の確保と透明性の向上を図るため、行政上の意思決定について、説明責任を負いその内容及び過程を明らかにします。 2 町は、住民から意見、要望、苦情等があったときは、速やかに事実関係を調査し、誠実に応答します。 (意見・要望・苦情等への対応のための機関) 第18条 町は、住民の権利の保護を図り、町の行政執行により住民が受ける不利益な扱いを簡易かつ迅速に解消させるため、不利益救済のための機関を置くことができます。 (コミュニティとの連携) 第19条 町は、コミュニティの自主性及び自立性を尊重し、連携するよう努めます。 第7章 まちづくりの計画策定 (総合計画等の策定) 第20条 町は、計画的な町政運営を図るため、基本構想、基本計画(以下「総合計画」という)及び実施計画をまちづくり基本原則に基づき策定します。 2 前項で定めた実施計画は毎年度見直しを行い、その進行管理に努めます。 (計画策定への参画) 第21条 町は、総合計画に定める重要な計画策定に着手するときは、次の事項を公表し意見を求めます。 (1)計画の概要 (2)計画策定の日程 (3)予定する住民参加の手法 (4)その他必要とされる事項 2 町は、前項の計画を決定しようとするときは、あらかじめ計画案を公表し、意見を求めるものとします。 3 町は、前2項の規定により提出された意見について、採否の結果及びその理由を付して公表します。 第8章 情報 (情報共有の推進) 第22条 町は、まちづくりに関する情報はみんなの財産という認識に立ち、情報公開に努めます。 2 町は、まちづくりに関する情報を分かりやすく公開するよう努めます 3 町は、文書等を作成するにあたり、分かりやすい表現となるよう努めます。 4 町は、まちづくりに関する意思形成過程を明らかにすることにより、まちづくりの内容が住民に理解されるよう努めます。 5 町は、集落懇談会、地区懇談会の開催に努め、情報共有を推進します。 (個人情報の保護) 第23条 町は、個人の権利及び利害が侵害されることのないよう個人情報の収集、利用、提供、管理等について必要な措置を講じます。 第9章 評価 (評価の実施) 第24条 町は、まちづくりについて、より良いものにしていくため、まちづくりの評価を実施します。 2 評価にあたっては、まちづくりの状況を客観的に分析できる、最もふさわしい方法を採用します。 (結果の公開) 第25条 町は、まちづくりの評価の結果について、分かりやすい形で住民に公開します。 第10章 財政 (予算) 第26条 町長は、総合計画を基本にして予算を編成します。 2 町長は、わたしたち住民が予算に関する理解を深めることができるように、十分な情報を提供します。 3 前項の規定による情報の提供は、町の財政状況、予算編成過程、重点施策が分かりやすい方法で行います。 4 町長は、まちづくりに関する事業の予定及び進行状況が明らかになるよう、執行計画を定めます。 (決算) 第27条 町長は、決算にかかわる町の主要な施策の成果を説明する書類、その他決算に関する書類を作成しようとするときは、住民や議会がそれらの施策の評価をするのに役立つものとなるように努めます。 (財産管理) 第28条 町長は、財産の適正な管理及び効率的な運用を図るため、財産の管理計画を定めます。 2 前項の管理計画は、資産としての価値、取得の経過、処分又は取得の予定その他前項の目的を達成するため必要な事項が明らかとなるように定めます。 3 財産の管理は、法令、条例及び財務規則の定めによるほか、第1項の管理計画に従ってすすめます。 (財政状況の公表) 第29条 町長は、財政状況の公表にあたっては、これにたいする町長の見解を住民に示します。 第11章 住民投票 (住民投票) 第30条 町は、吉川町にかかわる重要事項について、直接住民の意思を確認するため、住民投票制度を設けます。 2 住民投票を行うときは、町長は、住民投票の目的を事前に明らかにし、その投票結果を尊重します。 3 住民投票に参加できる者の資格は、第2条第1号に定めた住民の内、18歳以上の住所を有する個人とします。 4 住民投票の制度及び実施に関し必要な事項は、それぞれの事案に応じ、別に条例で定めます。 第12章 連携 (町外の人々との連携) 第31条 わたしたち住民と議会及び町は、社会、経済、文化、学術、スポーツ、環境等に関する取組みを通じて、町外の人々の知恵や意見をまちづくりに活用するように努めます。 (近隣自治体との連携) 第32条 わたしたち住民と議会及び町は、近隣自治体との相互理解のもと、連携してまちづくりをすすめます。 (広域連携) 第33条 わたしたち住民と議会及び町は、他の自治体、国及びその他関係機関と連携し、まちづくりをすすめます。 (国際交流) 第34条 わたしたち住民と議会及び町は、自治の確立と発展が国際的に重要であることを認識し、国際交流をすすめます。 第13章 この条例の検討及び見直し (この条例の検討及び見直し) 第35条 町は、この条例の施行後4年を越えない期間ごとに、この条例が吉川町にふさわしいものであり続けているか検討します。 2 町は、前項の規定による検討結果を踏まえ、この条例及びまちづくりの諸制度について見直すこととします。 附 則 (施行期日) この条例は、平成15年 10 月 1 日から施行します。 |
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