2002年9月議会一般質問

 【橋爪議員の一回目の質問】

 日朝首脳会談につい

 おはようございます。本論に入る前に一言申し上げたいと思います。
 町長の行政報告にもありましたように、昨日ピョンヤンで日朝両国の首脳会談が行われました。その場で1970年代に日本から拉致された青年の多くの皆さんが亡くなっていたという、大変むごい結末を迎えたことが明らかになりました。私はこういう野蛮な拉致という行為をやった北朝鮮に対して厳しく抗議をしたいと思います。そして日朝両国に対しての責任者、この問題の全容解明のために全力を挙げることを求めたいと思います。
 同時に日本と北朝鮮との間には長い歴史がありまして、これまでさきの大戦における朝鮮侵略のような悲しい事態が何遍も繰り返されてきました。二度とこういうことが起きないように仲良く、隣同士の国としてやっていけるような関係をいっときも早くつくり上げるように政府に求めていきたいと思います。

 それでは、質問の通告に基づきまして、幾つかお尋ねしてまいります。私は町民の命と暮らしを守る立場から、防災対策、住基ネット、障害者支援費制度そして最後に米政策の見直しについてお尋ねしてまいります。

 原子力防災対策の抜本的強化を
 まず、防災に関して幾つかお尋ねいたしますが、最初は原子力防災です。8月30日、朝刊を手に取りまして私は大変ショックを受けました。東京電力が長期間にわたって原発のトラブルを隠し続け、しかも修理もせずに運転をしていた、そのことが大きく報道されていたからであります。日本の原発史上最悪の事態となった今回の不祥事は、原発の安全性の前提を大きく損なうものであります。3年前にJCO臨界事故が発生いたしましたけれども、あの教訓に全く背を向けて安全神話に浸り切り、原発運転の効率を最優先して安全性を二の次にしてきた東京電力の姿勢は絶対に許すことのできないものであります。
 また驚いたのは、国が2年前からこの事故隠しの事実を知りながら、関係自治体や住民への情報公開もせずプルサーマル導入を進めてきたという点であります。今回の事件では国もまた東京電力と同じ穴のムジナだったということを重視しなければなりません。
 私はこれまで数回にわたり原発問題を取り上げ、今の原発の技術そのものが完全でないことや地震との関連で問題があること、さらにはプルサーマル計画の無謀さを指摘し、町民の生命と安全を確保するよう求めてまいりました。今回の事件で私を含め多くの人たちが心配していたことが現実のものとなりましたが、率直に申し上げて町当局の原発に対する姿勢と政策も根本から問われていると私は思います。
 そこで角張町長に2つお尋ねいたします。
 まず第1は、原発の近隣自治体のトップとして、東京電力のトラブル隠しに強く抗議するとともに、公正に調査できる第三者機関による虚偽報告の全容解明、原発の徹底した点検、一つ一つの亀裂や腐食の原因究明、そしてプルサーマル計画の中止を求めて行動を起こすべきだと考えますが、いかがでありましょう。
 第2は、町の地域防災計画との関連です。これまでも私は町防災計画の中に原子力防災を含めるべきだ、少なくとも長岡市のように独自の原子力防災パンフくらいは策定してほしい、こういう主張をしてまいりました。今回の不祥事に遭遇して私は原子力防災については、町防災計画の柱に据えて対策を進めないと町民の命と安全を守れないと確信いたしました。角張町長、あなたもそういう姿勢で対策を強化することを言明していただけないでしょうか。
 防災に関して2つ目にお伺いしたい問題は、学校の耐震化についてであります。6月議会でも予算審議の中で若干触れておきましたが、その後文部科学省が公立小・中学校の耐震診断実施状況などを公表いたしました。それによると建築基準法に新しい耐震基準が盛られる前の1981年以前に建設された約8万 8,000棟のうち、耐震診断を実施していたのは27,000 棟で、30.8%にとどまっていることがわかったといいます。新潟県内の耐震診断済み率は、わずかに 7.5%で全国平均を大きく下回っています。こうした事態を受けて文部科学省は、都道府県を通じて3年以内に耐震診断を実施する計画を8月末までに出すよう通知を出しました。
 そこで質問です。
 1点目は、当町では8月末までにどのような計画を提出しましたか。この際明らかにしてください。
 2点目、旭小学校、源小学校は来年度からご案内のとおり廃校になります。廃校になるからといってそのままでいいということにはなりません。地域の避難所としての機能を持っておりますので、その点からの耐震化促進は避けて通ることはできません。そこで町防災計画で避難所として掲載されている建物のうち、耐震化されていないものについて今後どう整備していく方針かはっきりと示していただきたい。
 3点目、現段階で耐震性がない避難所をどうするかの問題です。これについては改修が終わるまで防災計画上の避難所としないことも含めて防災会議で真剣に検討することが求められていると思います。町長の見解を伺います。
 防災に関して3つ目に伺いたい問題は、水害対策の強化についてであります。まず先般の8月25日の集中豪雨に関し、町並びに消防団から迅速果断に対応していただきましたことにつきまして心から御礼を申し上げます。おかげさまで被害を最小限にとどめることができました。ありがとうございました。今回の豪雨ではわずか2、3時間の間に 100ミリ前後の雨が集中的に降り、被害をもたらしました。この程度の雨は数年に1回の割合で降っておりますので、水害に対する警戒と対策はこれまで以上に強めていかなければならないと私は思います。
 災害を自分の目で見ていて教訓的だったことの一つは、堤防のかさ上げ工事を終了しているところは持ちこたえ、工事がこれからだったところから越水し、冠水等の被害が出たことであります。私は改めて河川改修の重要性を認識した次第でございます。関係機関のご努力により下条堰の改修も終わりました。いよいよこれから河川改修を本格的にやっていただかなければならないときがやってきたと思います。既に改修に向かって動き出しているとの情報をお聞きしておりますけれども、従来のような工事のスピードでは水害常襲地帯という汚名は当町からなかなか消えません。既に改修計画の全容が決まっているのなら、今後どんな年次計画で改修が進んでいくのか明らかにしていただきたいと思います。また、この改修に町長としてどんな姿勢で臨んでいくのかについてもお答えいただきたいと思います。

 住基ネット、いざというときには切断すべきだ
 次は、住民基本台帳ネットワークについてであります。既にご承知のとおり住民基本台帳ネットワークは全国から批判が相次ぐ中で8月5日稼働しました。日本共産党はこの住民基本台帳ネットワークについて、個々の自治体で管理していた情報が全国的オンライン化で広範囲からアクセス可能となり、情報流出、漏洩、不当使用の危険が高まっていること、すべての国民に番号をつけて管理する総背番号制導入への国民的な合意がないことから、今からでもこの仕組みを中止すべきだと主張してきました。今回の住民基本台帳ネットワーク稼働については、政府が稼働の前提条件として公約していた個人情報保護対策が行われない中での見切り発車だっただけに、多くの自治体が不信と困惑を抱えながらの対応を余儀なくされました。
 既に当町では住民基本台帳ネットワークシステムとの接続をされておりますが、この決断をされるに当たりどのような考えで対応されたのか、まずこの問題に対する町長の基本姿勢をお尋ねしたいと思います。
 お尋ねしたいことの1番目は、政府が個人情報保護法の成立を待たずに稼働に踏み切ったことをやむを得ないことと受けとめているのか、それとも問題ありと受けとめておいでなのかであります。
 お尋ねしたいことの2番目は、接続に当たって町の個人情報審議会の意見を聞いたかどうかです。
 お尋ねしたいことの3番目は、セキュリティー確保のためにどんな措置をとられたかです。先ほど行政報告の中でも一部触れられておりましたが、この点について触れていただきたいと思います。
 多くの自治体では、個人情報保護条例の施行規則を改正し、不適切な取り扱いに対する措置を明文化したり、住民基本台帳ネットワークシステム運用管理規定を策定したりしていますけれども、当町ではどうされたか、再度明らかにしていただきたいと思います。
 次に、これからのことについてお尋ねいたします。
 政府は個人情報の保護措置は万全だと繰り返して言っておりますが、多くの国民はそう思っていません。吉川町の町民の皆さんもそうだと思います。そこで角張町長に一つお約束をいただきたいと思うんです。今後個人情報が脅かされる危険な事態が発生したときには、ネットを切断する措置をとる、場合によっては町の個人情報保護条例の改正にも着手する、このことをお約束していただけないでしょうか、お答えいただきたいと思います。

 障害者支援費制度、現行よりサービスが後退しないように
 次のテーマは、障害者支援費制度についてであります。
 ご案内のように障害者福祉制度が今大きく変わろうとしています。これまで国と自治体がサービス提供に責任を負っていた措置制度が来年度から廃止されまして、介護保険と同じように障害者が利用したいサービスを決め、サービス事業者をみずから選択し契約する仕組みがつくられることになりました。支援費制度は障害者と事業者の契約に基づくサービス費用のうち、本人負担を除いた額を国と自治体が支援費として助成するというものでございます。しかし、この制度は行政責任を現行より大幅に後退させてしまう、障害者、家族の負担が増大する可能性がある、在宅、施設ともサービスが不足しておりまして、自由に選択できる状況にない等々の問題点を抱えております。既に各地で説明会などが始まりまして、この10月からはサービスの申請受け付けが始まる手はずになっておりますが、関係者以外の関心は不思議なくらい低くて、このままでは障害者の暮らしに重大な結果をもたらすことになりかねません。
 そこで町長に幾つかお尋ねしたいと思います。
 1つ目は、この制度の実施に当たりまして、どういう基本方針で臨まれるかであります。当町には身体障害者手帳の交付を受けておられる方だけでも約 240人ほどおられますが、制度移行によって障害者や家族が不利益を受けないよう十分配慮していただきたい、いかがでありましょうか。
 2つ目、具体的な事項についての質問です。次の4つの点についてどう考えているかお答えください。
 1つ、支援費制度についてリーフレットなどを作成する、説明会を開くなどしまして関係者に十分理解してもらうこと。2つ、申請困難者に対しては行政の責任でフォローすること。3つ、実施に当たっては相談窓口をきちんと設けること。4つ、町が指定事業者となり支援サービスを実施していく覚悟があるかどうか。以上です。

 減反強化、米つぶしねらう「中間とりまとめ」に抗議を
 最後のテーマについて伺います。米政策についてであります。
 食糧庁の生産調整研究会は去る6月28日、米政策の再構築に向けてと題した中間とりまとめを発表いたしました。
 中間とりまとめには、幾つかの重要な問題点がございます。
 1つは輸入米に全くメスを入れようとしていないことであります。現在の米価暴落と大幅減反の引き金となったのは、1995年平成7年から始まりましたミニマム・アクセス米の輸入でありました。今回の中間とりまとめでは、このミニマム・アクセス米の輸入に全く触れていません。
 2つ目は、米価については、価格の回復、補償どころか、市場原理に基づいてさらに引き下げようとしていることであります。
 そして3つ目は、輸入自由化を前提にして減反をさらに強化し、米つぶしをねらっていることであります。
 そして4つ目に、米の安定供給に対する国の責任を放棄し、大企業の思いどおりの流通支配を進めようとしていることであります。
 こうした米政策の改悪に対して、今全国の農業団体、農民が次々と立ち上がり抗議の声を上げておりますが、極めて当然だと思います。もしこの中間とりまとめの方向で米政策が変わったなら、当町の米生産は深刻な打撃を受けることは必至であります。既に産業課で対策を検討されていることと思いますが、町農業にどのような影響を与えるのか明らかにしていただきたいと思います。
 もう一つ、角張町長にお約束いただきたいのでありますが、単独で関係機関に抗議されるのも結構でありますし、町村会を通じて政府・農林水産省に抗議するのも大事だと考えます。直ちに行動に踏み切っていただけないでしょうか、お答えいただきたいと思います。
 以上で、1回目の質問を終わります。

【角張町長答弁】


 橋爪議員の一般質問にお答えいたします。
 最初の防災対策でございますが、今回の東電不祥事への対応につきましては、なぜなのかという率直な疑問と怒りを禁じ得ませんでした。これまでの東電への対応につきましては、先ほど行政報告で申し上げましたとおりであります。あってはならない事故発生であり、安全に対する信頼を根底から失う結果となり、そのことが県や柏崎市、刈羽村でもプルサーマルの協定破棄が合意されたところであります。今後近隣町村や町村会、県等にもこの問題につきまして働きかけてまいりたいと考えます。
 次に、町防災計画に原子力防災を含めるということにつきましては、以前にも申し上げましたように、町独自の原発防災計画は県との協議に基づいたものでなければ認知されません。現段階では策定は困難であると思っております。しかし、今回を契機に圏域の拡大等の要請活動を検討いたします。原子力防災は放射能が対象であり、いざ発生したときの対応を考えますと今ほど申し上げましたように、広域の対応が優れた手段ではないかと考えております。
 次に、学校避難所の耐震化でございますが、おくれている学校、避難所の耐震化という問題でありますが、学校の耐震化計画につきましては、平成15年4月スタートする吉川小学校と吉川中学校の2校となり、既に耐震構造となっております。したがって、現段階での学校の耐震診断計画は提出しておりません。
 2点目の避難所の整備でありますが、ご質問にもありますように統合となる旭小学校、源小学校を含め吉川町地域防災計画では、第1次避難場所として11カ所、第2次避難場所として5カ所を指定しております。地震災害を想定したとき機能が発揮できない避難場所があることはご指摘のとおりであり、耐震化されている施設の活用を検討するとともに、この取り扱いにつきましては、膨大な財政を必要とすることから、今後十分検討を深めてまいりたいと思います。
 3点目の耐震性がない避難場所をどうするのかについてでありますが、災害の対応によるもので、災害によっては十分機能することも想定されますが、ご指摘にありますように防災会議で十分検討してまいりたいと考えております。
 次に、吉川河川の改修計画でございますが、二級河川吉川の改修事業につきましては、柿崎川広域河川改修事業吉川工区として、下条堰区間の改修工事が昨年度完了いたしました。今年度は下流域(柿崎町地内)からの改修が計画されておりましたが、春以来上流域の下町から小苗代間において河川のり面の崩壊が至るところで発生し、急遽、継続事業として取り組んでいただいております。議員ご指摘の代石地内におきましては、去る8月25日の集中豪雨により一部堤防を越水し、被害をもたらしました。町といたしましてもこうした被害を防ぐためにも早期に堤防整備を推進していくため、地元区長さんへの協力要請と県当局への要望を行ってきているところであります。  また、全体的な改修計画につきましては、柿崎川との合流点からの改修が計画されていますが、上流域の実態を重視しながら県当局に早期事業推進を要望してまいる所存であります。
 2番目の住民基本台帳ネットワークシステムでございますが、政府が個人情報保護法の成立を待たずに稼働に踏み切ったことをどう受けとめるかにつきましては、行政報告でも申し上げましたが、住民基本台帳法の改正を受けて実施されたものであります。当初は個人情報保護法との組み合わせで進められてきた経過から、慎重な取り扱いがされるべきとの所感を持っていますが、関係行政機関の利用事務を法律で規定し、目的外利用の禁止など個人情報保護措置が講じられていることから、法律の改正により一自治体としては法を遵守する立場から接続に踏み切ったところであります。個人情報であり、万全の体制で実施されることが望ましいと受けとめております。
 2番目の接続に当たって町の個人情報審議会の意見を聞いたかにつきましては、当初国は法律の改正であり、市町村の条例に基づく対応に消極的姿勢と聞いていましたが、自治体の条例をクリアする要請を受け、1月30日開催の吉川町情報公開・個人情報保護制度審議会に諮問し、適正の答申をいただきました。
 3番目のセキュリティー確保のための措置はという質問でございますが、個人情報が脅かされる危険な事態が発生したときにはネット切断をということにつきましては、吉川町住民基本台帳ネットワークシステム対応計画により対処することになります。不正行為発生時の対応として、システムのセキュリティーに与える脅威の度合いに応じて3段階に区分、レベル3の緊急措置としてネットワークから全部、また一部を切り離すこととしています。
 また、必要に応じ個人情報保護条例の改正にも着手を検討いたします。なお、国の個人情報の保護の早い成立を期待いたしております。
 3番目の障害者支援費制度についてでありますが、支援費制度につきましては、平成12年6月に社会福祉事業法の一部改正により、平成15年4月から現在の行政がサービスの受け手及びサービス内容を決定する措置制度から障害者の自己決定を尊重し、みずからがサービスを選択し、契約によりサービスを利用したものを行政が支援する支援費制度という仕組みに変わります。現在その移行に向けた県関係機関による説明会が7月から始まり準備を進めているところでありますが、取り扱い細部につきましては、まだまだ不透明な部分があります。町といたしましては、これによって障害者や家族に不利益を与えるようなことなく利用者の立場に立ったサービスの提供を受けられるよう支援する体制を整えたいと考えております。
 2つ目の質問でございますが、第1点目の制度の周知についてでありますが、全体的には広報を通じ、また関係者には個別にリーフレット等で十分周知したいと考えます。
 2点、3点目の相談窓口、利用者への対応については、窓口はきちんと福祉課に設けるとともに、現在そのケアマネジメントに当たるため職員3名が研修中であり、新制度に向けた体制整備を図っております。  4点目の町が指定業者にということにつきましては、町は利用者のケアマネジメントで最大限フォローすることとし、指定事業者になることまではできないと考えております。
 4番目の米政策問題でございますが、去る6月28日、食糧庁の生産調整に関する研究会」は「米政策の総合的検証と対応方向」をまとめ公表しました。米政策の再構築に向けた中間とりまとめであります。基本的考え方は需給に応じた生産体制の整備、消費者への食料の安定供給、農業経営の安定を基本としています。輸入米に関する記述がないことも事実でありますが、ガットでの交渉の中で既に国際間での合意がなされたとはいえ、米需要が減少する中で農業者への影響は大きいものがあることは事実であります。ご案内のように米の需給情勢は過剰基調で推移しており、市場原理導入により米価の低下がさらに進むものと懸念しております。  また、対応方向では生産調整面積の増加による閉塞感を指摘し、供給量を調整する手段として数量による調整を打ち出しました。町では生産調整において関係機関との連携を図る中で集落単位での生産調整を進め 100%達成をしております。数量による調整は集団転作等町農業に大きな混乱を起こすのではないかと懸念をしておるところであります。
 このような情勢の中で環境に配慮した良質米の生産が何より必要であり、吉川ブランド米の生産に向け関係機関、団体となお一層連携を強化してその推進を図ってまいる所存であります。
 米政策改悪に対して抗議をという質問でございますが、新たなる米政策に対して行動をとの質問でございますが、農業生産において米依存の極めて高い当町にあって、新たなる米政策が及ぼす影響には大変大きいものがあります。今後町村会を通じ農業者の立場に立った行動を起こしてまいる所存であります。


【橋爪議員の再質問】

 それでは、再質問をさせていただきます。
私にとっては任期中の最後の一般質問でございます。気のせいか、これまでの一般質問よりも具体的に丁寧にお答えいただいたような感じで受けとめています。そんなことで再質問については、簡潔に幾つかお尋ねしてまいりたいと思います。
 まず、最初の防災対策の問題でありますが、防災対策を考えるキーワードは、私は安全だと思います。町民の安全をどう守るか、この1点から何から何まで考えていかないと対応策は出てこないと思うんです。
 きのう、北朝鮮の事件がありまして、ちょっとニュースでは見落としてしまったんですけれども、東京電力が社内で調査した報告書が発表されました。私、きょう、新聞であれを見まして、果たしてこれでいいのかと思ったんです。
 というのは確かに東京電力自体が調査することについてはいいんですけれども、あの調査を見ても残念ながらこれからああいった不祥事が二度と起こらないという保証はないとそういう気がしたんです。特に私が問題にしたいのは今二度とああいう事態を起こさないためには、現在の国の体制を変えていかなければならないと思っているんです。
 どういうことかと言いますと、原子力の推進する機関とそれから原子力の問題に対して規制をする機関が同じところにある。今の保安院についても同じ経済産業省の中の一部門なんです。これは聞くところによりますと世界的な流れの中では信じられないようなケースなんです。
 ヨーロッパ諸国ではどうなっているかといいますと、国際原子力機関の勧告に従って原発を推進する機関とチェックをかける機関が別々なんです。お互いに独立した機関としてチェックができる、こういう仕組みになっている。日本でそれが実現されないと、ずっとこういう問題が続きかねない、私はそう思います。さっきも1回目の質問で言いましたように、今回の不祥事の発端は会社内部の人からの告発でした。ところが国が、保安院がその告発を受けて一番最初に何をやったかと、東京電力(?)へ電話したというんです。そして告発した人の名前まで言ってしまったというような報道もあります。これじゃ話にならん。こういった仕組みをぜひ変えてほしいと思います。
 そしてまだ新聞にこれから書かれていくんでありましょうが、例の保安院でわかったケースが29件という話になっていますけれども、実はそれ以外にも同じような事故隠しが起きているらしいと、こういう報道も一部の新聞で始まっています。恐らくそれが現実の事態となると私は思いますけれども、こういうことを考えますと、これからの対策については単に抗議をするだけじゃなくて、国に対して規制と推進する側を分離して、きちんとやりなさいという要請をしていく、これが大切になると思いますので、その点も頭に置いてぜひ対応していただきたいと思います。
 それから、2つ目の防災計画の問題です。確かにこれまで何回も議論をやってきて原発の問題では県と協議をしなければならないから町独自でやることはできないでしょう、そういう答弁を教育長が総務課長の時代から何遍も何遍も私、聞いてきました。
 しかし、今21世紀で地方分権の時代、こういう話になっています。何で町の住民の安全を守る計画を自分たちの町だけでつくることができないのか、独自の政策を盛り込むことができないのか、私は信じられません。
 きょうの上越タイムスを見ましたら、大潟町では防災計画の一部に原子力防災について書かれているというような報道もありました。柿崎町でしたか。そんなのもありますと私はこれまでの皆さん方の答弁についても再検討する必要があるし、それから県との協議のあり方についても再検討を加えていく必要がある、そうでないといつまでたっても従来のままです。
 吉川町でもってきちんと防災計画を立てて、その中に原子力防災を大きな柱に据えて町民の安全を守るという形ができないと、国や電力会社任せということになってしまう。その点を改めて町長からお答えいただきたいと思いますが。似たような立場にある自治体が幾つかございます。そういうところとも協議をしながらぜひ町の防災計画に原子力防災を据えるという、その課題に着手してほしいと思います。
 住基ネットの問題に入ります。この問題で私が町長にやってほしいという課題は3つあるんです。
 1つは、やはり政府の対応についての批判をちゃんとしてほしい。小渕総理大臣が住基法の改正をするときに国会でもって公約したんです。個人情報の保護法をつくるという問題、これが前提だという、こういう話をしたわけです。それがない中でやってしまったということについては、これは重大な公約違反ですし、その点については厳しく批判の声を自治体の長が次々と上げていかないといけないと思う。
 2つ目に、やはり、町でも一定の計画等をつくられて措置に踏み出したようでありますが、個人情報を守る最大限の措置をとる、今法律の規制もあるだろうけれども、町の中でできることがどんなことがあるかということについて、さらに検討を加えてほしい。先ほど行政報告で言われた計画を私まだ見ていないんで、これから十分検討させてもらいたいと思いますが、自治体によっては常時接続しないで夕方から30分間だけ接続するとか、そういった形をとっているところも幾つかあるやに聞いています。そこら辺、恐らくウイルス対策とかその他もろもろのことも考えての自治体の対応だと思いますけれども、私は最大限、この吉川の町としてできることが何かということについて、もっと詰めて議論していきたいと、そう思いますので、その点よろしくお願いいたします。
 それから次に、障害者支援費制度の問題で再質問させていただきたいと思いますが、私は介護保険と同じような仕組みになるとさっき1回目の質問で言いました。本当に今の支援費制度の流れを見ていまして、本当、同じようなパターンで進んでいるんだなと思っていますが、しかしそれにしても介護保険当時に比べて力の入れ方が非常に弱い、スピードも遅い、さっきも言いましたように10月から申請の受け付けが始まる。始まるのに担当者が今研修に行っているような段階です。この間も役場の担当者3人が研修に行ったでしょう。来月ですよ。これは町の責任でというよりもむしろ上の方の責任だと思いますけれども、こういうことでいいのかと。申請するにしてもどういうサービスをどんなふうに受けていいのかという、そのこと自体わからない。自治体関係者に対する説明は7月から始まったそうです。けれども町内の二百数十人いるうち何人対象者になるかわかりませんが、町内の対象者に対して説明会を今やれる体制にありますか。ないでしょう。これが私は大問題だと思います。ぜひこういったことを速やかに関係者に伝えてほしいし、何よりもこれまでのサービスを後退させないという構えで臨んでほしい。場合によっては私はそう思うんですけれども、支援費の額とか利用者の負担額、これは県や国が決めるのではありませんよね、この吉川町が決めることになっています。その額の決定に当たっては、これまでと比較して負担が多くなる、そういうことのないように、サービスが悪くなることがないようにぜひ思い切った措置をとっていただきたい。そのことをお願いしておきたいと思います。
 米の政策の問題では基本的に私の求めたとおりの答弁が出ましたので、終わります。


【角張町長答弁(2回目)】

 東電の問題につきましては、あってはならないことが起こったわけであります。まことに遺憾に思っておるわけでございます。今後は徹底的な全容解明とやはり再発防止の作成を求めるものであります。また、安全管理の透明性の確保、また地域住民の不安を取り除く、やはりこうであるから心配ないんだという国の姿勢がこれから求められるのではないかと考えます。議員ご指摘のことにつきましては、国・県にきちんと対応してまいりたいと考えております。
 また、防災計画のことにつきましては、やはりご指摘のように近隣の似た町村ともやはり協議も必要であり、また県との協議も必要になってくると思いますが、今の段階は先ほどお答えいたしましたように、やはり圏域を広げていくということも要望活動してまいりたいと考えております。また、何回かご質問の中でありましたように、吉川町のマニュアルをつくる、このことも宿題になっております今、検討中でございます。このことを重ねながら防災計画、住民の安全性を第一に考え、防災計画の策定に当たってまいりたいと考えております。
 次に、住基ネットでございますが、この問題につきましては、住民基本台帳法の改正に伴い実施いたしたところでございます。議員ご指摘のことにつきましては、先ほど申し上げたとおりでございます。
 また、障害者支援費事業につきましては、言われるとおり利用者の立場に立ったサービスの提供が受けられるよう支援対処を強化してまいりたいと考えております。
以上でございます。


【橋爪議員の再再質問】

 防災対策の問題、原発関連の問題ですけれども、町長の今の答弁については、一般論としたらそれでいいんですけれども、私が再質問でお尋ねしたのは具体的に聞いているんです。
 今の調査のやり方、原発政策の進め方、そこに体制的な問題があると、根本的にあるという指摘しています。原子力を推進する機関と規制する機関を分離して、独立して対応するように求めていってほしいというお願いなんです。これがないと今の事件の不祥事についても徹底解明できないと思うんです。今のこの事態の解明については、もう保安院に任せておかれない、第三者機関でもってちゃんと調査してもらいたい。
 それから、今後の問題についてはやはり国際原子力機関の勧告に基づいて原子力の規制をする機関を国に独立した機関としてつくると、これをぜひ働きかけてほしいんです。
 それから、防災計画の問題。お願いしましたように、似たような近隣町村との協議も当然必要になってくるでしょう。しかし、その前に吉川町の町長として、どうすべきかということを私は語ってほしい。議長が盛んに地方分権の時代だというふうに、あいさつになると必ず話されますけれども、今本当に地方分権の時代に入って町のこと、自分たちのことを自分で決める、これが当然の姿になってきているんです。そういう中で自分たちは自分たちの防災計画をどうすべきなのかというのをちゃんと語ってほしいと思います。その上で柿崎町や大潟町あるいは小国町、その他幾つか似たような町村との協議、これもしていただきたい、そう思いますがいかがでしょう。


【角張町長答弁】

 ご指摘の点につきましては、いろいろ第三者機関を策定しながら、また国・県にご指摘の点につきましては、ご要望に対応してまいりたいと考えております。
 町の防災計画につきましては、先ほどから申し上げておりますように、町独自の事につきましてはマニュアル等、また圏域の拡大等これから要望してまいりたいと考えております。いずれにしろ町民の安全を第一に考えたものでなければならんと考えております。


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