2007年3月議会での一般質問 |
◆1番(橋爪法一議員) |
おはようございます。吉川区選出の橋爪法一でございます。 まず最初に、昨日発生しました石川県沖の地震で被災された皆さん方に心からお見舞いを申し上げたいと思います。 さて、私の質問でありますが、今回は三つの問題で質問をさせていただきます。一つは農業問題です。二つは保育園と住民サービスの問題。そして、三つ目は限界集落対策についてでございます。どうぞよろしくお願いいたします。 まず最初に、農業問題でありますが、御案内のようにことしは戦後農政の大転換といった変わり目の年であります。この上越市は2年前に合併いたしまして市域が非常に広くなりました。そこに働く農業者の数は、一昨年の農林センサスによりますと1,574戸になっています。そして、販売農家の経営する耕地面積は1万3,236だったでしょうか、非常に多くの面積を耕作されております。まさにこの上越市というのは農業都市だということを改めて私も認識しているところでございます。 そういう中で、今この新たな農政、農業政策に対してどういうふうに対応するかということが問われていますけども、私は今のこういう状況の中で、二つの組織の動きに注目しています。一つは上越市の農業委員会です。もう一つは上越市の食料・農業・農村政策審議会、どちらもそうそうたるメンバーの皆さん方が真剣に議論をされて、そして市当局にもいろんな注文をされています。そういったことを踏まえながら、私は市長に3点についてお尋ねしてまいりたいと思います。 まず第1点は、市の農業委員会の果たす役割の問題であります。現在47人の農業委員の皆さん方が頑張っておられますが、そのうち40人は公選で選ばれた農業委員さんたちです。顔ぶれを見てみますと、稲作の専門家あり、それから野菜の専門家もいる。花が大好きで、花の栽培で一生懸命頑張っている人もいる。あるいは農産加工で成績を上げておられる委員さんもおられます。そして、私は感心しているのは、そのそれぞれの委員の皆さん方が地域で農業のリーダーとして最前線で頑張っておられることであります。 私は、こうした皆さん方の意見というのは十分聞いていかなきゃならんと思いますけれども、市長はこの農業委員会が果たしている役割について、どのように認識されているのか、お答えいただきたいと思います。 二つ目にお尋ねしたいのは、この農業委員会が合併してから初めて市長に対して要請書を提出いたしました。たしか1月17日だったと思います。この要請書の中には8項目あったんですが、品目横断的経営安定対策を初めとして担い手の問題とか、あるいは農村振興の問題、じっくり議論されていいまとめをされたと思います。新聞でもその要請を出したことが載ったんですけども、ところがその中身が新聞にも報道されていないし、私たちのところにもほとんど伝わってこない。非常に残念な状況が生まれています。この要請書に対して市長は一体どういう対応をされたのか、そのことを今回明らかにしていただきたい。 お尋ねしたいことの3番目は、食料・農業・農村基本計画のアクションプラン、その策定に当たってどういう課題があって、どういう問題点があるのかという整理をされているかどうかというところであります。3月13日に私政策審議会ずっと傍聴させてもらいました。顔ぶれを見てみましてもほとんど知っている人でしたけども、本当にいい議論のできる経験を積んだ人たちばかりでした。その人たちが本当に意欲を持って議論して、計画、アクションプランをローリングしていくということになりますと、事務局がやはりきちんと整理をしていないと私はまずいと思う。それがどうもきちんとやられていないという印象をぬぐい去ることができませんでした。そこら辺どうなっているのか、明らかにしていただきたいと思います。 次の問題に移ります。保育園の問題と、そして住民サービスについてでございます。今回の議会で大きな話になった、テーマになった保育園の通園バス、この制度をどう統一するかということが直接的な契機ですが、私が今回この問題を質問した理由の一つ、きっかけになったのはもう一つあります。ここに持ってきたんですが、1枚のはがきです。恐らく30代の女性の保護者の方からのはがきだと思いますが、子育て真っ最中の方が、この1枚のはがきにびっしりと保育に関する要求を書かれてこられたんです。保育料の問題、それから保育時間、保育所の給食、何とかしてほしい。保護者で集まるといろんな不満の声が上がりますが、狭い地域なのでなかなか本音を保育園に言えません、こういったことで私に下さった。私は、このような若い方々の皆さん方の声というのはしっかり受けとめる必要がある。直ちに関係課に問い合わせて調査もいたしました。また、保護者や保育園の職員にも当たって調査をしてきました。そういう中で、私は何とかしてやらなきゃならないなという思いを強くしたのであります。 そこで、市長に3点お尋ねしたいと思いますが、まずお尋ねしたいことの1点目は、今保育園バスを初め幾つかの保育園をめぐる制度の統一の動きがございます。この制度の統一に当たって、市長は基本的にどういう考え方のもとで、どういう基本的な姿勢でこの問題に当たろうとしているのか、これをはっきりと打ち出していただきたいのであります。その辺の御見解を求めたい。 第2にお尋ねしたいのは、保育園の給食の問題です。既に御案内だと思いますが、吉川中央保育園など一部の保育園におきまして、これまで保育所で御飯を炊いて保育所で給食を提供するという方式が4月から変わろうとしています。家庭から弁当を持ち込んで保育所で御飯を食べるという形に変わろうとしているんです。私は、これは明らかに子供たちにとってはサービスの後退だと、保護者にとってもサービスの後退だというふうに思うんですけども、この給食の統一の問題について、市長はどのような基本的な考え方で臨まれているのか、これをお答えいただきたい。 お尋ねしたいことの3番目は、通園バスの問題です。これは先日柳沢議員が本当にいい議論をしてくれました。私も思いつかないような角度から本当に保護者、子供たちの立場に立った受益者負担論というものを展開してくれた、感謝しています。同じ話をする気はありませんが、私は通園バスの制度がこの上越市の中でさまざまな制度としてある中で統一を図るんであるならば、やはり一番いいサービスのところに統一するというのが基本でなければならないと思うんです。市長は、そうしたことについて基本的にどう考えているのか、これも明らかにしていただきたいと思います。 最後の質問に入ります。最後の質問は、限界集落対策の問題です。この問題は昨年の3月議会でも私取り上げました。あれから1年たちまして全国で限界集落対策についての関心が非常に高まってまいりました。その背景には国土交通省が過疎地域の指定をした775の市町村の集落の実態調査をしたというのがあります。それから、京都府の綾部市のように、限界集落の救済を目的にして水源の里条例という条例をつくったところもある。さらに、上越市や佐渡のように市内の限界集落どうなっているか、要望はどういうのがあるのか、それを綿密に調査した、そういう動きもございます。 特に私はうれしいのは、この上越市の取り組みについて今全国的な注目が集まっていることであります。その理由は、全国一大合併をして、コスト論から言えば一番見放されやすい限界の集落に目を向けて調査に乗り出した、その姿勢に対する評価です。そして、調査の内容も方法も現地に足を運んで調べると、これもまたすばらしい。担当課には質問、問い合わせが相次いでいるそうですけども、質問者である私のところまで取材やいろんな問い合わせが来ています。私もそうした動きにあわせて昨年1年間区内でいろんな調査をさせていただきました。吉川区内には七つの限界集落がありますが、すべて訪問をし、すべて懇談会を開いて要望を聞いてまいりました。また、準限界集落にも赴いて、どうなのかという実態調査もさせてもらいました。 やっぱり現場へ入ると目に見えないものが見えてきます。一、二例を挙げますと、限界集落という言葉を聞きますと、そこに住んでおられる皆さん方は何か暗いイメージでとらえられやすい、いつも下の方を向いて歩いているんではないかと思われがちなんですが、しっかり前を向いて歩いておられます。しかも明るい。きょうは1枚の写真を持ってきましたが、吉川区に川谷出張所というところがあります。これ木曜日大変にぎわっている。5人、6人で大変にぎわっているとはあれなんですけども、ここではそうなんです。この表情を見てください。撮ったのは私ですが、私の顔を見て笑っているわけじゃないんです。皆さんが笑っているところを私撮ったんです。非常に明るい表情をして暮らしておられます。そういうところはやっぱり調査しないとわからないです。また、農協の問題もそうですけども、行政だけ動いたって解決しないということがわかってきました。農協も郵便局も、それからできればNPOも一緒になって動いてくれないと解決はしないということがわかってきました。 こういう状況でありますが、市長に私は3点伺いたいと思います。 昨年私の質問によって調査を約束されましたが、これまでどこまで調査をされたか、そのことを明らかにしていただきたいと思うのであります。到達点です。 そして、お尋ねしたいことの2番目は、そうした調査の中でどんなことがわかってきたのかということも、まだ最終結果は出ていないそうですけども、今わかる範囲でようございますから明らかにしていただきたい。先日の宮崎議員の質問に対して、限界集落だけではわからない問題が見えてきたという答弁がありました。もう少し具体的にそこら辺も含めて御答弁いただきたいと思います。 そして、最後は、こうした調査結果を踏まえて今後どうするかという問題です。私もいろいろ現場に入って思うのは、今限界集落と呼ばれているところで取り組まれている市のいろんな取り組み、中には非常にいいものがある。そういったものはしっかり守ってほしい。保健集会とかあるいは冬期保安要員制度とかあります、こういったことがまずやらんきゃならんと思います。また、皆さん方が現地で調査された中でいろんな要望が寄せられたと思います。その要望にこたえることも大事です。そしてもう一つ、先ほど例に挙げました京都府の綾部市のような先進的な取り組みについても積極的に調査に出かけて、そしてそのいいところを吸収してくる、この作業も私はぜひやってほしいと思います。そういった意味で市長からどうお考えか、御見解を伺いたいと思います。 以上で終わります。 |
◎木浦正幸市長 |
最初に、農業問題についてのお尋ねにお答えいたします。 まず、農業委員会の役割をどう認識しているかとの御質問であります。議員御案内のとおり、農業委員会の役割は農業委員会に関する法律の第6条にその所掌事務が規定されており、法律上は三つに区分されております。第1は、第6条第1項に規定されているいわゆる法令業務であります。これは、農業委員会の専属的権限に属する所掌事務とも言われております。第2は、第6条第2項に規定されているいわゆる農業振興業務であり、第3は第6条第3項に規定されている意見の公表、建議及び諮問に対する答申の業務であります。第2、第3の業務は、第1の法令業務に対して任意業務とも言われております。戦後の農地改革以来の農政の大改革が本格実施されるこの時期において、農業委員会は農業者の公的代表機関として、また地域農業のコーディネーターとしてその役割は非常に重要になっていると認識いたしております。 第1の法令業務においては、新年度からの農政改革はもとより、農業者の高齢化のほか法人や営農組織など農業経営形態の変化があり、担い手の育成、確保に観点を置きながら優良農地を守っていく活動が必要になっております。また、第2、第3の任意業務については、地域農業と農業者が激しい産地間競争に勝ち残り、農村地域が活性化するために効率的な農地利用と生産性の向上など、農業経営の合理化に向けて市の農業行政と強く連携した活動になることと思いますし、大いに期待いたしているところでございます。 また、農政の激動期を迎えている農業者の気持ちを的確に把握しながら農地制度、農地行政の改革が動き出そうとしているこの時期において、農業・農業者の公的代表機関としての要請や建議は、農業委員会の重要な役割になると考えております。私といたしましても、農業委員会が多くの議論を経てなされる要請や建議には真摯に受けとめさせていただき、農業行政に反映させてまいりたいと考えておりますので、建設的な要請や建議を期待いたしております。現在も上越市食料・農業・農村政策審議会や担い手育成総合支援協議会などに農業委員会からも参画いただくなど連携を図っているところでございますが、これからの激動の農政改革の荒海を乗り切るために農業委員会との情報交換など意思の疎通を図り、より一層強く連携しながら農業の課題に立ち向かってまいりたいと決意いたしているところでございます。 次に、合併後初の要請書にどうこたえたかとの御質問にお答えいたします。去る1月17日に上越市農業委員会より、ひかりかがやく上越市農業の実現に向けた要請書を受け取ったところでございます。これは、合併して初めてとなるもので、私といたしましても、農業者の代表である農業委員の皆さんの地域農業と農村地域の発展に対する熱い思いが込められたこの要請を真摯に受けとめさせていただいたところでございます。その内容は、品目横断的経営安定対策の円滑な推進に向け、認定農業者等の担い手の確保、育成を図るための施策を拡充すること、また合併により農地など市の有する全国有数の農業資源を有効に生かし、農地保全など独自の施策を展開し、地域全体の着実な発展を続けるための農村振興対策の拡充を要請するものでございました。 このことは、私が日ごろ申し上げております目指すべき上越の農業像に対する御支援のお気持ちも大いに感じたところでございます。要請書をお受けしたのがちょうど19年度予算編成の大詰めの段階に差しかかっていた時期ではありましたが、早速関係部署に指示し、できる限り要請の内容を予算に反映したところでございます。もちろん要請の内容は単年度で完結できるものとは考えておりません。そのほとんどが私の目指す上越市農業の方向と一致しておりますことからも、今後とも地域農業の持続的発展と農村地域の振興に対する施策は継続して行うことは当然であり、より計画的かつ効果的な施策に発展していかなければならないと受けとめているところでございます。 いずれにいたしましても、当市の基幹産業の一つであります農業は、他生産の礎であり、また地域に密接にかかわりを持っていることからも、農業委員の皆さんのお力をおかりしながら農業者の皆さんの意向を十分に把握し、ともに上越市農業の振興と発展に努めてまいる所存でございます。 次に、食料・農業・農村アクションプラン推進上の課題と問題点についてどう考えているのかとの御質問にお答えいたします。御案内のとおり、市では食料・農業・農村基本条例を制定するとともに、あわせてその基本計画を策定し、地域農業の持続的発展に向けた施策を展開しているところでございます。昨年5月には合併に伴う市域の拡大や国内外の農業をめぐる情勢の急激な変化を踏まえ、基本計画を改定し、あわせて前期5カ年の実施計画である食料・農業・農村アクションプランを策定いたしたところでございます。 アクションプランは、基本計画の実効性を高めるため、平成18年度〜22年度の間に最優先で取り組むべき食料、農業、農村の各分野における目標を設定し、その達成に向けて取り組むべき主要な事業を掲げ、年度ごとにその進捗を検証、評価しながら策定していくものでございます。特にその中で、農業をめぐる国内外の急激な情勢変化に対応するとともに既に始まっている激しい産地間競争に勝ち残るため、上越米のブランド化、担い手の育成、農地・水・農村環境の保全を最優先課題として位置づけて取り組んでいるところでございます。 まず、上越米のブランド化については、いかに他産地との差別化を図り、他産地の米が価格を下げる中でも上越米を高価格で安定的に購入してもらえる顧客を確保することが喫緊の課題であります。そのためには、地域全体での環境保全型農業の取り組みを基本として、上越米の品質と食味のより一層の向上と均一化を図ることにより、上越米なら間違いないと消費者からの信頼を獲得することが最も重要であります。それには生産者が共通の認識のもとに、消費者から求められ、売れる米づくりに取り組むとともに、消費者から認知されるように大消費地に向けたPRや消費者団体との交流拡大など積極的な販売促進活動を展開しなければなりません。上越米の生産と販売の両面から体系的で総合的な取り組みを展開していくには、関係機関と農業者団体との一枚岩となった連携と全農家の協力が不可欠でございます。 次に、担い手の育成につきましては、まずは国の経営安定対策の支援対象となる意欲と能力のある担い手の育成を最優先として、経営規模の拡大や集落営農の法人化に向けて支援いたしているところでございます。ごく近い将来、WTOにより国境措置が撤廃され、日本農業が大打撃を受けたとしても、上越市農業を支えていくことができる強い経営体を育成していくことが喫緊の課題でございます。農地、水、農村環境の保全につきましては、今後農業従事者の減少や高齢化により、農地や農業用水などを農業者だけで保全できないことは明らかでございます。農業の持つ美しい景観や環境保全、国土保全などを含めた多面的機能を市民共通の財産として次代に引き継ぐことの重要性を広く市民に理解していただき、ともに守っていくとともに環境保全型農業を推進することが極めて重要となっております。しかし、これらの課題について農業者団体や関係機関との認識は一致しているものの、農業者等への周知と関係団体間における理解度については必ずしも十分ではないのではないかと感じているところでございます。 いずれにいたしましても、アクションプランに掲げる施策や各事業の実効性を高めるには、農業者を初め関係団体や関係機関が共通理解のもとに連携することが不可欠でありますので、そのことに十分留意し、広く市民を巻き込んでいかなければ地域農業の持続的発展はあり得ないものと考えているところでございます。 次に、保育園と住民サービスについてのお尋ねにお答えいたします。まず、保育園についての制度統一の基本姿勢はどうあるべきかとの御質問であります。保育園の施設や保育内容に関しましては、御承知のように法令及び法令に基づく基準、または厚生労働省の通達に基づきそれぞれ必要事項が定められ、運用されているところでございます。このうち保育園の施設につきましては、児童福祉法の規定により定められている児童福祉施設最低基準によって児童数に応じた保育施設の大きさや職員数、保育時間等が定められております。また、保育の目標や具体的な保育の内容については、厚生労働省の通達による保育所保育指針で定められております。当市の保育園は、認可保育園としてこれらの法令等に従い設置及び運営されており、合併と同時に策定いたしました上越市保育計画に基づき日々の保育業務を行い、児童の安全確保や心身の健全な育成に努めているところでございます。 したがいまして、保育園は法令に基づく児童福祉施設として基本的な部分は市町村合併による影響はないものでございますが、個別の保育園におきましては、保育所保育指針や保育計画に基づき、それぞれ保護者のニーズや地域の状況等を踏まえて日々の保育活動や年間行事等を計画的に実施いたしております。また、保育園の管理運営に関する事項につきましては、基本的には合併前の上越市に統一することといたしておりますが、地域性やこれまでの慣例等で定着しているものについては、不公平感や全体の統一を大きく損なうことがない範囲で継続しているところでございます。 いずれにいたしましても、保育園にかかわる制度の統一については、地域の個性や特徴を生かしながらも公正、公平で多くの皆さんから御納得のいただけるものでなければなりませんし、そうした視点で総合的に進めてまいりたいと考えております。 次に、保育園給食の統一のあり方についてどう考えるかとの御質問にお答えいたします。保育園における給食は、1日の生活時間の大半を保育園で過ごす園児にとりまして大きな意味があるものと考えております。厚生労働省は、乳幼児期からの適切な食事のとり方や望ましい食習慣の定着、食を通じた豊かな人間性の育成など心身の健全育成を図ることの重要性にかんがみ、平成16年3月に「楽しく食べるこどもに」と題した保育所における食育に関する指針を示しております。 当市の公立保育園では、「楽しく食べて元気な体」を目標とした給食年間指導計画の中で、年齢別に給食のねらいや食育の内容を示し、この計画に基づき管理栄養士が全保育園の統一献立を作成し、実施いたしております。献立作成に当たっては、成長著しい乳幼児期に必要な栄養量を摂取できるよう厚生労働省による栄養所要量をもとに献立を立てております。また、子供たちが集団生活の中で楽しみながら、正しい食習慣を身につけることができるよう保育士が指導いたしているところでございます。 給食の内容につきましては、ゼロ歳児にはミルク及び成長過程に応じた離乳食を、1歳児及び2歳児には昼食及びおやつを、3歳以上児には主食を御家庭から持参していただき、保育園では副食及びおやつを提供いたしております。ただし、吉川区の二つの公立保育園につきましては、3歳以上児の主食についても保育園で炊飯する方式を採用し、今年度まで継続してまいりました。吉川区では、合併前から独自に各保育園に炊飯設備を備え、園児が各家庭から持参した米を職員が調理室で炊き上げて提供してきた経緯がございます。しかしながら、御承知のように国の制度においては保育所運営費には主食分の経費が除かれているため、全国的にはほとんどの自治体で国の基準に沿って主食を持参していただく給食形式をとっているところでございます。吉川区においては、合併前の平成16年から3歳以上児における副食給食への移行について保護者の皆さんに説明し、御理解をいただいてきたと聞いております。 また、合併後におきましても、経過的な継続とあわせて19年度からの移行を保護者会にお伝えしてまいりましたし、ことしに入ってからは吉川区地域協議会の皆さんにも御説明申し上げ、御理解をいただいてきたところでございます。こうした経過を経て、19年度から当市の他の保育園と同様に吉川区におきましても副食給食に移行するものでございますので、御理解を賜りたいと存じます。 次に、通園バス制度の統一のあり方についてどう考えるかとの御質問にお答えいたします。通園バス制度の統一につきましては、さきの柳沢議員の御質問にもお答えいたしましたとおり、さまざまな運行の現状を把握した上で、合併協議に基づき、現状の運行体制を維持することを前提に新制度の検討を進めてまいりました。制度統一の基本的な考え方は先ほど申し上げましたとおりであり、通園バス制度の統一につきましても、まずは公正、公平でなければなりませんし、保護者の皆さんを初め市民の皆さんから御納得のいただけるものでなければならないと考えております。 改めて統一の内容について申し上げますと、第1は通園バスの運行主体は市とするものの、保護者会や地域振興会などの地域の組織や団体に運行業務を担っていただくこと、第2として、運行に要する経費の一部を御負担いただくという観点から、児童1人当たり月額2,500円の通園バス利用料をお願いいたしたいということであります。今後の手順といたしましては、今ほど申し上げました統一内容について保護者の皆さんや地域の皆さんに十分に御説明し、さらに各区においては地域協議会へ諮問することといたしておりますので、そうした皆さんの御意見や地域協議会からの答申を踏まえて市として新制度を決定してまいりたいと考えております。 次に、限界集落調査についてのお尋ねにお答えいたします。まず、調査の進捗状況はどうかとの御質問であります。65歳以上の高齢者が集落人口の半数を超え、冠婚葬祭や道普請など集落における社会的共同生活の維持が困難な状況に置かれているいわゆる限界集落の問題につきましては、昨年の3月定例会において議員から御質問をいただき、その際十分な現状分析と将来予測のもとに総合的な施策や事業を検討していくため、まずは早急に実態を把握したいとお答えいたしたところでございます。その後、調査の実施に向け、庁内の関係部局及び総合事務所に協力体制を組ませ、調査の実施方法や調査項目などについて検討を進め、現地調査には六つの調査班を編成し、昨年11月13日〜12月15日にかけて調査対象とした53集落に伺って聞き取り調査を行ってまいりました。 調査対象集落の選定に当たりましては、まずは人口の高齢化が進んでいる集落における集落機能等の実態を把握することとし、具体的には65歳以上の方が集落人口の半数以上を占めている53集落を調査対象としたものでございます。現在調査を担当した職員を中心に調査結果の取りまとめや課題の整理等を行っているところであり、早急に報告書を取りまとめ、公表いたしたいと考えております。 次に、これまでの調査でどのようなことがわかったのかとの御質問にお答えいたします。今ほどお答えいたしましたとおり、調査結果につきましては、現在取りまとめを行っているところでございます。細部につきましては後ほど報告書で御確認いただきたいと存じますので、ここでは調査結果の大まかな傾向について御紹介させていただきます。 まず、調査に伺った集落の皆さんの日常生活の状況に関しましては、皆さん非常に明るくお元気で、また皆さんで力を合わせて頑張っておられる姿を拝見させていただき、まずは大変心強く受けとめたと聞いております。しかしながら、今後さらにお住まいの皆さんの高齢化が進んでいくことが想定される中で、例えば高齢者の皆さんの健康維持の問題として、病気や寝たきりになってしまった場合の生活の維持に対する不安や、雪の問題では屋根の雪おろしや道つけなどの作業が自分ではできなくなってしまうことなどに対する不安感が大きいことがうかがえます。また、現在は自家用車で移動できる皆さんも、今後高齢化とともに自家用車での移動が困難になってくることが想定される中では、通院や買い物などにおける移動手段の確保にも不安をお持ちであることがわかりました。 次に、集落維持の見通しについて見てみますと、人口の減少と高齢化により集落における共同作業の実施などが徐々に困難になってきており、このままでは集落の維持は難しいとする集落あるいは今はまだよいが5年後、10年後の見通しは立たないとする集落が約8割に達しております。一方、後継者が同居している世帯が全体の2割弱にとどまっている中で、今後とも後継者と同居せず、現在地に住み続けたいとする世帯が多数を占めておりますことから、現在お住まいの地域での暮らしに強い愛着心をお持ちであることを改めて認識いたしたところでございます。 次に、調査の結果を踏まえ、これからどのような対応を考えているのかとの御質問にお答えいたします。このたびの調査は、いわゆる限界集落化が懸念される地域に対し、総合的な施策や事業を検討していくための足がかりとするため、その手始めとして高齢化が進んでいる集落の住民の皆さんの日常生活や集落における共同活動の取り組み状況などについて、その実態を把握し、その結果を十分に検証する中で、これらの地域における問題点の把握や課題の整理を行っているものでございます。したがいまして、今後この調査の結果から整理された課題をもとに、例えば地域の住民の健康維持や雪への対応など幾つかのテーマを設定し、それぞれ関係する部署の職員で横断的に構成するワーキンググループにより幅広い視点から総合的な問題解決に向けた具体策の検討を進めさせたいと考えております。その際、施策の具体化に向けて地域の皆さんの声を十分に反映したものとするため、改めて詳細な調査をさせていただくことが想定されますし、また調査に伺う集落につきましても、今回お話を伺った53集落にこだわらず、その課題に直面している集落にお願いしていくことになるものと考えております。 なお、この問題につきましては、それぞれの集落の置かれている状況が異なることなどから、一つの施策がどの地域にも等しく効果を発揮するとは限らず、またその効果のあらわれ方も異なってくるものと考えられることから、対応の難しさを感じているところでありますが、今後とも限界化に向かう集落の増加が懸念される中で、中長期的な視点を持って粘り強く取り組んでまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、私は今それぞれの地域に愛着を持ってお住まいの皆さんから、これからも安全に安心して暮らし続けていただけるようしっかり意を尽くしてまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。 |
◆1番(橋爪法一議員) |
それでは、順次質問をしていきたいと思いますが、まず農業問題です。私は、今年度から始まります新しい政策にどう対応するかということを考えたときに、上越市として一番基本に置かなきゃならんのは、平成12年の3月24日に制定された上越市の食料・農業・農村基本条例だというふうに思うんですけども、市長の見解はどうでしょうか。 |
◎木浦正幸市長 |
そのとおりであるというふうに思っております。 |
◆1番(橋爪法一議員) |
私と見解が一致しましたが、私も平成12年に制定された直後からこの条例に非常に関心を持ってきました。前にも述べたかと思いますけども、この上越市の基本条例は、何よりもまず環境保全型の農業を追求しているという点ですばらしいところがあります。それから、上越市というエリアの中でどういうふうに地域自治を進めていくか、農産物の生産についても個別に目標を持って、そして取り組んでいくというこれを示した。これもすばらしい。そして、今回改めて読んでもう一つ発見したんです。それは何かというと、担い手の問題です。国の食料・農業・農村基本法と読み比べてみても、私はこの上越市の基本条例はすごいと思います。第13条、担い手の育成及び確保等というところで、どう書かれているかといいますと、市は認定農業者、その他農業経営に意欲のある農業者が農業の中心的役割を担うような農業構造を確立するため、誇りを持って農業に従事し、かつ安定した収入が確保できるように必要な施策を講ずるものとすると、社会の変化に対応できる多様な農業の担い手の育成確保を図ると、具体的に法人化の推進もありますが、家族経営の活性化あるいは高齢者が直接農業に携わることについても担い手のところで言及しているんです。ここまで踏み込んだ条例は恐らく全国でも少ないと思います。今本当に一部の農家あるいは農業団体にだけ支援の手を差し伸べようというときに、この上越市の最も基本とすべきところで、その条例の中でこういう規定があることは私はすばらしいと思うんですけども、市長はこの点についてはどういう御認識でしょうか。 |
◎木浦正幸市長 |
条例につきましての再度の御質問でございますが、条例は条例でしっかりその現状を把握しながら上越市農業の将来のあり方についてるるその精神、理念を述べたところでございますが、しかし現状はさまざまなことがございますし、外の圧力あるいは内の問題、課題、それらをどう調整して打開する各施策を理論的にあるいは全市的に対応していくかという非常に難しいものでございますので、それらの条例につきましては、具体的にしっかりと上越市農業の基盤をつくっていけるだけの条例でございますけれども、現状に合わせて各施策を講じながら、それを担っていただける農業者の皆さん全体に理解していただけるように、あるいは市民全体がそれを市の財産として受け入れていただいて応援していただける体制、これが大切でございますので、その理念としてしっかりうたってございますので、それらを市民全体に共有していただけるように、しっかり意を用いてまいりたいと、こう思っております。 |
◆1番(橋爪法一議員) |
この条例のとらえ方ですけども、条例としてどうこうという話あるいは理念としてどうこうというよりも、私は市長として、この上越市の農業を振興する上で基本条例なんですから、私はあくまでこれを基本に置きますよという立場を貫いていただきたいと思います。当然そこにおいては現在のいろんな施策の変化もありますから、それに対応した、柔軟な対応をすることもあり得るだろうけど、基本には基本条例があるんだよということでやっていただきたい。その上でアクションプランの話をさせてもらいます。 13日に、私先ほど言いましたように傍聴させてもらったんですが、基本条例があり、基本計画があってアクションプランがある。そういう中で一つ気になったのは担い手の問題で、先ほど私が言ったような国とちょっと認識の違うものがありますけども、そこら辺がどう位置づけられてアクションプランまで流れてきているかというのが見えない。 それから、アクションプランをずっと読み直してみますと、これ5年計画ですよね、5年計画で毎年ローリングして見直すことになっている。見直すということになれば当然1年間どういうことをやってきて、どこまで到達したのか、どういう問題点があるのか、その整理をして政策審議会に事務局として今の状況はこうですと、そしてローリングしてこういうふうに直したらどうでしょう、この提案をしなきゃなりません。ところが、そこら辺が欠けているような気がしてならない。欠けているというとちょっとあれだかもしれませんが、十分でないと思います。これは市長というよりも農林水産部長にお尋ねしたいと思います。今私が申し上げた2点についてどのようにお考えでしょうか。 |
◎野口和広農林水産部長 |
それでは、私の方からアクションプランの作成に当たってのローリングについての質問にお答えいたします。 まず1点目、担い手についての姿がよく見えていないということでございます。この担い手論につきましてはさまざまな見方があると思います。私どもは、この19年から、これから始まる品目横断的な安定対策に対しまして、非常に農家として生きていかねばならない、そういった意味から考えると、この施策に乗れる農家、認定農業者、そういったものをやはりつくっていかねばならないということだと思っております。特に18年を評価するに当たりまして、WTOの国際情勢の変化が思ったより早く来るというふうに予想できました。そういったことから、さっき市長が申し上げましたように、今回はその担い手の育成、そして売れる米づくりのブランド化、そして農地、水、環境保全向上対策、その三つを最重要課題として焦眉の急を要するものとして位置づけしたものでございます。そういった意味で、特に担い手については認定農業者、そして認定農業者は難しい、大規模に農地を集めることが難しいものについてはやはり集落営農の法人化、そしてむだなコストを削減して、そして立派な経営体、強い農業経営体をつくっていただくというのが第一かと思っておりますので、そういう形で19年度は取り組んでいきたいというふうに考えておるところでございます。 それと、アクションプランは5年計画でございまして、その中で毎年見直しをしていくということでございます。そういった中で、私どもは、18年度は特に担い手につきましては、集落営農の法人化、そして認定農業者の拡大、農地を担い手に集める、そういったものが極めて大事なことだと思っておりまして、これについては昨年の1月末現在ではかなり認定農業者数が少なかったわけでございますが、ことしの1月末現在では144人の認定農業者をふやすことができたということと、やはり農地の利用集積も46.5%と、県下でトップクラスの集積率を集めたということでございます。こういったものに対して、なかなか審議会の席できちっとした評価をお伝えしなかったというのは今回申しわけなかったなということでございますけれども、今後は審議会の場においてアクションプランの附属資料としてアクションプラン評価表を提出いたしまして、更新の視点を明確にしてまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。 |
◆1番(橋爪法一議員) |
政策審議会の中では、計画と現実が合わないとかあるいは目標が下まで浸透しないというような率直な声もありました。私が今言ったようなことを頭に置きながら、基本条例、基本計画、アクションプラン、全体的な流れを見ながら、もう一度基本条例に立ち戻って点検をしていただきたいということを申し上げて次の質問に移ります。 保育園問題です。保育園の制度統一という話をするときに、やはり保育園というのはどうとらえたらいいかということで、子育て支援に絡めながら私は市長にお尋ねしたいと思いますが、きょうは1冊の本を持ってまいりました。「子育てするなら上越市」という本です。平成12年に出された、宮越市長の時代に出された本ですけど、市長はこの本お読みになったでしょうか。 |
◎木浦正幸市長 |
詳細に詳しく読んでおりませんけれども、目を通させていただきました。 |
◆1番(橋爪法一議員) |
私はこれ町議時代に読ましてもらったんですが、個々の問題でなかなか同意できないこともありますけども、上越市の今取り組んでいる子育てや保育に関するいろんな制度がどうしてつくられたかというのがよくわかりますね、これ。上越市が一体将来に向けて子供たちをどうとらえているかということもわかる、非常にすばらしい本だと思います、そういう点では。私は、感心したのは、この監修に当たった東大の助教授だった汐見稔幸さん、私も何冊もこの人の本を読んでいますけど、この人が上越市の取り組みは全国的に見てもかなり光っているというふうに言っておられる。どういう点で光っているかという四つ挙げられていまして、一つは、頭の中で支援プランをつくるんではなくて、市民が抱えている育児不安や育児困難の中身をじかに行政がつかもうと努力し続けている。二つ目は、全国バージョンの知恵をいつも導入しようと努力している。三つ目は、子育て支援を親の家庭での育児姿勢をただそうとするような上からの啓蒙という形で行おうとするのではなくて、むしろそれを批判して、逆に親をさまざまに支えていくという視点から行おうとしている。そして最後に、24時間型保育施設の設置などの斬新なアイデア、これ具体化している。この4点を挙げられているんです。 そしてその次に、今お手元に本行ったそうですから9ページごらんください。9ページにこう書いてある。私の個人的な印象でも、上越市では行政のメンバーが上から下までこの愛と情熱を持ってどうしたらもっと深い支えができるのか、あれこれ知恵を探り合っている、こういう評価があります。この汐見先生の上越市の評価について市長はどのようにとらえておいででしょうか。 |
◎木浦正幸市長 |
改めて詳しく1行ずつしっかりと読ませていただかなければ言葉の表現に間違いがあるといけませんので、その後感じたことは言えますけれども、今この時点では今の議員が指摘された、触れられた部分については大変高い評価をしていただいているというふうに思っております。 |
◆1番(橋爪法一議員) |
ぜひそのようにお願いしたいと思いますが、私この本を改めて読んで思ったのは、今上越市はいろんな課題があります。並行在来線の問題がある、農業施策の新たな展開もある、あるいは佐渡汽船の小木・直江津航路の問題もある、重要問題がメジロ押しですが、この子育ての問題を重要問題中の重要問題として位置づけて取り組まんとまずいなということなんです。市長は私とその点は認識はどうでしょう、同じですか、違いますか。 |
◎木浦正幸市長 |
再度の御質問でございますが、保育行政、保育問題については大変重要な問題でございますが、しかし市全体を考えた場合に数々の問題、課題点がある中で、市長としてそれだけでよいかと聞かれれば、当然そうではないというふうに答えなければ、市長しては全体を見る、何度も申し上げておりますが、木を見て森を見る、森を見て木を見る。一番大切なのは公正、平等、公平ということが行政に課せられておりまして、そういう点市民全体から見て一つ一つの問題がどうあるべきなのか、こういった点で私は日々さまざまな問題点を判断しながら、より市民に理解されるように意を用いていこうというふうに考えながら一つずつ判断させていただいているわけでございますから、その問題だけ取り上げてどうこうということについては非常に困難なこともございますけれども、市長としては全体を見ながら個々の問題を見る、個々の問題を見ながら全体を見るという作業をしながらしっかりとそれぞれの問題について解決していかなければならないと、こう思っております。
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◆1番(橋爪法一議員) |
私は、市長としての姿勢を問うたんですが、まさか幼稚園教育に携わっている方からそういう話が出ると思いませんでした。もう少しやはり市長の立場の中で、いろんな重要な問題あるけども、私の気持ちとしてはここに力を入れていきたいんだというあなたの姿勢を示してほしいと思いました。それは議論は時間がないですからそれ以上やりませんが、具体的な問題について質問を続けてまいりたいと思います。保育園の給食の問題です。市長に端的にお尋ねしたいと思いますが、先ほど言われたように吉川の二つの保育園で今度御飯を持ってきて給食を提供するという形になりそうです。市長のまず気持ちを聞きますが、市長はお昼御飯に冷たい御飯を食べた方がいいか温かい御飯を食べた方がいいか、ずばり聞きます、どちらですか。 |
◎木浦正幸市長 |
夏の暑い時期には冷たい御飯がいいときもあるのではないかと思っておりますが、常識的には議員のお気持ちと一緒でございますし、温かい食べ物をとるということが人間の生命体において、飲み物も食べ物も温かい方がいいのではないかと、こう思っております。 |
◆1番(橋爪法一議員) |
私も温かい方が好きです。保育行政で温かい姿勢を貫くということを考えたら、給食といえど、私はやはりこの問題については本当に温かい気持ちで接していく必要がある、対応していく必要があると思うんです。確かに厚生労働省の通知とか通達とか基準とかいろいろありましょう。しかし、これまで合併した市町村の中の保育園にあって、子供たちのことを考えて、これが子供たちに喜ばれるという施策をとってきたところ、それが今この4月から後退していくというのは、私はこれは残念というよりもむしろ冷たい政治になるんではないかという気がしてならないんです。もし子供たちが本当に大切ならば、私は吉川の二つの園、あるいは私立でも旧上越市内で取り組まれているところあるそうですけども、そういったところに学んで、さらに広げていくような姿勢で対応されるのが私は保育園給食における温かい政治のやり方だと思うんですけども、その点はいかがですか。 |
◎木浦正幸市長 |
再度の御質問をいただいたわけでございますが、保育園での給食につきましては、先ほど答弁で申し上げたとおり、食育としての大変重要な部分を含んでいる大切なポイントであるというふうに思っております。確かに議員おっしゃるように保育園で炊飯する方が温かい御飯が食べることができるかと思います。それとみんなが同じように同じ条件で食べるという利点もあろうかと思っておりますが、しかし主食をお持ちいただく場合につきましては、その日の子供の体調ですとか、あるいはやわらかいものにしたり、食欲が進まない場合にはそれへの対応ができる、そして工夫をしていただいてお母さんの気持ちがあらわすことも、表現することもできる、あるいはパンにしたりしながら子供に合わせてお母さんの気持ちが率直に表現できるということでございますので、一概にそのメリットがないと、後退だということには私は決してならないのではないかというふうに思っておりますが、そうした総合的な考えから厚生労働省の方針でもそうでございますし、全国的にも主食を持参いただいて給食の形をとっているものでございますので、改めてこの点につきましても御理解をいただきたいというふうに思っております。 |
◆1番(橋爪法一議員) |
冷たい給食ですね、寂しい。さっきはがき紹介しましたが、はがき書かれた方は、最後にこういうことを言っておられるんです。せめて弁当持っていくんなら保温器をつくってくれ、設置してくれ、調べてみましたら旧上越市それから三和で弁当箱温めることができる施設があります。せめてその弁当を温める保温器の設置について積極的な対応をしていただきたいと思いますけども、そのお考えはどうでしょう。 |
◎市村輝幸市民生活部長 |
個別具体的なお話でございますので、私の方から答弁させていただきます。 今ほどお話しありましたように、給食の弁当を温める機械、これ暖飯器という形で言われておりまして、アルミニウムの弁当にかえていただいて、その中に御飯を入れて持ってきていただく、そしてそれを電気式でございますので、その中に弁当を入れておいて、そして給食のときにそれを食べていただくというような形になっております。今ほど橋爪議員から御指摘ありましたように、保育園の中でも設置されているところ、してないところがございます。ただ、現場の声をお聞きすると、人工的に温めたような感じになるものですから、余り子供さんが好まないというようなお声も現場では私らも聞いておるところでございます。そうしたこともございますので、やはり保護者の皆さんの御意向、また子供たちの反応等を見きわめながら、今後については整備の方向性を見定めてまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。 |
◆1番(橋爪法一議員) |
最後の問題に移りたいと思います。限界集落対策。先ほども言いましたように、今回現地に入られて現場の声を、生の声をお聞きになったというところは、私は本当に評価できると思います。実はある地方自治の雑誌の中で、私が前回紹介した大野晃という学者の方が、上越市の調査の仕方については全国の自治体が学ぶべきだというところまで評価をしてくださいました。私は、そういう評価に基づいてこれから大いに頑張っていただきたいと思いますが、幾つか具体的なことをお尋ねしたいと思います。 先ほど市長の答弁の中で、これまで53の集落を対象にして調査を進めてきたんだけども、これから庁内で横断的なチームをつくっていろいろな対策を進めていく、そういう中で、場合によってはもう少し調査の対象を広げていくという趣旨のお答えがあったと思います。当然そこにおいては準限界集落等が入ってくるんだと思いますけども、その考えはどうなんでしょうか。 |
◎野澤朗企画・地域振興部長 |
具体的な調査の方向性についての御質問でございますので、私の方からお答えいたします。 今御質問ございました今後の追加調査でございますが、単純に人口の問題ばかりではなくて、やはり集落の実態、それから先日も御議論されておりましたが、昼間における集落の状況等を総合的に勘案いたしまして調査を進めたいとこのように考えておりますし、その場合の限界集落という表現についてもどのような表現で全体を網羅していくか、この辺も検討対象だというふうに承知をしております。 |
◆1番(橋爪法一議員) |
今度は市長に伺いますが、先ほども言いましたように、この限界集落を救済していくということを考えますと、単に行政だけでは厳しいんではないかという認識を私持っています。農協とか郵便局とかその他いろんな団体と、民間の力もかりながら取り組む必要があるというふうに感じていますが、その点市長はどういう認識か、そしてどういうふうに対応していこうとしておられるのか、そこら辺のお答えをいただきたいと思います。 |
◎木浦正幸市長 |
市単独、行政だけではこの問題を解決していく中で難しいところがあるのではないかということでございますが、集落活動を維持いたしまして、それぞれの地域を守りながらこれからも安全に安心して暮らしていただくための環境整備という点につきましては、当然のことながら行政は一生懸命やっていきますけれども、行政の施策だけで実現できるものではないというふうに認識いたしております。そういう意味において、それぞれの地域における問題の解決に向けて広い視点から総合的な対策を検討していく過程において、地元集落や行政の取り組みはもとより、民間の団体ですとかあるいは事業者などから協力していただくことも必要になってくるものというふうに考えております。 いずれにいたしましても、地元の皆さんのニーズを十分に踏まえるというのが大事でございますので、関係する団体あるいは事業者の皆さんとも議論を深めながら、さまざまな角度から取り組んでいかなければならないことであると思っておりますので、そうした対策について検討していくことが重要であるというふうに思っております。 |
◆1番(橋爪法一議員) |
地元のニーズを大切にしながら関係団体との連携も深めてやっていくという御趣旨の発言でございますので、ぜひそのようにしていただきたいと思いますが、地元の皆さん方のニーズといいますとたくさんございます。そういう中でやはり高齢化が進んでいく、そこにおいて健康の不安、これが非常に大きいです。実は1カ月前に私は吉川区のある集落で行われました総合事務所が取り組んだ保健集会に出てきました。栄養士とそれから保健師が出ていろいろ話をされたり運動をされておったんですが、非常によかったです。私きょうこれ持ってきたんですが、セラミックバンドといいます。お年寄りの皆さん方みんな一緒になって運動する、こうやってですね、1、2、3、4、5、6、7、8、こんなことやっていると質問終わりますから全部やりませんけど、非常に好評なんです。関心が高い。さっき川谷出張所で笑顔があると言いましたけど、保健集会でも本当に笑顔がある、おいしい茶じょっぱいもいっぱい出てくるし、本当に話もにぎやかですばらしい。ただ、そこに参加された皆さん方が言われたのは、合併して2年たったんだけど、これからもずっと続いていくだろうねというお気持ちでした。やはりそういうことは大切にしていかなければならんと思いますけども、今ある制度の中でいいものはちゃんと残すという市長の決意をお伺いしたいと思います。 |
◎木浦正幸市長 |
再度の御質問でございますが、いいものは残すということについてどう思うかと。物によっては、場合によってはさらに向上させるように取り組んで、工夫しながら研究、検討していくということも必要でしょうし、それが市全体の中で公平性、平等性、公正性という点にかんがみましてどうであるかということを考えながらやはり検討していかなければならない。先ほど申し上げましたが、市民全体からやはりそれぞれの施策を考えていく、こういうことが行政に課せられた大変大切な一部分でもございますので、そんな点を考えながらよりいいものをよりよく向上させていくというふうに取り組んでもいきたいなというふうに思っているところであります。
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◆1番(橋爪法一議員) |
最後の質問になります。先ほども言いましたが、京都府の綾部市で水源の里条例というのをつくられました。これ今全国で注目されています。あそこは上越市と違って限界集落の数が少ない、そして一定の地域にまとまっているということもありまして、上越市とはちょっと対応は違ってまいりますけども、しかし条例を制定して、いかにして集落を維持しようとしていくか、いかにして住民の暮らしを守るか、そのことをしっかり議論してつくられたということは、これはすごいと思います。私は、ぜひこういった先進的な取り組みに学んで取り組んでいっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 |
◎木浦正幸市長 |
これにつきましては、ただいま調査の分析中であるということを申し上げたところでございますが、京都府の綾部市の制定した条例のような総合的な対策を進めていったらどうかということでございますが、新たな条例を制定するという手法の必要性あるいは有効性などにつきましては、他の自治体の事例なども検証しながら具体的な施策の検討とあわせまして研究してまいりたいと考えておりますので、御理解をいただきたいというふうに思っております。 |
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