2006年6月議会での一般質問
◆1番(橋爪法一議員)
 吉川区選出の橋爪法一でございます。質問に入る前に、一つ皆さん方に御報告申し上げたいことがございます。御案内のように、昨年の6月に吉川区は戦後最大とも言われる豪雨災害に見舞われました。それから何カ月もたたないうちに2年連続の豪雪でした。そういう中で、この春被災された農家の皆さん方が一番心配されたのは、災害復旧工事が順調に進んで果たして田植えができるかどうかということでありました。恐らく議員の皆さん方も心配されたと思いますが、きょう現在田植えが終わっていない農家はあと1軒になりました。おかげさんで工事が順調に進んだのでございます。この陰には市長を先頭にした市役所職員の皆さん方の御努力と、それからもう一つ業者の皆さん方の頑張りがありました。5月の連休返上で災害復旧工事に当たっていただきました。私は、心から御礼申し上げたいと思います。
 さて、私は三つの問題について一般質問の中で市長にお尋ねしたいと思います。一つは、高田測候所の問題です。二つ目は、人にやさしいまちづくりの問題であります。そして、三つ目は豪雪地帯における安全、安心対策をどう進めるかという問題でございます。
 まず最初に、高田測候所の問題について質問してまいりたいと思いますが、5月12日の日に気象庁が発表したんですね。全国46カ所ある測候所を原則的に廃止していく、5年以内に。そして、そこに働く職員338人を削減すると、こういう計画の発表でありました。その中では、県内の佐渡の測候所、そして高田の測候所も入っていたのであります。大変だと思いました。御案内の方もあろうかと思いますが、高田の測候所は大正10年の12月に開設されました。85年の歴史を持ってございます。そして、地域の皆さん方に支えられて気象観測を地道に続けて今日に至っているんです。
 私ども議員団で5月31日の日に高田測候所を訪ねてきました。やっぱり行ってみなきゃうそだなと思いました。わかったことが二つあります。一つは、思った以上にあの測候所できめ細かな気象観測がやられている。いろんな機器が庭にも、それから室内にもありましたけれども、そういった機械観測だけじゃなくて、屋上で3時間ごとに雲の観察とか、あるいは風の向きとか、どこまで見えるかと、こういったこともやっている。それから、あの構内にはいろんな木が植わっていますけれども、どの木がいつ花咲くか、それからどんな動物がいつ鳴き声を出すか、小鳥たちがですね。こんなこともやっている。そして、もう一つわかったこと、あの測候所の皆さん方がやっておられる観測、そして地域に果たしてこられた役割というのは、新潟の気象台から遠隔操作で観測して済む話ではない、やっぱりあそこにだれかが在駐して、有人の観測をして初めて測候所としての役割を果たせるんだということがわかりました。
 そういう中で、今回質問させていただいたわけなんですが、市長に私二つ尋ねたいと思います。一つは、この高田測候所の果たしてきた役割、重要性について市長はどのように認識されておるかということでございます。
 二つ目は、今後高田測候所を存続ということで運動をどう展開していくかということでございます。私は、存続の運動を進めていく上で二つのことが大事だと思っているんです。一つは、市民の皆さんと一緒になって運動していく、あの測候所の役割の大切さを市民の皆さん方から十分知っていただいて、市民の皆さんとともに運動をしていく。そこにおいては、講演会もやるのもいいでしょう。フォーラムをやるのもいいと思います。場合によっては署名運動もしなきゃならんかもしれません。そして、もう一つ、先般も市長は議長さんと一緒に中央に関係機関に要請活動行ってくださいましたが、これからの要請活動において重要なことがもう一つある。それは何かといいますと、今国の行政機構が何から何までスリム化、効率化ということで行政改革進められておりますが、気象観測のこの分野に関しては、国民の命と安全を守るということから考えたら、特別の配慮が必要だということを明確にして私は要請していく必要があると思うんです。こういったことについて、市長はどのようにお考えか、お答えいただきたいと思います。
 次の問題に移ります。人にやさしいまちづくり、今市の人にやさしいまちづくり推進計画の改定作業が最終盤を迎えています。私も4月に配られた文章を全部読ませていただきましたが、実は新潟県が新潟県福祉のまちづくり条例というのをつくって、ことし10周年になるんです。私は、今のこの時点で福祉のまちづくりというのはどういうところまで到達したのかというのをしっかり把握する必要があるということで質問をしようと前々から思っていたんですが、実は今回の質問の直接のきっかけは、市内のある保養施設を訪ねたときのショッキングな光景なんです。実はあるところで昼食をとろうと思って1階から地下に私食堂におりようとしたんですね、階段を通って。そうしたら、階段から3人のおばあちゃんが手を使って階段をこうやって、1人だけじゃなくて3人ともこうやって上へ上がってきなったんです。びっくりしましたね。手すりわきにあるんです。後で聞いてみたら、エレベーターだって去年つくったというんです。でも、おばあちゃんたちは階段をこうやって上がってきた。それを見て私は、ああ、これはまだ上越市における人にやさしいまちづくり、ユニバーサルデザインの取り組み、まだまだだなと思いました。
 そんなことで今回お尋ねするわけでございますが、具体的な質問は二つでございます。お尋ねしたいことの第1点目は、新潟県福祉のまちづくり条例に定められております公共的施設における整備基準に合格した施設がどれくらいあるか、そして適合証の交付はどうなっているかということでございます。二つ目は、今まさに取り組まれております公共的施設のユニバーサルデザインの推進、これをどのようにしていくかということでございます。それを市長からお答えいただきたいと思います。
 最後の問題、豪雪地帯における安全、安心対策についてであります。冒頭申し上げましたように今冬は2年連続の豪雪でありました。山間部は2年連続の大雪だったんです。そういう中で、豪雪対策どうするかということが大きな課題になっておりますけれども、私は今の雪のない時期に豪雪地帯での安全、安心をどうするかという議論をしっかりやって次の冬に備えると、これが非常に大事だと思うんです。
 そういう立場で私は幾つかお尋ねしたいと思いますが、恐らくもう市の皆さん方のところでも平成18年豪雪のいろんな総括もやられることだと思います。そういうことも頭に置きながら尋ねさせていただきますが、豪雪地帯での安全、安心対策を進める上で私は大事なことが幾つかあると思います。その一つは、基本的な視点です。これは、私もこれまでいろんな私ども議員団で現地調査をやったり、あるいは勉強会やったり、あるいは県の担当課の幹部の皆さん方と議論する中で、ああ、これだと思ったことがあるんです。それをきょうここに持ってきましたが、全国雪寒地帯対策協議会に対して豪雪地帯対策特別措置法改正検討懇談会という組織が3年前の3月16日に答申を出された。ここに書かれている集落対策の基本的な視点がすばらしいんです。何が書いてあるかといいますと、地域づくり集落対策の進める上で集落がどうなっているかというところをしっかりまず見詰めなさいということなんですが、豪雪地帯においては集落の共同体的な機能を果たし得る基幹的な人材がほとんどいなくなっちゃっているんです。そして、外部から支援もらわんきゃ地域守っていけないという状況がある、ここをしっかり押さえる必要がある。そして、ちゃんとした賃金に基づいて外部から人的支援の派遣の体制をつくる必要があるというふうにこの中でうたってある。私は、これをしっかり踏まえた対策を進めることが大事だと思います。この点市長はどのようにお考えかということをお尋ねしたいと思います。
 二つ目に、これは提案なんですけども、私ども先ほど言いましたようにいろんな視察や研究の中で、豪雪地帯での集落対策を、安全、安心対策を進めていく上で四つの対策が必要だろうと思っているんです。その一つは、この上越でも先進的に取り組まれている自主防災組織の取り組みを一層強化するということです。二つ目は、屋根の雪おろしとか除排雪などに従事するための安定した人材確保、それから先ほど言いました派遣体制、これをつくること。それから三つ目には、やはり雪の問題で非常に経済的に除排雪なんかでもって苦労される世帯があります。そういう皆さん方に対する支援、これをやること。そして、もう一つ、せんだって矢野議員が言われましたね。機械力の整備の問題。13区を中心に機械力の整備もかなり進んでおりますけれども、ピーターなんかはほとんど更新の時期を迎えていますから、その更新にも対応するような対策をつくっていかないと、安全、安心の対策を進めることはできない、この点市長はどう思われるか、お答えいただきたいと思います。
 もう一つ、県の冬期保安要員の制度の見直しの問題です。これ3月の議会でも聞きましたから、非常にいい答弁いただきました。先般県の地域政策課へ行きましたら、既に作業は始まっていますね、見直しに向けた。考えてみれば、あと6カ月後にまた雪降るんですから、当然今の時点でどういうふうにするかという見直しきちんと進めていかなければならない。そういう中で、市としてこの見直しの問題でこれまでどこまで取り組みをされてきたのか、その現状についてもお答えいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
◎木浦正幸市長
 最初に、高田測候所廃止計画についてのお尋ねにお答えいたします。
 まず、高田測候所の果たしてきた役割と重要性についてどう認識しているかとの御質問であります。高田測候所は、上越地域の地理的、気象的特性にかんがみ、産業などの地域振興と住民生活の安全確保を図る上で気象観測施設の存在が不可欠であるとの認識が高まりを見せ、官民を挙げての強い要望活動の結果、大正10年12月当地に開設されたことは御案内のとおりであります。以来84年の長きにわたり、同測候所は上越地域の気象観測を通じて産業振興や災害対策を進める上で最も基本となる気象情報を継続的に提供し、地域社会に欠くことのできない機関として位置づけられてまいりました。私は、合併を機に当市が多様な地域特性や災害特性を有するに至ったことから、また農業を初めとする地域産業の振興などを図る上でも、測候所がもたらす情報は大変重要な意義があると考えております。さらに、その意味で測候所設立に奔走された先人の熱意とその先見性に深い敬意を表するものであり、存続に向けた取り組みに市長として強い意欲を持って臨みたいと考えております。
 当地域における測候所存続の必要性や必然性につきましては、まずもって当市が国内でも有数の豪雪地帯であることが挙げられます。高田測候所の屋外には高さ6メートルの積雪計が設置されておりますが、これは同測候所が有人観測所の積雪記録を60年以上たった現在も保持しているあかしであり、測候所が豪雪地に暮らす私たち地域住民の安定的な生活を確保する上で欠かせない施設であることのシンボルでもあります。また、長年にわたり蓄積された地域固有の観測データや日々提供する気象情報は、災害対策のみならず農林水産業、商工業、交通、観光、あるいは教育など、さまざまな分野の活動や市民の日常生活において利用され、大きな信頼感を集めております。さらに、同測候所において現に行われている常駐職員の目視による雷、霜、初雪などの観測と情報提供、桜の標準木観測などの生物季節観測、さらには新潟焼山の活動観測などは、単純な機械計測では得がたい情報であり、これらが廃止されることは当地域にとってまことに大きな打撃であり、損失であると言わざるを得ません。また、測候所では子供たちの気象学習も行われ、身近な題材を通じて地球規模で自然の循環や環境保全の大切さを学び取ることのできる貴重な施設であることなども含め、このたびの廃止計画の発表は到底容認できるものではございません。
 行政機構のスリム化、効率化は当然推進されるべき課題ではありますが、高田測候所は市民生活の安全、安心の確保及び地域振興など私どもの責務を果たす上で殊のほか重要な位置を占める機関であり、上越地域全体の問題として引き続き存続に向けた取り組みが必要であると考えております。
 次に、高田測候所存続に向けて今後どうするかとの御質問にお答えいたします。去る5月12日の行政減量効率化有識者会議において、高田測候所を含む全国46カ所の測候所が今後5年間で無人化、廃止される方針が示されたことは既に御案内のとおりであります。先ほどもお答えいたしましたとおり、高田測候所は当市を初め上越地域全体の振興や市民生活の安全確保に大きな意義のある機関であることから、私は議会とも連携し、また妙高市、糸魚川市のほか相川測候所を有する佐渡市にも呼びかけ、先月26日に気象庁及び県選出の14人の国会議員の皆さんに測候所の存続に向けた要望活動を行ったところであります。その際、気象庁からは機器の自動観測システムにより遠隔常時観測が可能になったことやIT技術の進歩による気象情報の伝達能力が向上したことなど、廃止方針の背景説明と国の行政改革の中で今後5年以内で原則廃止する方針は回避できないとの見解が示されたところでございます。今後の展望は非常に厳しいというのが現時点での偽らざる状況でございます。また、既に多くの気象観測が自動化され、データも提供されておりますが、昨年6月の局地的な集中豪雨、これは一晩で三百数十ミリを記録するような従来では想定し得なかった災害でございますが、これが発生している現実を踏まえれば、観測データを単なる数値としてではなく、災害や想定できないような事態へ対処するための有益な情報として活用するためにも、地域の気象事情に精通し、的確な情報を提供できる人材や機関の存在が不可欠であります。
 したがいまして、私はこのような危機管理の視点から特に予防行政が重要であると考えておりますので、当地域の気象特性を前提とした高田測候所固有の存在意義が認められるよう、今後とも機会をとらえ、粘り強い要望活動を継続してまいりたいと考えております。地域住民の皆さんも測候所の存在とその果たす役割や地域への貢献などを十分に認識し、市全体の意識の高揚を背景とした要望活動を行うべきという議員のお考えは、同測候所が設立された往時に立ち返り、先人の偉業に思いをいたし、さらに将来への展望を持って対処すべきとの御提言と存じます。現下の客観情勢の中で具体的にどのような有効な方策があるかについて、議員の御提案も踏まえた上で、過去に各地で行われた存続活動や今回廃止対象となっている他の測候所の管轄地域の自治体の対応なども参考に検討してまいりたいと考えております。
 また、これを機に測候所を中心とする当地域における気象関係の人材や測候所以外で気象観測を実施している機関等の現状把握や連携など、新たな地域気象観測の方途についても調査してみたいと考えているところでございます。
 次に、人にやさしいまちづくりについてのお尋ねにお答えいたします。まず、市内における新潟県福祉のまちづくり条例に基づく整備基準適合証交付の実態を聞きたいとの御質問であります。新潟県福祉のまちづくり条例では、市役所、病院、映画館、百貨店などの公共的施設の新設または改修をしようとする者に対して、高齢者、障害者等に配慮した施設の建設を行うよう整備基準を遵守しなければならないといたしております。さらに、一定規模以上の公共的施設を特定公共的施設と呼んでおりますが、国、地方公共団体を除く特定公共的施設の新設等をしようとする方々に対して、その計画についてあらかじめ知事に事前協議をしなければならないと義務づけており、御質問の整備基準適合証とはこの特定公共的施設の新設等に際し、整備基準に適合した工事が行われた際に申請により交付されるものであります。
 さて、この整備基準適合証の交付の実態でございますが、当市における国、地方公共団体を除く特定公共的施設の平成17年度の事前協議件数は46件で、そのうち整備基準に適合したものは10件あり、適合率は21.7%でありました。また、この10件のうち工事を完了し、実際に整備基準適合証の交付を受けたものは3件で、事前協議全体に占める交付率は6.5%という状況になっております。事前協議の際、整備基準に適合した件数が10件あるにもかかわらず、適合証の交付を受けた件数が3件となっている理由といたしましては、現在工事中であるものが5件、工事は完了しているが、適合証の交付の申請を行っていないものが2件という内訳になっております。また、同条例が施行された平成8年4月からことし3月までの合併前の13町村を含む国、地方公共団体を除く特定公共的施設の事前協議件数は合計343件で、そのうち整備基準適合件数は96件、適合率は28.0%であり、適合した96件のうち整備基準適合証の交付を受けた件数は44件で、事前協議全体に占める交付率は12.8%という状況でございました。
 次に、公共的施設のユニバーサルデザイン推進はどのようにしていくのかとの御質問にお答えいたします。私は、人に優しいまちづくり条例を基本としたユニバーサルデザインの考え方は、市民の皆さんのだれもが安全、安心で快適に暮らせるまちをつくるための重要な施策であると考え、昨年企画政策課内にユニバーサルデザイン推進室を設置し、全庁的に取り組んでいく体制を整えたところでございます。さらに、ユニバーサルデザインの考え方をこれからのまちづくりや行政サービス全般に反映させる方法を検討するため、公募市民などで構成されるユニバーサルデザイン検討委員会を設置するとともに、市役所の若手職員から構成される職員研究グループを設置し、当市におけるユニバーサルデザインのあり方について検討を進めてまいりました。この二つのグループは、具体的な取り組みとして市民プラザと市役所を対象に検討を行い、その成果を上越市市民プラザのユニバーサルデザイン化に向けた提言書と上越市役所のユニバーサルデザイン化に向けた提言書としてまとめられたところでございます。これらの提言書は、公共建築物のユニバーサルデザイン化に向けて市として取り組むべき方向性を示したものであり、ユニバーサルデザインの第一人者である東洋大学の橋儀平教授からも、短期間で大変丁寧にまとめられているという評価をいただいたところであります。今年度は、これらの提言書をもとに、これからの当市における公共施設の整備の基準となる公共建築物ユニバーサルデザイン指針を策定いたします。
 指針の策定に当たっては、職員研究グループ員をユニバーサルデザイン普及員として任命するなど、検討推進体制を整え、トイレを初め玄関や通路、階段などの具体的な整備基準を定めることといたしております。
 お尋ねの公共的施設のユニバーサルデザインの推進につきましては、今年度策定する公共建築物ユニバーサルデザイン指針に基づき、まずは市で新たに建設する施設についてユニバーサルデザイン化を積極的に図っていくこととし、あわせて既存の施設につきましてもユニバーサルデザインの視点に基づき、可能な限り施設の改良を行うとともに、市が所管する施設以外の公共的な施設につきましても、指針に基づいた整備を積極的に働きかけてまいりたいと考えております。当然ながらユニバーサルデザインはハード面の整備だけをもって進めるものではございません。また、現在の厳しい財政状況の中では施設面での対応はあるいは限定的にならざるを得ないことも予想されます。このような中では、施設を管理し、運営する職員一人一人がユニバーサルデザインの理念を十分理解し、ハード面での不足を職員の気づきや配慮で補うことも極めて重要であると考えておりますので、公共建築物ユニバーサルデザイン指針の策定にあわせ、職員の研修にも力を注いでまいりたいと考えております。このような総合的な取り組みを通じ、だれもが利用しやすい施設環境を充実させ、すべての人々の社会参加の促進を図り、安全、安心なまちづくりを進めてまいりたいと考えております。
 次に、豪雪地帯での安全、安心対策についてのお尋ねにお答えいたします。まず、豪雪地帯対策特別措置法改正検討懇談会答申に示された視点に対する見解についての御質問であります。議員御案内のとおり豪雪地帯対策特別措置法改正検討懇談会の答申では、冬期の道路確保に重点を置いた従来の豪雪地対策だけでなく、高齢化や過疎化の進展に伴う雪害への対応力の低下と将来的な集落機能の維持についての危機感を背景に、新たな冬期集落対策の必要性に言及するなど、貴重な提言がなされております。中でも、豪雪地帯にある集落を維持していくためのポイントとして人的支援対策の構築を掲げ、山間集落等における自主防災組織の結成促進、集落外部からの人的支援により冬期間の防災力を高めるなどの提言内容につきましては、私も意を同じくするものであり、今年度新たに事業化した防災士養成事業もこのような発想が原点でございます。私は本答申の要点は、豪雪地における冬期間の課題が交通途絶の解消という次元から、過疎化と高齢化を背景に集落そのものの機能が低下し、変化したことを念頭に置き、今後の施策を考える次元へ移行したことをしっかりと踏まえることではないかと考えております。したがいまして、改めて申し上げるまでもなく、豪雪地の中山間地集落を多く有する当市といたしましては、引き続きこのような視点に立ち、今後の施策や事業を進める必要があると認識いたしているところでございます。
 次に、第2点目の屋根雪おろし、除排雪などに従事する安定した人材確保と派遣体制、地域の機械力の整備等への支援などに関する御質問にお答えいたします。私は、豪雪災害のみならず自然災害に強いまちづくりには、市民の皆さんがお互いに助け合う自主防災組織の活動が大きな役割を担うものと考えております。現在町内会を単位とする自主防災組織の育成を進めており、これまでに約50%の409町内会で組織が編成されておりますが、過疎化、高齢化が進んでいる地域での組織化は進んでいない状況にあり、防災士の養成などを通じ、今後重点的な対応を図ることといたしております。また、自主防災組織の多くは主に地震災害への対応を想定した組織でありますことから、雪対策への取り組みや体制づくりなどの働きかけも重要と考えております。今冬の豪雪に見られましたように、住宅などの雪処理が一時期に集中、あるいは何度も繰り返して必要となる事態にあっては、屋根雪おろしや除排雪などに従事する人材の確保が大きな課題となります。このため、みずからの力での除雪等が困難な要援護世帯に対し、助成事業の拡充を図る一方、上越市建設業協会の皆さんなどの御協力をいただき、作業員が確実に確保されるよう手配体制の整備などの対応を強化したところでございます。今後は、降雪期に向け、さらに体制の充実を図るとともに、NPOを初め広く内外の皆さんの支援や協力をいただく仕組みにつきましても、研究してまいりたいと考えております。
 また、このような人的支援体制の強化や制度整備だけでなく、小回りのきく機械力を地域に導入し、人的資源と組み合わせていく施策も重要でございます。県では、除雪車が入らない道路や家屋周辺等の雪処理を町内会等で協力して行う地域に対して、市町村が小型除雪機を購入して貸与する場合、市町村に対してその除雪機の購入費の一部を補助する制度を設けております。当市では、この制度を利用して小型除雪機を65の町内会へ貸与し、利用いただいておりますが、今後は現在の制度では認められていない機械の更新についても補助対象となるよう、また補助枠を増加するよう県に対して強く要望してまいりたいと考えております。あわせて、今冬の豪雪の際、県が重機を借り上げ、市町村を通じて町内会などの集落で無償で貸し出した災害救助事業につきましても、恒久的な制度となるよう引き続き求めてまいりたいと考えております。このほか、合併前の安塚町において重点的に取り組んでこられた地域で互いに助け合いながら共同で行う除雪作業のための除雪機配備事業も参考に、町内会などが購入する除雪機に対する市独自の補助制度の創設につきましても、検討を行っているところでございます。
 次に、県の冬期保安要員見直し問題について、これまでどう対応してきたかとの御質問にお答えいたします。冬期集落保安要員設置制度は、過疎化や高齢化により集落機能の維持に支障が生じている地区などを対象に地区内生活道路の除雪、要援護世帯の除雪援助、急患輸送等への協力、道路巡視などを業務とする専任の要員を配置する県の補助事業であることは御案内のとおりであります。私は、現在の冬期集落保安要員設置制度は冬期間の集落機能を確保し、住民の安全と生活環境の維持向上を図る上で欠くことのできないものであり、その果たすべき役割は極めて大きなものと認識しており、これまで市の単独費による設置を含め対応してまいりました。また、さきの3月定例会における制度の存続、充実などに関する議員の御意見なども踏まえ、新年度早々県に対し、冬期集落保安要員設置事業の継続実施を強く要請するとともに、過疎化や高齢化の現状、さらには地域づくりの視点を踏まえた要件を新たに加えるよう要望いたしたところでございます。
 さらに、豪雪地域が抱える課題を国に強く訴えていくため、市長会としての働きかけも必要と考え、この間4月に開催された新潟県市長会総会を経て5月に開催された北信越市長会総会に提案してまいりました。その結果、今月7日に開催された全国市長会総会で過疎中山間地域における総合的な集落機能維持対策等の推進についての要望が採択されたことから、今後は全国市長会として中央への要望活動が進められることとなり、私といたしましては意を強くいたしているところでございます。また、県からは豪雪に見舞われた関係市町村を対象に、現状で実際に何をしてほしいのかとの視点でヒアリングを今月中に行いたいとの連絡が来ており、その結果を冬期集落保安要員設置事業を含めた県の雪対策施策全般の見直しに反映させたいとのことでありますので、当市といたしましては冬期間の生活を維持、確保するため雪処理に伴う費用や労力、そしてそこに潜む危険性などの現状を説明し、制度の継続について強く要望したいと考えております。さらに、集落の小規模化、高齢化に伴い、人材確保に困難を来している冬期集落保安要員を集落外、例えば民間除雪事業者などとの連携により確保できないかなど、冬期集落が抱えている課題の解決に向けた具体的な方策につきましても、積極的に提言してまいりたいと考えております。
 いずれにいたしましても多雪地域を多く抱える当市にとって、雪への対応は最重要課題と認識いたしており、今後とも安全、安心な地域づくりにおける優先施策として位置づけ、取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。
◆1番(橋爪法一議員)
 それでは、順次質問していきたいと思いますが、まず最初に高田の測候所の廃止計画についてお尋ねしてまいりたいと思います。
 今ほど市長の方から大変力強い決意の言葉がありましたので、多くは語りませんが、先ほど市長が答弁されたように存続できるかどうかということを考えたときに、非常に情勢から見ると厳しいです。簡単には存続というところに落ちていかないんじゃないかというような感じです。私もそう受けとめています。そういう中で、あの高田の測候所を間違いなく存続させていく上でポイントとなるところは何か、ずばり聞きたいと思います。
◎木浦正幸市長
 1点目の高田測候所の存続問題についての再度の御質問でございますが、存続ができるポイントについてと、それがわかれば私もそのポイントを突いて国や県にしっかりと要望していくところでございます。私の頭と、それから役所で考えることのできる手だてということで、先般訪れてお話を申し上げてまいりました。その結果を先ほどの答弁で申し上げたように、やはりポイントは多分これなのではないかと私は思っているんでございますが、機器だけの観測情報、これではなくて、人間が目視で観測することの重要性、これが一番ポイントになるのではないかと、こう思っております。その中で、当然今後の21世紀の行政課題として大変期待されているのは、市民の生命と財産を守る、これがすべての行政課題の最重点課題であると、こう思っておりますので、そのポイントを守るために予防行政としてそれらのデータ、情報をどう分析して災害の予防を予測していくか、これが重要でございますので、そのこともお話を申し上げてまいりました。今後は、災害をどうやって切り抜けていくのか、そしてまた2次災害、3次災害に拡大していかないために私たちとれる手だてをしっかり講じていきたい、そのための情報分析、出てきたデータを分析しながらどうやって災害情報に用いていくのか、あるいは想定できない災害に対応していくのかということで順次申し上げてまいりました。
 結果は、先ほど申し上げたように最近の機器はすべてIT化され、離れていても幾らでも操作できる中で、ホームページを見てもらったときの充実度についてもお話がございましたけれども、そういったことでございますので、あとの国会議員を回ったときにはそのポイントを私の方からしっかりとお伝え申し上げてまいりまして、その点国会議員の皆さんには理解してきていただいたのではないかと、こう思っておりますが、いずれにいたしましてもポイントというのはなかなか難しゅうございます。現在もこれまで廃止された測候所が54ございまして、今後については先ほどの数字がございますけれども、そのような既定路線の中をたどっているということも事実でございます。そういう厳しい環境がある中、国会議員の皆さん方にその実情を訴え、今後は想定できない災害をどう想定していくのか、こんな禅問答のような大変難しい厳しい状態を訴えながら、人間がそのデータをどう分析して災害情報に対応していくための情報にしていくか、これがポイントでございますので、そのお話をしてきたところでございます。   以上であります。
◆1番(橋爪法一議員)
 市長は、ポイントがわかれば簡単だという話されましたが、市長の答弁の中に答えが出ていたと思うんです。今ほども答弁を聞く限りは、市長はもうどこを押さえればいいのかというのを十分御理解されているというふうに私思います。
 やはり高田の測候所を間違いなく存続させるといったときに、市内の圧倒的な世論が何が何でも守らんきゃならんというふうにならんきゃだめだと思うんですね。そのときに一番大事なのは、今ほど市長が言われたそのポイントだと思うんです。技術革新が進んでどんどん機械化されてきて、自動観測で間に合うんではないかという意識がまだまだ市民の中にはある。それを払拭して、やはり有人観測もちゃんと並行してやって、機械観測を補足するようなことをやって初めて的確な情報把握、観測ができるし、予報もできるというところを広げていかないとこの運動は成功しないと思います。そういった意味で、今のことを意識して取り組んでいってほしいと思います。
 一つだけ紹介したいと思いますが、実は機械の遠隔操作によって残念ながら気象観測が不十分だったと思われる事例がこれまでもあったんです。それは3年前の九州の集中豪雨、あそこの熊本県の水俣市でしょうか、あそこで十何人か亡くなりましたよね、テレビで報道されました。あのときにアメダスも動いた、衛星もちゃんと写真も撮った、レーダーの観測もした、しかしその雨雲の強さというのは有人でなければだめだったんです。強さを把握できなかったんではないかと、こういうことが言われている。そういった事例はまだまだあると思いますので、ぜひ市民の皆さん方のところにそういったことも広めていっていただいて運動を盛り上げていってほしいと思いますが、いかがでしょうか。
◎木浦正幸市長
 再度の御質問でございますが、また詳しく研究をさせていただいて、私が心配している点は唯一そこがポイントでございますので、そういった事例、今後は先ほど禅問答の話をさせていただきましたが、想定できない災害をどのようにして想定していくのかという厳しい行政課題でございますので、その点を最大に私ども研究をさせていただきながら、市民の皆さんに周知をしながら一緒に運動をしてまいりたいと、こう思っております。また再度御指導いただければと思っております。以上であります。
◆1番(橋爪法一議員)
 次の問題に移ります。人にやさしいまちづくりの問題、先ほど市長から御紹介いただいた数字、特定公共的施設における県の条例に合致した、整備基準に合致した施設の数と率、昨年度は事前協議の対象になったのが46で、そのうち適合したというのが10だったと。適合率は21.7%、5件に1件しか適合していなかった。そして、交付証をもらったのはさらにそれよりも低いという、これは非常にショッキングな数字ですね。この数字を市長はどういうふうに思われますか、お答えいただきたいと思います。
◎木浦正幸市長
 2点目の人にやさしいまちづくりについての再度の御質問でございますが、この整備基準適合率低い状況であるということでございますが、その理由についてどう認識しているかということでございますが……
◆1番(橋爪法一議員)
 どう思われるかでいいです。
◎木浦正幸市長
 どう思うかということでございますが、整備を遵守するものとするとされておりますが、罰則規定がまずないことも一つ挙げられるのではないかと、こう思っております。事業者の皆さん並びに市民の皆さんへの周知、啓発、これが十分行われていないということもこれ一つの理由なのではないかと、こう思っております。そして、整備基準に適合しても余りメリットが少ないということも主な原因なのではないかと、こう思っているところでございます。以上であります。
◆1番(橋爪法一議員)
 私はこの数字を聞いて一番最初に思ったのは、余りにも低過ぎるということです。実はきのうこれもらったんです。市長、見たことありますか。私初めてなんです。私の方が勉強不足かもしれんけど。これは適合証です。さっきの数からいえば、余り施設にこういうのは張っていないのかもしれませんが、いずれにしても10年間の全体の特徴からいっても、昨年度の実績からいっても数字は低い。この数字というのは上越市だけなんでしょうか。それとも、長岡や新潟はどうなんでしょう。やっぱりこういう状況なんでしょうか。もしおわかりだったらお答えいただきたいと思います。
◎笠原博都市整備部長
 県内全体で申し上げますと、この10年間で適合率が55.7%でございます。それから、新潟市が60.7%、長岡市が45.8%でございます。ただ、17年度に限って申し上げますと、県全体のパーセンテージは28.8%ということで落ち込んでおりますし、新潟市もかなり低かったということはお聞きをしております。
 一つだけ内容的な部分で申し上げさせていただきますと、大きな項目が17ございまして、それからまたそこから派生する項目がたくさんございます。建築物によりもちろん違うんですけれども、多いもので六十数項目ございます。項目別に見ますと、おおむね8割の項目については適合しているんですが、これにつきましては一個でもクリアしていないと不適合という判断になってしまうということでして、適合率だけで見れるということではないとは思っておりますが、ただいずれにしても適合率が低いというのは非常に問題だと考えておりますので、今後ともまた努力はさせていただきたいと思っております。
◆1番(橋爪法一議員)
 今部長の話を聞いて、またもう一回びっくりしました。10年間の数字を見ると、残念ながらこの上越市は全県の平均よりも低いということですね。市長、こういう数字なんです。確かに県の条例、あるいは規則、そして今部長が言われた整備の項目つぶさに見ると、17の整備項目があってチェックポイントが70近くあるんです。非常に厳しい。部長が言われたように、7割、8割クリアしていても合格にはならない。でも、でたらめにチェック項目つくったんじゃないんですね、これは。人にやさしい施設としてどういう整備をすべきかというのを真剣に議論する中で整備項目も決まって、チェックポイントも決まったんでしょう。そういう中で、よそが50%、60%いっている。上越は28%だったと。これはやっぱり問題じゃないですか。私は、ちょっと生意気なこと言いますけども、人間の優しさというのは数字ではかれません。しかし、行政の人にやさしいまちづくり、施設づくり、こういったことについては数字によって私はある程度示されると思っています。だから、今回のこの数字は非常に残念な結果だと言わなきゃなりません。先ほど市長がいろいろ理由を述べようとされましたが、確かに県の条例の弱さもあるでしょう。市の取り組みの弱さもあるかもしれません。
 私は、一つだけ気がかりなことがあるんです。去年の3月議会で行政組織、この行政機構の議論をちょっとさせてもらいました。討論も私反対討論したんですが、今の合併した市役所の行政機構、市役所については縦割りです。縦割りでいいのかどうかという議論もちょっとさせてもらいました。総合事務所はどちらかというとこれ横、グループ制をとっている。今回のこの問題だって、中心になるのはユニバーサルデザイン室かもしれない。でも、建築住宅課やそのほかの課とも連携をして、どういうふうにして上越のこの水準を上げていこうかという議論がなかったら、どういうことで今おくれているのかという調査がなかったら、連携した調査がなかったら、上がらんです。そういう問題はなかったんでしょうかね、この上越市に。この市独自の取り組みの中にそういう問題があったとするならば、どういう問題があったのか具体的に明らかにしていただきたいと思います。いかがでしょうか。
◎野澤朗企画・地域振興部長
 お答えいたします。
 今の御質問では、総合的な調整ユニバーサルデザイン室だということでございますが、私ども建築住宅課の方でそのような手続をさせていただく中で、私どももここにかかわらせていただいております。この案件以外にも、例えば景観条例も含めてでございますが、全庁的な視点で見ていかなければならない問題当然ございます。そのことにつきましては、今議員おっしゃったように全庁的な問題として掌握をしながら進んでいくのは当然だと考えておりますが、ユニバーサルデザイン室に関しましては昨年設置をいただき、私どもとしては活動してまいったところでございますが、どちらかというと1年目は市としての状況調査、ユニバーサルデザインが当市についてどうであるかということでございました。そういう点で申し上げれば、若干その辺の連携が緩かったかもしれませんが、今私どもとしては今後の問題といたしまして、このような問題も含め、全庁的な立場に置かれた我々の立場を承知した上で関係部局と連携の上で進めていきたいと思っております。
 今の御質問の特定公共的施設の適合基準につきましては、議員もおっしゃったようになかなか民間の方にも認知度は低い状況でございまして、これは今私が先ほど例で申し上げた景観も同様でございまして、やはりそこはまちのルールとして、また県のルールとしてみんなで守っていただく、またいいまちをつくるという意識づけ、これも非常に重要でございますので、そこも含めて全庁的に取り組んでまいりたいと思っております。以上でございます。
◆1番(橋爪法一議員)
 私は公共的施設の問題を取り上げたのはなぜかといいますと、人にやさしいまちづくり全体を考えれば、ソフトの面もハードの面もあります。それから、建築物にしてもこれだけじゃない、いろんなものがあるんだけども、この公共的施設の中でも事前協議の対象となる特定公共的施設、これこそ非常にたくさんの市民の皆さん方が御利用になる施設であって、まずそこできちんとした整備をやらないとよそに広がっていかない、そういう性格のものであるから、私はあえてこの問題に絞ってお尋ねしているんです。ですから、私は今後の取り組みどうするかというのは、恐らくきょうの質問を契機にしてさらに検討してくださると思うんですけれども、ぜひ私のこの気持ちも酌んでいただいて、全庁的な体制の中でどうするかについてしっかりと考えを明らかにしていただきたいと思います。この点は市長から御答弁をいただきたいと、部長ではなくて市長からお願いいたします。
◎木浦正幸市長
 改善策ということでございますが、まずは役所の公共施設についても当然のことながら厳しい私どものこういった人にやさしいまちづくり、あるいはユニバーサルデザイン、これらの考え方をしっかりと打ち出した施設でなければならないということでございますが、残念ながら議員が御指摘されたとおり今まで余り議論をされてこなかったということも事実でございます。そういう意味におきまして、今年度策定をさせていただこうというふうに準備をしております公共建築物ユニバーサルデザイン指針、これに基づきましてまずは市が新たに建設する施設について、積極的にユニバーサルデザイン化を図っていくことといたしますし、既存の施設につきましてもユニバーサルデザインの視点で可能な限り施設の改良を今後とも行っていくということで考えております。市が所管する施設以外のいわゆる公共的施設につきましても、指針に基づいた整備、これをしていただけるように強く働きかけをしてまいりたいと、こう思っているところであります。いずれにいたしましても整備基準適合証を申請していただけるような環境づくり、これが何よりも大切でございますので、議員がずっと御指摘ございましたことに対して積極的に働きかけてまいりたいと、こう思っているところであります。以上であります。
◆1番(橋爪法一議員)
 市長は、人にやさしいまちづくりについては非常に一生懸命やっていただける、そういう方だと私思っています。まさにこの分野でこそ木浦カラーを出せる分野だと思うんですね。ですから、ぜひきょうの指摘を契機にして全力で奮闘していただきたいと思います。
 次の問題に移ります。豪雪地帯での安全、安心対策の問題、この問題は振り返っていただけばわかるように、私の3月の質問と連動しているんです。市内に八百二十幾つでしたか、町内会ある中で、65歳以上の人たちが集落において50%以上を占める限界集落の対策の問題と私は合致する問題だと思います。ここでどういう対策をするかというのは、新しいこの上越市における山間地住民が生きていけるかどうかということにかかわる問題でございます。それだけに私もずっと議員としてこの問題をテーマにしながら、いろんな角度から質問をしてまいりたいと思いますが、今回の大雪の中でいろんなところへ調査に行きながら思ったのは、やはり限界集落、豪雪地帯の集落においては本当にお年寄りの皆さんが多いと。このまま5年、10年たったら間違いなく絶えてしまうだろうという思いです。それだけに先ほど私が紹介したような懇談会での基本的な視点に立って、県も市も我々もみんなが一緒になって考えることが求められていると思います。
 そういう中で、具体的な問題として私は、この次の冬からどういう体制で豪雪地帯の皆さん方の暮らしを守っていくかと早く示す必要があると思うんです。早ければ10月の末、遅くとも12月には雪が降ってきます。そういう中にあって冬期保安要員制度、これについても先ほど市長が言われたように非常に一生懸命取り組んでいただいています。しかし、今市が積極的に取り組んでいる実態は、残念ながら豪雪地帯に住んでいる住民の皆さん方のところに伝わっておりません。一生懸命やっておられるけど、伝わっていない。私はこの対策を進めるときに、県とも協議することは大事です。そして、皆さん方部内で協議することも大事でしょう。私は、ぜひ今の時点で、冬の時点でもそうですけど、今の時点でもう一度豪雪地帯の集落に入っていただいて、市民の皆さん方の意見を聞いて、声を聞いて、要望を聞いて、そして今回のこの取り組みを前進させていってほしい、そう思うんです。先ほどの答弁によりますと、県も近いうちにヒアリングにやってくる。私もこの間課長に会ったら、そういう話をされておりました。ぜひ私もお供させてもらって話を一緒に聞きたいもんだと思ったんですが、こういう現地での取り組みについて市長はどのように考えておられるか、それを聞いて私は今回は質問を終わりたいと思います。
◎木浦正幸市長
 3点目の豪雪地帯での安全、安心対策についての再度の御質問でございましたが、現地での市民の声を聞きながらこういった対策を講じてもらいたいということの質問でございますけれども、今までもこのようなことについては現場へ行って、しっかりと市民の皆さんのお声を聞いてまいりました。そういう意味では、先ほどの街なかサテライトについても現場行政の強化ということでもございました。そういった意味からも、当然現場へ出て市民の皆さんの声を聞いていくということは重要でございますので、しっかりと皆さん方の切実なお声に耳を傾けながら、施策に結びつけられるようにしっかりやってまいりたいと、こう思っております。   以上であります。
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