2005年6月議会一般質問
◆1番(橋爪法一議員)
 おはようございます。私は、通告に従いまして、市長にお尋ねしたいと思います。簡潔に質問をいたします。
 まず、質問の第1点目は、先日稲田の北陸研究センターで遺伝子組みかえ稲の屋外実験が行われました。それについて4点お尋ねしたいと思います。1点目は、上越市食料・農業・農村基本条例、それからISOの14001、この二つに照らして今回の実験をどうとらえているかということであります。
 2点目は、たしか5月16日だったと思いますけれども、市長は北陸研究センターに対して要請文を提出されました。あそこでは、もっとわかりやすい説明をしてほしいという要請をされましたが、北陸研究センターはその後田植えの実験に着手されました。それまでの間に北陸研究センターが説明責任を果たされたのかどうか。これを市長からその見解を伺いたいと思います。
 三つ目は、地元の自治体、それから農協などの農業団体、その皆さん方との合意というのは私はどうしても必要だと思いますけれども、そういう合意ができない中では、こういう実験はすべきではないというふうに私は考えます。市長の見解はどうでしょうか。
 4番目、新聞報道によりますと、遺伝子組みかえ作物の屋外栽培に関して、市長は条例の検討を職員に指示したと書いてございます。このねらい、それから基本方向、どういうものであるか明らかにしていただきたいと思います。
 次に、農業労働災害です。非常に寂しいことに、今年度に入って新上越市の中で、既に農作業事故に伴う死亡事故が3件発生しております。まさに緊急事態です。そういう中で、私は3点市長に伺いたい。
 1点は、新市全域での農業労働災害の発生状況であります。それを具体的にお示しいただきたい。
 2点目は、農業労働災害の防止対策強化のために、市としてどんなことに取り組んでいるのか。これを明らかにしていただきたいということでございます。
 そして3点目、新市の区域内において、各種の農業労働災害の補償制度に加入されている方がございます。その加入の状況、それから今後市としてどういう取り組みをするのか。この点についてお答えいただきたいと思います。以上です。
○市川文一議長 木浦市長。
 〔市  長  登  壇〕
◎木浦正幸市長
 最初に、北陸研究センターでの遺伝子組みかえ稲の屋外実験についてのお尋ねにお答えいたします。
 まず、上越市食料・農業・農村基本条例やISO14001認証取得自治体であることに照らして、どう見ているかとの御質問であります。御案内のとおり上越市食料・農業・農村基本条例は、当市の食料、農業、農村のあり方についての基本理念を定めるとともに、市や農業者、市民、事業者等のそれぞれの責務を明らかにし、食料、農業、農村に関する基本的施策を定めて、豊かで、住みよい環境の保全に配慮し、持続的に発展する地域社会の実現に寄与することを目的に平成12年3月に制定いたしたものでございます。一方、ISO14001は、当市では平成10年2月に、旧吉川町では農業活動でも環境と食と健康の調和などの重点的な取り組みを盛り込み、平成12年10月にそれぞれ認証を取得しておりますが、その環境方針はともに環境への負荷の低減を目指しているものでございます。食料・農業・農村基本条例第2条には、地域内での自給を基本に、安全な食料を安定的に供給することにより、将来にわたって消費者、生産者の安心を保障することを基本理念に掲げております。また、第9条には食料の安全性の確保策として、農業者や農業者団体などが遺伝子組みかえなどの先端技術を利用する際には、食料の安全性が確保され、環境に及ぼす影響等について配慮されるよう必要な施策を講ずることや事業者が遺伝子組みかえ、その他の先端技術を利用した食料を使用、または取り扱う際には、市民の健康に及ぼす影響等を配慮し、消費者の合理的な選択ができるように必要な施策を講じることなどを定めております。
 今回の栽培実験は、公的機関である北陸研究センターが法律上の手続を経て研究の一環として行うものであること。また、あくまでもデータ収集のための実験段階であり、直ちに実用化に移そうとするものではないことをお聞きいたしております。現状では、多くの農業者の方々が自然循環型農業に取り組み、消費者に安全で安心な上越産農産物を安定的に供給できる生産体制の構築を目指しておられることから、今後とも食料・農業・農村基本条例やISO14001の環境方針に基づき、遺伝子組みかえ技術を含む先端技術の安全性及び環境への影響等に係る情報につきましては、的確に把握するとともに、市民への適切な提供、公開にも努めてまいりたいと考えているところでございます。
 次に、北陸研究センターに十分な説明を果たすことを要請していたが、説明責任は果たしたと評価しているのかとの御質問と地元自治体、農協や農業団体などとの合意が形成できていない中では、中止すべきだと思うが、見解はどうかとの御質問は、関連がございますので、あわせてお答えいたします。北陸研究センターでは、去る4月29日に今回の屋外隔離圃場での栽培実験について、説明会の開催並びに研究情報の提供をされたところであります。それ以降市民の皆さんから栽培実験に関して不安視する声が出されましたので、農業者や消費者の皆さんに対する説明責任を十分に果たしていただくことが何よりも重要でありますことから、北陸研究センターに対し、実験の必要性や内容について、市民の皆さんに理解していただくための説明を行うよう文書で強く要請いたしたところでございます。このような研究は、市民や農業者など、関係者に説明が十分になされ、理解を得られた上で行われることが基本でありますことから、重要な基礎研究ではありますが、市民の皆さんが安心できる説明を繰り返し、繰り返し行っていただくとともに、慎重に対応していただきたいと考えているところでございます。北陸研究センターでは、これら市の要請を受けて、今月25日に広く市民の皆さんを対象とした説明会を開催されるほか、団体等の要請に応じて、7月にも勉強会を計画中であると伺っております。より多くの市民の皆さんから参加していただき、遺伝子組みかえに関する理解を深めていただけるよう、市といたしましても、会場のあっせんや市民の皆さんに対する広報での開催周知など、情報提供に努めてまいりたいと考えております。また、北陸研究センターに対しましては、遺伝子組みかえの研究について、今後も積極的に実験の経過や成果などの情報を開示し、説明責任を果たしていただくよう引き続き強く働きかけてまいります。
 次に、新聞報道によれば、遺伝子組みかえ作物の屋外栽培に関する条例の検討を指示したとあるが、そのねらい、基本方向は何かとの御質問にお答えいたします。我が国においては、遺伝子組みかえ作物の栽培に関して、一般栽培や試験研究機関による研究圃場での試験を目的とした栽培であっても、屋外で栽培する場合は、遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律、通称カルタヘナ法に定められた安全確認の手続を経て、最終的に農林水産大臣及び環境大臣の承認を受けなければならないと規定されております。また、このような手続を経て、安全にも十分配慮された屋外実験であっても、実施に当たりその必要性、重要性、安全性、環境影響等については、市民の皆さんが最も心配されるところでありますので、市民の皆さんにより深い理解を得ていただくため、わかりやすい説明を行う責任を十分に果たしていただくことが最も基本であり、目指す方向であると考えております。
 御質問にありますように、私は遺伝子組みかえ作物の屋外栽培について、独自に規制する条例を制定した北海道の事例について、調査研究するよう指示いたしました。調査結果を踏まえて、今後自治体としてのあり方を検討してまいりたいと考えております。
 次に、農業労働災害についてのお尋ねにお答えいたします。まず、新市全域での農業労働災害発生状況はどうなっているかとの御質問であります。農業労働災害発生状況につきましては、毎年春が4月1日〜5月31日までの2カ月間、秋は8月20日〜10月20日までの2カ月間の農作業安全運動期間中に発生した事故について取りまとめ、県に報告いたしておるところでございます。平成16年度における県全体での事故報告件数は、死亡10件、重傷22件、軽傷18件、物損34件の計84件であります。このうち新市全域での事故報告件数は重傷4件、物損3件の7件であり、県全体の8%であります。内容を見ますと、重傷の4件はトラクター運転中に操作を誤ったことによる転落事故や軽トラックから田植え機をおろす際の事故などでございます。本年度は、5月31日現在で死亡3件、重傷3件、物損5件の計11件であり、死亡と重傷の6件のうち5件が耕運機やブルドーザー運転中の事故でございます。
 次に、農業労働災害防止対策強化のために、どういう方針を持っているかとの御質問と、新市内における各種農業労働災害補償制度の加入状況と今後の取り組みについてどう考えるかとの御質問は、関連がございますので、あわせてお答えさせていただきます。農業労働災害防止対策強化のための方針につきましては、行政機関、研修機関、農業者団体等において、農業者を指導する統一的な指針として平成14年に農林水産省から示された農作業安全のための指針が基本になるものと考えております。同指針では、県段階、地域段階ごとに地域の安全管理体制の整備を図ることとされており、関係者から成る農作業安全推進協議会等の組織の設置が例示されております。市では、JAえちご上越や農業共済組合など、関係団体で構成している上越市農林水産業振興協議会において、有線放送やJAの広報紙などによる農作業安全運動の広報活動等を行ってまいりました。また、各種農業労働災害補償制度の加入状況につきましては、現在把握している範囲では、高田労働基準監督署管内の労災保険、農業者特別加入制度加入者が90人、農作業事故だけを対象とするJA共済農作業中傷害共済の市内全域の加入者が30人となっております。ただし、JA共済の普通傷害共済への加入者が1万9,030人となっており、農作業のみならず、その他の日常の事故も広く対象となることから、非農業者の方も多く加入している状況でございます。昨年度はゼロであった死亡事故が今年度既に3件発生しておりますので、より一層注意を呼びかける広報活動を強化するとともに、各種労働災害補償制度の周知を図るなど、農業労働災害の発生状況に即した取り組みを進めていく必要があると考えております。
 いずれにいたしましても、年間を通した農業労働災害の発生状況をまず把握した上で、事故の傾向や発生原因の分析などを行いながら、事故防止に向けた取り組みや今後の調査のあり方を検討してまいりたいと考えているところでございます。以上でございます。
○市川文一議長 1番、橋爪法一議員。
 〔橋 爪 法 一 議 員 登 壇〕
◆1番(橋爪法一議員)
 順次お尋ねしてまいりたいと思いますけれども、遺伝子組みかえ稲の実験の問題で、幾つかお尋ねしてまいりたいと思います。
 今回の実験の問題を考える上で、押さえておくべきポイントは私二つあると思っているんです。その一つは、遺伝子の組みかえの技術そのものがまだ未完成だということです。未完成だからこそ、健康とか、環境に与える影響がどうなのかわからない。これが一つです。それからもう一つ、この上越市で行われている。先ほどから言いましたように、上越市には上越市の食料・農業・農村基本条例という条例を持っています。これに照らしてどうかというところを押さえる必要がある。私は、数年前に農都市条例を初めて読みまして、非常に感動しました。恐らくこの条例は全国でもすばらしい評価を受けている条例だと思います。特に前文がすばらしい。前の文章。前文の中では、農業とは何かと、私たちの命と暮らしの原点だと書いてある。農村とは何だ。人と自然が豊かな触れ合いを保ちながら共生することができるかけがえのない場だと、いい規定じゃないですか。そして、私は感心したのは、この上越というこの地域の特徴を押さえているんです。いろんな植物がある、生物がいますけれども、南の地域に生息している動植物、北側に主にすんでいる動植物のその重なり合う地域だという規定がありました。それゆえに農作物もいろんなものがとれる、そういう規定がありました。そして、この条例をつくる目的として、人と環境に優しい農業、有機栽培を中心にして循環型の農業をやっていきましょう。これ決めた。
 もう一点、今全国的に見ると、食料自給率の問題が非常に大きな問題になってきています。外国から農産物が輸入されるのは当たり前という話になっていますけれども、ここはそれに対してノーという姿勢をはっきり示した。地域で地域内自給を高めていきましょう。数値目標まで上げて決めた。私は、こういった内容に照らしてみますと、今回の遺伝子組みかえ稲の実験の屋外実験は、はっきり言って、この条例にとってはちょっと異質なものです。合わない。そこら辺の気持ちをやはり市長からもう一遍聞きたいです。
 それから、先ほど言われましたけれども、答弁で触れられましたが、この農都市条例の第9条2項、これとの関連、ここでどう書いてあるか。市は、農業者及び農業に関する団体が遺伝子組みかえ、その他の先端技術を利用する際には、農業に関する団体、当然北陸研究センターも入るでしょう。次が大事です。食料の安全性が確保され、及び環境に及ぼす影響等について配慮されるよう必要な施策を講ずるものとする。市長に具体的に聞きますけれども、今回の実験に当たって、その安全性が確保される。そのことをどういうやり方で確認しました。研究センターは、実験計画書の中で一定のこと触れています。だけれども、独自に食品としての安全性の確認していません。食品総合研究所では大丈夫だと言っている。それだけです。そんなことでいいんですか。市長のお答えをいただきたいと思います。
○市川文一議長 木浦市長。
 〔市  長  登  壇〕
◎木浦正幸市長
 再質問にお答えをさせていただきますが、1点目の食料・農業・農村基本条例との整合性をどう考えるかという御質問であったかと思いますが、先ほど答弁で申し上げましたように、この基本条例が策定されましたのが平成12年の3月でございまして、世界的に遺伝子組みかえ作物、トウモロコシや大豆などでございますが、これらの商業用栽培が始まって間もないころでございました。2000年の1月には、国際的な遺伝子組みかえ作物の栽培生産やそれを材料とした食品の安全性等に疑義が生じましたことから、遺伝子組みかえ生物の取り扱いに関する国際的な取り決めといたしまして、バイオセーフティーに関するカルタヘナ議定書が採択されまして、日本では2003年3月に批准いたしまして、2004年2月19日に発効いたしたところでございます。これを受けまして、各省庁の安全性を確保するための評価システムといたしまして、一つ、遺伝子組みかえ作物の栽培や原材料として輸入する場合の安全性については、遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律、2点といたしまして、遺伝子組みかえ作物を食品として利用する場合の安全性については、食品衛生法に基づく食品添加物等の規格基準、食品安全基本法という法律が整備されましたし、3点目、遺伝子組みかえ農作物を飼料として使用する場合の安全性につきましては、飼料の安全の確保及び品質の改善に関する法律と食品安全基本法などが整備されたところでございます。
 今申し上げたように、当市の基本条例の制定以降、国の各種法律や安全基準が整備されまして、それぞれの安全基準をクリアして実用化されるものについてまで市町村が条例で規制することはできませんが、基本条例を現状に合わせた内容に今後見直す必要があるのではないかというふうに考えているところでございます。以上でございます。
○市川文一議長 1番、橋爪法一議員。
 〔橋 爪 法 一 議 員 登 壇〕
◆1番(橋爪法一議員)
 私の問題はそう面倒なことを聞いていないんです。このすばらしい上越市の農業基本条例、これの精神に照らして今回の実験については、異質な感じがしませんかということを聞いているんです。これが一つ。
 それから、先ほど挙げました第9条の2項の問題は、確かに国の許認可のいろんなシステムの中で、それと照らし合わせて今この条例がどうなのかという問題はあります。ありますが、現にこの上越市の条例として、この条項が生きているじゃないですか。この条例に照らして、今回の実験であなたは安全性が確保されているかどうかを確認する義務がある。それをやったかと言っている。そういうふうに見ているかと聞いているんです。これは答えてください。
 二つ目に入ります。5月16日の日に市長は、市民からのいろんな要望にこたえて、北陸研究センターに要請されました。わかりやすく説明してくれ、もっとわかるようにしてくれ、不安が広がっている、そういう認識のもとでやられた。これは私は評価します。ただ、5月16日の日に申し入れをして、5月31日の日に田植えやったんです。いいですか。31日まで2週間あった。この2週間の間に北陸研究センターがわかりやすい説明を市民に対してしましたか。これからやるかやらんかという問題じゃない。実験をやるまでにきちんとやりましたか。私はやってないと思うんです。ホームページだって更新していません。私も所長にも言いましたが、はっきり言って専門的な用語がたくさん並んでいてわからない。これは少なくとも中学生の1、2年がわかるような言葉で説明する必要があります。5月31日も田植えの説明文章を私見ました。難しい。市民にわかってもらうために、わからない文章をつくったってどうにもならんじゃないですか。
 それから、単に言葉が、表現が難しいというだけじゃない。情報にも問題がある。北陸研究センターが流す情報には誤った情報もあるやに聞いています。断定はしません。それは、遺伝子組みかえ実験において、葉や茎にしかこの遺伝子は作用しない。ところが、5月31日の田植えの実際行われた日に、農家の皆さん方が玄米に発現しませんかという質問をしました。玄米の内側にどうのこうのという議論になった。説明文書もあやふやなんです。
 それから、確かにこの間古澤さんが言われましたように、世界的には遺伝子組みかえ作物の栽培がふえています。8,100万ヘクタールまでふえた。しかし、そのほとんどはアメリカとか、南米諸国です。ヨーロッパでは、今そういったものをだめだよという動きが広がっている、そういう情報だってちゃんと流さなきゃ。研究機関というのは自分で研究やりたいからいろんな思いがあるでしょうが、やっぱりいろんな情報を公平に流す必要がある、そう思います。   それで市長に聞きますが、5月31日までに北陸研究センターがあなたの要請どおりにきちんとわかりやすい説明をしたというふうな認識を持っているのかどうかです、あなたが。それをお答えください。
      〔「おかしいよ。一問一答でやるのかね、これ」と呼ぶ者あり〕
◆1番(橋爪法一議員) いいことを確認して質問をやっています。
○市川文一議長 木浦市長。
 〔市  長  登  壇〕
◎木浦正幸市長
 再度の御質問にお答えをさせていただきますが、まず1問目の条例に照らし合わせて十分な説明がなされていないのではないかという御質問がございましたが、私も十分な説明がなされていないものというふうに判断いたしまして、いかがなものかというふうに思っております。
 2点目の田植え前までは十分に説明が行われていなかったのではないかというふうに思っておりまして、そういうことで十分な説明がなされていないというふうに思っておりまして、大変遺憾に思っているところでございます。以上であります。
○市川文一議長 1番、橋爪法一議員。
 〔橋 爪 法 一 議 員 登 壇〕
◆1番(橋爪法一議員)
 市長から率直な御答弁をいただきました。私はその点を評価したいと思います。ただ、市長が要請されたことが実現しない中で屋外実験が実際に行われたんです。いいですね。あなたの願いに反して行われたんです。この点は事実として重視する必要がある。ちゃんと市民に対してわかりやすい責任を遂げないで、やらないで実験をやってしまったと。市長がそれに対して抗議ももししなかったらどうなりますか。私は、市長がそういう認識があるならば、この問題についてはきちんと北陸センター側におかしいよということを伝えてほしい。そして、今月の下旬には2回目の田植え実験が行われる予定です。そこに向かって、今私が申し上げたようなことをちゃんとやっていただきたい。そのお約束いただけますか。
 それからもう一点、時間が大分ありますので、もう一点聞いておきますが、規制条例の問題です。この遺伝子組みかえに関する規制といったらいいのか、に関する条例の問題です。この条例は、先ほど市長は北海道の条例の話をされましたが、実は一番最初にやったのは、山形県の藤島町、鶴岡のすぐ東の町です。人口1万2,000人ぐらい。町長さんは阿部さんといって、木浦市長と同じぐらいの年齢で、非常にすてきな男性です。あそこも実はこの上越と同じことを考えているんです。人と環境にやさしいまちづくり条例というのをつくって、そこで遺伝子の組みかえ作物に対する条項を盛り込んだんです。あそこが出発になって、岩手や滋賀や茨城や北海道に広がっていった。そういう経過があるんですが、私はあそこの条例についても、あるいは取り組みについても、十分市長から研究していただきたいなと思います。   藤島町では、人と環境にやさしいまちということで、農業に対してもいろんな施策をやっておられますが、三つの目標をエコタウンとして掲げているんです。一つは、町民が住んで楽しく、誇りの持てる持続可能な循環型のまちづくり、消費者に信頼される「安心、安全な食料生産基地・ふじしま」の実現、三つ目が都市と共存できるまちづくり、何か似ていませんか。上越の条例に似ていますよね。多分上越の条例もしっかり読んでつくられたんだと思います。そういうところですが、上越よりもおくれて条例をつくったところが今先進的な取り組みをしています。ぜひこの遺伝子組みかえの作物の問題でも、藤島町に学んでいただきたい。そして、そこだけじゃないけれども、先ほど言われました北海道を含めて、先進事例を十分検討して、速やかにこの遺伝子組みかえ作物に対する上越市としての規制条例を私はつくっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○市川文一議長 木浦市長。
 〔市  長  登  壇〕
◎木浦正幸市長
 再質問にお答えをさせていただきますが、まず1点目のおかしいということを伝えよということでございますので、機会を見てお伝え申し上げたいと思います。
 それから、2点目の条例についての山形県の藤島町の例を出されましたが、また調査研究をさせていただきたいと、こう思っておりますが、その中でこの条例の実効性からいたしまして、新潟県の県土全体にわたる条例というものを考えていかなければならないのではないかと、効果のある条例ということが必要なのではないかというふうにも思っておりますので、県とその点につきましても、条例制定に向けてはそういった点についても十分協議をさせていただいて、実効性のあるものへの検討ということにさせていただきたいと、こう思っておるところであります。
◆1番(橋爪法一議員)
 続いて、農業労働災害の問題に移りたいと思います。先ほども言いましたように緊急事態です。全国的には年間約400人ぐらいの方が亡くなっています。亡くなっているのは、何人亡くなっているかは保健所の調査でこれはすぐデータが出るんですけれども、実は亡くなるまでに至らない事故についてはデータがほんの限られたデータしか上がってこない。先ほど市長が答弁されましたように、春と秋の安全運動期間中のデータは出てくる。あとはほとんど上がってこないという実情があるんです。私は、この問題を考えるときに、幾つか大事なことがあると思っていますけれども、一つは、農作業のこの事故の実態をつかむ体制ができていない。そういった体制をどうつくるかというのがこれ実際問題点であります。それから、危険箇所のチェック、改善が進んでいない。
      〔何事か呼ぶ者あり〕
◆1番(橋爪法一議員)
 ちょっと聞いてください。こういう問題点がある中で、今農家の皆さん方がいろんな状況に置かれていますけれども、市でも先ほど市長が挙げられた数字は、まだ一部です、先ほどお認めになったように。そうすると、年間を通じてこの実態を押さえる体制をどういうふうにしてつくるのか。これをはっきりと示していただきたい、これが一つです。
 それから、どういう……
          〔「議長」と呼ぶ者あり〕
○市川文一議長
 後で、議運で申します。よく聞いてから。
◆1番(橋爪法一議員)
 聞いてからにしてください。お願いします。
      〔「一問一答だめじゃないの」と呼ぶ者あり〕
◆1番(橋爪法一議員)
 そんなことないです。私は、事務局に確認をとった上でやっているんです。
 それで、こういう問題点があるということですが、私は市長にぜひ実態調査、それから安全対策を強化する部署を明確にして、体制をどうするかということについても、秋の農作業が始まる前までにきちんとしていただきたいと思います。何でそんなことを言うのか。実は、非常にショッキングなことがありました。この質問を準備するために私はちょっとお示ししますが、先日板倉区の長嶺という集落へ行ってきました。ことし3人亡くなった。その3人亡くなったうちの一人が長嶺という集落での農道わきの排水溝のある集水升なんです。ここへ耕運機ごと転落されて亡くなったんです。4月15日です、事故が起きたのは。だけれども、依然としてこのカバーもなければ網もない状況になっています。そして、きのうになってもっと驚いたことがある。同じような場所でこういうふうに用水の排水があって、集水升があるというような場所で事故がまた起きたんです。2週間ぐらい前。柿崎区の芋島という集落で、死亡事故には至りませんでしたが、やはり耕運機でもって70代の男性が事故を起こしてしまった。こういう現実を私は見て、これはいっときも早く手を打たなきゃならないと思います。
 それで、先ほど幾つか述べましたけれども、何よりも急いでほしいのは、危険箇所のチェックです。これを秋までなんて言わないで、それこそ直ちに取り組んでいただきたいと思いますので、お願いしたいと思います。以上です。
○市川文一議長 木浦市長。
 〔市  長  登  壇〕
◎木浦正幸市長
 再度の御質問にお答えをさせていただきますが、年間通じてのデータの実態調査、これをしっかりと行ってまいりたいと、こう思っております。そのための体制整備ということでもございましたので、農林水産部内に設置をいたしまして、総力を挙げて対応させていただきたいと、こう思っております。
 そしてまた、危険箇所のチェックということも当然のことながら原因と箇所という問題が当然のことながら大切なことになってまいりますので、このチェックも行わなければならないというふうには思っておりますが、ただそれぞれの所有者の方、地権者の方という意味でございますが、そういったこともございますので、慎重に行わなければならない側面もあるのではないかと、こう思っておりますが、いずれにいたしましても、それらの箇所で亡くなられたり、事故に遭ったりされているということで、危険な場所でございますので、早急にこれについてはチェックをしなければならないというふうに思っているところでございます。以上であります。
○市川文一議長 1番、橋爪法一議員。
 〔橋 爪 法 一 議 員 登 壇〕
◆1番(橋爪法一議員)
 それでは最後になります。大事なことを言い忘れましたので、市長に答弁求めたいと思いますが、安全対策を強化すると同時に、農業労働災害の補償制度の普及についても意を用いていく必要があると思います。先ほどの市長の答弁を聞く限り、農協の一般の共済以外は、非常に加入率が低いです。そういった現状をどう打開するかということがやはり問われていると思いますので、ぜひその点について配慮をしていただきたい。
 それからもう一つ、合併協議の中で吉川の農業労働災害互助会の話が出ましたが、同じような制度を持っている全国の自治体は、広島県や福井県などでかなりあります。これについても、ぜひ研究をして、この市独自の農業労働災害補償制度として、検討できないか。ぜひ先進地視察等を重ねながら、研究していただきたいというふうに考えますけれども、それについての御見解をお聞きしたいと思います。これで終わります。
○市川文一議長 木浦市長。
 〔市  長  登  壇〕
◎木浦正幸市長
 労働災害の補償制度の普及拡充についての再度の御質問でございましたけれども、これについても研究をさせていただきたいと思っておりますし、市独自のこの制度についての創設、設置などについても、議員御指摘がございましたけれども、調査、研究しながら対応させていただきたいと、こう思っております。以上であります。
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