上越市議会2005年3月議会一般質問 |
◆1番(橋爪法一議員) 吉川区選出の橋爪法一でございます。質問に入る前に、一言申し上げたいと思います。 私は過疎地に生まれ、過疎地に育った人間でございます。今回の議会では、過疎問題、いろいろな議論がされました。過疎地の魅力について語られました。空気がおいしい、食べ物もうまい、そのほかにもう一つ大きな魅力がございます。そこに住んでいる人間がいい、そのことを御理解いただきたいと思います。 質問に入ります。まず、県立病院改革問題について市長にお尋ねしたいと思います。御案内のように、県立病院改革検討会議が1月の17日に中間報告をまとめました。県立病院改革についてのさまざまな問題、病院としての役割あるいは今後の改革の方法等についてまとめてございます。きのう私読みまして、本当にびっくりしました。中身がすごいこと書かれています。現在の県立病院が果たしている役割は限定的だ、民間病院と同じ機能を競合しながら経営する時代ではない、これまでの自助、自力による経営改善では不十分だと、こう言って、15の県立病院は再編、統合する、市町村、民間への移譲または運営委託をする、地方独立行政法人へと移行する、こういった選択をするときが来たと書いてあるんです。全体の特徴は、徹底した経営主義です。県民の医療、県民の命をどう守るかなんていうのは棚に上げて、どういうふうにしたらもうかるか。実は、この検討会議のメンバーは9人いまして、ほとんど民間出身。こういう結果になるんだろうなという予測はしていましたが、しかし余りにもひど過ぎる。ごらんのとおり、上越市には県立中央病院と柿崎病院がございます。 そういう中で、私は市長に伺いたい。 お尋ねしたいことの1番目は、県立病院改革についての中間報告は、市民医療環境に対してどういう影響を与えると見ておいでかということでございます。 お尋ねしたいことの2番目は、柿崎病院に対する支援についてであります。これまで同病院については、柿崎町、吉川町、大潟町が後援会組織を持ちまして支えてきた経過がございますが、合併によって解散となってしまいました。柿崎病院は頸北地域住民にとりましては、まさに命の綱でございます。私は、柿崎病院の存続と充実のために後援会組織を立ち上げるべきだというふうに考えておりますけれども、いかがでありましょうか。 〔橋 爪 法 一 議 員 自席へ戻る〕 |
○市川文一議長 橋爪議員、まだ…… 〔「全部やらんきゃだめ……」と呼ぶ者あり〕 |
○市川文一議長 全部やってください。 〔橋 爪 法 一 議 員 登 壇〕 |
◆1番(橋爪法一議員) 質問テクニックとして考えたんですが、じゃ二つ目に入りましょう。 豪雪対策について伺います。今冬は19年ぶりの豪雪になりました。今も安塚の須川では3メーターを超える積雪になっています。大島の菖蒲、吉川の上川谷などでは2メーター50センチを超えています。豪雪は、そこに住む住民にとっては障害物そのものであります。通勤、通学、農業生産などにさまざまな影響を与えます。そして、何よりもそれをどかさないと暮らせない、安心して住めない、そういう問題であります。市では、防災安全課を初め、関係機関が豪雪対策に力を注いでくださいました。感謝しています。しかし、今冬の豪雪対策については、19年ぶりの豪雪となったこと、これまでと雪の降り方が違ってきていること、そして14の市町村が合併したことなどによりまして、検討すべきことが幾つも出てきていることも事実であります。 私ども議員団は、市民の声を集落段階で聞き取り調査をしてまいりました。また、吉川、大島、安塚、浦川原の各区を訪れ、現地調査もしてまいりました。それらに基づいて市長にお伺いいたします。 お尋ねしたいことの1点目は、市長の豪雪認識そのものであります。どういう状況になったとき豪雪というのか、お答えいただきたい。同時に、なぜ大雪警戒対策から豪雪対策あるいは雪害対策本部へと格上げ措置をとらなかったのか、お答えいただきたいと思います。 お尋ねしたいことの2点目は、豪雪対策の基準についてであります。市豪雪災害対策本部の設置基準、県災害救助条例の適用基準、警戒積雪深の設定の仕方、こういった事項の見直しが必要だと私は考えますが、いかがでありましょうか。 お尋ねしたいことの3点目は、融雪災害、雪崩などに対し、どう対応しているかであります。 最後に、子供の安全対策について、これは教育長にお尋ねしたいと思います。さきに配付されました資料によりますと、上越市内で平成16年度、児童生徒の安全にかかわる事件が発生した、あるいは発生しそうになった、いわゆる不審者事案、これは74件にも上っています。ざっと計算してみますと、5日に1件の割合で発生しているんです。未来を担う子供たちを守るというのは、私は今まさに急務だと思っています。 そこで、教育長にお尋ねしたい。 まず第1は、子供に対する犯罪が多発している背景をどう見ているかであります。 第2は、子供が学校や通学途上あるいは地域の中でどのような犯罪の危険に遭遇しているか。私は、全面的な実態調査をすべきだと思います。どうお考えかお聞かせいただきたいと思います。 第3は、命の重み、大切さを子供の心に刻み込む取り組みについてであります。新年度予算などに盛られました諸対策は評価できるものでございますが、何よりも命の重み、大切さを子供の心に刻み込む取り組みをもっと重視すべきだと私は思いますし、それが基本だと思うんです。この点いかがでありましょうか。以上です。 |
○市川文一議長 木浦市長。 〔市 長 登 壇〕 |
◎木浦正幸市長 最初に、県立病院改革問題についてのお尋ねにお答えいたします。 まず、県立病院改革検討会議の中間報告について、市民の医療環境にどのような影響を与えると考えているのかとの御質問であります。県民の健康保持に必要な医療の提供と公共の福祉の増進を図るために、県内には15の県立病院が設置されておりますが、このうち当市には合併前の上越市を中心とした地域の基幹病院であり、上越地域の第3次救急医療としての救命救急センターを備えた中央病院と、柿崎区、大潟区、吉川区の頸北地区を医療守備範囲とした地域医療病院である柿崎病院が設置されております。県立病院は、多額の累積欠損金を抱えるに至っており、県はこの厳しい経営状況の現状を踏まえ、昨年経営健全化を図るための具体的改善策及び今後のあり方等について民間有識者の方々から広く検討いただくために、県立病院改革検討会議を立ち上げ、県民の理解と協力を得ることを目的に、本年1月14日に中間報告が出されたことは既に御案内のとおりであります。 さて、この中間報告について、当市の医療環境にどのような影響を与えると考えているのかとのお尋ねについてでありますが、現在県立病院は平成15年度決算で累積赤字が339億円に達するなど、多額の累積欠損金を抱えるに至っており、経営の抜本的な見直しが不可欠なものでありますことは論をまたないものと考えております。その一方で、公的医療機関として医療の安全確保はもとより、民間で実施困難な高度医療や救命救急医療など、公的医療機関としての使命を有する側面もあるものと考えております。 今回の中間報告では、個々の病院についての具体的な見直し等には言及されておりませんが、注目されるのはこれまでも県が赤字解消のために実施してきた改善ではなく、改革につなげていこうという点であり、改革の方法として再編、統合、市町村、民間への移譲または運営委託、地方独立行政法人への移行という抜本的な体制の見直しを検討するとしているところでございます。もとより当地域に関係の深い県立病院としては、先ほど申し上げました中央病院と柿崎病院のほかにも松代病院と妙高病院があり、いずれも地域住民の医療確保に大きく貢献していただいております。特に中間報告の中で僻地不採算医療として名指しされている四つの不採算地区病院のうち、柿崎病院、松代病院、妙高病院の3病院は当地域に属しており、柿崎病院や松代病院などが市町村、民間への移譲または運営委託も視野に入れての検討がなされていることから、今後の動向が懸念されるところでございます。 私は、市民が安全で安心して暮らし、健康で生きがいを持った生活を営むために必要な基盤を整備することは、行政に課せられた重要な責務であると考えております。中でも超高齢社会を迎えようとするときに、医療体制の後退は到底許されないものでありますので、今後県民や関係機関の意見を踏まえつつ、県立である15の病院それぞれに事情が異なることから、最もふさわしい方法について民意を結集していくべきであると考えております。しかしながら、これはあくまでも中間の報告であり、また改革スケジュールについても平成17年度以降にその内容を明らかにした上で推進すべきであるとのことでありますので、今後情報収集等に努めてまいりたいと考えているところでございます。 次に、県立柿崎病院の存続と充実のために後援会組織の立ち上げをすべきではないかとのお尋ねにお答えいたします。初めに、県立柿崎病院の沿革を申し上げますと、明治8年7月に中頸城郡高田病院分院として創立し、その後昭和24年11月に県立柿崎病院と改称し、診療科目は内科、外科、産婦人科、眼科で55床の病床数でありました。その後幾度か病床数の増減があり、昭和50年7月に一般病床62床、伝染病床23床、計85床の新病院を竣工し、平成6年4月からは一般病床が60床となり、平成7年10月には創立120周年を迎えました。平成14年11月に産婦人科を婦人科に変更し、平成15年3月には眼科等外来改築工事を竣工し、現在に至っております。現在の診療科目は、内科、外科、眼科、婦人科、耳鼻咽喉科、皮膚科及び整形外科の7科目の診療を行っております。また、入院施設としては、許可病床数が78床で、稼働病床数は60床でございます。柿崎病院の平成15年度の地域別外来患者の受診状況では、柿崎町4万1,306人、73.7%、吉川町1万1,357人、20.3%、大潟町1,848人、3.3%で、その他近隣からも利用されており、このことからも地域病院として広く利用されていることがわかります。この地域にあるほかの医療機関では、独立行政法人国立病院機構さいがた病院、国保診療所2カ所、歯科を含めた12の開業医がございます。 柿崎病院の平成15年度の利用状況では、入院患者数は1万6,386人で、1日平均44.8人、病床利用率では74.6%となっており、外来患者数は5万4,871人で、1日平均223.1人でございます。近年の外来患者数の推移では、平成13年度、6万901人、平成14年度、5万8,296人と毎年少しずつ利用者が減っております。 さて、お尋ねの後援会組織でございますが、合併前の柿崎町、大潟町、吉川町では、昭和52年2月1日に病院の運営に関する事項に協力することを目的に柿崎病院後援会を立ち上げ、事務所を柿崎町役場内に設置し、各町長を初め町議会議長や議員の方々が後援会役員として長年病院への支援を続けてこられ、合併前に発展的に解散されたとお聞きしておりますし、またこの間の主な後援会活動としては、毎年2回、医師確保対策として新潟大学医学部や富山医科薬科大学に医師招聘活動をされてきたこともお聞きいたしておりますので、そのような地域の多くの皆さんの熱い思いを無にすることのないよう、関係される議員の方々とも十分連携を図って対応してまいりたいと考えているところでございます。 次に、豪雪対策についてのお尋ねにお答えいたします。まず、私の豪雪についての認識と、なぜ大雪警戒対策から豪雪対策あるいは雪害対策本部へと格上げ措置をとらなかったのかとの御質問であります。最初に、豪雪の認識についてでございますが、異常に大量の降雪があることにより、つまり豪雪により家屋倒壊が広範囲で発生するおそれがあるときや、雪崩の発生により、市民生活に大きな影響を及ぼすと認められる状況になれば、大雪災害対策本部を設置することになりますことから、豪雪というのは災害ととらえるべきであると考えておりまして、そういう意味では豪雪というのはそういった認識のもとで、大量の降雪があるということの認識でございます。 今冬の県内におきましては、19年ぶりの大雪に見舞われ、特に新潟県中越大震災の被災地でございます中越地方を中心に大雪となりました。当市におきましても、19年前の昭和61年のレベルまでは達していないものの、ここ数年間の比較ではほぼ市内全域において累計降雪量、最大積雪深ともに最大値を示している状況にあります。当市におきましては、1月に合併を迎えることになりましたことから、既に各区においては降雪期を迎える前から除雪対策等は整えていたところであり、合併前の12月27日には旧町村と本庁との事務引き継ぎを行い、合併後の市内における防災及び災害対応時の責任ある適切な対応と連絡体制の徹底などについて確認し合ってまいりました。私は、市民の生命と財産を守り、市民生活の安全と安心を確保することが行政の最大の責務であると考えておりますことから、何よりも先にまず行わなければならないことは、合併後の広大な市域に居住されるすべての市民が、安心して安全に暮らせるための防災体制づくりであるとの認識のもと、関係機関からも参加協力いただいて、必要な体制づくりのための会議を開催してまいりました。 合併直後の1月6日には、当市にとって今後最も心配される地すべりへの対応について、まず関係機関を含めた情報収集、伝達体制の確認と徹底が重要でありますことから、新潟県上越地域振興局、新井砂防事務所、安塚地区振興事務所からも御出席いただき、各区総合事務所と本庁関係課の連携に基づく土砂災害発生時の連絡及び連携体制について確認、徹底のための会議を開催いたしたところでございます。 また、1月18日には、大雪に対する対応を再確認するため、各区総合事務所と本庁関係課を集めた庁内除排雪対策会議を開催し、降積雪の状況により、初動対応を適切に行い、大雪警戒対策本部や大雪災害対策本部を設置する際の基準について、現地における総合事務所の役割と本庁における総合的な役割も含め、確認、徹底を図ってまいりました。 さらに、1月21日には、各区総合事務所の防災担当者と本庁担当職員を集め、防災事務担当者会議を開催し、防災関係事務の詳細について確認し合ってきたところでございます。こうした会議を通して、本庁と各区総合事務所の役割分担について、本庁においては災害時あるいは災害発生が予測されるときには、全市域の災害関連情報を常時入手するとともに、各区総合事務所と連絡をとり合い、十分に連携し、協力体制がとれるよう万全を期すこととしておりますとともに、各区総合事務所においては、管内で発生した災害について初動対応がおくれることのないよう責任を持って対応し、本庁との適切な連絡体制をとることを確認し、共通認識のもとに徹底を図ったところでございます。したがいまして、災害関連の情報管理を総合的に行いながら、必要な指示、伝達を行う本庁と地区の実情を十分把握した中で、現地対応を行う各区総合事務所が常に一体的に防災対応と災害時の対応ができるよう、これまで時間をかけて職員間の意思の疎通を図りながら体制づくりを行ってきたところでございます。 こうした中、降積雪状況が悪化した1月31日には、私を本部長とする大雪警戒対策本部を設置するとともに、特に雪崩防止や高齢者対応が必要な各区においては、総合事務所長を本部長とする現地本部を設置して、警戒態勢を整えてきたところでございます。大雪警戒対策本部につきましては、降積雪の状況及び見込みにより、緊急屋根雪おろし及び堆積した雪の処理を円滑に進めるための体制を整える必要があると判断されたときに設置することになっており、警戒対策本部設置後の状況変化によっては、いつでも大雪災害対策本部へ移行することといたしているものでございます。 大雪警戒対策本部として行っている対応状況といたしましては、高齢者の安否確認や屋根雪除雪等の支援及び児童生徒の通学路の安全確保並びに道路除雪と雪崩危険箇所の雪庇落としによる安全確保のほか、消火栓、防火水槽等の水利の確保など本庁関係課も現地を確認し、各区総合事務所と十分な連携体制をとりながら、対応に万全を期してまいったところでございます。また、これらの対応に合わせて、各区総合事務所において防災行政無線や有線放送により、市民に対して降積雪に伴う事故防止や火災予防などの注意喚起を行ってきたところでございます。 こうした対応を講じてきたにもかかわらず、2月5日に自宅2階屋根を除雪しようとした男性が、はしごから屋根に乗り移る際に転落され、亡くなられたほか、除雪作業中に除雪機に指を挟まれるなど、昨日までに11名の方が重軽傷を負われましたことはまことに残念であり、この場をおかりして御冥福とお見舞いを申し上げたいと存じます。このほか、積雪により老朽化した無人の住宅が半壊したり、簡易なつくりの作業小屋が倒壊するなど、合わせて6棟の被害が発生いたしました。このような人的被害及び家屋等の被害発生に際しましては、再発防止のため、改めて除雪作業時の注意喚起や屋根雪による空き家等の倒壊防止について周知徹底を図ってまいりました。 一方、新潟県では、特に中越地方においては7.13水害や新潟県中越大震災で大きな被害を受けられ、大変お気の毒な状況にありながら、さらにこのたびは他の地域を上回る豪雪に見舞われ、大地震の影響もあって、雪崩や地すべりの発生する危険性が従来にも増して高まる中、高柳町における雪崩による死亡事故の発生を受けて、2月1日から設置していた新潟県豪雪警戒本部を18日に新潟県豪雪対策本部に格上げし、雪崩事故の発生を極力防止することも含め、豪雪対策に関する体制を強化されたところでございます。 当市におきましては、平年に比べ、降積雪量が多い状況の中、大雪警戒対策本部を迅速に立ち上げ、さまざまな対応を講じてまいりました。先ほども申し上げましたとおり、大雪警戒対策本部と大雪災害対策本部の名称の違いはあっても、警戒対策本部においては単に警戒というだけでなく、必要な対応についてすべて行ってきているものでございます。平年に比較して降積雪量が多かったことはありますが、雪崩による事故発生や一斉屋根雪おろし実施などの対応の必要までには至らなかったことから、今冬につきましては大雪警戒対策本部の中で必要な対応を行ってきたところでございます。 次に、豪雪対策の新たな基準づくりが求められていると思うが、どうかとの御質問にお答えいたします。合併前の14市町村における災害対策本部の設置基準につきましては、例えば一定の測定地点において警戒積雪深を目安として定めたり、あるいは連日一定以上の降雪が連続した場合など、具体的な数値等で基準となる目安を決めていたところも中にはありましたが、大半は降積雪の状況を見ながら判断することとなっており、明確な基準は定められておりませんでした。また、名称も災害対策本部、豪雪対策本部、雪害対策本部などまちまちでありました。合併後の当市は、海岸部から山間部までさまざまな降積雪状況を呈する広大な市域を抱えておりますことから、現状では基本的な大雪災害対策本部の設置基準に基づき対応し、降積雪状況に大きな差を生ずる各地域の状況判断につきましては、地区の実情を十分承知している各区総合事務所の判断を尊重することとして体制づくりを行ってきたところでございます。 しかしながら、今冬の降積雪状況を見ると、新潟地方気象台の予想に反し、周期的に大雪に見舞われるなど、これまでの降雪状況とは違ってきており、昨年の7.13水害や新潟県中越大震災の発生をも考え合わせますと、今後は通常の尺度でははかり知れない事態になることも視野に入れた対応を考えていかなければならないと感じているところでございます。 大雪災害対策本部の設置基準につきましては、確かに議員のおっしゃるとおり、現状では異常降雪により、災害発生のおそれがあり、緊急屋根雪おろしの実施及び堆積した雪を処理する必要があると判断したときとしており、合併前の上越市の基準を基本として考えてきたものでありますことから、合併後の全市域に対応した基準としては十分な内容であるとは言えないと考えております。したがいまして、今冬設置した本庁における大雪警戒対策本部及び各区総合事務所に設置した現地本部の対応状況を検証し、各区の地理、地形や家屋の点在の状況あるいはそこに住んでおられる方々の状況などを十分に把握した上で、多角的な視点から実情に即した基準の見直しに鋭意取り組んでまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りたいと存じます。 次に、融雪災害、雪崩などにどう対応しているかとの御質問にお答えいたします。融雪に伴う農地、農業用施設の災害発生につきましては、その年の積雪量と1日当たりの融雪量により大きく影響されることから、その予防は大変難しいところがございます。既に融雪期に入っている中山間地域において、災害発生の危険性のある箇所等では、市内全域で92名の地すべり巡視員など地域の皆さんと連携を密にし、早期の発見と迅速な対応を図ることといたしております。また、融雪に関する気象情報等を的確に把握する中、地域への情報提供と農業用施設の適正な維持管理等の注意喚起に努めております。 さらに、農地等の地すべり防止を図るため、現在国の直轄3区域を含め、61区域の5,431ヘクタールにおいて水抜きボーリング等の地すべり防止工事が進められており、融雪災害の予防対策としても大きな効果が期待されているところでございます。 いずれにいたしましても、市民の生命の安全を守ることはもちろんでございますが、生産基盤であります田畑や農道、水路等は、地域の重要な農業施設であり、貴重な地域財産でもありますことから、地域の皆さんを初め、県や関係土地改良区とも十分連携、協力し、地すべり防止工事等の一層の推進を図るとともに、災害の発生に際しては速やかな復旧に最大限努めてまいりたいと考えております。 また、雪崩対策についてでありますが、今冬は中山間地域においては例年にない大雪となりましたことから、雪崩から道路を守るため、懸命に雪庇処理を行ってまいりました。すなわち、県が管理する国道、主要地方道、一般県道につきましては1月6日〜2月25日までの間、また市道につきましては1月20日〜2月23日までの間、雪庇処理を実施し、地域の皆さんの安全と道路交通の確保を図ってきたところでございます。 こうした中、雪崩の危険性が生じたため、市道を交通どめにした箇所としては、大島区で1路線、安塚区で1路線の計2路線、またバス運行に対する障害としては、吉川区において短時間、県道で2回発生いたしましたが、全体的には雪庇処理などが早期に対応されてきたため、今冬の雪崩による影響については今のところ比較的少なかったと考えているところでございます。 これまでも雪崩対策につきましては、十分に意を用いて対応してきたところでございますが、むしろ融雪期を迎えるこれからが重要でありますことから、道路に係る雪崩対策は、本庁を初め、地理や地形等を熟知している各区総合事務所と連携して対応するものとし、今後とも危険箇所のパトロールを強化するとともに、地域住民の皆さんに注意喚起させていただくほか、危険箇所につきましては雪崩防止さく等の整備を図ってまいりたいと考えているところでございます。 こうした中、3月17日、第3回大雪警戒対策会議を開催し、融雪期の防災対策について雪崩危険箇所のパトロールや通学路の安全確保及び要援護者の安全確保などの体制について確認し、市民への注意喚起も継続して行うことといたしたところでございます。 いずれにいたしましても、今後とも気象情報等を的確に把握するとともに、本庁と各区総合事務所並びに県関係事務所とも緊密に連携を図りながら、決して気を緩めることなく、市民の安全と安心を守るための職員の防災意識を維持し続けながら、融雪災害や雪崩災害に対する適切な予防対応に努め、新たな課題が生じた場合には、その都度見直しと改善対応を図ってまいる所存でございますので、御理解を賜りたいと存じます。私からは以上でございます。 |
○市川文一議長 加藤教育長。 〔教 育 長 登 壇〕 |
◎加藤淳一教育長 私からは、子供の安全対策についてのお尋ねにお答えいたします。 初めに、子供に対する犯罪が多発している背景をどう見ているかとの御質問についてでありますが、平成16年の警察庁発行のパンフレット資料「少年からのシグナル」によりますと、少年が被害者となった刑法犯の全国における認知件数は、平成6年が32万8,332件であったものが、平成15年には38万5,762件となり、10年間の間に5万7,430件、17.5%増加し、中でも性犯罪被害件数は2,878件が7,376件と約2.6倍に、また連れ去り被害に遭った件数は259件が415件と1.6倍にそれぞれふえております。全国的な傾向としては、純真な子供たちが被害に遭う犯罪は年々増加しており、憂慮すべき事態であると認識しているところであります。 さらに、平成15年版の犯罪白書によりますと、殺人についての検挙人員、構成比の推移は、昭和48年から50年代までは有職者が無職者を上回っておりましたが、60年代には両者が同程度となり、平成に入って以降、いわゆるバブル崩壊後、有職者は横ばいでありますが、無職者はやや増加傾向にあると報告されております。また、強盗については、昭和57年までは実数、構成比ともに有職者が多かったものが、その後無職者が有職者を超えるようになり、平成4年以降は両者ともに増加しているものの、無職者の増加が著しくなっております。 さらに、この白書では強盗件数の増加につきましては、長引く不況による完全失業率の増大や自己破産などの事件数、さらに多重債務といった相談件数が平成8年ころから急激に増加していることから、無職者や金銭に困窮している経済的破綻者の増加といった社会的背景と無関係ではあり得ないと分析されているところであり、強盗する動機は、それまで遊興費充当、小遣い銭欲しさ、生活困窮、債務返済が主なものでありましたが、近年では特に生活困窮と債務返済の動機が増加傾向を示しているとのことからもうかがえるものであります。 一方、不況のため、青少年の失業率が高く、学校を卒業しても就業が困難であるなどの事情に加えて、青少年の就業意欲の低下が多数の無職少年が存在しているという社会的背景から、直ちに無職者による犯罪の原因とするまでには至らなくとも、影響を与えている要因の一つではないかと私も認識しているところであります。 このような状況の中で、一般的にはストレスと社会不安に追い詰められた人が弱者への攻撃をはけ口にして、自己を救済しようとする傾向が強まるとされており、そのはけ口が子供に向けられているのではないかとの有識者の指摘もあります。 ちなみに、さきの犯罪白書における強盗件数の増加に伴って、未成年者の被害は平成8年以降、急激に増加し、平成14年には平成7年の2.9倍になっております。また、高齢者や女性も被害に遭いやすくなっており、いわゆる社会的弱者と言われる方々への犯罪がふえていると認識しております。 次の御質問の答弁でも触れさせていただきますが、この間の上越市における小中学生に対しての不審者事案を見ますと、全国的に報道された略取誘拐事件に見られる車からの声かけなどといった手口が似通っていることから、模倣犯の可能性も十分にあるのではないかと感じているところであります。 いずれにいたしましても、一般的な犯罪の増加原因は複雑な要因が絡み合っているものであり、子供に対する犯罪の背景や要因も、一般的な犯罪とその根幹的な部分では共通するものがあると受けとめているところでございます。 次に、子供が通学途上、地域の中でどのような犯罪の危険に遭遇しているか実態調査をすべきではないかとの御質問にお答えいたします。子供が被害に遭うまでには至らなかったけれども、登下校中などで子供自身がひやっとした経験や、怖いと感じたことなどをその都度家庭や学校から教育委員会に報告されてきており、それらをまとめたものが、さきに皆様に御報告させていただきました不審者情報であります。不審者の発生状況は、平成17年1月から3月15日までで24件発生しており、平成16年の発生件数は66件、16年の同時期の比較におきましても15件増となっており、増加傾向にあると言えます。 この不審者情報を分析いたしましたので、若干説明させていただきますと、発生時間区分で見ますと、下校時が約8割の19件、登校時は3件、その他遊んでいるときなどが2件であり、下校時の1人のときがねらわれやすい状況であります。また、不審者の子供に対する不審行為の内容は、声かけが12件で50%、つきまといや追いかけ行為が6件で25%、写真撮影が2件で約8%、その他が4件で約16%などであります。さらに、発生場所を見てまいりますと、必ずしも人通りが少ない寂しい場所で発生しているというのではなく、場所に関係なく発生しているということが最近の傾向であると考えております。また、不審者被害に遭った子供たちは、小学校の低中学年が6割で14件と多く、曜日別で見ると、土日が3件しかなく、不審行為の大半は平日の下校時に発生しております。さらに、不審者の特徴としては、半数以上の13件が車を使用していることや、ほとんどの子供たちは不審者とそれまで面識がないことであります。 最近発生した事案では、「3万円上げるから遊ばない」と男に声をかけられて腕をつかまれたが、相手の腕にかみついて難を逃れたケースや、「お母さんが病院に入院しているから、一緒に行こう」と声をかけられたケースなど、悪質で巧妙なものがふえてきております。これらのことから、議員御指摘のとおり、下校時に子供が1人で歩いている場合が特に危険であるということが言えるとともに、奈良県で発生した略取誘拐といった大事件にいつでもつながる事態が当上越市でも起きていると考えております。 このようなことから、教育委員会といたしましては、危機感を持って対応してまいりましたことはこれまで御説明させていただいたとおりでありますが、特に不審者事案に対しましては、学校、保護者、地域が共同して登下校時の子供たちを見守ったり、地域をパトロールしたりするなどの取り組みが効果的であります。 このため2月に全小中学校区におきまして、保護者や町内会長を初めとした地域の防犯対策関係者からお集まりいただき、校区不審者対策会議を開催し、子供たちを守るための具体的な行動計画を立てて実行していただいたところであります。どこの地域におきましても、早速登下校時のパトロールや引率など、学校、家庭、地域が一体となって具体的に取り組まれており、不審者に対する一定の抑止力という意味での効果が上がっているのではないかと感じておりますし、地域を挙げての取り組みには心から感謝を申し上げますとともに、今後とも積極的に不審者対策に御協力をお願いする次第であります。 このような動きの中で、大潟町小学校区のおおがたみまもり隊や春日中学校区の子ども見守り隊などのような自主的なパトロール活動が生まれてきており、その動きは他の地域にも広がってきておりますことは、さきの総括質疑の早津議員にお答えいたしたとおりであります。 また、校区不審者対策会議の中で、校区における安全マップをつくろうという建設的な提案がさまざまな地域から出されました。このことを受けまして、教育委員会といたしましては、子供たち自身が自分の目線で通学路を中心に、例えば犯罪者が入りやすく、外部から見えにくい場所等の観点から危険箇所を点検し、大人では思いつかないようなアイデアを凝らした地域安全マップの作成について計画をしております。これは子供たちの危険察知能力を高めるとともに、行政にとっては犯罪の起きにくい生活環境の整備という面で、また地域住民にとっては防犯パトロールの実施箇所の選定という面で非常に参考になるものと期待しているところであります。 このような取り組みの中で、議員から御提案のありました犯罪の危険に遭遇したかどうかの実態調査につきましても、学校、PTA、町内会、青少協など子供たちの健全育成にかかわる諸団体が協力する中で、子供たちへのアンケートを実施したり、危険な目に遭った場所を地図に落としたり、歩いて調査を行ったりするなどの調査を行うなど、子供が犯罪の被害者にならないよう、あわせて取り組んでまいりたいと考えておりますので、何とぞ御理解、御協力を賜りたいと思います。 次に、新年度予算などに盛られた諸対策は評価できるが、命の重み、大切さを子供の心に刻む取り組みをもっと重視すべきであると思うが、どうかとの御質問にお答えいたします。平成9年に神戸市で発生いたしました中学生による小学生殺傷事件、また平成10年の栃木県黒磯市で発生した中学生による教師殺傷事件、さらには最近では昨年6月の長崎県佐世保市で発生した同級生殺害事件や7月の三条市での包丁による同級生傷害事件など、子供たちによる凶悪事件が連続して発生している状況を見ますと、私といたしましても、本当に憂える事態であり、何とか子供たちの心に命の大切さを強く意識づけたいと思っているところであります。 このような少年による殺傷事件等が多発する中で、文部科学省や新潟県では各地で発生した少年による殺傷事件を受けて、より一層の学校の安全管理を進めるとともに、子供の心に響く命の大切さの指導を工夫するよう求めているところであります。 このような状況の中で、上越市教育委員会では平成12年度以降、命の尊重については学校教育実践上の重点の中でも最重要事項として指導してきたところであり、合併前の上越市の小中学校では、命の大切さを伝える教育に熱心に取り組んでおり、昨年7月に上越市教育委員会が実施いたしました命を尊重する心を育てる教育についての調査結果を見ますと、すべての学校、すべての学年で命を尊重する心を育てる教育が行われており、しかもほとんどの教科、領域を通して実践されているところであります。 一方、13区の小中学校におきましても、命を尊重する心を育てる教育について、合併前の上越市の小中学校と同様、熱心に取り組まれているものと認識しております。 具体的な取り組みについて若干述べさせていただきますと、平成16年9月定例会の永島議員の一般質問において答弁させていただきましたが、市内A小学校では1年生の生活科と道徳の時間に命のあさがおの種を植え、栽培活動を続けることを通して生命のとうとさ、かけがえのなさについて考える機会を設けたことで、子供たちに生きることのすばらしさや、命の重みに気づかせることができたすばらしい取り組みがなされました。 また、B小学校では、6年生の学級活動の時間に、地域に住んでおられ、長い間助産師として活躍され、たくさんの生命誕生や死の場面に立ち会ってこられた方を学校にお招きし、授業参観日に親子一緒で命の大切さについての講話をお聞きするという取り組みも行いました。お話をお聞きした以降、子供たちからは死に関する言葉をふざけたり、けんかをしたりして口走るような場面がほとんどなくなったと聞いておりますし、さらには自分を産んでくれた親や、これまでお世話になった周りの人に対する感謝の気持ちが高まってきたと、子供の変容ぶりが報告されているところであります。 このように各学校では議員が指摘されておられる命の重み、大切さを心に刻む取り組みを真摯に受けとめ、実践しているものと受けとめております。今後とも指導方法や教材等を工夫し、より一層子供たちの心に響く取り組みを行うよう指導してまいりたいと考えております。 以上でございます。 |
○市川文一議長 1番、橋爪法一議員。 〔橋 爪 法 一 議 員 登 壇〕 |
◆1番(橋爪法一議員) まず最初に、県立病院の改革の問題について質問いたしますが、きょうも傍聴者の中には柿崎病院の後援会の理事だった方がお見えでございます。それほど地域の皆さん方は心配されているんです。 市長が言われたように、私は県立病院の赤字対策、これは大変な状況にあることは私も知っています。ですから、何もしないでいいというふうには思っておりません。私は、県民本位の改革をしていかんきゃならんと。住民が安心して医療機関にかかれるような体制をいっときも早くつくってほしい、そういう思いでいます。そういう中で一番身近な柿崎病院、これがどうなるか本当に心配なんです。だから、質問をしています。 この柿崎病院については、実は合併協議の中で一定の方向が示されています。先ほど助役にお見せしたんですが、昨年の11月4日付の助役から柿崎町助役の小池さんへの公的な文書の中でこういうふうに書かれています。「合併後は、従来県立柿崎病院後援会で行っていたような医師の確保に伴う物品等による支援は行うことはできないが、例えば新市の柿崎区総合事務所、健康づくり推進課、医療センター病院管理課などが相互に連携を図り、医師の確保や招聘、さらには病院機能の充実に最大限努力していきたい」。その話と、先ほどの市長の答弁と食い違いはございませんから、私は安心しているんですが、いま一歩踏み込んだ御答弁をお願いしたいと思います。 私の質問は、後援会組織を立ち上げることができないかという話なんです。柿崎病院の後援会は、3町の首長さんや、それから議員などが集まりまして立ち上げて活動してきました。今までの歴史を振り返ると、非常に大事な役割を果たしています。それを今ここでぷつんと切ってしまいたくないんです。やはり市長が先頭になって、我々も協力します。市長から連携してくださいという呼びかけもありましたから、そういう中でぜひ地域でもって支える仕組みをつくっていきたいんです。ですから、後援会という形になるのかどういうふうになるのかわかりませんが、そういう組織を立ち上げて、柿崎病院を守っていきましょうと、この答弁をもう一度お願いしたいと思います。 二つ目の豪雪対策でございます。豪雪は大量の降雪があることをいう、まさにそのとおりです。ただ、そこに人が住んでいるということをやはり知ってほしいと思うんです。この写真、見覚えございますね。これは杉本議員が1月に吉川区の上川谷というところで撮ってくれた写真なんです。3メーター以上の大雪なんです。ここに80歳になんなんとするばあちゃんが住んでいる。漬物が非常に上手なばあちゃんです。ひとり暮らしだから、はっきり言って大雪でもってどんどん、どんどん降ると不安でしようがない。もし病気でも出したらどうなるだろう。こういう気持ちで雪を見ているんですよ。2メーター、3メーターの雪というのは、このばあちゃんにとっては、もう完全な障害物。楽しむ対象じゃないんです。暮らしていく上で大変な障害だという認識なんです。豪雪対策というのは、私はそういう気持ちにこたえることだと思うんです。 先ほど市長の答弁を聞いて、はて、これでいいのかと思ったことがございます。大雪警戒対策本部から私は豪雪あるいは雪害対策本部をつくったらどうですかと、なぜつくらなかったかというお尋ねをしたんですけども、やることはやったという話ですが、しかし今冬、市民の1人が亡くなって、11人の方が重軽傷を負った、そういう事実があるのに、警戒対策本部でいいんでしょうかね。県も2月1日に警戒対策本部をつくりました。2月18日には、雪害対策本部だったか豪雪対策本部だったか正式な名前は忘れましたが、立ち上げましたよ。そういう構えが私はあなたに求められていると思うんです。亡くなられた方も、けがを負われた方もこの上越市民でしょう。上越の、上越家と言ったらいいのかな、その中のあなたはリーダー。その家族の一員でしょう。死んだりけがをしているときに、警戒というような意識でいいですか。やっぱり一番重い位置づけをして対策に取り組む、そういうことが必要なんではないでしょうか。 それから、新たな基準づくり、私は今回の19年ぶりの豪雪を見て、本当にいろんな場面で果たしてこういう基準でいいのかということ、そういう事態にぶつかりました。例えば吉川区には指定観測所が2カ所、それから一番雪のあるところにもう1カ所あるんです。ところが、この市のホームページに載っているところは、指定観測所は雪の少ないところの2カ所の指定観測所だけなんです。そして、豪雪対策をやるときの基準になるのは、この指定観測所の平均積雪、これがどうなっていくか。ここに絶えず注目されていたでしょう、数字的には。最近の雪は、平場は余り降らないで、山間地にたくさん降る、そういうパターンが多いんです。今回もそうだったでしょう。だから、従来型の基準で、従来型の対応では、さっきのばあちゃんのような一番苦しんでいるところに対応できないんです。だから、基準は豪雪対策本部の設置基準だけじゃなくて、私はもっともっとこれまで市がやってきたさまざまな取り組みの中でどういう基準がいいのか、検討する必要があると思います。 それで、市長に改めて聞きますが、今までの豪雪対策、大雪対策に取り組む中でどういった基準を見直すべきなのか。整理できていたら、それを具体的に答えていただきたいと思います。 それから、教育長にお尋ねしたいと思います。今ほど丁寧な御説明をいただきました。私は、2番目で心配したのは、今教育委員会でつかまれているこの実態というのは、家庭や学校からの提供があった情報なんです。果たしてそれだけですべてかというのが私の問題意識としてあるんです。だから、全体のもっと全容をつかむ工夫をしてほしいという話をさせていただきました。今教育長の方からいろんな団体とも連携をしながら、実態をつかむ努力をされるということでございますので、その点もう一度私が言ったように全容をつかむための実態調査をするという点で御確認をさせていただきたいと思います。 それから、命の重み、大切さを子供の心に刻み込む、刻んでもらう、その教育の実態については私、きょう教育長の答弁を聞いて勉強不足だと思いました。学校の現場では、私が予想した以上にやっておられると、その点は関心いたしました。 ただ、私はこの命の重みの問題というのは、学校だけではいけないと思います。地域も家庭も、この問題についての認識をしっかり持って取り組まないと、子供はいい子に育たない。教育長さんもそうでしたでしょうし、私もそうですが、子供のときは自分の周りで人が死んだでしょう、じいちゃん、ばあちゃんが。自分の周りで赤ちゃん生まれましたね。そういうことをちゃんと見ながら育ってきた。だから、もう別に教育をしなくても、現実の生活の中で命の重みはわかってきました。今残念ながらそういう場がないんです。それは、学校でもそうした機会をつくる必要があると思いますけれども、地域や家庭でも私はそういう努力をして、そしてそういう取り組みの経験をみんなで交流し合って、子供をどうしたら命を大切にする子供にできるか、その検討するときに来ていると思います。 実は、私も牛を飼っています。最近の特徴は、若いお父さん、お母さんたちが、お産の状況、牛のお産を見たがる。子供を連れてこられる。昨年もある方が見えて、たまたまお産が失敗して子牛が死んでしまった。連れてこられた子供さんは泣いた。若いお父さん、お母さんも泣いた、私も泣きました。だけども、そういう場面を経験して、いやあ、いい経験させてもらった、そういう話をされていました。私は、これはささいな取り組みの一つの例でございますけども、こういったことが今本当に大切だと思うんです。子供が命の重みをわかれば、上越の小学校、中学校の子供たちは1万人を超えますから、そういうことをちゃんと学んだ子供がこれからどんどんふえていけば、上越市はこういった安全の問題については大きな前進が見られると思います。そういった点で、教育長はどのようにお考えなのか、再度お答えをいただければ幸いでございます。 |
○市川文一議長 木浦市長。 〔市 長 登 壇〕 |
◎木浦正幸市長 再度の御質問にお答えをさせていただきますが、まず県立病院の改革問題についての再度の質問でございました。後援会についてということでございます。地域住民の皆さんが後援会組織を立ち上げていかれるということについては、一向に構わないということでございますが、そこに行政が入りまして、会費の負担を行ったり、あるいはその会費をもとにいろんな形で支援したりということについては、法的にも若干疑問がございますので、自主的な後援会活動とタイアップして、医師のリクルート活動をしたり、病院の存続などについても行政として協力してまいりたいというふうにも思っているところであります。 いずれにいたしましても、議員が先ほどから御指摘されてきたことも私も十分に承知いたしておりますので、地域の皆さん、そしてまたその周辺の議会の皆さんと相談をしながら、これに当たってまいりたいと思っております。 そして、これは中間報告でございますので、多分議員は中間報告でも今から準備した方がいいのではないかといったところかもしれませんけれども、中間報告でもございますし、地域の皆さんときちんと相談をしながら、このことに向かって対応してまいりたいというふうに思っているところであります。 それから、2点目の豪雪対策についての再度の御質問でございましたが、転落死亡事故があったにもかかわらず、なぜ災害対策本部にしなかったのかということでございますが、転落事故でお一人亡くなられましたことは非常に悲しい出来事でございましたが、大雪災害対策本部に格上げするときの考え方といたしましては、市街地及び家屋連檐地域におきまして、道路に一斉に雪おろしをせざるを得なくなったとき、あるいは積雪による家屋倒壊が広範囲で発生するおそれがあるとき、あるいは雪崩が発生し、市民生活に大きな影響を及ぼすと認められるときなどの場合で考えられておりますことから、災害対策本部設置は行わず、大雪警戒対策の中で市民の注意喚起を行ってきたところでございます。 後ほどの豪雪対策の基準づくりと関連するわけでございますが、やはり対策本部につきましても、一番先に申し上げました家屋連檐の、あるいは市街地の道路に一斉雪おろしせざるを得なくなったときというのは、旧上越市の基準についてでございますし、それぞれこの災害対策本部の設置の考え方につきましても、若干ずれがあるようでございますし、もう一つの質問とダブってくるわけでございますが、この災害対策本部の設置基準等についても、おのずからそれぞれ14で違いがございます。それから、名称も違っております。そういう意味では、それぞれの見直しが必要であろうということで、先ほど答弁で申し上げたとおりでございます。 ことしの冬の雪対策につきましては、こう臨んだところでございまして、先ほど答弁の中で申し上げたとおりでございますが、12月1日に旧上越市内におきましては、雪が降っても降らなくても除雪体制に入ります。そういう流れで進んでまいりました。そして、1月4日から、合併をいたしまして、旧13町村におきましてはそれぞれの対応でやってきていただいておりました。そして、1月4日を迎えまして、準備をしてまいりましたそれぞれの一番その地域を知っておられる区において警戒態勢をとっていただくということになっていたわけでありますから、そのようにさせていただいて、そして本庁は警戒対策本部にしてほしいと、すべきだといった区が出たときに、これは中郷区が一番最初だったわけでございますが、そうしたときに一緒に本庁の中に大雪警戒対策本部ということを設置をさせていただいたわけでございます。 そういう意味で、今回の冬につきましては、合併のちょうど過渡期でもございましたので、そのように対応をさせていただいてきたわけでありますが、先ほど申し上げましたように、災害対策本部の設置基準あるいは名称等、それぞれ考え方が違っておりますので、そこはきちんとした一つのルールのもとで対応していかなければならないと。そして、また海岸部、それから平野部、そして中山間地等の降雪状況も違っているわけでございますから、そこの統一した基準をきちんとつくっていかなければ、今後については議員が御心配されている点、多々あろうかと思っております。そういう意味では、先ほど答弁の中で申し上げましたとおり、この設置基準も対応できるような統一したルールをきちんとつくれるように、今後とも各区のそれぞれ地域事情に精通している皆さんとともに、きちんとつくり上げてまいりたいというふうに思っているところでございますので、そのように御理解賜りたいと存じます。 |
○市川文一議長 加藤教育長。 〔教 育 長 登 壇〕 |
◎加藤淳一教育長 今橋爪議員さんから二つ再質問ちょうだいしましたが、2番目の学校、保護者等交えて全体調査をやったらどうか、実態調査をやったらどうか、私もそのように思っております。机の上でだけ見たりしても、なかなかうまくいかない。子供と一緒に歩く、あるいは先生が親と一緒に歩く、子供の行き帰りがどうなっているかということをしっかりと見届け、子ども110番の家がどこにあるのかというようなことなども考える上で、子供がいつどんな状況でひやっとした状況になっているのかということを調べながら、安全マップをつくってほしいと思っております。 これは「かけはし」という飯小学校区でつくりました安全マップであります。ここには子ども110番の家とか交通事故の多発地点とか、あるいは過去に不審者が出た場所とか、そういうものをみんな落とし込んで、これを「かけはし」というので各家庭に配って、気をつけなさいよという注意喚起をしているものでございます。こういうものを全小学校で、あるいは中学校で作成してもらって家庭に配り、子供もそのように自分なりに用心してほしいなと、こう思っているところでございますので、ぜひそのように取り組みたいと、こう思っています。 それから、2点目の命の重みを心に刻み込む、これは私もここのところは非常に難しい問題だと。私どもは、県の教育長からいろいろな事件が起きたときに、もっと心にしみ込む教育をしてくださいよと、こういうふうに強く言われました。何でもそうですけど、本当に心にしみ込む教育というのは一体どうすればできるのかというのは、みんな苦しみ、考えているところであります。私は、今橋爪議員さんがおっしゃった牛のお産という場面に立ち会ったと。大変こんないいお話、これも学校の教員としては多分いろいろ考えているのではないかと、こう思っています。物を育てていくとか、生命の誕生という場面では、こういう命の面にかかわって非常に大事なことではないかなと、こう思っております。 私の記憶で間違っていたらお許しいただきたいんですが、都会の子供たちが修学旅行で農場へ行って、農場でいわゆる牛とかいろいろな羊とか、そういう出産の場面を見学するということをして、それにお手伝いもしてきたと、そういう場面を読んだことがあります。そこまではできませんが、心にしみ込む教育をどういうふうに進めたらいいのか、またみんなでしっかりと考えていきたい。物を育てていくことは、非常に大切なことでありますし、子供も育てて、将来背負って立っていただくわけでありますから、立派になってほしいと、こう思っておりますので、ぜひまたいいお知恵がありましたら、皆さんからも拝借したいなと、こう思っております。どうぞよろしくお願いいたします。 |
○市川文一議長 1番、橋爪法一議員。 〔橋 爪 法 一 議 員 登 壇〕 |
◆1番(橋爪法一議員) まず最初に、県立病院の問題です、改革問題。まだ中間報告だからとおっしゃいますけど、そんなにのんびりしていい状況じゃないと思います、私。というのは、私の手元に入った情報では、もう1週間、2週間でもって本答申出ますよ。一気にこの15の病院どうするかという議論が活発化してきます。そういう緊急事態になってきているから、私きょう聞いたんです。そうじゃなかったら、6月でもいいと思った。そういう急展開があるということをまず認識していただきたいと、市長には。 それから、もう一つ、確かに後援、後押しをされると、議員とも連携をされると、それはいいです。でも、答弁の言葉として、私はもっと人間的な言葉を使ってもらいたい。というのは、行政が金出す、会費出すことについてはどうだこうだとか、私はそんなのは聞く必要ないと思っているんです、そんなの当たり前だから。そうじゃなくて、今関係住民がどういう思いでいるかというのをちゃんと感じ取って、私は市長として、じゃ協力しましょうよと、後押ししますと、あなたも力かしてください、あなたもあなたなりに力出しなさい、そういうすかっとした答弁を欲しいんです、私。 2番目の豪雪対策の問題、私は基準の問題、しつこく言うようですけども、実は私なりに思っているのは、警戒対策本部から豪雪対策本部に格上げしなかった理由の一つに、理由と言ったらいいか背景の一つに、やっぱり基準のところで行政側に戸惑いがあったんではないかと思ったんです、正直言って。これ私の気持ちです。 県のホームページで、きのう見たんですが、平成16年度豪雪による被害と対応状況というのがありまして、そこで昭和60年度以来19年ぶりの豪雪ということで表があるんです、グラフが。ここの一番右に上越のが載っているんです。昭和60年度と平成16年度の比較が出ておりまして、今冬については最大積雪深が108になっているんです、上越。それから、警戒積雪深、これが150になっているんです。これ何かなと思ったら、県が決めている基準なんです。上越地方、今何ていいましたっけ。上越振興事務所でしたか。 〔「振興局」と呼ぶ者あり〕 |
◆1番(橋爪法一議員) 振興局、あそこで雪がどのぐらい降ったか、あそこでの最大の積雪深が108というんだね。それから、県が何か対策をとるとき、上越では150を超えたら、これは警戒だと。御案内のとおり、県道もあり、市道もある、国道もある。そういう中で、除雪一つとってもみんな連携しなきゃならんでしょう。だから、基準もただ市の基準をどうこうするだけじゃなくて、私は県の基準だって、これ見直ししていく必要がある。 災害救助条例の話、ちょっとさっきしましたけど、あそこで適用基準として出されている累年平均最大積雪深にしましても、ずうっと昔から変わらない。雪の降り方が変わったって変わらない。こんな頑固な数字なんかいつまでもあったって、何も意味ないです。ですから、そういう点も含めて、ぜひ研究していただきたいということを申し上げておきたいと思います。終わります。 |
○市川文一議長 答弁、いいですか。
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◆1番(橋爪法一議員) いや、やってください。今ほど県との基準の問題、調整の必要もあります。県も見直す必要があるというふうに私は思うんですけども、いかがですか。 |
◎木浦正幸市長 再度の質問に答えさせていただきますが、豪雪の基準の問題につきましては、担当の部長から答弁させます。 県立病院の後援会づくりの組織についてでございますが、私が申し上げたのは、今までやってこられた後援会の組織ということで申し上げたわけでございまして、住民の皆さんからつくっていただくのは大変結構なことであると思っておりますし、私は医師確保の問題、それからまた僻地医療確保ということでも先頭に立ってこのことを訴えていくことは市長にとって大変重要なことであると、全く御指摘のとおりでございます。そういう意味では、そこの組織と一緒になれるかどうか、つまりその組織の活動によると思っておりますが、その医師の確保あるいは存続活動ということであれば、それは問題ないのではないかと思っておりますが、その先頭に立って頑張っていくということは、市長にとって大変重要なことであるというふうにも思っております。 そういう意味では、私が申し上げたのは、今まで存続してこられた後援会の組織ということで、若干そのように触れさせていただいたところであります。そういう意味では、地域の議員の皆様初め区の総合事務所、そして地域住民の皆様と協力して、要望活動などに対しまして先頭になって対処してまいりたいというふうに思っているところでございます。以上であります。 |
○市川文一議長 三上総務部長。 〔総 務 部 長 登 壇〕 |
◎三上雄司総務部長 それでは、私の方からは大雪についての警戒対策本部あるいは災害対策本部の設置基準の見直しについてというふうなことでお答えをさせていただきます。 総務委員会の中でもこのお話がございましたし、それから先ほども市長も答弁の中で繰り返し申し上げましたが、特に合併をいたしまして、非常に広範な地域が、しかも地形によって、特に降積雪の状況が大きく違う地域が一緒になったわけでございます。したがって、私はここに今現在防災担当の部長ということで答弁を申し上げておりますけれども、私ども担当者といたしましても、この辺の見直しを地域の実情に合った形にしていきたいというふうに考えております。 ちなみに申し上げますと、年度でいいますと昭和58、59、60年度ですから、年でいきますと59、60、61年の春の3年豪雪以来、私ども合併して一緒になりました14市町村のほとんどのところが、その後大きな豪雪といいますか、対策本部の経験がございません。平成12年に一部の地域でおつくりになった。議員さんの吉川区におかれましては、60年度の豪雪以来、災害対策本部の設置の経過がございません。したがいまして、今回私ども合併の協議をする中で、こうした災害対策本部の設置の基準についても、各区の担当の皆さん方といろいろお話をさせていただきまして、確認をいたしました結果、明確に数値基準を、例えば定点観測点のどこそこのところの積雪がこうなったときに本部を設置をするというふうに明確に基準をお持ちのところは極めて少のうございました。どちらかといいますと、言葉で先ほど話がありましたように、異常な降雪があったときに、あるいはこうした危惧がされるときに設置をするというのが大半でございました。 そういう意味では、先ほど議員からちょっとお言葉がございましたが、戸惑いがあったのかなというようなところは場合によってはあったかもしれません。したがって、今後の中では特に地形による道路の状況、それからそこの交通量、それから例えば先ほど市長も答弁の中で言っておられましたけれども、家屋の点在の状況とそこに住んでおられる方々、特に年齢でありますとか家族構成でありますとか、あるいは障害をお持ちの方、あるいは幼児がどうかというような、そういう状況を十分把握をしながら、あわせてその地域の助け合いといいますか、コミュニティー、近隣のいわゆる地域の力があるかどうか、そういうこともまた十分各地域の実情をお聞きをした上で、どの程度の降雪になったときに本部の設置が必要になるのか、こういったことを十分また見きわめて、皆さん方と相談をさせていただきながら基準をつくってまいりたい。 当然先ほど御指摘のとおり、国も県も場合によっては昔の豪雪のときの基準を今のところに持ってきているところもあるかもしれませんので、そういった基準の見直しも含めて、あるいはまた国、県の方にもそういったことを働きかけをしてまいりたいと、このように考えております。 |
○市川文一議長 1番、橋爪法一議員。 〔橋 爪 法 一 議 員 登 壇〕 |
◆1番(橋爪法一議員) 今ほど丁寧な答弁をいただきましたからあれですが、もう一度確認をさせていただきたいと思います、三上部長に。 私も先ほど県のホームページのことを例に挙げましたが、県や国や市の間で協議をして、これから確認作業、見直しもしていく必要があるという御答弁でございました。これは、当然のことながら、来年のこの次の冬に向けて速やかにその動きをされていくというふうに理解してよろしいでしょうか、その点御答弁いただきたいと思います。 |
○市川文一議長 三上総務部長。 〔総 務 部 長 登 壇〕 |
◎三上雄司総務部長 この冬も、これまでも除雪に当たりましては、国、県、それぞれ関係機関と連携をして進めておりますので、今後の見直しに当たりましても、また当然そういった意見を交換をしながら進めてまいりたい、このように考えております。 |
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