2005年12月議会一般質問 |
◆1番(橋爪法一議員) |
上越市吉川区出身の橋爪法一でございます。私は、二つのテーマについて市長にお尋ねしたいと思います。一つは、先ほど松野議員が言われましたけれども、建築行政の問題、もう一つは上越ボランティア特区の問題、この二つです。 最初に、建築行政についてお話ししたいと思いますが、御案内のとおり今テレビや新聞、毎日建築確認の計算の偽造の問題、報じられています。本当に嫌になるほど報じられていますが、毎日毎日新たな事実が明らかになって、国民の生活がこんなにも危険にさらされているのかというのを知って、本当に行政不信に陥ります。きょうは私一つ新聞を持ってきました。これは、我が党が発行している新聞の赤旗日曜版です。全国で190万人の方が読んでおられます。吉川区では5軒に1軒読んでいただいています。この12月18日号、この4面に実は耐震強度偽造問題でのスクープ記事が載っています。今度後で読んでください。上越にも関係のある日本ERIが、建築主に対して事もあろうに割引券を出していた、多分この新聞が広がると一般紙でも続々と報道されると思います。こんなことあっちゃ困りますよね、本当に国民の命、安全にかかわることでこういうでたらめなことがやられている、競争原理が働いて国民の命、安全が脅かされている、これは非常に重大だと思います。私は、今回の事件については、やはり事件の全貌を徹底的に究明して、そしてこの原因と責任を明確にする、そして同時に、二度とこういうことが起きないようにするための方策を確立する、場合によっては法律の改正も必要でしょう、そういったことを求めていかんきゃならんと思います。 私は、そういう立場から市長に4点お伺いしたいと思います。 第1点は、マンションなどの建築をめぐる今回の耐震偽造事件を市長自身どのように見ておられるか、これをお答えいただきたいと思います。 第2点は、市民の暮らしと安全を守る立場から、今回の事件を踏まえてどういう教訓を整理されているか、これを明らかにしてほしいと思います。 三つ目は、市の建築確認の体制の問題です。今のままでいいということならそれで結構でございますが、市民の皆さんは一体我が市はどうなっているか、大丈夫なのかな、そういう心配をされている方もあります。そこら辺について市長の見解を明らかにしていただきたい。 そしてもう一つ、最後はこれは非常に大事なことです。もう今回私が言うまでもなく、建築基準法の改正どうしてもやらんきゃならんですね。そのほか建築確認の仕組み、その他もろもろのことを、幾つも改善することがあります。これについて市長自身どう国に働きかけていくのか、これを明らかにしていただきたいと思います。 次の問題に移ります。次の問題は、上越ボランティア特区の問題です。実は、事前に質問原稿も用意しておいたんですけども、きのう渡辺議員が質問されまして、大体私の質問と同じような内容でしたから、ちょっとシナリオが狂いました。 私の思うままに、通告の趣旨から外れないようにしながら幾つかお尋ねしてまいりたいと思いますが、まず一つは、今回の特区の申請、3月議会でも市長が説明されましたが、一体どういうねらいで今回の申請をしたのかと、ここを木浦行政の特徴をどういうふうに発揮するかということと絡めながら、私はぜひあなたの言葉で説明していただきたいと思います。移動困難者がどうのこうのという話はいいですから。市長はこれまでいろんな場でも話されてきましたし、今回の市長選挙の中でも、本当に人に優しい政治をつくろうということで、支え合い、助け合いの大切さを言ってこられました。恐らく今回のこの特区申請に当たっては、972平方キロメートルの大きさの中で、21万人の住民の皆さん方が、いろんな障害持っても吉川へ来られる、名立へ行かれる、安塚も行かれる、そういう交通のネットワークをつくって、本当に交流を活発にしていいまちづくりをしようというところを市長自身たしかお持ちだったと思うんです。そういうふうにお考えならば、ぜひあなたの言葉でこの特区、何で申請したのか、もう一度語っていただきたいと思います。 二つ目、現状と問題点です。きのうの渡辺議員に対する答弁の中で、実はという話が出ました。特区の申請はして運営協議会を立ち上げようとしているんだけども、どうも話がまとまらない部分が出てきていると。地域を限定するかどうか、運送の対象者をどうするか、運転手の資格をどうするか、こういったところで実はまだうまくいっていないんですよと、これからどうするかという部分については、とにかく粘り強く話し合って、お互いに関係者が話し合いをしていくしかないと、そうすることによって前に出るでしょうというような趣旨でした。ただ、私その答弁を聞いていて、ちょっと楽観的ではないかなと思いました。実は、私は親戚や友人にタクシー業者の方がおられます。また、友人の中ではNPOで一生懸命頑張っている人もおられます。いろんな話を聞きますが、なかなか前へ出ないと言っているんです。 ここに朝日新聞の11月22日付の記事があります。NPO、自家用車で高齢者らを送迎、福祉輸送特区発車せず、タクシー業界と調整難航、市が両者の意見調整をしているが隔たりは大きく、サービス開始の見通しは立っていないと、私の聞く限りはこれは当たらずとも遠からずです。そういう実態。そういう中で、私はどうしたらいいのか、どこに力を入れたらこういう状況を突破できるのか、そこの方針を市がはっきりとやっぱり自覚して語らんきゃならんと思うんです、市長自身が。私は、市というのは、今回のこの取り組みに当たっては主宰者です。主宰者というのは中心になって話をまとめていく、最初から終わりまで、そういう非常に大きな役割を果たす立場です。その機能をやっぱりとことん発揮しなきゃ、これが一つある。 もう一つは、私は今までの経過を聞いていて思うんですけれども、やはり関係の団体の間で、この特区の問題について認識を統一することが必要な部分があるだろうと。例えばきのうの話では地域を限定するかどうかという話がされておりましたけれども、これは法律を読めばわかることです。上越全域を対象にするか、それとも一部を対象にするかというのは構造改革特別区域法、これの解釈に基づいて主宰者がきちんと対応すればそうごたごたしないでいい話だと思います。後から具体的に言いますけれども、こういう部分がある。 それから、もう一つ大事なのは、今の福祉輸送の需要を固定的にとらえて、その中でどうしようかということを考えると、どうしても利害のぶつかり合うところでは競争になってしまう。私は、21万人が集まった大きな市になった以上は、福祉輸送の需要もさらにこれから高まっていく、高めていくという行政を展開して、そういう福祉輸送の施策の充実も図りながらNPOの皆さん方は一生懸命頑張ってもらう、タクシー業界の皆さん方も頑張ってもらう、そういう状況をつくらなきゃいつまでたっても運営協議会は立ち上げることができないんではないでしょうか。ここら辺基本的なことを市長からお答えいただければありがたいと思います。よろしくお願いします。 |
◎木浦正幸市長 |
最初に、建築行政についての4点のお尋ねにお答えいたします。 まず、マンションなどの建築をめぐる耐震偽造事件をどう見ているかとの御質問であります。私は、このたびの姉歯建築設計事務所による構造計算書偽造事件の報道に接したとき、このようなことをする建築士がいるのか、また偽造書類が審査を通ることが本当にあるのかと疑問を感じると同時に、何よりも市内の建物は安全なのかと強い危機感を持ちました。今回の偽造事件は、人命尊重を重視して設計を行うべき建築専門家が、人命軽視の反社会的行為を行ったものであり、絶対に許されるべきものではないと考えております。また、建物の安全を担保する審査機関が偽装を発見できなかったことは、行政であれ、民間機関であれ、何ら言いわけのできるものではありません。私は、大地震に備えて、既に木造住宅の耐震診断に対して財政支援をしており、18年度には補強改修に対しても支援を拡大するなど可能な限りの耐震施策を進めているだけに、強い憤りを感じているところでございます。 次に、市民の暮らしと安全を守る立場から、今回の教訓をどう整理しているかとの御質問にお答えいたします。市では、審査した建築確認申請のうち、構造計算書の添付が必要な建築物を対象に、文書が保存されている平成12年度以降のものについて、書類の差しかえ行為を含めた偽造工作について重点的に再点検を行いました。その結果、さきの建設企業常任委員協議会で御説明申し上げましたとおり、幸いにもすべての対象案件に偽造工作は認められませんでしたが、引き続き構造計算の入力数値のミス等により耐震基準を満たしていない案件がないかどうかを確認するため、非木造3階建て以上のマンション等共同住宅及びホテル、旅館、そして市の施設の再点検を進めているところであります。この再点検は、さきの書類の偽造の点検に比べ点検内容が詳細にわたるため、相当の時間を要するものと考えております。 また、民間の検査機関については、今回の事件により、マスコミ報道を通して一部有識者からは否定する旨の発言もありますが、阪神・淡路大震災における違法建築物の倒壊の教訓から行政は指導事務にシフトし、建築確認事務は民間にゆだねることとした制度でありますので、一概に否定はできないものと思っております。しかし、民間の検査機関が審査時間の短縮を目的に、審査内容を簡略化したり厳正さを欠いていたとしたら制度の目的を曲解した重大な誤りであり、当然のことながら早急に改善を図らなければならないと考えております。 次に、市の建築確認体制等は今のままでよいかとの御質問にお答えいたします。今回の事件は、建築確認の段階において申請書類に重大な偽造行為があったものであり、これに対するチェック機能の徹底化を図ることは最優先すべき課題であろうと思っております。当市における審査手順は、申請書を受理してから確認済み証を交付するまでの間に担当職員から建築主事まで三重のチェックを行うとともに、構造強度上の安全性に重点を置いた点検を行っております。今後もこのシステムを継続することは当然として、建物として本当に安全かどうかをチェックする意味から、工事施工中の段階、例えばコンクリート打設前での中間検査を導入する必要もあると思っております。現在県内には、県を初め新潟市、長岡市、上越市など7特定行政庁がありますが、いずれも中間検査は実施しておりません。しかし、今後は中間検査を実施する方向で検討されていると聞いておりますし、実施時期がおくれるようであれば当市が単独でも実施しなければならないと考えております。いずれにいたしましても、審査体制の強化拡充が伴うことから、担当職員の増員が必要であると考えているところでございます。 次に、建築基準法改正など国への働きかけをすべきと思うが、市長の見解はどうかとの御質問にお答えいたします。今回の事件を契機に、専門家の間では建築士法の資格更新制の導入や構造士の審査を義務づけるべきとの意見もあり、また建築基準法違反の罰則規定を強化すべきである、特定行政庁の民間検査機関への立ち入り権を強化すべきであるとの発言など、問題解決に向けたさまざまな意見が出されております。私も市民の不安、不信の払拭につながるような現実に即した法改正がぜひとも必要だと考えており、特に中間検査については早急に導入すべきでありますし、法令の改正については、県を初めとした特定行政庁及び有識者で十分協議した上で、市長会などを通じて関係機関に要請してまいりたいと考えております。 次に、上越ボランティア輸送特区についてのお尋ねにお答えいたします。まず、特区申請のねらいは何だったのかとの御質問であります。御承知のとおり、かねてから市内には地域住民の支え合い、助け合いとしての福祉有償運送を展開しているNPO等の非営利団体がありますが、福祉有償運送は、厳密に言えば道路運送法違反であることから、これらの団体から市に対して合法化を目指すセダン特区の申請をしてほしい旨の要請が昨年12月にございました。市では、単独での移動が困難な障害のある方及び80歳以上の単身高齢者の皆さんの社会参加促進や外出支援策としてタクシー利用券や自家用車の燃料費補助、福祉バスの運行等を行っておりますが、財政状況が厳しい中、すべての需要にこたえることは難しいことから、地域の中でこうした移動制約者を支える新たな方策を模索していたところであります。 一方、地域交通の担い手であるタクシーやバスといった業界の方々の保護育成にも十分配慮していく必要がありますことから、関係者で構成する運営協議会を市主宰で立ち上げ、法令遵守のもとで業界側とNPO側双方が共存できる体制を確立し、単独での移動が困難な障害のある方や要介護高齢者の皆さんの外出を支援するため、セダン特区の申請をしたものでございます。 次に、現状と問題点を説明されたいとの御質問にお答えいたします。市では、運営協議会開催に向けた勉強会を兼ねた話し合いをハイヤー協会及びNPO等と精力的に進めているところであります。福祉有償運送に係る自動車交通局長名の通達に基づく運送条件の議論の中で、さきに渡辺議員の御質問にお答えしたとおり、次の3点が課題となっております。1点目は、運送の対象者の定義であります。通達に沿った形で合法的に運送の対象者を絞り込むことにより、これまでNPO等の移送を利用していた方の中に要介護者や障害者、いわゆる移動制約者に当てはまらないとして除外される人が出ることであります。2点目は、原則普通第二種免許という運転者の資格や管理運営体制といった安全対策についてであります。これにつきましては、業界とNPO側との考え方に差があります。3点目は、対象区域の問題であり、合併前の上越市やタクシー営業所のある区での福祉有償運送は認められないとする業界側からの強い要望であります。 セダン特区はもともと市域全体を対象とした認定でありますが、業界側の不安や事情を勘案し、市としては、現時点では段階的に進める案で調整に努めているところであります。いずれも関係方面とこれまで幾度となく話し合いを重ね、調整をしてまいりましたが、福祉有償運送の根幹にかかわる重要事項であるため、いまだ合意に至っていない点があります。しかしながら、共存の道を探るための話し合いは実質的な運営協議であるとも考えておりますので、今後とも法令遵守を大原則とした調整を粘り強く行ってまいりたいと考えております。なお、今後の予定といたしましては、公共交通政策課を含めた庁内関係課とハイヤー協会及びNPO等との会議を今月中に開催する予定でありますが、ある程度の歩み寄りが見えてくればできるだけ早い時期に運営協議会を立ち上げ、関係者と十分に協議し、単独での移動が困難な移動制約者の皆さんの外出を支援してまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。 |
◆1番(橋爪法一議員) |
まず、建築行政について再質問させていただきたいと思いますが、市民の不安は二つあります。一つは、今までの建築確認が大丈夫だったか、もう一つは、これからは変わっていくんだろうけど、本当に大丈夫なのかな、今後の問題、この二つなんです。今後の問題については、今市長が前向きな答弁をしてくださいましたから、私はよしとします。 これまでの建築確認の実態の問題で、一言申し上げたいと思いますが、さきの建設企業常任委員協議会、そこで具体的な件数等が述べられまして、民間の建築確認の検査機関が5年間に確認した件数が833件と。構造計算が必要なものはそのうち275件だったというお話でした。ここの部分を間違いなかったかどうかチェックする必要があるんです、再チェック。ところが、その再チェックがなかなか今の仕組みの中ではできないという問題がある。市民からも問い合わせがあったけども、この間松野議員の質問に対して、あれは日本ERIだったと思いますが、向こうの再検査を信じるしかないというような趣旨の答弁があった。これじゃ市民納得しないです。 私、この松野議員の発言を私のホームページに書いたら、ある警察のOBの方が早速私にメール下さいまして、いやこれは泥棒が泥棒の監視をしているみたいなもんだといって感想を寄せられました。さすがに警察の人は違う、おもしろい観点で見るなと思いましたが、私はやっぱりそういうことだと思うんです。やはり公的なチェックができるようなことを求めていく必要があるし、これまでのものについても、今の法律の許す範囲の中で、何とか実態はどうだったかということを探る必要は私はあるし、その責任は市にあると思うんです。どうするか、これをお答えいただきたいと思います。 上越ボランティア輸送特区の問題に移りたいと思います。このボランティア特区については、平成17年度の市長の支え合い、助け合いで明るいまちをつくるという大きな目玉事業の一つだったんです。最初の話は、3月には認可おりてくるでしょう、そしてそれから運営協議会を立ち上げて、7月ころには実質的なスタートをさせたいということだったじゃないですか、それがなかなか前へ出ない状態なんです。そういう中でどうするかということでいろいろ考えているんですけれども、先ほど市長が御答弁されましたことの三つの問題のうち、二つだけ私ちょっと触れたいと思います。 一つは、特区の地域をどうするかという問題、これは構造改革特別区域法、この法律に基づいて解釈するならば、あなた方が申請の段階で上越市全域とした以上はそれでいくしかないです。ここに、ことし10月1日付の内閣官房構造改革特区推進室が出した法律の逐条解説がある。そこでは、「構造改革特別区域における区域とは、地方公共団体が一定の地域、特性を備えているものとみずから判断し、特定事業の実施等により活性化を図ろうとして設定する当該地方公共団体の一部または全部の区域を指します」とこう書いてあって、4条2項の説明については、「構造改革特別区域では、地方公共団体が地域の特性に応じた規制の特例措置の適用を受けて特定の事業を実施し、またはその実施を促進することにより活性化を図ろうとする当該地方公共団体の一定の区域であり、その範囲を計画において特定する必要があります」、こう書いてある。今年度というかことし平成17年、全国で今福祉輸送特区が大はやりなんです。上越市は第7回でしたか、特区の申請が。今9回までいっていますけど、全体で49件今広がっています。北海道、長野が物すごく多い。そういう中で、私もネットで49件全部調べてみましたが、申請をしたところは市町村であろうが、自治体連合であろうが、県であろうが、対象区域を一部にするか全域にするか、はっきりさせて申請しています。上越は全部という申請でやっている。法律もさっき言ったような形で解釈が成り立つ。だったらそのとおりでございますという話で前へ進めないと、いつまでたっても解決しないじゃないですか。 それから、輸送の対象者の問題。これも平成16年の自動車交通局長の通達の中で明確に言っています。運送の条件、運送の対象ということで、「介護保険法や身体障害者福祉法のもののほか、いろいろな障害等により単独での移動が困難な者であって、単独では公共交通機関を利用することが困難な者」と、こういうふうに書いてある。私は、さっき何で一番最初に何のためにこの特区申請をしたかという質問をしたかといいますと、この上越市内の住民が、体のいろんな障害を抱えていてもいろんなところへ行けて、交流できて、生き生きと生活できるネットをつくりたい、そういう思いから言っているんです。今回の局長通達も、やはりこの一番最後に私が読み上げた部分を尊重していくのが、私は基本的な大事なことだと思うんです。そういったことをしっかり頭に入れて対応していっていただきたいと思います。このことについて市長はどのように考えるか、改めて見解を伺います。 |
◎木浦正幸市長 |
再度の御質問にお答えをさせていただきますが、まず建築行政についての御質問でございました。民間機関で確認申請が行われた物件について、市民の心配は、市での行政がやった確認審査については了解したけれども、市民が不安が集中するのは、民間機関の審査だということでございますけれども、この民間機関が審査した建物におきます偽造の有無については、既に国及び県がチェックを指示いたしておりますので、その結果を待たざるを得ないというふうに考えているところでございます。つまり市長にはその権限がないということを議員も指摘されましたけれども、今後そこに議論が集中してくるのではないかというふうには思っておりますが、現行上はそういう制度になっておりまして、市長には民間機関での審査について権限が及ばないということでございますので、その結果を待たざるを得ないというふうに考えているところでございます。 2点目の、上越ボランティア輸送特区についての御質問でございましたが、特区の地域あるいは対象者、議員おっしゃっているとおりでございまして、それを私どもといたしましては、特区の中で実際行っていこうということでスタートしようとしたわけでございますが、全国的にもさっき49と言われましたけれども、自治体75地域になっております。それだけ拡大してきているわけでございますが、そういう中でもやはり現在タクシー業界、ハイヤー業界あるいはバス業界ということで、現行の運送業務をされている業界の方々がおられます。したがいまして、今回の特区をとったからすぐにその法律が運用しながら進んでいけるかというと、現状の中で、その業界との話をさせていただく中でお互い了解をとりながら、共存共栄を目指しながら、この運営協議会の中で、今議員がおっしゃられた特区の地域、そして対象者等をお互い確認をし合って、私ども特区の申請した事項はそれぞれございますけれども、それはそれで現行の新しい制度、新しい法律でもございますので、それらをきちんと理解をしてもらいながら議員が御指摘、いみじくもございました、NPO側はNPO側でそれぞれの需要をふやしていく、そしてタクシー業界、ハイヤー業界についてもそれぞれ需要をお互い切磋琢磨し合いながら相乗効果を目指してふやしていく、それぞれが共存共栄のために頑張っていけるようなそんな今回の特区申請のもとで、そういう世界をつくり上げていくということが大切でございますので、それぞれ理解していただくように粘り強く今話をしている最中でございまして、そしてそれぞれ理解の一端、少しずつではございますけれども、示してきていただいているということでもございます。そういう意味では、粘り強くと申し上げたのはそういう点でございますので、そのように御理解を賜りたいと思っております。 以上であります。 |
◆1番(橋爪法一議員) |
まず、建築確認の問題ですが、国や県の今指示出しているその結果待ちだというのはちょっと寂しいですね。もう既に御案内だと思いますけれども、ことしの6月に、最高裁の第二小法廷で、横浜のマンションの民間の検査機関が確認出した件をめぐって、その責任問題を問う裁判があったんです。今の仕組みの中では自治体が、特定行政庁がなかなかチェックを入れることができないような仕組みになっているんだけれども、判決は、最終的な責任は市にあると、そういう結果が出たんです。ということは、市内で建築確認をとられたものについては、民間であろうが、市であろうが、最終的に市が責任を負うということを意味します。したがって、私はそういう立場から言うならば、市が、とにかく今の仕組みの中でどこまでできるかしらんけども、市民が不安に思っているケースについては協力要請でもしながら、やっぱり構造計算書を出してもらってチェックしたらどうですか。何か聞くところによると、松野さんの発言によって日本ERIが出してきたと、松野さんの発言かどうかわかりませんが、多分私はそうだと思っているんですけど、そういう事例もあるというんです。だったらそういうこともちゃんと民間に対して働きかけて、自分たちで計算を見て、市民にお伝えしたらいいじゃないですか。それが安全、安心のまちづくりです。 それから、ボランティア特区の問題、先ほども言いましたように今年度の目玉事業の中なんです。市長は先ほど私の発言をとらえて、タクシー業界はタクシー業界で頑張ってもらわんきゃならん、需要をふやすように。NPOはNPOでもって需要をふやすように頑張ってもらえんかと、そういうことによって共存共栄を図っていけばいいじゃないかという話をされましたが、これは他人事です。主宰者はあなた方市役所です。市ですから、市がやっぱり中心になってどういうふうにして需要をふやしていくか考えたらどうです。私も今回質問するに当たって県内のいろんな市の実態を調べましたら、福祉輸送については上越もいろいろいい制度を持っているけども、新潟市あたりなんか、上越よりもずっと進んでいる取り組みもある。例えば福祉のタクシー助成券、上越は最高で26枚ですね、新潟市は48枚です。そして、福祉タクシーを動かしている業者の皆さん方が、夜動かしたら500円プラスして業者の皆さんへやってやる、こういうふうに市の福祉輸送の施策を充実させる中で、そして需要を拡大していくということも大事なことじゃないですか、それちゃんと約束できますか。その点お願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。 |
◎木浦正幸市長 |
再度の御質問にお答えをさせていただきますが、まず1点目の建築行政の再度の御質問については、担当の部長から答弁させます。 2点目の福祉有償輸送についてでございますが、私も言葉足らずだったかと思いますけれども、お互いとこう言った意味は、市も含めながら、今私どもが移動困難な人たちに対して福祉的な補助事業をやっているわけでございますが、そういう中にも議員御指摘をされましたけれども、そういった中でタクシー業界の需要を伸ばすこともできますし、それから輸送特区そのものを活性化する内容の事業も、そういう細かなところも中にはあるということでございますので、そういったことも視野に入れながら、それぞれからも御支援いただいて、それぞれの需要を伸ばしていく中で、私どもが主宰者と何度も議員御指摘でございますけれども、まさしく主宰者といたしまして、今回特区を申請したその責任者として両者の中に立ちながら、最終的に移動困難な方々に福祉的な手を差し伸べることがさらにできるように体制を整えていくというのが大切な仕事でございますので、そういう需要を喚起するように市としても考えを導入しながら対策を練っていかなければならないというふうにも思っております。私からは以上でございます。 |
◎白石秀一都市整備部長 |
私の方からは、民間検査機関で審査した内容について、さらに特定行政庁が入っていけないかという趣旨の御質問にお答え申し上げます。 先ほど市長がお答えいたしましたのは、建築基準法の原則の立場に立ってお話しされたわけでございまして、国や県では、民間検査機関に対して許可を与えている関係上建築基準法の第77条の31になりますが、これにより必要な事務所へ立ち入ることができますが、特定行政庁上越市の場合はこの指定を行っておりませんので、構造計算書等の提示を求めることができないという部分の基礎、基本的な部分を御説明したものでございます。 さらに、それに対して市民の安全、安心をもう一つ確保する上で入っていけないのかということでございますが、具体的に申し上げれば、日本ERIの審査した物件は4階建て以上のもので2件、全部で21件ございます。その中で、特に市民からの問い合わせもありました4階建ての2件につきましては、市が直接会社に何回か照会いたしまして、いずれも2件ともですが、建築主の方が施工業者、それから設計者、この2件とも同じ方なんですけれども、同じ方というのは設計と施工が同じと、こういう意味ですが、施工業者の方に建築主がじかに確認をしたということで、その結果問題がなかったということが市の方に報告されておりますし、また、1件の木田にありますマンションにつきましては、この旨を市民の方といいますか、そこに入居されている方に通知済み、その説明をされたということでございます。もう一件につきましても、今後入居者の方に年内にこの建築主が改めて設計及び施工された方にチェックした結果、問題がなかったということを年内にお知らせするということを市の方では確認しております。先ほど議員おっしゃいましたこの一つの例の中で、三日ほど前でしょうか、構造計算書をうちの市に持ってこられましたので、ただいまチェック中でございます。 なお、民間検査機関が検査した案件につきまして、市民の方が不安を抱く意味から、建築主から構造計算書の提示と設計図の提示があれば、私どもの方ではそれに対して再点検する予定にしております。よろしくお願いいたします。 |
◆1番(橋爪法一議員) |
一つ忘れました。上越ボランティア特区の問題で、地域限定、特区の地域をどうするかという問題で、一つ聞いておきたいと思いますが、先ほど私が49件と言ったのはことしの件数なんです、自治体の、あるいは自治体連合の。その中をずっと見てみますと、どこどこ市の全部、どこどこ市の一部、こういうふうにはっきりとなっているんです。私が49件つぶさに調べた中で、市域の、あるいは市町村の自治体の区域の一部というふうにしてあったのは群馬県と長野県だけでした。あと全部全域です。この上越市も全域、途中でもって一部の地域に切りかえられるというそういう性格じゃないと私は見ているんです、あの内閣官房の文書からは。申請に従ってどういうふうにしていくかというのが基本なんです。だから、それに対するお答えをぜひお願いしたいと思います。 それから最後に、このボランティア特区のスタートを早期に実現してほしいということで、ちょっとお話しさせてもらいたいと思いますが、今回の市長が提案されたボランティア特区については、非常に多くの市民の皆さん方、とりわけボランティア団体、NPOの組織の皆さん方期待を持っておられます。特にNPOの皆さん方は、吉川の場合はよしかわ・たすけあいの皆さんが、本当に不自由な人を運ぶにも、家の中へ入って手助けをしてやって、行く場所も先の先までちゃんと世話をする、買い物に行けば買い物に一緒についていってやる、これはなかなかできないことですけども、そういうようなことをやって非常に大きな信頼を得てきています。今吉川だけでも200人ぐらいの方が待っておられます。ぜひ実現してもらいたい、その200名の方々の中のほとんど私知っています。 きのう議会終わってからその200名の中の一人の方に電話をかけました。市長が20日の日においでになるということですが、上川谷のあるばあちゃんに電話をかけました。ばあちゃんなじょだね、雪は、こうやって聞いたら、165センチも降っているんだそうです。あそこに、私が電話かけた人ともう一人女性がたすけあいに入っているんです。ずっと前にだんなさんを亡くされてひとり暮らしなんです。お互いに励まし合って、時にはけんかもして仲よくやっているんです。その人たちは、皆さん方が御用意くださったあのバスを活用して病院へ行ったり、NPOの皆さん方が用意された車に乗って高田や直江津へ出かけたり、非常に楽しみにして今生活されているんです。こういう人は上越の中に随分たくさんおいでになると思います。私は、そういう人たちの気持ちにいっときも早くこたえるということは、木浦さんだったらできると思います。ぜひこの私の気持ちを酌んで、今の困難点を突破して前へ進めていただきたいと思いますが、最後に市長の決意を伺って質問を終わりたいと思います。 |
◎木浦正幸市長 |
再度の御質問でございますが、まずは対象区域の問題でございますが、議員御指摘のようにセダン特区の認定につきましては、部分認定ではなくて市域全域でございますので、区域を限定することは本来想定されていないものというふうに認識いたしております。しかしながら、しかしながらというところが重要でございますので、あえて言わせていただきますけれども、タクシー業界の保護育成、そして地域経済にとっての重要な問題でありますので、最終着地点というのは当然市域全域でございますけれども、段階的に、モデル的に対象区域を限りながら進めることというのは、現段階ではやむを得ないのではないかというふうに考えているところでございまして、後の決意と同じでございますけれども、そもそも現在セダン特区を認定を受けている自治体数は全国で75地域でございますが、この中で全国乗用自動車連合会、10月の事業者大会で、セダン特区の全国展開反対を決議しようとされております。一方、NPOボランティア団体は、全国化を認めるよう強く求めておられます。そういう中で、政府の有償運送小委員会では、セダン車両の運転手などの要件について、ヘルパー資格の付与などが論点に上がっているようだというふうに言っているわけでございますが、全国ではそういった新しい制度のもとで大変議論がされているわけであります。 いずれにいたしましても、国においても、地域におきましても、移動制約者の外出支援ということのためにタクシー業界とNPO法人との共存の道を見つけ出していくことが肝要でございますので、先ほどから何度も申し上げておりますけれども、粘り強く話し合いを進めながら運営協議会を立ち上げて、主宰者としてその間に立ちながら、当初の申請した目的を達成するように頑張ってまいりたいと、こう思っておりますので、今後ともの御支援もよろしくお願い申し上げたいと思います。 以上であります。 |
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