2004年3月議会一般質問
 私の一回目の質問

 おはようございます。最初に、感染症対策を怠りまして、このような形で質問することをお詫び申し上げたいと思います。

 私は町民こそ主人公、町民の命と暮らしを守る立場から、国の地方財政対策、鳥インフルエンザなど危機管理、指定管理者制度、そして最後に市町村合併問題についてお尋ねしたいと思います。

 まず最初に、政府の地方財政政策について簡潔にお伺いいたします。ご案内のように、小泉内閣の2004年度地方財政計画では、政府が考えている三位一体の改革の実際の姿が、数字で浮き彫りになりました。地方交付税の削減額は1.2兆円、交付税の振替である臨時財政対策債は1.7兆円の削減で、合計2.9兆円にもなりました。前年度に比べて減るのは11年ぶりであり、12%もの削減規模はかつてないものであります。新聞報道によりますと、この結果、44都道府県で2兆6,000億円もの財源不足が発生し、全国の市町村は当町を含め、かつてなく厳しい予算編成を強いられたのであります。中には、積み立てた基金の取り崩しや借金でも穴が埋まらず、見込みのない収入を計上して、帳じりを合わせた実質赤字予算を組むところもあらわれたと聞いております。

 小泉内閣の三位一体改革は、国庫補助負担金の削減、税源移譲を含む国と地方の税源配分の見直し、地方交付税の改革の3つを一体として進めるという建前でありました。しかし、国庫補助負担金、地方交付税という地方への財源補償制度の2つの柱を遠慮なく切り詰める一方で、財源移譲はほとんど進めない。今回の2004年度政府予算をみますと、1兆円の国庫補助金削減の上に、地方交付税と臨時財政対策債の削減2.9兆円と合計3.9兆円削っておいて、地方に財源移譲などで財源を渡したのは4,700億円にすぎないと言われております。これでは、三位一体改革というのは、財政赤字を地方に押しつけるだけだと言わざるを得ません。

 そこで角張町長に2点お尋ねしたいと思います。

 1点目は、政府の三位一体の改革の現実、地方交付税や臨時財政対策債の大幅減の動きを、吉川町という町を預かる首長としてどう見ておられるかであります。私は、地方交付税が地方共有の固有財源であり、全国どこに住もうが、福祉、教育を初め住民に一定のサービスを提供できるように財源を補償し、格差是正のため調整していく仕組みそのものをこわす暴挙だと思います。実際に、行政に携われてきた経験をもとにお答えいただきたい。

 もう1点は、全国町村会の緊急声明、申し入れに呼応して政府に抗議することが求められていると思います。このままでは来年度以降、破綻状態に陥る自治体が続出するとも言われております。この点、どうするか、お答えいただきたいと思います。

 次に、高病原性鳥インフルエンザ対策についてであります。町内には養鶏業者もなく、関係ないと思っておいでの方がほとんどだと思いますが、先日坂口厚生労働大臣が述べているように、今鳥がいるところなら、全国のどこで発生してもおかしくない状況にあります。

 高病原性鳥インフルエンザは、今のところ人に対する感染率は低いものの、一度感染した場合は、病毒性の強いウイルスのため、致死率が極めて高い人畜共通感染症であります。人に対する感染が繰り返されると、人から人への感染力を獲得し、世界人口の約1割が死亡することになるという試算も出ているそうです。人への感染は、鶏肉や鶏卵を食べることからは起こらず、ウイルスに汚染された鶏糞や羽毛などを吸い込むことによって起こると言われておりますが、万が一の発生に備えた対策はとっておくべきだと思います。

 そこで幾つかお尋ねいたします。

 第1は、町内の鶏飼養状況を把握しているかどうかであります。
 第2は、農林水産省の高病原性鳥インフルエンザ防疫マニュアルや日本獣医師会が緊急提言いたしました、学校飼育動物の鳥インフルエンザ対策などを、飼養者や関係者に周知徹底しているかどうかであります。
 第3は、消毒薬、防護服、ワクチン、抗ウイルス剤の確保など、緊急時の即応体制はできているかどうかであります。

 次に、指定管理者制度についてお尋ねします。先般、市町村合併特別委員会において、新市に移行する場合、町内の6つの町の施設について指定管理者制度を導入することを検討していることが明らかになりました。

 既にご案内のように、昨年6月に地方自治法が改正され、公の施設管理については、現在委託しているものは3年以内に直営に戻すか、指定管理者制度を導入するかの選択を迫られることになります。したがって、合併するしないにかかわらず、この問題に直面するわけですが、この制度は基本的には小泉改革の流れの中で、公の施設の管理運営を民間営利企業に全面的に開放するもので、幾つかの重大な問題点も持っております。

 その1つは、公の施設の委託については、これまで住民福祉の増進と、均等にサービスを提供することを趣旨に、厳しい制限を加えてきました。しかし、指定管理者制度は経費節減、効率性を最重点に民営化し、もうけ追求の会社に任せることになります。これは、住民サービス向上を目指す自治体の公的責任を放棄し、サービスの切り捨て、後退につながることになりかねません。

 2つ目に、指定管理者制度のもとでは、施設の運営への利用者・住民の参加、住民監査請求を含めた住民のチェックと改善の手続が法的に保障されておりません。指定管理者が得た個人情報の保護についても同様で、情報の流出が心配されております。指定管理者に対しては、お金の出し入れの監査を行うことはできますが、業務そのものについては監査の対象にならないとされています。これで適正・公平な運営の的確なチェックができるのでしょうか。

 そこで町長にお尋ねします。

 1点目、町長はこの指定管理者制度についてはどのような認識、評価をされているのかであります。
 2点目、私が心配している今ほど上げました問題点については、どのように考えておられるか、以上2点、お答えいただきたいと思います。

 次に、森の文化・匠の里づくり事業についてお尋ねいたします。

 この事業は、県教委の高校再編計画で、平成18年度に募集停止を予定している吉川高校の、跡地利用の具体的な計画として期待されていたものであります。高校がなくなっても新たな学校がやってくる。それも酒をつくる学校の伝統を引き継いでくれるということで、町民の間で期待されていた取り組みであります。

 この間、町長を初め担当課の皆さんが、誘致に向けて熱心に取り組んでこられたことについては敬意を表するものでありますが、先般26日の総務文教常任委員会の席上、思わぬ報告を受けることとなりました。高校の跡地などを利用して進出してくる学校は吉川単独校とはならず、新潟工科専門学校2年生の醸造などの実習施設となる。それも通年となるかどうかは未定だというのであります。単独校として吉川高校の伝統を引き継いでもらえるものと思っていた1人として、私はこの報告を寂しく聞きました。町長の行政報告によりますと、今月末には学校側の計画が確定するとのことでありますが、当初お聞きしていた計画とどれだけ違ってくるのか、注目しているところであります。

 町当局におかれましては、学校法人国際総合学園と綿密な連絡をとりながら、この事業計画の推進を図ってこられたと思うのでありますが、角張町長に幾つかお尋ねしたいと思います。

 1つは、吉川にできるのは新設の専修学校ではなく、既存の学校の研修施設となる計画だということは、いつ、どこからお知りになったかであります。
 2つ目は、先日の報告では、予想される計画は当初計画より大幅に縮小したものとなりそうですが、この計画縮小についてどう受けとめておられるかです。
 3つ目は、学校法人国際総合学園が今月末までに理事会の承認を得て、計画決定する段取りになっている中で、吉川町としての要望は出したのかどうかです。
 4つ目は、もし計画縮小が正式に決定された場合、町経済や地域進行にどういう影響が出ると見ているかであります。

 以上、4点についてお答えいただきたいと思います。

 最後に、市町村合併問題について角張町長にお尋ねいたします。

 昨年8月に上越地域合併協議会が立ち上げられてから6カ月、合併協議も大詰めを迎えています。私は、これまで合併協議会委員として見聞きしてきた事実や、集落懇談会で町民から出された率直な意見、問題提起に基づき、幾つかの問題について角張町長にお伺いしたいと思います。

 まず第1は、これまで町が合併を進めてきた理由としてきたことや、合併のメリットがあやしくなってきたという問題です。例えば、町の広報の合併特集第1号では、財政力の強化が合併推進の理由の1番目に挙げられてきました。ところが、上越地域合併協議会事務局が作成しました財政シミュレーションや最近の上越市の財政状況を見ると、簡単にはそうならないことがはっきりしてきました。また、少子高齢化対策についてもそうです。少子高齢化対策の要は少子化対策ですが、事務事業の調整の中で、子育てに伴う経済負担を軽くするための重要な支援策が後退する可能性が高くなっております。さらには、住民サービスの調整、これは負担は軽く、サービスは高くといううたい文句、これは言えなくなった。こうしたことについて町長はどのように考えておられるのか、町民にどう説明されるのでしょうか。

 第2に、町民は14市町村の枠組みによる合併だけでなく、単独自立という選択肢についても、どうすれば生き残っていけるのか、具体的に知りたがっています。合併は避けて通れませんよ、自立の道は全くありませんという説明では、町民の皆さんは納得しません。合併してもしなくても、財政的な厳しさは共通しています。そういう中で、これだから残れませんではなく、こうすれば自立の道もありますよというものを示していくことが求められています。早急に着手してほしいと思いますが、いかがでしょうか。

 第3に、新市建設計画の問題です。今、共通事業や地域事業費の配分をめぐって様々な議論がされておりますが、場合によっては、当町関係の事業費が自立の道を選択したときよりも低い水準で実施される可能性があると私は見ています。この点、自立の道を選択した場合の試算数値に照らしていかがでしょうか。お答えいただきたいと思います。

 第4に、合併に関する住民懇談会についてです。町長はさきに実施された住民説明会の席上、多分、多目的集会場だったと思いますけれども、取り組みの経過を説明し、住民の声を聞く場を設けるとの発言をされてきました。町としての方針決定の前に、住民の声を聞く場を設けてほしいとの要望もありました。これらについては、今後どう対応されていかれるつもりか、お聞かせ願いたいと思います。

 最後に、14市町村の枠組みによる合併の可否について、住民の意思確認をどうするかであります。先月20日から実施しました議会の合併懇談会の経験から言いますと、懇談会の場での意思確認はなかなか難しいことがわかりました。発言力のある人の考えを聞く、会場のある程度の雰囲気をつかむ、これはできるかもしれませんが、住民一人一人の意思確認とはなかなかいきません。既に、12月議会で意思確認を求める請願が採択れております。そのことからいって、町民の皆さんにこれまでの経過などを十分説明した上で、町づくり基本条例に基づく住民投票を決断するときが来たと思うのですが、いかがでありましょうか。
 以上で1回目の質問を終わります。

 角張町長の答弁

 橋爪議員の一般質問にお答えいたします。

 最初の地方財政政策についてでありますが、1番目の三位一体でございます。政府の三位一体の改革の現実、地方交付税などの削減をどう見るかについてのご質問にお答えいたします。

 議員ご質問のように、平成16年度地方財政計画では、地方交付税及び地方交付税の振替財源であります臨時財政対策債をあわせた地方交付税額は、前年度比較12%の減額となっています。予算説明でも申し上げましたように、三位一体の改革初年度として、国庫補助・負担金の縮減、廃止、一般財源化と地方交付税の改革が突出し、税源配分の見直し、税源移譲が進まない改革だと認識しております。

 さらに、臨時財政対策債の制度を平成18年度まで延長されますが、交付税総額の抑制と、財源保障機能の抑制もあわせ進めることが確認されていることに、怒りを覚えますが、そこまで国の財政逼迫が進んでいることを認識しますと、地方分権の基本理念である町づくり基本条例の精神でもある自己決定、自己責任、自己負担を原則に、自主・自立の町づくりが大切と痛感いたしております。

 2番目の今後の対応についてでありますが、全国町村長大会で国の動向を踏まえ緊急決議が採択され、政府機関に直接要請活動をされたことは、議員もご案内のところであります。

 しかし、一方では、三位一体の改革を推進要請していることもゆがめない事実であります。国と地方の対立、都市と農村の利害対立のない三位一体の改革が進められることを願っております。

 次に、鳥インフルエンザ関係につきましては、担当課長が答弁いたします。

 3番目の指定管理者制度でございますが、昨年6月に地方自治法が改正され、公の施設管理は直営とするか、指定管理者制度を導入するかの二者択一で公の施設管理をすることとなっております。

 この制度の導入背景には、議員ご指摘の心配される点もあろうかと思いますが、公の施設管理は、より安全で、より安く、よりよいサービスを住民に提供するために導入されたものであり、指定の手続に際しては競争の原理が働くよう、住民が広く知り得る告示、公告、広報等により周知と募集を諮り、複数の申請者から事業計画書を提出の上、厳正なる審査と公正を最優先に選定し、議会の議決を得た後に行政処分として行われるもので、最も良好な形態での管理が必要と考えております。

 2点目の適正・公正な運営の的確なチェックができるかとのご質問でありますが、指定管理者制度にかかわる条例は、当然のことでありますが、業務上知り得た秘密を漏らしてはならない守秘義務及び管理の適正な実施を確保するため、指定管理者に対し報告義務、帳簿、書類等の物件立ち入り検査の実施などを定めるとともに、規程に違反のあった場合は、指定取り消し処分など厳しいチェック機能により対応をいたすものであります。

 次に、4番目の森の文化・匠の里づくりについてでありますが、1、2、3とまとめてお答え申し上げます。

 吉川高校の跡地活用につきましては、今まで積極的に高等職業訓練校誘致のため、学校法人国際総合学院(NSG)と協議をし、財産の払い下げにつきましても県教育庁と話し合いを進めてまいりました。また、昨年の7月に開催させていただいた推進委員会で、実効性のある事業計画の作成をNSGに依頼をしてきたところであります。NSG側としては、採算性も含めた実効性のある事業計画に向けて検討を進める中で、昨年12月15日、山田室長、新潟工科専門学校横山副校長、高橋第2企画室長の3名が来庁され、現在までの計画概要の報告を受けたところであります。

 報告の概要は次のとおりでありました。

 新潟工科専門学校の酒を中心とした食品・バイオ関係部門を平成18年ころ分離独立させたい。建築・測量関係の実習も津川や巻で行っており、この第2キャンパスとして旧旭・源小学校の活用も視野に入れたい。3年生のうち1年生を新潟で講義、2年生を吉川で講義実習、3年生を新潟で講義、1学年120名、全体で300人規模を予定している。年間のうちどれくらい吉川を利用するかは未定。新潟工科専門学校では酒とワインの試験醸造をしており、吉川町には棚田もあり、ブドウの栽培も考えられる。3月に計画のプレゼンテーションを幹部に行い、計画が決定されるとのことでありました。

 また、平成16年1月28日には、吉川高校の現地視察を行われ、小林校長先生の案内で熱心に全校舎を視察されました。視察後の懇談会では、
1、建築・測量の実習施設として旭・源の両小学校も検討したが、地域の皆さんがグランドを利用されるとのことであり、建築・園芸の重複活用は困難、測量実習には面積が狭いことから、両小学校の活用は断念したい。
2、現在新潟工科専門学校では、試験醸造で酒、ワインを醸造している。昨年まで松代町の棚田を借りて酒米栽培の実習をしていたが、ことしから吉川町をフィールドとしたいので協力願いたい。また、実習施設として杜氏の郷で実習したいとの提案があり、現在実現に向けた協議を進めるよう指示いたしているところであります。

 当初の森の文化・匠の里づくり計画の構想は、非常に理想的なものでありました。しかし、NSGでは、少子高齢化が進展する中で学生の確保が大変困難な状況であり、学校運営を考慮すると、当初の構想すべてを事業化するにはリスクが大きくなるため、当面は実現可能な計画からの着手になったものと思われます。

 現在の段階では、今月末に報告が予定されている計画の内容を見なければ、計画の縮小かどうかの判断はできませんが、確かに当初の構想から比較すれば計画は変更されていると思われます。しかしながら私は、まず、実現可能な計画で確実に吉川町に誘致することが重要なことであり、そのために県有財産の譲渡も含めて、町としてできる限り協力をしてまいる所存であります。これまでも、県立吉川高校の整備計画が示される以前も、計画が示された後も、跡地の活用については要請を重ねてきたところであり、以前にご報告申し上げてきたところであります。県有財産払い下げの条件は一括譲渡であり、部分譲渡は認めないということであり、吉川高校全体の施設が活用されるよう要請してまいりました。

 4点目の計画が縮小した場合における町経済や地域振興にどのような影響が出るかについてでありますが、私は、町経済の活性化や地域振興は、住民が主体的に考え実践しなければ実現できないと考えております。どんなに優秀な企業や施設が誘致されても、それはあくまでも外部の要因であり、地域を変えるのはそこに住む住民の熱意であり、いかに工夫して自力で地域を変えるかであと思っております。

 NSG誘致の問題は、県有財産の跡地活用をいかに図られるかという問題であり、県とNSG両方の折衝の中にあっての、いわば相手のある計画でありますので、ご推察の上、ご支援いただきますことをお願い申し上げます。

 5番目の市町村合併につきましてでありますが、1点目の問題でございます。
 合併を進める理由は、将来にわたり住民が継続して安定した行政サービスが受けられ、安心して日常生活を送るためには、より大きな資源を活用し、行財政基盤の確立が必要であるとの考えで進めており、理由は当初と変わっておりません。吉川町は少子高齢化の進行により、平成32年には推計人口3,567人、高齢化率38.2%となり、生産年齢人口1,760人で1,807人、つまり約1人の人間が1人の高齢者や子供を支えなければならないことになります。また、国家財政の硬直化に伴い、三位一体改革による財政状況の悪化が予想されるとともに、今国会に提出された「市町村の合併の特例等に関する法律案」により、県による市町村合併のあっせん・調整・勧告が位置づけられるなど、ますます自立の道を歩むことが極めて難しい状況となっております。

 合併効果である財政力の強化については、財政シミュレーションを見ると、議員ご発言のとおり厳しい状況がうかがえます。しかし、これまで個々の市町村がそれぞれ行ってきた事務をまとめて行うなどの行政コストを下げることができるなど、行財政の適正化を進める中で、行財政基盤が確立されるものと思っております。

 また、住民サービスについては、一つ一つの事務事業を見ていくと、合併時廃止される事業もありますが、全体を見れば、新たなサービスが受けられるものもあります。トータルでどうなるかを判断していただくことが適当と考えます。現在まで1,679項目の事務事業調整がなされておりますが、吉川町に該当しない項目を省いて制度の比較をすると、向上するもの16%、変化しないもの77%、低下するもの7%となっております。住民の皆さんには、生活に密接に関連する具体的な項目等を例示しながら、説明してまいりたいと思っております。

 2点目の、新市の財政シミュレーションと同じ条件で自立の場合についても財政シミュレーションの作成をとの質問でございますが、現在、協議が進められている新市の施策及び事業に関する小委員会に提案された普通建設事業費804億円は、一般財源ベースでの配分という位置づけであり、その算出基準基礎財源は、新市の普通建設事業に充当する起債及び合併特例法による地方交付税合算算定で確保される地方交付税や、市民税などの一般財源であります。

 地域事業費の決定には、編入される各町村の意見について、地域特性を生かした均衡ある発展を考慮し、地域事業費に最大限の配分比重を置くよう強く主張しているところであります。仮に、この地域事業費で当町に1億円の配分がなされた場合、10年間は途中見直しがあったとしても、一応保証されることになっておりますが、単独で基礎自治体として機能を維持していくとした場合、現段階での財政シミュレーションでは、平成19年度には、3年後には収支がマイナスに転じてしまうこととなり、普通建設事業費をどんなに低く抑えても、10年、20年にわたり安泰ということにはならないと考えております。

 3点目の新市建設計画の吉川町関係分が自立での普通建設事業費を下回る場合はの質問でございますが、自立の場合の財政シミュレーションにつきましては、既に議会の特別委員会にも提出させていただいてあるところであります。

 現在の合併協議会の小委員会でも協議状況や、町の考え方については野呂議員にお答えしたとおりでございますが、今後10年間の地域事業費が額は不明ですが、現在の水準を下回ることは、現在の財政状況からも当然考えられることであります。自立の場合のシミュレーションに低い事業費を当てはめても、平成19年度には赤字になると想定されます。歳出を削減すれば歳入の起債、補助金、過疎債分の交付税も連動して削減になることもご理解願いたいと思います。

 4点目の合併住民懇談会開催についてはという質問でございますが、先ほど野呂議員の質問にお答えしたとおりでございますので、ご理解願います。

 5点目の14市町村の枠組みの合併可否について、住民の意思確認はどうかという質問でございますが、今まで申し上げましたとおり、合併協議会の結果をもって、住民の皆さんと懇談する中で、住民の意思確認をしたいと考えております。したがいまして、議員ご提案の住民投票については考えておりません。

 塚田産業課長の答弁

 鳥インフルエンザについて、お答え申し上げます。

 1点目の町内の鶏の飼育状況を把握しているかということでございますが、町内の鶏の飼育状況につきましては、一番多頭飼育されている方が40羽飼育されている農家が1戸、ほかは10羽未満の少数飼育の農家が18戸でございます。合わせまして、町内では158羽飼育されていると把握しております。

 2点目の関係者に対策の周知を徹底しているかという質問でございますが、上越家畜保健衛生所から2月18日付で防疫対策について、鶏等の飼育者に対する指導依頼がありましたので、2月21日、22日の両日、有線で一斉放送をし、周知いたしたところであります。今後も機会をとらえて周知を図ってまいります。

 3点目の緊急時の即応体制はできているかという質問でございますが、緊急時の即応体制につきましては、消毒薬は消石灰や液剤、液剤につきましては市販の塩素系の漂白剤「ハイター」の100倍液が有効であるということであります。防護服は新潟県で確保し、ワクチンについては県の許可が必要となっております。いずれにいたしましても、県の畜産課、家畜保健衛生所と連携をとって万全の体制で臨んでまいりたいと存じております。

 なお、抗ウイルス剤につきましては、普通の風邪のインフルエンザの錠剤と一緒でいいということで、今主に利用されているのが「タニフル」という錠剤が十分用意されているそうでございます。以上でございます。

 私の再質問

 それでは、再質問させていただきます。

 1番目の問題ですけれども、財政改革の問題で、今回、交付税、それから臨時財政対策債が大幅削減されました。これは先ほども述べましたけれども、本来、地方自治体の共有の固有財源なんですよね、国から来るような形になっているけれども、国民からも税金を集めて地方自治体で使うということが建前になっているお金なんですよ。それがあって初めて、地方自治体の運営がされるということですので、町長もかなり怒りを持っているということでお答えになりましたが、私は来年も再来年もということになった場合は、合併してもしなくても、これは本当に地方自治体が生き残っていけない形になってまいりますので、強力な運動を重ねて求めたいと思います。

 2番目の鳥インフルエンザの問題、危機管理というのは本当に的確性も求められておりますし、機敏性も求められていると思います。私もちょっとよそ事のように感じておったんですけれども、正直言いまして、実際いろいろ調べてみますと、決してばかにできない問題だなというふうに今感じております。

 既にこの上越地方では、関係機関の間で一定の協議もされて、町の方でも有線とかいろいろな手だても講じられたそうでありますけれども、文書についても4月などということを待たずに、いっときも早く手だてを講ずるというのは、私は危機管理の姿だと思います。そういったことで、ぜひもう一度そこいら辺もあわせて検討願いたいと思います。

 それからいま一つ、きょうはご報告なかったんですけれども、小学校、中学校あるいは保育所ですね、動物を飼育されている状況があるとするならば、私は先ほどの質問でもちょっと言いましたけれども、日本獣医師会が出されている提案といいますか、声明といいますか、非常に重要なものが含まれています。単に危機感をあおるというのではなくて、子供たちの成長にとって、この動物の果たす役割の大きさをそこでは強調されておりまして、そういう中でどういうふうにして小動物の、あるいは家畜の飼育をしていくかというマニュアル的なことも書いてございますので、これもはやり、ぜひ徹底してほしいということをお願いしておきたいと思います。

 指定管理者制度の問題であります。指定管理者制度について私は、指定管理者制度全体を否定する考えはございません。恐らくこれが適用される場合は、それぞれ施設管理についての条例の改正を伴うと思うんです。それぞれの施設がどういう形になっていくのか、指定管理者制度を導入することによって。それを見ながら、個々に対応していきたいと思いますが、ただ先ほども言いましたように幾つかの心配があるわけです。利潤追求形になりはしないかとか、サービスが低下しないかとか、不便にならないかとか、いろいろ心配はございますのでその条例改正の時点で、その点について、きちんと盛り込めるような形での提案をしていってほしいということをお願いしておきたいと思います。

 それから、次の問題、森の文化・匠の里づくり事業であります。町長の説明を聞きまして正直言って残念です。昨年の12月15日に計画の概要の報告があったという話なんですが、その報告は議会に、ほかの皆さんはどうか知りませんが、私も聞いておりません。あれだけ期待されて、吉川高校の今後がどうなるかということの心配が町民の間にもある中で、そういう重要な変化を全然お知らせにならないというのはいかがなものかと思います。

 さらに、1月にも現地視察をされたというお話で、また一段と計画が縮小されたようでありますが、私は確かに相手があることで、こちらはどちらかというとお願いする立場です。ただ、今までの高校が果たしてきた役割は非常に大きいと、これは原之町という場所という町の中心部であるということもありますし、町が全国的に酒をつくる町としてアピールする核的な存在であったわけです。そういったものがどうなるかということにもかかわってまいりますし、それから、今だって百数十人、200人くらいいる、正確な数字はわかりませんが、かなりの生徒さんが年間通じて学んでおられます。そういう状況がなくなったということになりますと、これは非常に大きな事になるんです。大きな影響が出ると思います。

 そういった意味では、私は確かにお願いする立場ではあるけれども、最低限こうしてほしいというお願い立てもしてもいいのではないか。希望を、例えば、何科になるのかはわかりませんが、一定の期間研修するという形で利用されるということだけははっきりします。ただ、通年になるかどうかわからないという話なんですが、どこかの大学がちょっと合宿に使うとか、研修に使うというようなレベルの使い方であっては困るなと、できるだけ長期に使ってほしい、できるなら通年で使ってほしい、こういったことを言ってもいいんじゃないでしょうか。そこら辺も、町の、これまで吉川高校が果たした役割も考えながら、ぜひきちんと整理をして、要望は出すべきは出していくという姿勢をとってほしいと、これはお答えをはっきりお願いしたいと思います。

 最後に、合併の問題でございます。

 合併の問題の中で、一番最初に私が申し上げました問題は、合併の理由、メリットの問題なんですけれども、確かにサービスの問題を言いますと、数字的には全体的に向上するものは多い、低下するものは少ないという形になっておりますけれども、住民はみずからの生活に照らし合わせる中で、それぞれ判断をしていくのです。

 そういう中で一番私が気になるのは、町長が一番最初にいつも言われていたのが、少子高齢化対策なんですよ。今回、ここで合併していかないと平成三十何年でしたか、人口が予測されるところは三千六百人だか八百人くらいまで行ってしまうと、そうなってくると困るというような話もされておる。盛んにあちこちでされてきた。ところが、今回の事務事業の調整の中で、こういった少子化対策の関連事項がどうも大きく後退させられる事例が幾つも出てきたやに思います。

 例えば、矢沢さんが手がけられた出生祝い金の制度につきましても、これはもう廃止ですよね。あるいは保育料の問題、通園バスの問題、まだ正式に調整はでき上がっておりませんが、どうもこの調子でいくと今よりも悪くなる可能性がある。私はそれにあわせて乳幼児の医療費の助成の問題、これも非常に大きい。こういった子供を多く産んでもらう上で、経済的な負担を軽くするということについての施策が後退するというのは、大きなマイナスだと思います。そういった点で、ぜひそこいら辺についての見解を改めて伺いたい。

 それから、先ほどの答弁で一つ気になったことがございます。一人の人間が一人のお年寄りを支えることになるんだと、将来的に。果たしてそうかなと、私は前からそう思っていたんですけれども、その考えは基本的には65歳以上の人は働かないという前提に立った考えなのではないでしょうか。65歳未満の人が65歳以上の人を支えるという形に現実がなっているかどうかと言えば、必ずしもそうはなっていない。65を過ぎて70あるいは80近くになっても頑張っておられる方は随分おられる。そういったことを考えますと、数字で簡単にそういうふうに割り切って、何人の人が何人を支えるというような言い方はいかがなものかと思います。

 それから、これはぜひ具体的に今度は事実を示していただきたいと思いますが、先ほど新市の建設計画の中で、町の今後10年間に取り組む事業、先ほど1億円10年間という話を例に挙げて、その数字が固定したとは私は今思っておりませんが、仮に、今その数字を挙げましたのでその数字を挙げて言うのですけれども、そのことと、単独で行った場合のシミュレーションをつくられましたよね、あれで行った場合、私は職員を思い切って減らして、普通建設事業を現在4億から5億の間ぐらいある、あの事業を半分近くまで減らす、その水準よりも下回るんではないかという気がしてなりません。そうじゃないと言うんだったら、そのそうじゃないよと言うのを事実でもって明らかにしてほしいんですけれども。

 今の合併協議を見ていきますと、ともすると、地域事業費の配分をめぐって、標準財政規模割のほかに人口割も入ってきそうだということになってまいりますと、私は1億5,000万、2億という数字は1年間には望めないだろう、町長が先ほど言われた多くても1億ぐらいじゃないかなという気がします。そうなってくると、単独で行った方が、まだ普通建設事業も取り組めるんではないかというような気がしないわけではありません。これは具体的な数字の問題ですので、いつか今度は数字をきちんと示しながら議論したいと思いますけれども、そこいら辺についても一定の見解をぜひ示していただきたい。

 もう一点、住民の意思確認。合併協議が終わってから、また住民懇談会をやられて、そこで意思確認をしていかれると、具体的にどんなふうにしてされるんでしょうね。先般も源克雪センター多目的集会所、旭の何というんでしたか忘れましたが、キカン何とかという、拠点センターですか、私もずっと見てきましたが、ああいう懇談会の中で本当に一人一人の意思が確認できますか、自信を持って確認できますと言えますか。私はできないと思います。雰囲気はわかるかもしれないですけれども。でも、雰囲気で行政というのはやっていいと思いませんよ、この町の将来の決定を。やはり一人一人の、皆さん方のお気持ちを大事にして政治を進める、これが町づくり条例の基本です。

 ですから、情報もきちんと出す。意思もちゃんと確認をすると、これが求められているんです。そのことを忘れて、懇談会をやりました、大した反対もありませんでした、だから、そのまま進みます、これはいかがなものか、私は思います。その辺をもう一度考え直していただきたいと思います。

 ちょっと体の調子が悪いので、私はこれで質問はやめますので、答弁漏れのないようにお願いいたします。

 角張町長の再答弁

 大変風邪が重くて苦しそうでございます、同情いたします。

 最初の地方財政の問題でございますが、三位一体の問題でございます。確かに、ご指摘のとおり我々も本当に心配するところがあるわけでございます。だからこそ、やはり自主・自立の町づくり地域づくりを目指していくべきであると考えるわけでございます。一方では、三位一体の改革を推進しているのも事実でございます。ご理解を賜りたいと思います。

 続きまして、2番目の鳥インフルエンザは課長がお答えします。
 指定管理者制度につきましては、議員ご指摘のように心配される点もあるわけでございますが、当然、条例改正の時点においていろいろ協議を願うわけでございます。

 次に、森の文化でございますが、先ほど申し上げましたように、私はまず、実現可能な計画から始めるべきであると考えております。そのことがすべてを望むのではなく、また来ていただいてから、いろいろなことをつなげていくことが大事であると考えるわけでございます。今、先方さんも非常に好意的にいろいろ協力をいただいておるわけでございます。とりわけ最近喜んだのは、杜氏の郷をまた活用させてくれという申し入れがありまして、やはり、このことも最初建設した思いがここにあるわけでございます。吉川高校の醸造科から始まるわけでございます。そういう点では、何とかこの起業といいますか、学校誘致を実現に向け努力してまいりたいと考えております。

 市町村合併につきましては、財政シミュレーションのことを言われますが、まず、少子高齢化が平成32年には3,567人になるという推計が現実でございます。しかも、高齢化率が38.2%、大変高うございます。そういう中でこれからは、1町で行けないということが避けて通れない、そういう大きな原因にもなるわけでございますし、サービスが低下しているのではないかと、最初の予想と違うのではないか、特に少子化対策についてのご指摘があったわけでございます。

 今まだ途中でございますが、先ほど申し上げましたように、よくなるのが16%、変化しないのが77%、また低下するのが7%となっております。トータルで判断していたくことが適当であると考えるわけでございます。

 また、あくまでも1億円の配分を想定したわけでございますが、これは推定でございまして、より多く地域事業の配分額が多くなることに対して努力してまいりたいと考えております。   最後の意思確認でございますが、気ほど申し上げましたように、住民の皆さんと懇談する中で意思の確認を図ってまいりたいと考えております。

 
塚田産業課長の再答弁

 鳥インフルエンザの件でございますが、文書で知らせるのをということでございます。原稿もできておりますので、早い機会にするように内部でひとつ検討させていただきたい、そんなふうに考えております。

 それから、学校、保育所等での飼育はということでございますが、現在飼育がありません。ただ、春からまたそういう状態になりましたら、そのように指導してまいりたいと考えております。

 常山総務課長の答弁

 では、地方財政絡みの件につきまして、私の方からは確認ということでお話をさせていただきたいと思います。

 状況の確認であります。基本方針2003の中の改革と展望で、今後の地方財政計画のあり方として「地方交付税を抑制し、財源保証機能を縮小していく」といわれているけれども、確認は改革と展望の中で平成18年度まで行くということになっているという事実だけお願いをしたいと思います。

 それから、先ほどの指定管理者制度につきましては、議員ご指摘のとおりでございまして、条例で定める事項といたしまして、当然的に指定管理者の指定の手続、あるいは指定管理者が行う管理の基準、指定管理者が行う業務の範囲というような形の中で、特に指定管理者が行う管理の基準の中に、個人情報の法等についても触れるようにというような形で、改正自治法の242条の2の関係でそうなっておりますので、ご理解を賜りたいと思います。

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