2003年12月議会一般質問
 私の一回目の質問

 質問に入る前に、先ごろイラクの地で亡くなられました2人の日本人外交員のご冥福を心からお祈りいたします。今回の事件を契機に、私は、世界に誇る平和憲法を持つ国の一住民として、平和を守る活動に一層努力する覚悟でございます。

 それでは、質問に入ります。
 
 私は、町民こそ主人公、町民の命と暮しを守る立場から、イラクへの自衛隊派兵問題、市町村合併問題、そして最後に新年度町予算編成方針についてお尋ねしてまいりたいと思います。

 まず最初に、イラクへの自衛隊派兵についてお尋ねいたします。
 私は、1950年(昭和25年)に生まれました。生まれてから今日に至るまでの間、一番幸せであり誇りに思ってきたことは、日本が戦争をしないことであります。それが、今回の自衛隊派遣計画決定によって危うくなってまいりました。戦争をしない国から戦争をする国への歴史的転換を決めた2003年12月9日、この日を私は一生覚えておきたいと思います。

 ご案内のように、14日、米軍の手によってフセイン元大統領が拘束され、全世界にこのニュースが飛び回りました。しかし、その後も自爆テロが発生している事実一つをとってみてもわかるように、今、イラクは泥沼化し、米英軍当局自身がイラク全土が戦争状態と認めざるを得ないほど、深刻化している状況は変わりありません。11月29日には日本人外交官2人が殺害されるという痛ましい事件が発生いたしましたけれども、報道によりますと米英軍兵士の死者は既に 500人近くを数え、11月の死者は80人と開戦後最悪の事態となっております。米英以外の駐留軍も、イタリヤ、スペインなど既に40人近くの犠牲者が出ています。被害は軍関係だけではありません。国連や赤十字の施設関係者などにも及んでおります。そして、何よりもこの戦争によって万を超える罪なきイラクの民間人が殺されていることは、極めて重大であります。

 そこで、角張町長に幾つかお尋ねします。
 1点目は、イラクがこういう深刻な状況になった根本原因についてであります。
 私は、米英軍が行ったイラク戦争がドイツやフランスなど世界各国の反対世論や国際法を無視した無法な侵略戦争であったこと、その後も米英主導での不法な軍事占領支配が続いていることに根本的な問題があると思っております。今回の自衛隊派兵計画決定の前提にはイラク戦争と米英軍等の占領支配に正当性があるとの認識がございます。核兵器や生物兵器などが大量に存在する可能性が高い、だから先制して攻撃する。これで占領者たちは押しまくってきたわけでありますが、町長はイラク戦争と米英軍等の占領支配に正当性があるとのご認識でありましょうか。そうでなければよいのでありますが、もし正当性ありとのお考えでしたら、その根拠をお示しいただきたいと思います。

 2点目は、イラク問題を打開する道、方法についてであります。
 私は、イラク問題の道理ある打開の方向ははっきりしていると思います。一日も早く米英軍主導の占領支配はやめ、国連中心の枠組みによる人道復興支援に切りかえること。その枠組みのもとでイラク国民に速やかに主権を返還し、米英軍を撤退させること、これが最良だと思います。実際、国際社会の大多数もこの方向での解決を強く願っております。今、日本に求められているのは、そのための自主的な外交努力ではないでしょうか。

 3点目は、行動提起であります。
 先日、東京国立市の上原市長が小泉首相に提出された意見書を読む機会がございました。平和憲法の精神を踏まえた格調高い表現で首相にイラク派兵の中止を求めておられました。町長もご存じのように、当町では、1986年(昭和61年)の9月議会で「非核平和の町宣言」を行ってございます。ぜひ町長からも、憲法と「非核平和の町宣言」に基づき、イラク派兵中止を求める意見書を提出していただきたいと思いますが、いかがでありましょうか。

 次に、市町村合併問題について角張町長にお尋ねしたいと思います。
 法定協が立ち上げられましてから全体協議だけでも既に3回を数えました。この間、事務事業調整の分科会、専門部会、担当課長会議、幹事会を含め合併関連の会議がメジロ押しでありました。こうした中で、町長、助役を先頭に奮闘されてきたことに、まず心から敬意を表するものであります。

 この間の合併協議の特徴の一つは、対等平等の精神が交代し、編入する側の論理が強まっていることであります。大事なところは、上越市での議論、そして幹事会でほとんど決まってしまい、あとの会議はこれらを追認するしかない、そんな傾向が出始めているのではないでしょうか。

 特徴の第2は、合併協に見られるように、発言は一部しかなく、全体で自由に伸び伸びと議論する形になっていないことであります。

 そしてもう一つ、特徴の第3は、住民不在と言っていいほど合併協議に住民の声が反映されずに進行していることであります。これまでの地域での町づくりを最大限生かし、新市全体がまとまり輝く、こうした新しい町づくりは今のような形の協議、話し合いからは生まれてまいりません。

 先日、愛知県稲沢市と2町の合併協議会のホームページを見ましたら、合併方式について協議書に記載する文言は、「稲沢市、中島郡祖父江町及び中島郡平和町の合併は対等の精神の理念のもと、各市町村の歴史・伝統・文化や町づくりの歩みを互いに尊重し、新たな町づくりを進め、一体的な発展と住民福祉の向上を目指す対等合併・編入方式とする。法制度上は中島郡祖父江町及び中島郡平和町を廃し、その区域を稲沢市に編入するものとする」となっておりました。

 私は、あっと思いました。私の考えとぴったりのことがそこに記載されておったからであります。そこで、町長に、合併協議の現状はどう打開したらいいかについてお尋ねしたいと思います。

 私は、まず上越地域合併協事務局、あるいは上越市が関係市町村から集めた資料は13町村と共有すること。そして稲沢市などの合併協と同じ協議のスタンス(姿勢)をとることだと思います。いかがでしょうか。

 2つ目に、合併に関する情報の行政、議会、住民の共有についてであります。この点では、特に町民の皆さん方からの強い要望を耳にしております。確かに合併協のたよりは出ていますし、町も広報を始めました。しかし、それは決まったことを伝えるという一方通行であります。結果だけでなく、合併に係る諸問題について町民の声を聞く、そしてそれを合併協議に反映させる。そのことは町名・字名のことを除けばほとんどありません。9月議会で私がこの点をお尋ねしたときに、角張町長は、「合併協議の段階での町民との情報の共有につきましては、事務局で発行するたよりを初め、町広報の合併特集号、住民説明会等により情報の提供を行ってまいりたいと存じます。また、合併協議の大筋が整った段階、廃置分合の議決前に移動役場を開催し、合併協議の内容を報告するとともに、皆さんの意見をお聞きしたいと考えております」と答えておいでであります。この答弁で言われた住民説明会、さらに移動役場の開催は、私は早い時期にやっていく必要があると思います。改めて住民の皆さんとの情報共有について見解を伺います。

 3つ目に、合併協議とのかかわりの中で、町づくりと公民館の役割についてお尋ねしたいと思います。言うまでもなく、公民館は町づくりのセンターとして町民が集い、学び、結び合う中で自分たちの住む地域をよりよくしていく最も身近な社会教育施設であります。地域の人々のふれあい・交流の場、課題解決に向けてのさまざまな学習活動、子育て支援、次代を担う青少年の健全育成活動、伝統芸能・文化の伝承活動等、どれをとっても公民館が町づくりの上で果たしてきた役割は大変大きなものがあります。

 先般、中頸城郡公民館連合会が町村会などに申し入れた要望書を読みまして、私は合併の仕方によっては公民館活動は大幅に交代することになると思いました。要望書にも書いてあるように、「公民館は地域としての独自性や主体性を尊重し、住民の福祉を向上する面が非常に強い事業運営を行う組織であるため、安易の行政のように事業の効率化による統合整備を行うとさまざまな支障を来す」ことは明白であります。

 そこで私は、町長及び教育長のお二人にお尋ねしたいと思います。14市町村が合併する場合、これまで公民館が果たしてきた役割を維持するためには、それぞれの町村が今手だてしている予算とスタッフの確保が不可決と考えますけれども、あなた方はどうすべきと考えておられるか、見解を示していただきたいと思います。

 4つ目に、電算システム統合についてであります。これまでの合併協議の中で明らかになったように、14市町村のシステムは上越市の稼働システムに各町村のデータを取り組むことを基本とすることで進められております。電算システム統合の構築のために約17億円の費用が必要とされ、作業が少なくとも11カ月かかることも明らかになりました、しかし、私はどうしても釈然しません。理解に苦しむことがたくさんあるのであります。

 1つは、17億円もかかる大事業なのに、なぜ合併の協議項目に上げなかったのか。
 2つ目は、電算システム統合に一定の経費と時間がかかることは準備会の段階から既にわかっていたはず。合併期日をどうするのかの素案を出す段階で、このことは全く頭に入っていなかったのかどうか。
 3つ目は、合併協議がまだ整っていない段階で、一体どこがどんな形で発注するのか。
 4つ目は、14市町村のシステム統合ですから、常識から言えば、関係市町村がお金を出し合うことになりますが、合併協議がまだ整っていない段階でそんなことが可能なのかどうか。

 そこで町長にお尋ねします。電算システム統合経費については、既に合併協などで一定の方針といいますか、方向を明らかにされております。予算措置のあり方については11月26日の合併協議会の前の段階で関係市町村の首長が話し合い、一定の方針を決めていたのでしょうか。これが1つ。

 それから、今、私が理解に苦しむとして上げた4つの事柄につきまして、町長の見解を示していただきたい。これが2点目であります。

 そして3点目、言うまでもなく、予算を協議する基本的な場所は議会であります。もしまだならば、議会との話し合いが先でありましょう。どうするおつもりかお伺いいたします。

 最後に、新年度町予算編成について伺います。

 高橋議員の先ほどの質問とダブらないように、簡潔にお尋ねしてまいりたいと思います。率直に申し上げまして、新年度町予算は、これまでどおり12カ月や予算として編成しなければなりませんが、これまでと違って、合併する場合のこともある程度視野に入れて編成しなければならないことから、なかなか難しい面がございます。さきの合併協議会で、合併記期日を平成17年1月1日と決めました。しかし、編入する側の上越市も含め、合併前に住民の意思を確認してほしいという流れができつつあります。電算システムの統合にしても予定どおり進む保証はありません。当然、合併期日が動く可能性もあると私は見ております。

 また、町民生活を見てみますと、雇用情勢が一段と悪化し、年金、医療、介護など社会保障の分野での負担強化がされる。長引く不況の中で景気が冷え込むといった深刻な事態が依然として続いています。

 繰り返して申し上げてきたように、町行政は何よりも第一に町民の命と暮しを守るとりでとしての役割を果たしていくことが求められます。そういう中で、町はどんな編成方針を持ち、作業に入っているのか明らかにしていただきたいと思います。

 具体的には、第1に、新年度予算編成の基本方針を示していただきたい。この中では、町総合計画の実施計画はこれまで予定したことが実行できるのかどうかについても触れていただければ幸いに存じます。
 第2に、新年度町予算の重点施策は、合併関連以外にどのようなものを想定しておられるか、お示しいただきたいと思います。
 以上であります。

 角張町長の答弁

 橋爪議員の一般質問にお答えいたします。

 最初のイラクへの自衛隊派兵についてでありますが、この問題につきましては野呂議員にお答えしたとおりでありますが、戦争の悲惨さは、当初それぞれの正当性がどう裏打ちされようが、結果において、戦争は国民の犠牲の上に立っているものだと認識いたしております。

 今、イラクの惨事に対し望むことは、一日も早い治安回復と人道的復興であり、そのための日本における責務は何かを考え、外交努力はもちろんのこと、一日も早い復興を願うものであります。

 イラク派兵中止を求める意見書の提出につきましては、議会の皆様並びに町村会等、関係機関の動向を見きわめながら検討してまいりたいと考えております。

 2番目の合併問題でございますが、1番目の、最近の合併協議の特徴と問題点でございます。
 議員ご発言のように、上越地域合併協議会で発言される委員の方はごく一部に限られております。多くの委員を前に意見を述べるには、ある程度の心構えと勇気も必要であり、発言も少なくなるものと思われます。今後、設置されてある小委員会の運営の活用を考慮し、小委員会の中でも議論が広がるよう協議に臨んでまいりたいと考えております。

 各種資料につきましては、現在14市町村共有しております。また、上越市の資料の先行開示については慎重にお願いしたいという意見を申し上げておるところであります。木浦会長が協議会の場で表明している「合併の方式は編入であっても、気持ちは新設とし、対等平等の立場で合併協議を行うという立場に変わりはない」という言葉を信じてまいりたいと思います。

 2番目の情報の共有でございますが、合併に関する情報の共有は、協議会だより、広報等を通じ住民の皆さんの情報提供を行っております。また、月に大体二、三回あるわけでございますが、各種団体との懇談会等にお招きをいただいております。その場で情報の提供を申し上げ、またご意見をいただいておるところでございます。

 また、このために議会合併問題調査特別委員会とも相談させていただき、町民代表の方も含めて検討を行い、合併協議に臨んでいただいておるところでございます。とりわけ橋爪議員さんにおかれましては、議会代表として法定協においでになっておられます。また人一倍多くの情報をお持ちであります。住民の皆さんに情報提供をお願いし、また、ご意見もちょうだいしてきていただきたいと願うものであります。

 住民説明会につきましては、事務事業の調整が終了し、新市建設計画が確定した段階、つまり新市の姿が決まり次第、廃置分合議決前に開催したいと考えております。

 3番目の町づくりと公民館の役割でございますが、町づくりの一環として公民館の役割は、町民が集い、学び、ふれあい交流の場として生涯学習活動、スポーツ振興、青少年の健全育成、そして文化芸術の活動の拠点として推進してまいりました。合併後も地域コミュニティの維持、継続する上で重要な役割があると考えております。

 公民館は社会教育法に定められており、合併後の活動が停滞のないよう郡公民館連合会から町村会や各市町村長が要望を受けたところであります。また、予算、スタッフにつきましては、今後、調整、検討されますが、公民館事業につきましては地区公民館として支所機能の中で進めてまいりたいと思います。詳細につきましては教育長がお答えいたします。

 なお、この問題につきましては、本日の上越タイムスか何かに掲載されておったと思うのでございます。

 4番目の電算システムでございますが、これまでの経過等につきましては担当課長がお答えいたしますが、11月26日の町村長会議で予算措置については決定をいたしておりません。また、システム統合にかかわる経費の負担割合や発注方法につきましては、現在、担当課長会議で協議を進めているとの報告を受けておりますが、協議が整い次第、議会とも協議の上、補正予算をお願いすることになると思います。あくまでも今受けておりますのは中間報告でございます。

 次に、3番目の問題でございますが、新年度予算編成方式でございます。
 1番目の基本方針でございますが、このことにつきましては行政報告の冒頭に所信を申し上げたとおりでありますので、ご理解をいただきたいと存じます。また、町総合計画の実施計画は、これまで予定したことが実行できるのかとのご質問でありますが、町財政は引き続き厳しい状況にあることは、議員ご案内のとおりであります。市町村合併を視野に入れた予算編成となるため、第4次総合計画を基本とした限られた財源の重点的・効率的配分を図り、実施計画の実現に向け最大の努力をいたす考えであります。

 2番目の新年度の重点施策はでございますが、1点目には行財政改革の推進、2点目には福祉政策の充実、3点目は若者定住対策、4点目、農業政策の充実、5点目、商工業の振興、また教育の充実を掲げ、新年度予算編成に対し指示をいたしたところであります。

 小野教育長の答弁

 橋爪議員さんの町づくりと公民館の役割についてお答えいたします。

 議員お説のように、私も基本的には同感であり、公民館事業は町づくりの一環として広く住民の皆さんが集い、学び、そしてふれあう場として、「いつでも、どこでも、だれとでも」を合い言葉に生涯学習を初め、各種の事業を展開して町づくりの一端を担ってまいりました。今回、町村合併における事務局段階の調整原案では、各町村の現公民館を地区館とし、各地区の分館も継承することとしており、公民館事業につきましてもほぼ全市に引き継ぐ方向で検討されております。

 しかし、ご案内のように、公民館は各町村ごとに独自性があり、その主体性を十分尊重したものでなければならず、少なからず危惧をいたしております。

 去る6月6日、新しく公民館の設置及び運営に関する基準が全部改正され、公民館の地域に果たす役割が一層重要な位置づけがなされました。その意味でも、画一的な整理統合ではなく、地域住民の意向が十分反映されるようなものになるよう、先般、中頸郡公民館連合会の要望書が出されたものと理解をいたしております。

 したがいまして、公民館の持つ機能や役割を思いますとき、議員ご提言の予算や人員確保につきましては、今後心して対処し、公民館の持つコミュニティの維持、推進を図ってまいりたいと思っております。

 佐々木企画開発課長の答弁

 電算システムの統合の関係でございますが電算システムにつきましては、合併した日あるいは合併した後、速やかにシステムが稼働するように統合する必要があるわけでございます。

 現在、電算分科会で統合に向けての調整を行っております。また、上越地域合併協議会におきましてもシステム統合に向けての方法、費用等について調査委託を行っているところでございまして、先般、中間報告がなされたところでございます。これにつきましては、11月20日の幹事会におきまして、統合に要する期間が11から12カ月、経費はおよそ17億円との中間報告が口頭でなされておりまして、11月25日の合併担当課長会議では中間報告書が配布されました。このことは議員もご承知のところと認識をしております。

 この調査報告につきましては、委託作業の完了期限が12月末日となっております。したがいまして、この最終結果が出次第、合併協議会に何らかの形で報告があるものと考えております。

 合併の期日とシステム統合に要する時間の関係でございますが、冒頭申し上げましたとおり、システム統合は合併に当然間に合うことが条件でございます。当然、担当する電算部会でもそれを視野に入れ作業を進めておりまして、今回の中間報告でも11から12カ月という結論でございまして、合併の予定期日までに間に合うというふうな内容になっております。

 私の再質問

 それでは、再質問をさせていただきます。

 一番最初に、イラクへの自衛隊派兵問題について再度お尋ねいたします。
 私は、町長が先ほど答弁の中で、戦争の悲惨さとかいろんなことをおっしゃられましたが、もう一歩踏み込んだ答弁をしていただきたいと思うんです。と申しますのは、町長も私と一緒に議会に出席をされて、長くおつき合いをさせていただいているんですけれども、昭和61年の9月の議会で「非核平和の町宣言」をしました。あの精神に立って今回の問題でも動いていただけないかというのが私の本音です。

 実はことし、私、非常にうれしかったことが一つあります。それはこれです、「非核平和の町宣言」の精神に合致する取り組みをことし吉川町はしたと思います。この戦争体験史を出した。戦争が終わってから58年たって、あの当時のいろんな苦難の生活を振り返って、戦争体験が風化しないように、これからまだ長く生きる子供たち、青年に訴えたいという思いで45人の方が書いてくださっている。

 私、2遍読みました。非常に戦争と平和の問題でリアルに、この吉川町らしさがぷんぷんする表現で書かれてございます。今、監査委員の江村さんがおいでですけれども、河沢の江村武雄さん、昭和20年1月11日に出征されました。昭和20年は大変大雪で、河沢から出征されるときに雪道の一本道を歩いて行かれた。集落の方や親戚の方々が代石の新田橋まで送っていかれたんです。そして、そこであいさつをされて、武雄さんは当時17歳だったですけれども、百木の方へ向かって歩き始めた。そのときに、もう二度と自分は帰れないだろう、そういう思いで歩いた。その歩き始めたちょっと後に、「元気でいってこいや」という声が後ろから聞こえた。お母さんです。お母さんがそういう声をかけられた。この文章に載っております。非常に私感動いたしました。

 こういったことがたくさんつづられておりますけれども、共通した思いは、再び日本が戦争する国になってほしくない、二度と戦争してほしくない、軍隊を送って人を殺すようなことはやめてもらいたい、この思いでしょう。私は、その立場で町長からもう一歩踏み込んだ見解表明、行動をしていただきたいと思います。

 イラク特別措置法は、人道復興支援と、もう一つは安全確保支援活動、2本立てなんですよ。人道復興支援についてはだれも文句を言わんでしょう。ところが安全確保支援活動になりますと米英軍の後方支援をすることになるんです。きのうも参議院の外交防衛委員会、私も様子をテレビで見ておりましたけれども、非常にシビアな議論をされておりました。小泉総理大臣は、「武器、弾薬は運ばない」、こういうふうに言っておりましたけれども、委員の質問の中で福田官房長官は、「一般物質と武器弾薬をまぜて運ぶ可能性もある」ということを言っている。こういう話になってくると、あそこへ行けば確実にねらわれるじゃありませんか。そういう危険性がある中で、やはり自衛隊の派遣はやめるべきだということとか、あるいは少なくとも、新井の市議会の意見書のように延期してほしい、そこまで踏み込んだ見解表明をぜひお願いしたいと思います。

 次に、2番目の市町村合併の問題で再質問を行いたいと思います。

 一番最初に、合併協議のあり方の問題で、町長が今ほど答弁されましたように、上越市への編入合併だというんだけれども、協議は編入であっても対等平等でやりましょうよという確認がされました、何遍も何遍も。そうなっていないでしょう。助役が大奮闘して、議員の定数と任期、この問題で今頑張っておられますけれども、7月11日、7月20日、そしてこの11月6日への幹事会、それから今月の幹事会、いずれも上越案でずっと変わらないまま協議に付している。これは対等平等の姿ではありません、協議の仕方は。私は、編入であろうと新設であろうと市町村間協議というのは対等でなければならんと思います。対等平等であるべきだと思います。それが貫かれておらない現状は、やはり率直に批判すべきでしょう。直してもらうべきだと思います。

 それから、情報の共有。町長は「14市町村が共有しております」とおっしゃいました。そして、共有しているんだけれども、上越市の方でどうも先行的に公開しているんじゃないかという意味合いなんでしょうが、「上越市の方で先に公開するようなことは慎重に願いたい」というような答弁もありました。私は、果たしてそれが実態なのかどうかも疑問に思っています。

 つい先般、上越市議会の特別委員会を傍聴してまいりましたが、あそこで第3セクターの議論がされておりました。14市町村の中で第3セクターは61あるんです。そのデータが特別委員会に全部出ていました。そのデータを持って、担当課の企画開発課の職員に、「吉川町にこれ来てるかね」と聞きましたら、来ておらないという話がありました。それはごく一部かもしれません。たまたまそういうことだったのかもわかりません。私は断定はしません。しかし、情報共有の形にはなっておらないという面は必ずどこかにあるような気がいたしますので、その点、厳しく追及をしていただきたいと思います。

 そしてもう一つ、協議会だより、あるいは町の広報で住民との間は合併情報の共有をしているというご認識ですけれども、私はそうは思いません。

 例えば今ここに、先般、合併協議会で出されたたよりの第2号がございます。合併の方式、期日について書いてあります。2ページ目、箇条書きです。どんな経過でどんな議論をされたかなんて全然書いていない。左のページに合併Q&Aがあるんです。この合併の方式は上越市の編入だそうですが、町村はどうなりますかと。町長が心配される、あるいは私も心配していた新設対等平等の合併という気持ちでいきますなんていうことは一言も書いていない。この言葉使いだって、本当にこういう場に出ている人でなきゃわからんような文言です。合併がどういうものかということをよくわかっている人でなきゃわからんような便りだ。こういうのを頼りないと言う。やはり情報はまずわかりやすいということが基本、正しく伝えるということが基本、これが貫かれておらんでしょう。こういう合併情報の共有の仕方というのは、私はまずいと思います。

 それから、もう1点、町長は、新市の姿が見えてから住民懇談会をどうやるかをやるとおっしゃいました。確かにその段階でも必要でしょうが、その前からやっていかないとまずいんじゃないでしょうか。今、住民の間からのいろんな声が出てきておりますけれども、どんな協議をしているのか。支所がどうなっていくのか。今まで役場から受けていたサービスがどうなるのか。よくなるのか悪くなるのか。みんな知りたがっている。合併協議するんだったらこういうふうにしてほしいという思いを持っている人もあるでしょう。その人たちの声を聞けば、団体との間の会議で会ったときに、たまたまやりますという、そういうことじゃなくて、さらに一歩前へ出て、地区ごとに懇談会をやるとか、あるいは時間があれば集落懇談会をやるとか、そこまでもう少し早い段階でやったっていいんじゃないですか。

 それから、公民館の問題です。合併したら本当に地区館という形になるんだけれども、地区館になっても、今のスタッフ、予算がないと、従来どおりの活動はまず難しいですよね。

 ご案内のように、ことしの6月に文部科学省でしたか、あそこが公民館の設置及び運営の基準を改定しましたね。あれを見てみても、公民館の役割について、公民館の機能については従来よりも強い機能を持たせるようにしてありますね。学習の機能だけじゃない、今度は子育てに関するいろんな機能を公民館に持たせようと。

 こういう話になってくれば、それこそ今までよりも強力な体制で公民館を運営していかなければならんですね。なかなか人をふやしてというところまでいかないでしょう。でも最大限頑張る必要がある。それがちゃんとやれるかどうか。吉川町の町づくりに非常に大きな影響を与えます。ですから、新しい基準の立場で、今回の合併協議の中でも、この公民館の体制の維持の問題は強く主張していっていただきたいと思います。

 電算システムの統合、佐々木さんね、今いろいろお話しされましたが、私も改めてきのう、11月26日の合併協議の議事録を読んでみましたよ。そうしたら、やはり今の対応の仕方はまずいと思いますね。高橋事務局長が私の質問に答えてこういうふうに言っておられるんですね。当日は26日でしたからあれですが、20日に幹事会をやったと。それから25日にすべての団体さんの担当者にお集まりいただいて中間報告も配ったと。25日、中間報告という文書も含めて周知をさせていただいたと、こういう認識ですよ。そして、こういうふうに書いてある。「それぞれの団体の担当者の方をお集めさせていただいた中で、どの程度の予算というものをそれぞれの議決を経て持ち合うことが可能かどうかということも含め検討させていただきました」とはっきり言っているんです。ところがそこに議会が全然絡んでいない。こんなばかな話あるでしょうか。

 これ以上言うと、もう時間がどんどん過ぎますから、もう一度読み直していただきたいと思いますが、合併協議の項目に盛らなかったこと自体、私も勉強不足だと思っている。全国のホームページを見てみましたら、消防団とか、あるいは電算の問題を重視して協議項目に掲げているところは結構あります。17億もかかって14市町村の 498の基本システムを統合するなんていう話になってくれば、それだけの重要な位置づけをしてもよかったと私は思います。そういったことで、ぜひこの問題については、今後、議会の議を経ることになりますので、最大限に資料を示して、説得できるだけの内容でご説明をいただきたい。中には福岡県の合併支援センターのように、廃置分合の前にこういう予算を盛ることについてはいかがなものかという趣旨の指導を県内の市町村にされているところもある。そういう法的な問題もついて回りますから、しっかりお願いしたいと思います。

 それから最後に、町の新年度の予算編成方針です。
 先ほど午前中に読み上げられた行政報告をもう一度思い起こしていただきたいという趣旨の答弁だったと思いますけれども、ところが、これ昼休みに読んだんだけれども、具体的にわからないんですよ。例えば、歳入においては使用料、手数料の見直し、財産処分等による自主財源の確保を重点に、起債には一定の歯どめをかけ、歳入においては経常消費的支出はもとより、義務的経費においても引き続き削減をし、真に必要な施策に限られた財源の重点的・効率的配分を図り、第4次総合計画を着実に執行することを基本に予算編成を進める所存でありますと。わかりましたか。

 例えば、手数料、使用料を、今合併協議やっているんですけれども、新年度予算編成の絡みの中で、実際上げたり下げたりするということについてはどうなんですか。   それから、起債の問題、「一定の歯どめ」と書いてありますけれども、一定の歯どめとは一体どういうことを言われているのか。これもわからない。ですから、恐らく財政担当の方の手元では、もっと詳しい予算編成方針がもう職員の間に配られているんでしょう。これは、この場ではこれ以上言いませんから、ぜひ議会中にそれを示して、議論の場を与えていただきたいと思います。以上、よろしくお願いします。

 角張町長の再答弁

 最初のイラクでございますが、私も理念は、野呂議員に申し上げましたように、願わくば戦争のない平和な国づくりを考えております。今回のイラク戦争におきましても、一面では正当性あり、また一面ではない、いろいろの裏打ちはございますが、国民の犠牲の上に立ったものである、本当に悲惨なものであると感じております。一日も早い平和を取り戻すことを願っておるものでございます。

 また、市町村合併でございますが、確かに14町村の資料、情報は共有であると認識いたしております。また、その中において、上越市が先行しないようにいろいろ気を配っていただきたいということは、再度また要望してまいりたいと考えております。

 また、住民の情報共有の問題でございますが、先ほど申し上げましたように、また議員さんからも篤と町民の皆さんにいろいろ提供願い、また意見もお聞き願っていただきたいと思うわけでございます。また、懇談会の時期につきましては、先ほど申し上げましたように、なるべく早い時期にそのような懇談会を持つことも考えていかなきゃならんと私も考えておりますが、しかし、いつの時期かということは、非常に今はっきりしたことは言えませんが、とにかく途中でございます。また皆さん方からも町民の意見はひとつ吸い上げていただくようお願い申し上げたいと思います。

 また、町づくりと公民館の問題でございますが、これも本当にご指摘の趣旨、そのとおりでございます。私もまた努力してまいりたいと思います。

 また、電算システムの問題につきましては、議員ご指摘のように、合併協議の中に位置づける必要があったのではないかと、私も今になれば考えております。しかしながら、今、事ここまで運んでおります。また、ご指摘の協議があったのではないかということは、決してございません。しかも、その報告を受けたときはまだ中間発表でございます。そういう中で、まだどうのこうのできる問題ではございません。また決定は、各町村の議会の皆さん方からご指摘いただくわけでございますから、今後この問題が出ましたときに、またご指導賜りたいと思うわけでございます。
 次に、新年度予算につきましては、総務課長にお願いします。

 総務課長の答弁

 新年度予算編成に当たりまして、議員ご指摘のように平成16年度一般会計予算編成についてはもちろんありますし、あわせまして収支計画もつくってございます。その中で、文言としては町長の方から答弁をさせていただいたという中から、親切さが足らんというご指摘かなと思いますけれども、ご案内のように、12月の広報でも予算編成のあり方について、本当にわかりやすく、正しくという意味合いから含めますと的は射ていないというふうになりますが、広報でもお知らせをさせていただきました。その中から具体的な基本的な事項ですとか、収支計算等については予算編成に向けて内部資料というとらえ方である程度理解をしておりますけれども、どういう考え方で収支計画をつくっているかということ等については、またお話しできるというふうに思っております。それでよろしくお願いします。

 私の再再質問

 最後に1つだけ再々質問させていただきたいと思います。
 個別の具体的な問題は、一般会計の中で引き続きやらせてもらいますので、市町村合併の問題で、原則的なことを町長に改めて確認をさせていただきたいと思います。

 この市町村合併問題というのは、言うまでもなく、この吉川町にとっては将来にかかわる重大問題ですね。この重大問題にどう対応していくかということになりますと、私は大きく分けて2つあると。1つは情報を共有すること。1つは住民参加を徹底すること。町づくり基本条例は4つ書いてありますけれども、それをさらにまとめれば、その2つになるでしょう。これを徹底するということで臨んでほしいと思うんですね。ですから情報共有の問題では、14市町村が情報を共有するという問題と、それから、この町の中で議会、行政、住民が情報を共有する問題もありますが、どちらも基本としては、同じ資料がちゃんと手元にある、これが一番大事ですね。それから、その資料も、十分お互いに理解し合えるような資料にする。これも大事だと。ここら遍を特に留意しながら、今後、町の広報等にも当たってほしい。

 それから、上越市に対しては、町長先ほど言われましたから、それを必ず守ってほしいと思います。

 それから、住民参加の問題で、今までよりも一歩前に出るご答弁をいただきました。それを私は評価したいと思いますが、ぜひ議会の特別委員会と協議を進める中で、なるべく住民の声を早期に反映できるような場をつくるように努めていっていただきたい。私も議員としての立場で努力してまいりますけれども、こういう2つの基本について忠実に守って頑張ってまいりますという決意をお聞きして、私の質問を終わりたいと思います。

 角張町長の再再答弁

 情報共有の問題につきましては、先ほど私もお答えしておりますように、議員さんからもまたいろいろ町民に対して提供いただき、また吸い上げていただきたい。

 住民参加の問題につきましても、十分また議会の皆さん方といろいろ懇談しながら進めてまいりたいと考えております。

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