2002年12月議会一般質問

【私の1回目の質問】

 私は町民こそ主人公、町民の命と暮らし最優先の立場で、町長の政治姿勢、子育て支援、環境に優しい町づくり、防災対策、そして、最後に市町村合併について取り上げてまいりたいと思います。

 
いまこそ政治倫理条例を制定すべきだ
 まず最初に、町長の政治姿勢にかかわることについていくつかおたずねしてまいります。 1つ目は、選挙をどうとらえているのかであります。 12月10日告示の町長選挙は、残念ながら今回も無競争に終わりました。無競争に終わったことについては、力不足のために候補を擁立できなかった私どもにも責任がございます。ただ、ここで私が問題にしたいのは、選挙に臨む姿勢についてであります。
 町長選挙であれ、町会議員の選挙であれ、私は基本は実績と公約であり、それを有権者に示して信を問う姿勢がなければならないと思います。この点、あなたの場合どうであったのか。率直に言って、有権者が判断し得るものがほとんど示されずに終わった。当選が決まり、翌日の新聞を読んでから、「ああ、角張さんはこんなことを考えていたのか」と多くの有権者が思う、こういう状況が今回も生まれたのは極めて残念であります。この点、町長はどう反省しておられるかおたずねいたします。
 2つ目は、政治倫理条例の制定についてであります。
 政治倫理については、数年前の一般質問でも取り上げたことがございますが、この秋に行われた衆参両院の補欠選挙報道に接する中で、私は改めて政治倫理条例を当町につくることの必要性を感じた次第であります。
 ご案内のように補欠選挙での最大のテーマは「政治と金」であり、政治家のモラルでした。国会議員と私たちとでは、国政と地方政治とそれぞれ持ち場が違います。しかし、持ち場は違っても政治家である点は同じであります。そして、有権者も地方政治家に対しても厳しい目を注いでいる。このことは私どもがまとめた町民アンケートの中でもはっきりしております。
 町行政の幹部、議員などがその地位にふさわしい行動規範とは何か、守るべきルールとは何か、これを明確にして守っていくことが、これからの町政発展のためには欠かせないし、町民からの信頼にもつながっていくと私は思います。
 政治倫理九州ネットワークなどがモデル条例案を発表したこともありまして、今、全国の多くの自治体で政治倫理条例制定の動きが出ております。このうち、福井県丸岡町では、ことしの7月に条例を制定いたしました。「議員及び町長等は、町民の奉仕者としてその人格と倫理の向上に努め、いやしくも自己の地位による影響力を不正に行使して、自己の利益を図らないことを町民に宣言するとともに、清浄で公正に開かれた町政の発展に寄与する」として、「町民全体の奉仕者としての品位と名誉を損なうような一切の行為を慎み、その職務に関し不正の疑惑を持たれるおそれのある行為をしないこと」等々の政治倫理基準が盛り込まれました。
 角張町長、今私が紹介したような政治倫理条例、今こそつくる時ではないでしょうか。あなたの見解をお示しいただきたいと思います。

 子育て支援策の1つとして出産一時金の受領委任払い制度実施を
 次に、子育て支援についてお伺いいたします。
 既にご案内かと思いますが、今年度の当町の子供出生数は、これまで最低だった1997年度の32人を下回り、20人前後という町政史上最も少ない数値となる見込みとなっています。また、最新版の「新潟県の 100の指標」を見ますと、当町の合計特殊出生率は1.85でありまして、人口を維持するために必要とされる水準、人口置換水準といいますけれども、この2.08を下回っています。このままでは、吉川町を担う人たちがいなくなってしまいます。 私は、現在の若い人たちの中に多様な価値観が生まれ、さまざまな生き方があることを知っています。ですから、子供を持ちたくないという男女があっても不思議には思いません。しかし、子供を3人、4人と持ちたいと願っている人たちが、経済的理由などから「安心して生み育てられない」と、1人、2人でやめざるを得ない状況はいっときも早く改善しなければならないと思っております。
 子供を安心して産み、育てられる状況はどうすればできるのか。医療、教育、遊び場、仲間づくりなど広い視野に立って総合的な環境整備が必要でしょう。しかし、その中でも、子育てに伴う経済的な負担を軽減することの重要さは、これまで繰り返し明らかにしてきたとおりであります。
 私はこの観点から、今回1つの提案をさせていただきたいと思います。それは、出産一時金受領委任払い制度を導入することでございます。
 これまで、ほとんどの自治体では出産一時金、30万円支給されておりますが、これについては出産後に申請をしてもらい、一定期間を経てから支給しておりました。その結果、出産者と家族は退院時に入院費など多額な費用を用意しておかなければなりませんでした。
 受領委任払い制度は、自治体と協定を結ぶ医療機関で出産した場合、出産一時金として30万円を自治体が直接医療機関に払い込む仕組みでございまして、国民健康保険加入者が対象です。これも、妊婦などからの申請が前提ですけれども、医療機関への支払いは30万円を超えた分だけ支払えばよいことになります。
 この制度は都市部を中心に急速に広がりまして、県内では昨年8月、新潟市でスタートしました。その後、柏崎市、上越市など14市町村に拡大しております。皆さんのところでは10になっていますが、14にご訂正いただきたいと思います。14市町村に拡大しております。制度の導入に踏み切った自治体の共通した特徴は、子育て支援策の一環として重視していることであります。この制度を実施することによって、すぐに出生率が上がったり、子供の数がふえるとは限りません。しかし、自分たちの住んでいる町の行政が、子育て支援のために一つひとつ誠意を持って取り組んでいる、そのことが大きな前進につながっていく、私はそう信じています。
 角張町長、この制度を新年度から導入すべく、直ちに検討していただけないでしょうか。

 ごみ政策の前進は吉川町の財産になる。ごみヘルパーの配置を
 次のテーマは、環境に優しい町づくりについてであります。
 町長選後の報道の中でひときわ目立ったのは、「環境に優しい町づくりを進め、全国発信できる食料基地をつくるんだ」という、あなたの主張でありました。私はこの報道に接し、3期目の角張町政では、農業政策での進展はもちろんのこと、中山間地の合併処理浄化槽の普及とごみ政策などで思い切った施策の展開があるに違いないと思いました。
 そこで、いくつかおたずねいたします。
 おたずねしたいことの1番目は、今後のごみ政策では、どんなことに力点を置いていかれるかであります。
 ごみ問題は環境に優しい町づくりを進める上で、最も大きな課題でございます。こういう言い方はおかしいもしれませんが、環境ISOを取得した町としてのメンツもあります。町民1人当たりのごみ排出量は年間 176キログラム、県内で5番目に低い量となっていますが、ごみ問題での施策は、よそに負けない水準を確保していくことが求められています。そのためにどんな施策を今後重点にしていくのか、明らかにしていただきたいと思います。
 おたずねしたいことの2番目は、「分別お助けマン」、「ごみヘルパー」の配置についてであります。
 ごみ問題は、最終的には限りある資源、地球規模の環境をどう守るかという大きな課題ですから、そのために町民一人ひとりの自覚を高めていくことが欠かせません。町民が分別、リサイクルに熱心に取り組む中で、ごみそのものの排出を減らそうという意識が高まって、資源化と同時に、ごみそのものの排出量も減っていくと私は思います。
 そのために、今、各地で先進的な取り組みが行われています。目標以上にごみ減量に成功した名古屋市では、「分別お助けマン」の配置が大きな役割を果たしたと聞いています。また上越市では、今年度から「ごみヘルパー」を配置して、ごみの分別やごみ出しの支援を行い、市民から喜ばれているとのことでございます。こうした先進例にぜひ学び、当町でも配置していただきたい、いかがでしょうか。  おたずねしたいことの3番目は、坂口伸線所跡地に進出予定の上越マテリアル吉川工場についてでございます。  町議選前の全員協議会以後、町民の方からプラスチック類の集積・圧縮によって大気が汚染される可能性について十分調べて対応してほしいとの要請がありました。既に町役場で調査、研究しておいでだと伺っておりますが、もしその可能性があるとするならば、町長の言われる「安心安全な食材を提供する食糧基地」構想にも重大な影響を与えるものと思います。これまでの調査結果と、町の方針についてお答えいただきたいと思います。

 六万部断層、日根津断層を甘く見てはならない
 次に、防災対策についておたずねいたします。
 今春発行されました「上越市史」の資料編1に吉川町にかかわる活断層が2つ掲載されていることがこのほどわかりました。
 1つは六万部断層、地学団体研究会のメンバーなどの調査によりわかった断層でありまして、吉川中学校付近から六万部まで南西方向に伸びています。この断層は、吉川町史で広く紹介されています。いま1つは、日根津断層です。柿崎から三和村あたりまで南南西に伸びているこの断層は、4年前に新潟大学積雪地域災害研究センターの大木靖衛教授グループが地下の水温調査によって発見した「伏在活断層」とほぼ重なってまいります。
 この活断層の存在が上越市史でも明確になる中で大切なことは、これらの活断層の動きによって発生する直下型地震に対する備えを万全にすることでございます。
 これまで私は、六万部断層については吉川町史が刊行される前から、日根津断層については大木靖衛教授グループが学会誌に研究論文を発表された直後から取り上げて、問題にしてまいりました。しかし、町総合防災訓練で直下型地震を想定した避難訓練が実施されたものの、地域防災計画ではこれらの断層を強く意識したものへとは発展しておりません。公共施設や民家の耐震性強化についても遅々として進んでいないというのが実態でございます。
 今回の資料を契機に地域防災計画の見直しを初めとして、町内の活断層が動くことを意識した取り組みを強化する、そのことを求めるものでありますが、町長の見解を伺います。

 市町村合併は本当に避けて通れないのか
 最後に、市町村合併問題についておたずねいたします。
 既に同僚議員がこの問題でいくつか質問しておりますので、私は2つの点に絞っておたずねしたいと思います。
 1つは、11月27日の全国町村長大会決議と角張町長の認識のずれについてでございます。 「今、町村は存亡の危機に直面している。市町村合併が理念なき数値目標のもとに半ば強制的に進められ、全国の町村はその対応を厳しく迫られている」といった書き出しの大会の緊急重点決議を見ますと、実に格調高く、私のように何とかふるさとを残したいと思っている者にとっては、大変勇気づけられる内容でございます。
 「市町村合併は自主的に行うべきものであり、強制しないこと」など、この決議に盛り込まれた4項目を実現できれば、全国のどこの町村も今の形で生き残れるのではないかと私は思います。今、町村長に求められているのは、この決議に立った断固とした姿勢であり、政府総務省の自治体リストラ攻撃への屈伏ではありません。大会の壇上に下げられた4本の垂れ幕の文言を町長も記憶されているでしょう。「強制するな 市町村合併」「切り捨てるな 小規模市町村」「確保せよ 地方税財源」「堅持せよ 地方交付税」。私はあなたのこれまでの発言を聞いていると、大会決議との大きなギャップを感じてならないのでありますが、町長は矛盾を感じておられないのでしょうか。
 いま1つは、角張町長の温厚さからは想像できない強引な手法についてであります。確かにあなたは早々と「合併は避けて通れない」との考えを示し、関係町村との研究会などに臨んでこられました。そして、さきのアンケート調査では、十分な情報、資料の公開がない中で、合併せずに単独で行く選択肢を示さず、誘導質問まで盛り込むという信じられないやり方をされました。市町村合併問題はこれまでの町をなくすかどうかという問題です。建設計画にこれまでの地域づくり、町づくりの個性が盛り込まれたとしても、合併すれば吉川町はなくなるんです。これまで町の中心部だった原之町も周辺部になります。
 こういう重大な問題でありますから、町民から十分検討してもらえる、わかりやすい資料をつくる、できるだけ町民の合意形成のために便宜を図る、こういった民主的なやり方が必要なのではないでしょうか。3期目は、こうした転換を図った上で、市町村合併問題に取り組んでいただきたい、そう思いますが、いかがでありましょうか。

【角張町長答弁】

 橋爪議員の一般質問にお答えいたします。
 最初の、町長の政治姿勢についてでありますが、選挙に臨む姿勢として、橋爪議員も言われているとおり、基本は実績と公約だということは私も同感であります。さきの五十嵐議員にもお答え申し上げましたとおり、この実績と公約は第4次総合計画の基本構想に基づき、毎年の政策実施によるものであり、議会を初め住民の皆さんから参画議論をいただいてきた経過のとおりであります。選挙の結果が、この実績と公約が町民の皆さんに認められたものと理解いたしている次第であります。
 2番目の政治倫理についてでありますが、政治倫理九州ネットワークの条例設立趣旨によれば、国民の政治不信が高まり、政治家の汚職は後を絶たず、政治家の自助努力に期待できず、主権者による条例制定と趣旨に述べられています。趣旨にあります清潔で民主的かつガラス張りの政治を確立することに何ら異論のないところであります。
 条例の趣旨からいって、これは単に行政のみの提案ではなく、政治全般にかかわることであり、議員各位にもご協議いただく必要もあると思います。これまで町長において、このような政治不信につながるような事例が存在したか否かも視野に入れ、検討していくことにやぶさかではありません。
 2番目の子育て支援についてでありますが、少子高齢化は吉川町においても例外ではなく、出生数においても下降、停滞の状態がここ数年、何年来続いている状況にあります。その中にあって、新しい生命を産み、育てていく世代を行政として温かく見守り、支援していくことは基本的な姿勢であると考えます。
 ご質問の出産育児一時金については、国民健康保険の被保険者が出産したときに、その世帯主に対して一時金として支給するものであります。その給付につきましては、ここ数年来多い年で7件、少ない年にあっては2件にとどまっている実態にあります。町内に居住する乳幼児は年齢ごとに差異はありますが、近年では41人から58人であり、単純数値から、該当事例は町内全体の割合の4%から10%であります。
 ご指摘の受領委任払い制度もありますが、申請から給付までより速やかに対応する努力をすることとしたいと考えております。また、子育て支援という視点から、吉川町としても多方面の施策を実施しているところでありますが、現状を再点検し、さらには先進的事例等を参考にする中で、さらに広い視点から多くの若い世代の親権者を支援する方策を検討してまいります。
 3番目の環境についてでありますが、1番のごみ問題でございます。
 環境に優しい町づくりを進める上で、議員ご指摘のとおり、ごみ問題は重要な課題であります。生活の中から出るごみは年々ふえ続けており、ごみを出さない、出たごみは分別徹底によるごみの減量化、リサイクル等の推進、不法投棄をさせない環境づくりなどを進めるとともに、町民一人ひとりがごみに対する認識を高める必要があります。このため、現在実施しています諸施策、制度を町民が十分活用し、行動できるよう情報の提供、環境学習、啓発活動を強めてまいります。
 次に、分別お助けマン、ごみヘルパーの設置についてでありますが、ごみの分別収集につきましては、燃やせるごみ、燃やせないごみ、資源ごみ、13分類で実施しています。この分別収集の定着につきましては、全集落に環境推進員をお願いし、それぞれの集落では収集日の立ち会いなど、工夫された取り組みで正しい分別収集にご協力いただいております。
 また、高齢化社会にあって、ごみを出すのに難儀されておられる家庭もあると存じておりますが、集落内の皆さん方が互助の精神で互いに支え合って協力いただいております。
 議員ご指摘のごみヘルパーにつきましては、今後検討してまいりたいと思います。
 3番目の上越マテリアル吉川工場についてでありますが、上越マテリアル吉川工場につきましては11月21日、25日、それぞれ集落の皆さんとの話し合いをさせていただきました。その席上、両集落から東京の杉並区で発生した不燃ごみの中継所周辺の異臭発生と健康不調が今回計画されている施設との関連について質問がありました。
 本計画施設と杉並区の施設とは取り扱っている品物、処理方法が全く違うものでありますが、地元の皆様に不安があれば調査をする旨約束したものであります。また、上越環境科学センターへ問い合わせたところ、ダイオキシンの発生はプラスチックだけに限らず、物質を燃焼させることで発生する発生温度は 300から 500℃であります。したがって、建設予定施設の温度は 100から 120℃であり、ダイオキシンの発生はないとの回答でありました。今後とも地元の皆様の不安材料を取り去り、円満な誘致を行う所存であります。
 4番目の防災対策についてであります。
 議員ご指摘のとおり、吉川町には2つの活断層が文献からも確認されています。吉川町の地域防災計画には、地震に対する災害予防計画は策定されておりますが、内容は県の震災対策計画に準拠しており、今後、町内関係部署と協議したいと考えております。また、早急な対策として町民の皆さんにより、地震に対する防災意識の高揚を図るべく、広報、チラシ等を活用してまいりたいと考えております。
 最後に、市町村合併でありますが、1番目の全国町村大会の決議でございます。 議員ご発言の全国町村長大会での緊急重点決議は、自主的な市町村合併、小規模市町村の権限を制限、縮小しない税源移譲等による税財源の充実確保、地方交付税の総額確保の4点でありますが、私も基本的には同じ立場に立っております。
 今回の市町村合併は、地方財政の逼迫、地方分権による行財政基盤の強化、生活圏、経済圏の広域化等の課題に対応するために行われるものであります。特に、当町のように地方交付税と補助金に頼る弱小町村にとって、地方交付税の削減は自治体の維持ができない決定的な要因となっております。このことは、市町村合併調査特別委員会でも詳細に説明をさせていただいたところであります。
 私はこうした現実を見るときに、合併は避けて通れないと申し上げてきました。これから地方分権の時代を迎え、市町村合併による行財政基盤の確立は、現在の行政水準を確保し、住民サービスを低下させないためにも必要であると判断しております。
 次に、2番目の取り組み方でございますが、住民の皆様には昨年の地区別、この春の移動役場で合併の基本的な事項について説明を申し上げ、意見をお聞きし、5月には頚北各町村の統計資料と合併の取り組み状況、6月には移動役場の結果を、10月にはアンケート調査の結果と頚北地域合併研究会の経過をそれぞれ広報の特集号でお知らせしてきたところであります。
 議員ご発言のように、自治体としての町はなくなりますが、吉川は地域として、また学校の名前や各施設の名称として残っていきます。これから合併の中で、吉川町がどういう地域としての役割を果たせばよいのか、吉川でしかできないことなど検討を加えながら、関係する情報はできるだけ皆様に提供してまいります。 また、合併の枠組みの方向を見ながら、説明会を開催し、皆さんの要望や意見をお聞きし、市町村建設計画に反映させてまいります。

【私の2回目の質問】


 それでは再質問をさせていただきます。
 一番最初に、町長の政治姿勢の問題でありますが、選挙について、基本は実績と政策、公約だと、この点はどうも一致したようであります。ただ、私は町長のきょうの行政報告を聞いても、五十嵐さんに対する答弁を聞いても、ちょっと違うなと思ったことがあるんです。
  10日の日あるいはその直前に、あなたが立候補を決意されて今回の選挙戦に臨まれたのであるならば、町民に対する公約をどういうふうに徹底するかという話は、町長の話された内容で私も理解できます。しかし、町長は選挙に出られるという話はもう何カ月も前にされたんです。ですから、今度はこういう仕事をしていきたいんだ、ということを町民の皆さんに明らかにして、私は臨んだ方が、この町政のためにもよくなると思うんです。
 私もどういうことで立候補されるのかということで、町長にあなたの公約を見せてくださいというお願いをして、12月3日付のあなたの6つの公約を見せていただきました。それと新聞報道に載った公約、それからきょうの行政報告の公約、あれを見比べてみて若干の進歩がありました。というのは、恐らく3日の日以降、あなたが役場の中あるいは議員の皆さん方に、自分の公約はこうなんだというのを示す中で、いろいろな意見があって、それの政策の発展をされたんだと思うんです。
 私は、だから立候補を決意された段階でそういうものを示していけば、このようないいこともあるんです。それがまた本当の選挙公約の姿だと思うんです。出し方だと思うんです。その点、改めて確認しておきたい。
 それから、政治倫理条例の問題です。この問題は、今から何年前になりましょうか、7年前の3月議会で私はおたずねいたしました。同じ問題をいま何でここで取り上げたか。それは理由があるんです。同じことを聞いて、同じ答えをもらったのでは質問する意味がない。
 私は今回の質問を準備する中で、改めてあなたの答弁を、当時の答弁を見てみました。そうしたら、先ほどとほとんど同じ答弁をされているんです。私も町政をつかさどる者として厳粛に受けとめなければならないと。今後、関係市町村、内部検討、議会の皆さんの協議の上、何が必要であるかを考え、対処してまいりたいと。それで、再質問に対する答えの中では「議員のお説のとおり厳粛に受けとめながら、私自身もやはり勉強、研究してまいりたい」と、こういうことで実際の答弁の中では、検討していきますというところまで踏み込んだ答弁があった。
 ところが、7年たってどうですか。明らかに進歩があったのは、町長の資産公開ぐらいなもので、その他の点ではほとんどないでしょう。私はそこを問題にしたい。
 ですから、ぜひそこら辺は検討してほしいと思いますが、私はこの政治倫理条例の一番大もとになったものについては、昭和60年の衆議院と参議院での政治倫理綱領と行為規範、この決議にあると見ています。それに基づいて、自分のことも含めていろいろ検討してみると、やはり地方政治の舞台で活動する人間として守るべき規範、ルール、モラル、そういったものについて、もっともっと日常の政治活動の中で厳しく追求していかなければならんなということを改めて私、思いました。
 例えば、いくつか例をあげたいと思いますが、今回、私は改選されてから常任委員長になりましたね、数年ぶりに。常任委員長になったら今までと違ったモラル、これもまた必要になってくる。それはどういったことがあるかといいますと、例えば所管する事業の中で、特定の企業の会社の役員になってはいけない。これは当たり前の話なんですが、こういったことが倫理条例の中にきちんと盛り込まれれば、これは非常に大きな進歩です。ごく当たり前のことなんだけれども、そういったことはきちんと守っていかなければならない。
  町長の場合だってあるでしょう。例えば、12月10日に選挙がありました。告示、翌日の新聞で、出陣式で、どうも公職選挙法の違反の疑いが濃いという、こういう報道がされた。こういうときに、この町政の場に置いている身としてどうすればいいのか。
 政治倫理綱領にはこういうことが書いてあるんです。「政治倫理に反する事実があるとの疑惑を持たれた場合は、みずから真摯な態度をもって疑惑を解明し、その責任を明らかにするように努めなければならない」と。当然でしょう。ですから人に聞かれる前に、「いや、実はいろいろ心配かけましたが、こういう経過でございました。私とのかかわりについてはこうでございます」という説明責任をきちんと果たしていくのが、私は政治倫理だと思うんです。
 今回の場合だってそうですよ。本当に町民の皆さんにはかわいそうだという声もあるし、それから、本当に後援会の皆さんだけのことだったんだろうかと、出陣式について、町長は何ら、どういう内容にするか、かかわりがなかったんだろうかと、こういう声だってあるんです。そういったものにちゃんと答えることが、私は大事だと思うんです。これはこの内容についてどうこうというわけではありませんが、政治倫理に臨む姿勢というものはこうでなければならないと思います。そこら辺、町長の見解をお答えいただきたいと思います。
  2つ目、子育て支援の問題。 私も1回目の質問で言いましたが、今年度は本当に子供が少ない。子供の生まれる数が。来年の3月31日までに恐らく20人か21人だろう。たまたまこうなったのではないかと思っていたら、どうも来年度も怪しい。そういう話です。来年もまた20人か30人ぐらいしか吉川町で子供が生まれないということになってまいりますと、本当にこれは緊急事態です。 先ほど町長が広い視点に立った支援策を検討してまいりたいというふうにおっしゃいましたが、緊急事態にふさわしい取り組みをぜひ新年度でやってほしい。その中で、先ほど提案しました出産一時金の受領委任払い制度、確かに数は少ないかもしれませんけれども、そういった人たちに対しても速やかに手当を講ずるという、これも私は大事だと思うんです。それも含めて、ぜひご検討をいただきたいと思います。
  3番目、環境に優しい町づくりの問題であります。 吉川町は、全国でも珍しく環境ISOを取得した町として、いま広がっています。それから、先ほど私が言いましたように、新潟県の中でもごみ対策については、決して私はレベルは低いと思っていません。先ほど言いましたように、町民1人当たりのごみの排出量は、県内でも少ない方から5番目というところですから、いいんです。ただ、そういう到達点に立って、先ほど町長が言われたような、安心できる農業生産基地として吉川町はどう発展していくのか。そこを考えていくことが大事だと思うんです。 そうなりますと、農業の問題に絞って考えますと、私は、かぎとなるのは化学肥料とどうつきあうかという問題と。それからもう1つは、一般ごみの処理の問題。これでどれだけ吉川町が先進性を示すか。これが非常に大事になってくると思います。そういう中で、私はお年寄りの皆さん方が分別で苦労されていると、ごみ出しで苦労されていると、そこにももっともっと配慮して臨む必要があるのではないかという提案をさせてもらっているんです。これは、ぜひそういった角度からもご検討をいただきたいと思います。
 4番目、防災対策の問題であります。 防災対策につきましては、町長が就任された年の1月17日のあの阪神・淡路大震災、あれを契機にしまして、全国的に地震対策をどうしたらどうしたらいいのか、防災対策はどうしたらいいのかという検討が始まりました。
その検討作業が平成8年、9年で、吉川町もほとんど終わった形になっていますが、実は全国の先進的な取り組みをしているところでは、今なおどうすべきかについての検討をひき続きやっているんです。私も直接、当時、総文の委員長で、町の地域防災計画の見直しにかかわった者として、当時の見直した計画が不十分だという話をするのは、ちょっと無責任な気もしますけれども、しかし、全国的な発展があるという事実は、私は正直に学んでいかなければならんと。
 きょう、1冊の本を持ってきました。「大震災 100の教訓」。これは長野県知事の田中康夫さんが推選する本ですけれども、あの大震災の地元の人たちは、いろいろな角度から今もその震災の問題、地震の問題で研究をし、調査をし、そしてどうしたら住みやすい町をつくることができるのかという研究をやっているんです。
 私は、こういった取り組みから大いに学ぶ必要があると思います。さっき、町内に2つの活断層があるという話をしましたけれども、これは学者の皆さんの研究成果なんです。しかし、この研究成果についてどうでしょう。何かよそ事のように受けとめているような雰囲気がまだないでしょうか。
 実はこの本を読んでみてびっくりしたのは、あの阪神・淡路大震災のもとになった断層、あの活断層の問題についての指摘は、昭和49年6月26日に大阪市立大学の表層地質研究会の皆さん方が、研究発表をして新聞でも警告しているんです。ところが、それを行政側もいろいろな団体も、極端な表現をすれば、真剣に受けとめなかった。まさかあそこで起きるとは思っていなかった。こういったことがあったんです。 それについても、ここに書かれていますが、吉川町の場合も、ああいった地学団体研究会の皆さん方の研究については、やはり素直に受けとめて、ではどうしたらいいんだろうと。特に旭地区の軟弱な地盤のところで、被害が拡大される可能性が大きい、どうしたらいいんだろうと。地域の皆さんにも断層の存在を知らせて、これからうちを建てる場合、どうしたらいいか。塀をつくる場合どうしたらいいか。家庭内の建物の中での家具の配置はどうしたらいいか、こういったことまでみんなが真剣に考えるような状況をつくっていく必要があるのではないでしょうか。
 それから防災計画、私も昨日、自分も参加した見直し作業でつくったその計画を改めて読んでみましたが、確かにまだまだ不十分です。この本でもいろいろ書かれていましたけれども、あれなんです。予防対策面での記述が非常に少なくて、踏み込んだ対策、予防対策が書かれていないとか、そのほかいろいろな事例が書かれておりまして、これはぜひ今後の課題としてやっていかなければならないと、自分自身もそう思っていますし、行政側の皆さんも、ぜひそういう角度から作業に入ってほしいと思います。
 最後に、市町村合併の問題、町長は11月27日のあの重点決議とほとんど変わらないと、自分の立場は。そうおっしゃいましたが、私はどうかなと思うんです。きょう、お昼のNHKのニュースを見られましたか。長野県の平谷村、人口 600人の村です。あそこで、今度中学生、高校生も含んだ住民投票をやると、全会一致で議会で決まったそうです。
 いつやるか。6月ですよ。6月で間に合うんだろうかという気持ちもあるんだけれども、どういう町村と合併するのか、あるいは単独でいくのか、内容はよくわかりませんが、そういう小さな村でもそういう検討をしているところがある。自分の村を、住んでいた村をなくしたくないという思いがあれば、私はそういうことになると思うんです。
 町長は、確かに合併は避けて通れないという話をされておりますけれども、私は、平成17年3月31日に物すごくこだわっていらっしゃるんじゃないかと、だからいろいろな点であせりがあるんではないかという気がしてならないんです。これから、今まで出された資料をもとに、あるいは不足した資料もこれから追加して出していただいて、町民も議会も十分議論をしていくという、そういう余裕がなければいけないと思うんです。
 この合併問題は、人間でいえば結婚と同じぐらい大事な出来事です、この町にとっては。ところが、結婚する日取りは決まっているけれども、だれと結婚するかわからない、結婚するかしないかもわからない。ただ 331が来るよという感じで流れていったとすれば、これは不幸です。
 私も皆さん方から資料を出していただいたものをいま、再度読み直しています。資料がまるっきりだめだという話はするつもりはありません。確かに吉川町の出された資料につきましては、十分検討の余地がある内容だと思います。しかし、果たして平成32年に地方交付税が今よりも本当に半分になるんだろうかという気持ちもありますし、実際に平成18年から、もう吉川町は赤字に転落してやっていけないんだという、この試算についてもいろいろな点で疑問があります。
 一つひとつ検討しながら、さらに議論を深めていきたいと思いますが、私はこの町を守りたいという気持ちは町長も同じだと思いますので、ぜひそこら辺をベースにしながら、小さい自治体であっても輝く自治体として発展させていくんだというような、そういう自治体もいくつも出てきましたから、そういったところもちゃんと学んで臨んでいってほしいと、そのことを述べたいと思います。

【角張町長の答弁】

1件目の政治姿勢でございますが、先ほど五十嵐議員に申し上げましたとおり、私の公約であり政治理念は、やはり第4次総合計画に基づくものであると認識をいたしております。年次ごとに実施計画を策定しながら各施策を進めていく、このことが基本であると考えます。
 2番目の政治倫理についてでございますが、もちろんご指摘のとおり政治倫理が大事であるということは私もわかります。清潔で、民主的で、かつガラス張りである、この政治こそ基本ではないかと考えます。制定する前に、以前の問題であると私は認識をいたしております。 ちょっと私の一部新聞報道に触れられたわけでございますが、このことにつきましては、五十嵐議員にお答えしたとおりでございます。
3番目の子育て支援でございますが、少子高齢化を迎え、最も大事な政策の1つであると考えております。議員ご指摘の委任払いも含めながら、今もやっている施策を含めながら、また再検討してまいりたいと考えております。
次に、ごみ問題でございますが、議員のご指摘の趣旨も十分理解できます。それを踏まえて、また検討してまいりたいと考えております。 防災計画につきましては、総務課長がお答えいたします。
 次の合併問題でございますが、議員ご指摘のように、私も吉川町を愛する一人でございます。愛するからこそ、思うからこそ十分検討していかなければならないと、このことを踏まえながら、議員ご指摘のように十分議論をする。このことが大事であると思います。また、五十嵐議員のご指摘のように、住民との合意、これも大事であります。しかしながら、決断をするのは我々であり、また議決を得た議会の皆さん方から特に判断をしていただきたいと、吉川町の将来、それが吉川町を思う気持ちであると思います。なぜそうなるのかは、いろいろな議員にお答えしてきたとおりでございます。 以上でございます。

【総務課長答弁】

 防災計画の見直しでございますけれども、議員ご質問されましたように平成7年の表を契機で出しまして、議員からも発言をいただく中で防災計画の見直しをさせていただきました。
その中で、今ほどもお話でていましたように、予防対策のところが対処療法的なもので、もっと踏み込んだところを、確かにご指摘のように不足をしているのではないかと。確かに活断層の動きにつきましても 1,000年サイクルとか、あるいは 2,000年サイクルとか、こう言われておりますし、また、活断層が動いた場合にはやはり幅等についても10キロあるいは15キロというような形で言われている中で、今議員ご指摘のように、あるいは家屋等についての考え方等についての踏み込みが必要になってくるのかなということから考えますと、防災計画について、今後は地震というものを意識した中で、見直しを進めていくことについて検討させていただきたいと思います。

【私の3回目の質問】

 では、確認をさせていただきたいと思います。
 政治倫理条例の制定についてでありますが、7年前にも検討の方向でご答弁いただいて、今回も前向きな答弁をいただいているわけです。いつまでにどういう体制の中で検討をしていくのか、そして結論を見ていくのか、このことについてお答えいただきたいと思います。
 それから、2つ目に子育て支援の問題ですが、先ほど言いましたように、まさに子供の出生数を見ただけでも緊急事態でございます。緊急事態にふさわしい体制で、町長が言われたような広い視点に立った支援策をどうするのか検討する必要があると思うんです。そこら辺については、具体的にどんなイメージで検討していくというふうに考えておられるのか、これを明らかにしてほしいと思います。
 それから、防災計画についてもう1点だけ触れておきいたと思いますが、今ほど総務課長から答弁がありましたように、町の防災計画についての見直しの必要性については、私もあなたも、大体共通して必要だというふうに思っているようであります。これについて、今後どういうふうな形で見直し作業を進めていくのか、これについてもお答えいただければ幸いです。
それから、まだ時間がありますからもう1点だけ。合併問題で、実は合併しないでいく場合の財政シミュレーション、吉川町でもつくりましたけれども、こういう言い方をすれば怒られるかもしれませんが、どちらかというと町長はもう合併は避けて通れないと、そういう前提の中での作業なんですよね、あれは。今、各地でもって始まっているのは、どうしたら今の自分たちが住んでいる町を、今の形で残していけるのかという中で、そういう視点に立ったシミュレーションづくりが始まっているんです。新潟県では黒川村、それからもう1つどこか、私、ちょっといま忘れましたが、もう1つありました。ぜひそういったことも、この吉川町でやっていくとしたらどういう財政運営をしていかなければならないのかなというものを、長期的な長さの中で検討していく。それが私は大事だと思うんです。もし本当にふるさとを愛するということであるならば、そのことも1つの検討対象に加えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

【角張町長答弁】


 最初の政治倫理でございますが、この問題につきましても、最初にお答えしましたように、まずガラス張りであり、清潔であり、このことは政治に携わる者の基本でございます。もちろん行政サイドだけではなく、議員の皆さん方も一緒に考えていただく基本的な問題でございます。制定するかしないかの問題であり、基本的な問題は十分反省を含めながら検討しなければいけないと私自身考えております。いずれにしろ、いつまでやるのかということではなく、やはりそれを踏まえた中で、これからひとつ考えていきたいと考えております。
 次に、子育て支援の具体的な考えということでございますが、これから新年度に向けまして各分野を精査しながら、今までやったことを踏まえながら、またご指摘の点を踏まえて、具体的にこれから新年度予算に向けて検討していきたいと考えております。
 最後の合併問題でございますが、私も愛郷心のもとから将来を考え、住民サービスが低下しないためにどうであるかを基本に考えると、今の厳しい吉川町の財政状況、これを考えたときに、将来人口減になります、交付税が減額になります。そうすることによって、住民サービスが低下する。このことをご理解いただく中で、今までも説明申し上げてまいりました。これからも私は避けて通れないという観点から、この問題に取り組んでまいりたいと思います。よろしくお願いします。

【総務課長答弁】

 地震に取り組む課題につきましては、かなり課題が広うございます。特に、先ほど申し上げましたように、今のご指摘されております日根津あるいは六万部断層等についての活動状況等、私たちの能力では対応できない分野がございます。それらを踏まえながら、研究成果等を踏まえてどうあるべき姿かという形になりますと、いつからかかるということではなくて、それらを含めてどういうような手法で向かっていくか、もっと言うならば、防災計画そのものが防災会議の中で取り組まれるわけでございますので、それらを含めて、少なくとも防災会議等で対応できるような予算手当はしてまいりたいと思っております、新年度に。 以上であります。


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