豪雪対策に対する要望書(2006年2月1日) 今冬の異常豪雪に対して、積極的に取り組んでいただいていることに対して、敬意を表します。 日本共産党議員団では、この間、現地調査等を踏まえ、3度にわたって要望・申し入れを行ってきました。その都度、対応していただき、ありがとうございます。 さて、雪も「一服」という状況です。この間の取り組みと、1月26日に日本共産党新潟県委員会として新潟県に要望した事項等を踏まえ、あらためて豪雪対策の強化を要望するものです。ご検討いただければ幸いです。 −記− 1.新潟県は、災害救助法の運用について、「豪雪は災害」との観点から、「弾力的に運用する」といっています。この条件を生かして、災害救助法を最大限に活用するよう徹底してください。 @ 総務省は、「高齢者等の雪下ろしの支援経費」についても特別交付税で措置する方針を決めました。上越市の「要援護世帯」も3050世帯に増加しています。対象世帯の漏れがないようにしてください。また、遠慮なく活用するようにPRしてください。その際、町内会や自主防災組織と民生委員が、今まで以上に協力するように訴えてください。 A 新潟県は、災害時の「安全対策・事故防止は設置者の責任」という立場から、1月20日付けで、「公営住宅団地内における雪による事故防止の徹底について」という建築住宅課長通知を発しました。「通常時」は、入居者等が処理する公営住宅(県営、市営)の除排雪について、災害救助法が適用されている異常時の対応を記しています。この通知で、「雪庇等の除去など危険が伴なう作業については、入居者に事故のないよう管理者の責任のもとで、適切に実施してください。」としています。この「雪庇等の除去など危険が伴なう作業」には、「雪下ろしも含まれる」と答弁しています。また、「団地内通路や駐車場等の除雪が適切に実施されるよう」求めています。公営住宅のこの間の除排雪費用を公費で負担してください。 B この豪雪で上越市でも4人の方が亡くなっております。これらの犠牲者に対して、災害救助法にもとづく災害弔慰金・障害見舞金が支給されることになりました。具体的な支給対象者や支給額は、市町村の災害弔慰金支給条例により市町村が決定することとされています。速やかに対処するようお願いします。 C 高田市街地のいっせい雪下ろしについて、「一般的な市街地の除排雪の基準を超えて県が多く負担する。ケースバイケースで対応するので、市町村から上げてほしい。」といっています。住民負担を少なくするよう、活用してください。 D 民家周囲や生活道路の除排雪を、集落の持つ力を活用して行うためにも、「特定地域の自立・安全を支援する事業(安全・安心な雪国づくり推進事業)」等の「克雪コミュニティ形成型事業」をこれまで以上に活用して小型除雪機を配備してください。老朽化した機械の更新には、過疎債等が使えますので、随時更新してください。 E 新潟県は、豪雪により消雪パイプの機能が十分に発揮されない場合に、機械力による除雪が必要(機械が本来で、消雪パイプは補助)との立場です。地盤沈下警報が出される状況ですから、必要に応じて機械除雪に切り替えてください。 2.県は、冬期集落保安要員制度について、2005年11月11日制定の「実施要綱」と「運用」を今回の豪雪を教訓に「庁内議論」をすると述べています。上越市においては、今冬設置された吉川区上川谷を含め、住民生活の維持確保になくてはならない制度です。高齢化と過疎化が進む実態に合わせた新たな仕組みに拡充・発展させるよう、県に働きかけてください。 3.合併前の各市町村の多くでは、「大雪に係る災害対策本部等の設置基準」を制定していました。この「設置基準」は、長年の雪とのたたかいで築き上げてきた貴重な指標です。この「設置基準」を活用してください。 @ この「設置基準」に達した場合、その区に「区災害対策本部」を設置し、あわせて上越市災害対策本部を設置するべきです。 A この時点でただちに、災害救助法の適用を申請すべきです。 4.豪雪災害に対する災害救助法及び新潟県災害救助条例の運用基準(災害救助法については、「指定観測所平均積雪深が概ね2mを超え、かつ累年平均最大積雪深の1.3倍程度に達した場合」となっている)の見直しを県に求めてください。 @ 指定観測所は、一定の区域の降雪状況をトータルに把握できる場所にする必要があります。海岸近くのほとんど雪の降らない地点を加えたのでは、豪雪かどうかを正しく判断できません。 A 「累年平均最大積雪深の1.3倍程度」等の見直しが必要です。これでは多雪地は余程の記録的な豪雪でもない限り適用されないことになります。1月6日現在、安塚区では297p、大島区で298p等々あっても適用基準を満たしていなかったのです。「指定観測所平均積雪深が概ね2mを超え」だけにすべきです。 B これまでの基準を適用するとしても、昭和37年までの30年間の平均値という「累年平均最大積雪深」を見直す必要があります。直近の降雪・積雪の状況を反映させるべきです。 C 「いくつかの自治体が合併したところにあっては、旧自治体の1つでも適用基準を超えた場合に、新自治体全域を対象として災害救助法を適用する」ことを制度化するよう働きかけてください。 |
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