農地、農業用施設災害復旧費を盛り込んだ補正予算可決
7月28日の市議会臨時会報告

 市議会臨時会が28日に開催されました。議案は2005年度一般会計補正予算1件だけです。この議案では、去る6月28日の梅雨前線豪雨により発生した農地、農業用施設災害復旧の災害査定を受けるための測量設計費を計上するとともに、秋の台風や秋雨前線豪雨などに備えるため予備費を増やすことが内容となっています。審議の結果、全会一致で可決されました。

 今回の梅雨前線豪雨により発生した農地、農業用施設災害は新市全体で367件にのぼりました。このうち199件は災害復旧費が40万円を下回るもので、これらは、上越市の「原材料支給・機械借上げ制度」を活用して復旧工事が行なわれます。今回の補正予算で計上されたのは、国や県の補助対象となる、災害復旧費が40万円以上のもの(総数168件)の測量設計委託料です。総額は8529万円、このうち吉川区の関係分は89件、5102万円になります。

 審議の中では、災害復旧工事の今後の見通しを問うものや秋作業に支障がないような手立てを求める質問などが出されました。私は、いまの「原材料支給・機械借上げ制度」を活用して復旧工事をやった場合、これまでの13町村の行政水準に比べて低下することはあるか問いました。答弁では、飯塚農村整備課長が、「これまでの町村の先進的な取り組みも取り入れて、この制度を4月から改善した」とのべました。また、応急対策を進めるにあたって、総合事務所長の権限を強めるべきだとの私の主張にたいしては、「6月16日の13区との打ち合わせの中で、そういう方向を確認した」と答えました。

 なお、今回の梅雨前線豪雨災害では、農業関係のほか、市道など公共土木災害復旧事業が進められますが、査定に必要な測量設計経費は既決の予算の中で対応しています。

吉川の河川内の伐木、ほぼ全域で実施へ

 朗報です。吉川の河川内の雑木の伐採については、9月県議会を待たずに、関係集落から要望の出ていた区域の全域を対象に実施することになりました。

 県当局はこれまで、予算の制約もあるので優先順位をつけて実施し、足りなければ9月県議会で予算を補正するとしていました。しかし、市議会や被災地住民などから「対応が遅い」と強い批判の声があがっていました。これでひと安心です。
(7月31日)



災害繰り返さないために緊急対策直ちに!……厚生常任委員協で市当局に要求

 市議会厚生常任委員協議会が21日開催され、6月28日の梅雨前線豪雨災害について審議されました。

 審議の中で日本共産党市議団の樋口良子委員は、総合事務所長の権限を一層強化し、現地本部の活動がしやすくなるよう求めるとともに、被災家屋の消毒態勢の改善、見舞金の増額など求めました。

 これにたいして土橋防災安全課長は、「避難準備情報を総合事務所長が出せるようにした。避難勧告、指示は法律に基づくものなので市長でないと出せないが、提案された趣旨を汲んで対応したい」「消毒剤を被災者に届けるだけでなく散布までしたいという話が総合事務所からきたので、そうしていただいた。これまで上越市では消毒剤を届けるまでしかしなかったので、今後このように(散布まで拡充)するかどうかについては、誰がやるかという態勢を含めて検討したい」と答えました。見舞金については、今後の課題だと言うにとどまりました。

 厚生常任委員ではありませんが、委員長の配慮により私も発言することができました。災害対策は抜本対策と緊急対策を統一してあたることが大切です。ここでは緊急対策のいくつかについて市側の見解をただしました。3枚の写真パネルを手に私が質問の中でもとめたのは、@吉川河川内の草木を一時も早く除去すること、A内水、外水の両方によって浸水被害を出したところは、河川管理者だけでなく、関係機関、団体と協議して手を打つこと、B上川谷集落に対しては行政側の積極的で暖かな対応がもとめられているが、県道崩落箇所の復旧見通しなど情報をもっとすばやく提供すること、の3点です。

 白石都市整備部長は、「先日の災害発生後、東田中から国田間の伐木、除草が実施された。今後は(河沢の)八幡橋下流の伐木と河床掘削をしていただくことになっている」「上川谷(集落への情報提供)については、県など関係するところにも話して説明するようにする」と答えました。委員協議会後入手した情報によれば、伐木は片田から上流、河床掘削は吉川と平等寺川の合流地点から八幡橋付近までとのことです。今回の豪雨で問題になった桜町橋から上流の下条堰までの伐木については9月県議会で補正予算が計上される見通しだとのことです。上川谷の県道崩落ヶ所の復旧見込みなどについては、13日に市長と市議会議長が連名で県知事に緊急要請していますが、こうしたことは要請活動後、間髪を入れずに現地に報告することが大切です。市役所では、22日に上川谷集落で懇談会をやり、そこで報告するという話でした。これも委員協議会後、私に報告がありました。

吉川区の被害額は全市の半分以上になる14億2600万円にも

 21日の厚生常任委員協議会では、15日までに判明した上越市内の梅雨前線豪雨被害の詳しいデータが明らかにされました。詳細については後日お知らせしますが、国・県分も含めた被害額は21億9127万円で、このうち吉川分は半分以上。これは農地、農業用施設関連被害が175件、3億5200万円にもなったことによります。
(表の数値は千円単位)

区  分 合 計 合併前の上越市 安塚区 浦川原区 大島区 牧区 柿崎区 大潟区 頸城区 吉川区 板倉区 三和区 名立区
国・県分含む 2,191,275 58,322 90,410 57,025 207,597 500 301,654 2,245 16,067 1,426,675 1,700 4,710 24,370
国・県分含まない 1,128,675 41,122 89,310 35,525 167,397 500 142,854 2,245 16,067  602,875 1,700 4,710 24,370


(7月21日)



日本共産党上越市議団が水害対策で市長に要請

 市議団では20日、木浦市長宛の水害対策に関する要請書を提出しました。以下はその全文です。
 日頃より市民の命と安全にたいする施策充実のためにご尽力いただき、感謝申し上げます。
 去る6月27日から28日にかけて降った梅雨前線豪雨は最高で351ミリにも達し、吉川区を中心に市内各地で住宅、道路、農地などに大きな被害をもたらしました。昨年の地震、今冬の19年ぶりの豪雪に続く災害で、市民の暮らしと安全は厳しい状況におかれています。いまこそ、すべてに優先して災害対策の強化を図らなければなりません。
 これまで口頭で各部署にお願いし、実行に移していただいている対策もありますが、下記事項についてご努力くださるよう心からお願いいたします。

                 記

T.防災体制など災害対策全般について

 1.初動体制について

  (1) 区総合事務所長(以下、現地本部長)の権限を拡充強化し、現場で即時対応ができるようにすべきではないか。
  (2) 避難準備は現地本部長が発令するようにできないか。

 2.本庁と各区の体制について

  (1) 災害対策本部は、被災地の近傍に移動して陣頭指揮にあたるべきである。
  (2) 13区と同等に旧上越市の地域を担当する部署を確立し、市全体を統括する部門とは切り離して対応すべきではないか。
  (3) 対外的な連絡などは災害対策本部に窓口を一本化し、必要な情報は本部に集中する体制にすべきではないか。
  (4) 本庁の各部署に対応した縦系列の情報収集のあり方を再検討すべきである。

 3.災害復旧時の体制と対策について

  (1) 各区から本庁に移動になった職員を、一定期間各区に派遣するなど、災害復旧を迅速に進めていただきたい。
  (2) 農地や林地などの被害調査などは、地理的条件と専門的知見が必要とされるので、他区からの応援も組織するなどの対策を取っていただきたい。
  (3) 災害復旧は、高齢化時代に対応したやり方にしていただきたい。
   @ 浸水被災した家屋に散布する消毒用石灰などの散布は、高齢者世帯には負担が大きいので、行政で対応していただきたい。
   A 市街地でも高齢化が進んでいる。町内会などに頼るだけでなく、行政が主導で復旧にあたっていただきたい。
  (4) 現在1万円の災害見舞金を増額していただきたい。
 (5) 気象観測装置を設置している各機関と連携して水系ごとのデータを共有する体制を構築していただきたい。

U.吉川区の災害対策について

 1.二級河川吉川及び大出口川の改修などについて

  (1) 吉川の河川内の草木除去を直ちに行なうこと。
  (2) 吉川橋の上流、約100メートルについてはU字溝などを使って嵩上げしていただきたい。なお、そばには側溝もつけていただきたい。
  (3)  吉川の改修は待ったなしの状況であり、抜本的な改修を早期に行なうこと。
  (4) 大出口川の堤防で部分的に陥没しているところが何ヶ所かある。直ちに調査し、手当していただきたい。
 (5) 大出口川代石地内の堤防の嵩上げをすること。

 2.道路災害の復旧などについて

  (1) 主要地方道大潟高柳線川谷地内の地すべり災害については、一時も早く復旧工事を行なうこと。
 (2)  主要地方道上越安塚柏崎線の大島区五軒角間集落入口と吉川区上川谷集落の間の除雪については万難を排して実施すること。
  (3)  市道尾神川谷線の草刈り、側溝の掃除などについて急ぐこと。
  (4)  上川谷集落の民家周囲除雪は、これまで小型除雪機とD3ブルの活用によって行われてきた。今後とも同集落の民家周囲除雪がスムーズにできるよう支援すること。

 3.その他

  (1)  民家周囲の土砂崩れなどで補助事業対象外となっているものについては市独自の支援措置をとること。
 (2)  床上、床下などの浸水被害が出た原因はいろいろある。それぞれのケースについて原因を調査し、手立てを講ずること。

V.吉川区以外の地域の災害対策について

 1.頸城区下吉、上吉、西福島地内の保倉川周辺は浸水被害が降雨の度に発生しているので、抜本的な対策をとっていただきたい。
 2.戸野目川の一本木橋から下流の未改修部分の改修を早急に進めること。特に水害常襲地である戸野目古新田橋付近の抜本的対策を行うこと。

 以上

(7月20日)


「上川谷ー角間は雪がたくさん降っても除雪する」……県土木部が言明

 県当局は13日、6月28日の梅雨前線豪雨により発生した県道大潟高柳線川谷地内の地滑りは大規模で、今年中には復旧できない見通しであることを明らかにしました。心配なのは冬場をどうするかです。

 これについて県土木部の山岸潔道路管理課長は14日、「これまで(主要地方道上越安塚柏崎線の)上川谷ー角間(かくま)間については、2メートル50センチ以上の積雪になった場合は除雪しないという条件除雪区間としていたが、それ以上降ったとしても、パトロールをしながら、雪ぴ処理、衝撃を与えない人口雪崩などにより何としても交通を確保する」と言明しました。

 これは同日、日本共産党上越市議団(杉本敏宏団長)が行なった要請にたいする回答で明らかになったものです。上川谷ー角間間は2年前から除雪区間になりましたが、久保地内の雪崩危険箇所がネック(ものごとを進めるうえでの障害)となっていたため、条件除雪区間という位置づけになっていました。

 市議団はこの日、県道大潟高柳線川谷地内の地滑り箇所(写真左)の早期復旧と共に上川谷ー角間間の除雪対策強化、吉川改修の抜本的強化などを求めました。

河川内の雑木除去は優先順位をつけて緊急に実施へ

 今回の梅雨前線豪雨により、吉川流域の国田、東田中、代石の4ヶ所で堤防が決壊しました。また決壊に至らなかったものの、堤防を河川の水が乗り越えたところも少なくありませんでした。河川改修の遅れや河川管理のまずさなどによって、住宅や農地などに甚大な被害をもたらしました。

 日本共産党上越市議団が14日、県当局に対して行った要請の中で吉川区に関係するものは、二級河川吉川の河川内に繁茂する雑木除去を直ちに行なうこと、二級河川吉川の抜本的な改修を急ぐこと、の2点です。県土木部の鈴木啓一河川整備課長、田辺敏夫河川管理課長補佐が対応してくれました。

 この中で、二級河川吉川の河川内の雑木除去については、先日の東田中ー国田間に続いて下流域についても優先順位をつけながら緊急にやるという回答を得ました。東田中ー国田間は雑木除去に続いて河床の土砂を除去する仕事に取り掛かるといいます。注目の河川改修は桜町橋までを06年度中にやり、07年度以降はその上流へとのばすとのことでした。問題はそのスピードです。予算がついて回ることですが、これまでのようなペースでは、毎年水害の心配をしていなければなりません。今後さらに要請を強めていきたいと思います。

(参考)
日本共産党上越地区委員会が県知事に提出した要請文

 日頃より県民の命と安全にたいする施策充実のためにご尽力いただき、感謝申し上げます。
 去る6月27日から28日にかけて降った梅雨前線豪雨は最高で351ミリにも達し、上越市吉川区を中心に市内各地で住宅、道路、農地などに大きな被害をもたらしました。昨年の地震、今冬の19年ぶりの豪雪に続く災害で、市民の暮らしと安全は厳しい状況におかれています。いまこそ、すべてに優先して災害対策の強化を図らなければなりません。
 つきましては、下記事項についてご努力くださるよう心からお願いいたします。

                記

 1、二級河川吉川の河川内の草木除去を直ちに行なうこと。
 2、二級河川吉川の改修は待ったなしの状況であり、抜本的な改修を早期に行なうこと。
 3、主要地方道大潟高柳線川谷地内の地すべり災害については早期に復旧工事を行なうこと。
 4、主要地方道上越安塚柏崎線の大島区板山集落と吉川区上川谷集落の間の除雪については万難を排して実施すること。
 5、頸城区下吉、上吉、西福島地内の保倉川周辺は浸水被害が降雨の度に発生しているので、抜本的な対策をとっていただきたい。
 6、戸野目川の一本木橋から下流の未改修部分の改修を早急に進めること。特に水害常襲地である戸野目古新田橋付近の抜本的対策を行うこと。
 7、市と連携して水系ごとに気象観測装置を設置すること。
  以上

(7月10日)



350ミリの集中豪雨、吉川区で大きな被害……河川改修の遅れは重大

 すさまじい降り方でした。27日から降りはじめた雨は、28日の夜9時までに川谷観測所で351ミリ、尾神で312ミリ、村屋で290ミリに達しました。

 この豪雨により、区内では近年にない大規模な災害が発生しました。国田、東田中、代石などで吉川の堤防が決壊または越水し、人家や農地に大量の水が流れ込みました。また山間部を中心に土砂崩れなどもあちこちで発生し、上川谷、大賀(上坪)などの集落は一時、孤立状態になりました。

 吉川区総合事務所の調べによると、区内での床上浸水は国田(4)、代石(1)、原之町(1)で6世帯、床下浸水は東田中(1)、下小沢(1)、赤沢(3)、代石(7)、山口(2)、原之町(1)の15世帯にも及びました。自主避難した世帯も16世帯40人にのぼります。代石では2棟の牛舎に水が入り、橋爪法一所有の和牛4頭は頸城区へ避難しています。冠水、土砂崩れなどによる道路の交通止めも相次ぎ、交通止めとなった路線は一番多いときで22路線にもなりました。農作物の本格的な調査ははじまっていますが、水路、農道、田んぼの崩れなどは激しく、調査だけでも相当な日数がかかること必至です。また、水没した稲、転作大豆などもかなりの面積になるもようです。

 今回の水害は合併後初めて経験する大災害となりました。大災害の根底には河川改修の遅れがあります。記録的豪雨とはいえ、改修がもっと進んでおればこんなことにならなかったでしょう。だから今回の災害は住民の安全を軽視した政災です。27日、「市民と市長の対話集会」で原之町町内会長さんが要望したように、河川改修は急務です。また、市役所本庁と総合事務所の連携のあり方など検討すべき事項がいくつもでてきました。しっかり調査し、速やかな対策を求めていきたいと思います。

 日本共産党上越市議団は30日、被害の大きかった柿崎、吉川、大島、浦川原の各区を訪れ、現地調査などを行いました。梅雨前線による大雨は、まだやってくる可能性が大きいので、ひきつづき警戒をする必要があります。市議団では市民の安全確保のために全力をあげていきます。

 吉川区で初の市民対話集会

 27日、「市民と市長の対話集会」が多目的集会場で開かれました。前半は市長が「新しい上越市の展望」と題して約1時間報告し、後半は対話集会でした。

 対話集会では、原之町町内会長の石野さんを皮切りに11人が発言されました。河川改修、JA川谷店の存続、幼児医療費助成(通院)の対象年齢引き上げ、通学バス、通園バスの存続、保育料の引き下げなど吉川区住民の願いの代表的なものがいくつも出されました。みんな書きたいのですが、特に印象に残ったのは、女性のみなさんの発言です。「地域70人の生活がかかった川谷店をなくさないでください」などの願いが実現できるよう応援していきます。
(7月3日)


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