合併協議会は新年度も3回開催予定、協議終了は早くて5月中旬か 地域協議会委員の選出方法は「選挙」 3月30日、第9回上越地域合併協議会および新市建設計画などの小委員会が厚生南会館で開催されました。協議会に先立ち開かれた新市建設計画や地域自治組織に関する小委員会は決着、残る大きな問題は、新市の議員の定数及び任期ということになりました。 新市建設計画や地域自治組織に関する小委員会は、新聞報道で予想されたとおりの決着をみました。新市建設計画は、共通事業が804億円の約3割、地域事業が約7割で合意しました。吉川町に関係する地域事業は前号でお知らせしたとおりの11事業です。 地域自治組織に関する小委員会は、協議会委員の選出方法をめぐり対立が続いていましたが、関係全市町村が選挙による選出で合意しました。ただし、地方自治法や合併特例法の一部改正案が国会で審議中で、法律が通った段階で再び関係市町村による協議が行われます。 もっとも注目されている議員の定数及び任期に関する小委員会では、この日の会議でも、上越市の委員と町村部の委員が激しくぶつかりあう展開となりました。次回の小委員会がこのまますっと開催されるかどうかも微妙な情勢となっています。 合併協議会の新年度予算決まる この日の協議会では、いくつかの事務事業の調整案が承認された他、新年度の上越地域合併協議会予算についても可決されました。 歳入、歳出それぞれ2358万円。歳入の内、1604万円は前年度からの繰越金です。歳出の主なものは、新市建設計画、協議会だよりなどの印刷費で1210万円、協議会委員、小委員会委員の報償日で357万円となっています。 会長、事務局の説明によると、合併協議会(全体会)の審議はもう3回行うことを想定し、4月12日のほかに5月、6月も開会の予定とのことでした。新市の議員の定数及び任期の協議の進み具合にもよりますが、このままいくと、廃置分合議決は当初予定の6月は無理で、数ヶ月先になりそうな感じです。場合によっては、合併期日の変更の可能性も出てきました。やはり、合併協議の早い段階では合併目標期日を決めてもいいが、合併期日を決めるのはおかしい。これまでの展開で、このことはハッキリしたと思います。 (3月31日) |
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新市建設計画の共通事業、238億円で決着へ 14市町村の合併協議の中でなかなか合意できないでいた新市建設計画、暗礁に乗り上げた形から脱却しようと、小委員会での協議とは別に首長会議がひんぱんに開催され、ようやくまとまりそうになってきました。 26日の新市建設計画に関する小委員会で提示された案では、新市建設計画の共通事業をし尿処理、ぎみ焼却施設整備などの環境整備やシステム整備、庁舎関連整備など最低限必要なものに絞込み、約238億円に落とした模様です。ただ、この絞り込んだものの中には新幹線駅周辺整備などが入っていることからいくつかの町村議会特別委員会で疑問の声が上がっており、小委員会でも意見がでたとのことです。しかし小委員会では、首長会議での案に賛成の声が多数を占めており、近々最終的な決着となる状況になってきました。 新市建設計画でもう1つ問題になってきた地域事業の各市町村への事業費配分については、首長会議の動きと連動して合併協議会幹事会などで協議が重ねられてきましたが、これも大筋で合意の見通しがでてきたといいます。各市町村への配分基準額の算出方法については、地域事業費全体の6割を標準財政規模で、3割を人口で、残りの1割を市町村税により按分することを基本にすえ、これを財政調整基金、起債償還額、退職手当組合の脱退精算金などで調整いくことになりそうです。 もし、新市建設計画の協議が上記のような形で決着した場合、吉川町がこれまで提起してきた共通事業は1つも採用されないことになります。そのかわり、これらの事業のほとんどは地域事業にまわります。新市建設計画の共通事業が全体の30%くらいとなったと仮定し、地域事業配分の算出を上記のように決めたとすると、吉川町への地域事業事業費配分額は約19億円となります。 吉川町の新市建設計画地域事業登載事業(案)は11事業に 上越地域合併協議会の吉川町選出委員で構成する検討委員会が25日開催され、町側は、これまで発表してきた登載事業(案)に修正を加えたものを明らかにしました。 これは首長会議や幹事会などでの協議を考慮に入れ、修正をしたもので、2005年度(平成17年度)から10年間にいまの吉川町の範囲で取り組まれるものを盛り込んであります。11事業は、コミュニテイプラザ整備事業、森の文化・匠の里づくり事業、新世代地域ケーブルテレビ施設整備事業、道の駅整備事業、保育所整備事業、健啖林道開設事業、小学校大規模改修事業、福祉施設整備事業、農山村都市交流拠点施設整備事業、一般廃棄物最終処分管理事業、町道整備事業です。 これまで登載してあった消防施設整備事業、町道維持補修等事業は新市の通常の予算対応を見込み、登載事業からはずされています。 農業生産法人、一気に12組織に この3月に農事組合法人が5つスタートし、これまでの7組織が一気に12になりました。 今回仲間入りしたのは、いしたに生産組合、後生寺生産組合、原之町、いなほ生産組合(写真)、ファームながさわ。このほか来月には、源広域担い手組合も誕生する予定です。農業の姿がどんどん変わりますね。 新教育課長に江村昇氏を起用 町役場の人事異動が内示されました。今回は機構改革に伴い、町民課と福祉課、産業課と建設課がそれぞれ合併する中での異動となりました。 課長の退職で空席となる教育課の課長は、総務課長補佐の江村昇氏が昇任しました。また新たに誕生した町民福祉課の課長には町社会福祉協議会事務局長の山田良一氏が、産業建設課の課長には塚田周司氏が就任することになりました。 中村町民課長、小田福祉課長、杉田建設課長、佐々木教育課長、曽根用務員は退職です。ご苦労さまでした。 |
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新年度町一般会計予算は34億4500万円 合併の正式決定前にまたもシステム統合経費2346万円計上 3月予算議会は18日、上程されたすべての議案審議を終え、幕を閉じました。上程された議案のうち、2003年度町一般会計補正予算、2004年度町一般会計予算の2つは五十嵐議員と私が反対し賛成多数で、残りの議案はすべて全会一致で可決しました。 私は、2004年度町一般会計予算の討論のなかで、農業振興、生活支援などで一定の評価ができる取り組みがあることを指摘した上で、まだ合併が正式に決まっていないにもかかわらず、再びシステム統合予算を計上したことは重大だとのべ、反対しました。 決まった予算は、来年3月末までの通年予算となっていますが、内容は合併した場合のことを強く意識したものとなっています。 このうち、2004年度吉川町一般会計予算は、国の地方財政計画によって過去最大の財源不足が見込まれるなかで編成されました。予算規模は34億4500万円で対前年度、マイナス1・9% 6800万円の減額予算となりました。 予算の詳しい内容は、近々発行される町の「広報よしかわ」をいただきたいと思いますが、主なものを少し紹介します。 【総務費関係】 ●克雪対策事業補助金165万円(克雪住宅4戸分予定) ●コミュニテイ助成補助金 130万円(子ども用太鼓助成) ●えちごくびき野100キロマラソン実行委員会補助金 50万円 ●町づくり会議交付金 850万円 ●地域づくり会議補助金35万円 ●緑の山里・いきいき推進事業補助金 100万円 ●地域コミュニテイ活性化施設再生事業補助金1070万円(旧勝穂校屋根修理、尾神ロッジ修繕など) ●合併協議会負担金52万円 ●システム統合業務負担金 2346万円 ●画地計測・認定業務委託料277万円 【民生費関係】 ●社会福祉協議会補助金 1300万円 ●高齢者等住宅整備事業助成 210万円 ●介護予防地域支え合い事業委託料 725万円 ●ほっとひといき介護者支援事業補助金 200万円 ●乳児医療費助成事業141万円 ●幼児医療費助成事業336万円 ●すこやか子育て支援事業(出生祝い金など)652万円 【農林水産費関係】 ●農林水産業総合振興事業補助金(新たに法人化する組織に対する機械、施設整備への助成)2446万円 ●酒まつり補助金40万円 ●環境保全型農業推進事業補助金 100万円 ●森林整備地域活動支援交付金 300万円 【教育費関係】 ●心の教室相談事業費35万円 ●環境教育推進事業費36万円 ●吉川小学校プール改修工事費 400万円 ●児童の机、椅子等の購入費297万円 ●中学校図書室エアコン購入費 100万円 ●通学バス定期券購入補助金 998万円 ●文化協会補助金7万円 ●子どもふれあい広場運営事業費 142万円 ●公民館分館施設修繕料(泉谷、東田中) 230万円 水道料、10・1%引き下げへ 今年の6月分の納付分より水道料が下がることになりました。改定率は基本料金で12・5%減、従量料金で8・1%、全体で10・1%の減となります。 この結果、現行口径13ミリの基本料金は「2600円」から「2200円」になります。 今回の引き下げは、柿崎川ダムの完成により入水契約料が560トン増加したことや企業団からの受水単価が引き下げられたことによるものです。 町長、第三セクターに新たな資金注入を示唆 3月16日の予算審議のなかで角張町長は、「第三セクターはそれぞれの思いがあって立ち上げた経過がある。累積損失を解消して新市に引き継ぐのが基本だ」とのべました。 これは山崎議員の質問に答えてのべたものですが、議場では注目された発言となりました。ただ、町内の第三セクターのそれぞれについてどうするか具体的な言及はなく、今後の行政側の動きに関心があつまりそうです。 (3月21日) |
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町側、財政シミュレーションの見直しを約束 14市町村で合併した場合もしない場合も財源不足は深刻 政府が地方交付税や臨時財政対策債を12%も削減したことで全国の市町村から悲鳴が上がっています。この問題は、新年度の予算編成の問題だけでなく、今後の財政運営にきわめて大きな影響を与えるものです。 私は、町が合併しないで残ろうとしても、14市町村で合併して新市をつくっても、いずれの場合も深刻な影響をこうむるとして、これまでの財政シミュレーション(平成32年度まで予測)の見直しが必要になっていると強調、その対応を迫りました。 これにたいして町側は、町が作成したものについては見直しをかけることを約束しました。また、14市町村が合併した場合のものについても見直しの必要性を認めました。しかし、これは相手があることから見直しにつながっていくかどうかは不透明です。 財政予測の見直しは、今後の財政運営の方向を見定めていくうえで重要なものですが、合併問題を考える参考資料として活用する場合は、町単独のもの、14市町村合併自治体のもの、同じ条件のもとで作成(見直し)したものがそろっていないと比較検討はできません。 新市建設計画は各町村の総合計画(事業)を盛り込むことが基本 吉川町総合計画の10年分総事業費は約42億円 合併協議の中で大きな問題になっている新市建設計画。今回の合併が上越市への編入合併となったことから、上越市の総合計画は残るものの、13町村のものはなくなります。そのかわり、新市建設計画では各町村の総合計画の内容を盛り込むこととされています。しかし、現実問題として、新市建設計画にどれだけ盛り込まれることになるのか、それは各町村への地域事業費配分方法などによって左右されることとなります。 私の質疑のなかで町側は、吉川町総合計画から新市建設計画に登載を見込んでいた事業は「森の文化・匠の里づくり事業」「道の駅整備事業」「小学校大規模改修事業」「保育所整備事業」など15事業で、総事業費が42億3000万円になることを明らかにしました。 13町村が心配しているのは、今回の新市建設計画策定で中心部である上越市に事業が集まり、各町村が見込んでいた事業が大きく削り込まれることです。私は、「町が登載を予定していた事業がそのまま盛り込まれる(登載される)のはむずかしい情勢だが、いまの協議状況から見て、町が合併しなかった場合に取り組む事業費よりも新市建設計画に登載される事業費が下回る可能性はないのか」と質問しました。角張町長は、下回る可能性を否定はせず、明言をさけました。 新市建設計画登載事業費が合併しなかった場合の事業費を下回ることになるかどうかは、しっかりした財政予測のもとで検討してみないと分からないことですが、もし下回ることになれば、合併をすすめてきた人の責任が問われることになるでしょう。 (3月18日) |
町役場が市町村合併で全集落を対象に懇談会開催へ 角張町長は16日、大詰めを迎えている市町村合併について触れ、14市町村による合併協議が終了した段階で、町内の全集落に出向いて住民懇談会を開催することを明らかにしました。これは、私の質問に答えるなかでのべたもの。 住民懇談会については、14日の議会合併問題特別委員会でも、議会が地域に出向いて懇談会を開催することを決めていました。ただし、全集落対象とするかどうかは未定です。 一人ひとりの意思を確認することの重要性、町長も認める 市町村合併は町の将来を左右する大問題です。現在進められている14市町村の協議の中身を分かりやすく説明し、住民の意思を確認することは行政の責任です。15日の議会で私は、「市町村合併については、一人ひとりの町民の意思を確認して出ることが重要だ。角張町長の認識はどうか」と問いました。これについて町長もその重要性を認めました。 問題はその先です。町長は、町民の意思確認は懇談会で行いたいとしたものの、懇談会の場でどうやって「一人ひとりの町民の意思を確認する」かを具体的に回答できなかったのです。翌日になってやっとでた答弁は、今後、懇談会の場において「何らかの方法で」確認したい、それについては議会の特別委員会とも相談していくという内容でした。これにたいして、せめてアンケートぐらいはとれないものか、という声が上がっています。 少子化対策の要は子育てでの経済的な支援。それが後退したなら話にならない このまま少子高齢化がすすんだら町はやっていけない、だから合併なんだ。これは合併推進の立場に立つ町村長などの主張でした。しかし、これまでの合併協議で、自治体が大きくなっても少子高齢化対策がすすむとはかぎらない、それどころか後退する可能性が高いことも表面化してきました。 たとえば少子化対策、子どもをもっとたくさん産み、育てられるように経済的な支援を重視することが求められていますが、幼児医療費助成は小学校入学まで入院、通院とも対象となっていたものが、通院については満4歳までになりそうです。また、出生祝い金制度も廃止の見込みです。 確かに上越市の各種助成制度はメニューが豊富で、公衆浴場無料入浴制度、ファミリーサポートセンター事業(保育園でカバーしきれない保育援助をする場)など吉川町にない取り組みがいくつもあります。しかし、少子化対策の要となる経済的な支援の後退を埋める役割まで果たしてくれるか疑問です。また、距離的にみても、実際、それらを活用できるかどうかという問題も残ります。 資源ごみ回収常設ステーション建設へ 町は、新年度予算に資源ごみをいつでも持ち込める「資源ごみ常設ステーション」建設費330万円を計上しています。建設場所は、役場のとなりにある除雪ステーション前予定しているとのことです。 資源ごみの回収については夏場だけから、冬場も(1箇所で集中的に)回収するようになって2年たちました。今回は、さらに前進させ、いつでも回収できる形をつくることになります。常設ステーションは大潟町、浦川原村、上越市などでも設置されています。 (3月18日) |
市町村合併、専門学校問題などで論戦 14日の日曜日は恒例の日曜議会。野呂、橋爪、上野、中嶋、五十嵐 の各議員が一般質問を行いました。私は、地方交付税、鳥インフルエンザ、吉川高校跡地利用計画、市町村合併問題などで町側と論戦しました。以下はそのさわりです。 「三位一体改革」の現実は国の財政赤字を地方に押し付けるだけ 【質問】今回の04年度政府予算を見ますと、1兆円の国庫補助金削減のうえに、地方交付税と臨時財政対策債を2・9兆円削減し、合計3・9兆円削っておいて、地方に「税源移譲」などで財源をわたしたのは4700億円に過ぎない。政府の「三位一体の改革」の現実、地方交付税や臨時財政対策債の大幅減の動きを吉川町という町を預かる首長としてどう見ておられるか。 【角張町長】「三位一体の改革」初年度として「国庫補助・負担金の縮減、廃止、一般財源化」と「地方交付税の改革」が突出し、税源配分の見直し「税源移譲」が進まない改革だ。 (注…当町への影響額)地方交付税の減額、臨時財政対策債の減額を合わせて約1億7000万円、保育所運営費国庫補助金1700万円、の減額に対し、税源移譲で創設された「所得消費税譲与税」で入ってくるのは900万円でしかない。したがって、差引き1億7900万円の減収見込み。 森の文化・匠の里づくり事業の計画縮小は残念、学校側に要望は出したか 【質問】この事業は、県教委の高校再編計画で平成18年度に募集停止を予定している吉川高校の跡地利用の具体的な計画として期待されていたものだ。高校がなくなっても新たな学校がやってくる。それも酒をつくる学校の伝統を引き継いでくれる、ということで町民の間で期待されていた。ところが、進出してくる学校は吉川単独校とはならず、新潟工科専門学校2年生の醸造などの実習施設となる。それも通年となるかどうかは未定だという。今回の計画縮小については、どう受けとめておられるか。学校法人国際総合学園が今月末までに理事会の承認を得て計画決定する段取りになっているなかで、吉川町としての要望は出したのか。町経済や地域振興にどういう影響が出るとみているか。 【角張町長】当初の森の文化・匠の里づくり計画の構想は、非常に理想的なものだった。しかし、NSG(学校法人国際総合学園)では少子高齢化が進展する中で学生の確保が大変困難な状況であり、学校運営を考慮すると当初の構想全てを事業化するにはリスクが大きくなるため、当面は実現可能な計画からの着手になったものと思われる。確かに当初の構想から比較すれば計画は変更されている。しかしながら私は、実現可能な計画で確実に吉川町に誘致することが重要なことであり、そのために県有財産の譲渡も含めて、町としてできる限りの協力をしていく。 合併によって少子高齢化対策、財政基盤が本当に強化されるのか疑問だ 【質問】これまで町が合併をすすめる理由としてきたことや合併のメリットがあやしくなってきた。財政力の強化が合併推進の理由の一番目にあげられてきたが、上越地域合併協議会事務局が作成した財政シミュレーションや最近の上越市の財政状況を見ると、簡単にはそうならないことがハッキリしてきた。また、少子高齢化対策についてもそう。少子高齢化対策の要は少子化対策だが、事務事業の調整の中で子育てに伴う経済負担を軽くするための重要な支援策が後退する可能性が高くなっている。こうしたことについて町長はどう考えておられるのか、町民にどう説明されるのか。 【角張町長】合併を進める理由は、将来に亘り住民が継続して安定した行政サービスが受けられ、安心して日常生活を送るためには、より大きな資源を活用し、行財政基盤の確立が必要であるとの考えで進めており、理由は当初と変わっていない。「合併効果である財政力の強化」については、財政シミュレーシヨンを見ると厳しい状況がうかがえるが、これまで個々の市町村がそれぞれ行ってきた事務をまとめて行うなどの行政コストを下げることができるなど、行財政の適正化を進める中で行財政基盤が確立されるものと思っている。 (3月15日) |
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杜氏の郷(酒蔵)に「自立化」補助金4140万円 賛成多数で可決、直ちに執行へ 3月予算議会が10日からはじまりました。この日は、町長の所信表明、監査委員報告、委員長報告などが行われました。 「特定調停の申立て」をすべきだ 議案審議は03年度補正予算から。一般会計補正予算では、株式会社・杜氏の郷にたいする4140万円にものぼる自立化補助金をめぐり、全員協議会、本会議合わせて五時間近い議論が交わされました。採決の結果、一般会計補正予算は五十嵐、橋爪の両議員が反対、他は賛成で、可決成立しました。 本会議審議のなかで私は、「(経営状況は)予想以上に深刻だ。今後の再建を考えるなら、裁判所に特定調停の申立てを行うべきだ」と提案しましたが、角張町長は同意しませんでした。 生産量は計画の40% 本会議前の全員協議会は、代表監査委員に定期監査の内容を聞くことや町側にこれまでの経過説明を求めることを中心にすすめられました。 このなかで、重要なことがいくつも明らかにされました。その1つは、酒の生産量が当初計画で予定していた量(180キロリットル。一升瓶10万本)を大きく下回っていることです。昨年の決算期での数字は3万8000本余りでした。 第2に、創業時から運転資金がほとんどなく、手形による短期借入れで対応してきたことにより、資金の回転が苦しくなっていることも分かりました。資金調達率は50・5%にもなっていて、黒字企業の22・1%の倍以上です。 3つ目、棚卸資産が短ければ短いほど、一定の売り上げを維持するのに必要な資本は少なくてすみます。黒字企業の棚卸資産回転期間は29・9日なのに対して、杜氏の郷の場合は166日ときわめて長くなっています。 こうした中で、借入金の返済が容赦なくせまってきます。この15日には農林漁業金融公庫などへ約2800万円返済しなければなりません。しかし、その金がないという深刻な事態に。 こうした状況について町の代表監査委員は、「経営計画の見直しをしていかないと、この状況から脱皮できない。経営再建計画をつくることによって1つの方向性が見出されるだろう」とのべています。 筆頭株主・農協は…… 株式会社・杜氏の郷は農協が筆頭株主で、吉川町、吉川町商工会などが参加した第三セクターです。ところが、今回、筆頭株主であるJAえちご上越農協からの補助金出動は、いまのところゼロ。酒の販売などで支援していくとはいうものの、議員の中からは、この点に関して疑問や不満の声が相次ぎました。 この点に関して中村昭一助役は、「農協の組合長などと7日に会い、設立時の目的に立ち帰って協力をと要請した。農協としても経営実態を調べながら検討してきたとのことだが、私どもと意思がかみ合わなかった」とのべました。 特定調停制度とは? 私が提案した特定調停というのはどんな制度か。 これは平成12年7月に施行された「特定債務等の調整促進のための特定調停に関する法律」で定められています。債務者等が「支払不能の状態」に陥るおそれがあること、金銭債務であることの2つの条件を満たしていれば、裁判所に特定調停の申し立てができることになっています。 この申し立てをすれば、債権者の取り立て、支払請求がストップ。裁判所の調停委員がなかに入り、債務整理について解決法を見出す努力をしてくれます。 杜氏の郷は、今回の補助金出動によっても2年間は何とか回るがその先は分からないと言われています。思い切った対策が必要だと思うのですが。 (3月12日) |
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「合併した場合は、通う学校が変わることがありますか」 議会との懇談会で中学生が活発に質問 町議会は27日、吉川中学校の生徒の皆さんとの市町村合併懇談会を開催しました。中学生と懇談会をやるのは、吉川町議会の49年の歴史の中でも初めてのことです。 懇談会は受験を目の前にした3年生を除き、1年生と2年生、それぞれ学年ごとに実施。吉村副議長が1年生を、橋爪議員と上野議員が2年生を担当しました。「市町村合併とは何か」「上越地域合併協議会ではどんなことを話し合っているのか」など市町村合併についての説明については、1年生も2年生も真剣に耳を傾けてくれました。その熱心さは、今回の合併について大人以上に注目しているのではないか、と思うほどでした。 中学生の皆さんの質問は、核心をつくものあり、ユニークなものあり、なかなかおもしろい。「町長さんが失職したら、その後、どんな仕事をするのか」とか「合併したら、通う学校が変わることはないか」といった質問は、大人との懇談会ではでないものです。また、「合併協議が全国的に行われているのはなぜか」「お父さんの話では、隣の頚城村では大きな建設事業をやるけど、吉川町は金がないからやれないと言っていたけど、本当ですか」という質問などは、大人顔負けのなかなか鋭いものでした。 当初、中学生との懇談会は最長で70分までと決めていたのですが、中学2年生との懇談会では質問が切れ目なく続き、結局、1時間20分にも及びました。懇談の中では、上越市、吉川町などの借金の多さに驚き、吉川町の先行きを真剣に考える生徒の姿が印象に残りました。長野県平谷村などで中学生も合併問題を考えているという事例を聞いて、たいしたもんだと思っていたのですが、当町の中学生もたいしたもんです。中学生がまちづくりにもっと参画できるように工夫をしていかなければなりません。 議会だより「集落懇談会」特集号発行へ 2月20日からはじまっていた議会主催の合併問題に関する集落懇談会が29日終わりました。懇談会が行われた49会場には、711人(うち男性528人、女性183人)の町民のみなさんが参加し、たくさんの意見や質問が出されました。 2日の町議会市町村合併問題特別委員会では、各会場で出されたこれらの声を早急にまとめること、議会だよりの特別号を発行して町民の皆さんにお伝えすること、が確認されました。議会だより特別号発行は、昨年から4回目となります。 通園バス、農業労働災害互助会などの上程を見送り、専門部会などで再協議へ 各種事務事業の調整作業は、各町村がこれまで長年取り組んできた独自事業などに関するものが中心になってきていますが、各町村議会などで調整案に対する反発も出ています。 上越地域合併協議会幹事会は3月1日、吉川町議会などから異論がでていた調整案の一部を各市町村の関係課長で構成する専門部会で再協議することを確認しました。 再協議の対象となったのは、保育園ごとに運行組織をつくり、そこで通園バスを運行管理することとされていた通園バス、「合併時に廃止」となっていた吉川町農業労働災害互助会などです。また、6日の合併協議会に上程が予定されていた乳幼児医療費助成については、入院を就学前まで、通院を満4歳までとし、「合併後、最優先で財源を確保し、対象年齢を速やかに引き上げるよう最大限努力する」という調整案でしたが、助成対象が引き下げられる町村から注文が相次ぎ、上程が先送りされることになりました。通園バスや乳幼児医療費助成でのサービス水準の後退は、少子高齢化対策の推進どころか、少子高齢化促進につながるものです。 (3月7日) |
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