第4回合併協、「議会の議員の定数及び任期の取扱い」両論併記で報告

 第4回上越地域合併協議会は24日、上越市南厚生会館で開催されました。会議では「一般職の身分の取扱い」「一部事務組合の取扱い」「慣行の取扱い」などが決まりました。一方、幹事会で4回も議論しながらまとまらなかった「議会の議員の定数及び任期の取扱い」は、検討案に対する賛成、反対の意見及び理由を示し、協議会に報告され、今後は小委員会で議論していくことが決まりました。

 「議会の議員の定数及び任期の取扱い」についての検討案(下記参照)は、上越市側の考えそのもので、多くの町村から反対の意見が相次いでいました。にもかかわらず、検討案の修正もせず4回も議論を長引かせたのは問題です。検討案について、どんな意見が出ていたのか、明らかにし、みなさんのご意見をお聞きしたいと思います。


「議会の議員の定数及び任期の取扱い」についての検討案

 議会の議員の定数については、市町村の合併の特例に関する法律(昭和40年法律第6号)第6条第2項及び第3項に規定する議会の議員の定数に関する特例を適用する。
 特例の期間による上越市の議会の議員の定数は48人とし、編入される町村の区域ごとに選挙区を設け、議員の定数を柿崎町3人、大潟町、頚城村及び板倉町各2人、安塚町、浦川原村、大島村、牧村、吉川町、中郷村、清里村、三和村及び名立町各1人とする増員選挙を行う。
 特例の期間は上越市の議会の議員の残任期間とする。


検討案に対する賛成意見

 (賛成意見)定数特例期間は3年強(合併時の上越市議会議員の残任期間)とする。【上越市・大潟町】

(理由) 1.一票の格差を早期に是正 【上越市】
 定数特例を採用し、増員選挙を行うことによって最大2.5倍の一票の格差が生じる。 およそ市議会議員1期分の残任期間があるのであるから、このような状況が長期間継続しないように、定数特例はできるだけ早期に解消すべきである。
 2.議員は市民全体の代表者 【上越市】
 上越市議会議員は、市民全体の代表者であり、できるだけ早期に市民全員から選 ばれるようにすべきである。
 選挙区の設定は、市民が選択できる候補者の範囲を、その選挙区から立候補した者のみに限定することになる。また、選挙区を超えて活動している候補者にとっては不利に働くことがある。
 なお、地域の声を市政に反映させるために、別途、地域協議会を設置することを検討している。
3.コスト削減の努力 【上越市・大潟町】
 現下の財政状況から、できる限りコスト削減に向けて取り組むべきである。

(参考)
定数特例を採用した場合 :
 議員48名、議員報酬等総額(年間)3億9,803万円  
定数特例を採用しない場合:
 議員38名(上限)、議員報酬等総額(年間)3億1,551万円
特例期間を3年強と7年強で比較した場合の議員報酬等の影響額:
 4年で3億3,008万円
※3に関連した付帯意見【大潟町】
合併の目的及び効果からコスト削減を図ることが重要であり、上越市議会議員の残任期間とすることが妥当である。しかし、地域の均衡を図る必要も考えられ、合併協議会小委員会において選挙区のあり方(ブロック制選挙区等)ついて十分な協議を望む。

検討案に対する反対意見

(反対意見) 定数特例期間は、7年強(合併時の上越市議会議員の残任期間及び合併後最初に行われる一般選挙により選出される任期に相当する期間)とする。 【安塚町・浦川原村・大島村・牧村・柿崎町・頸城村・吉川町・中郷村 ・板倉町・清里村・三和村・名立町】

(理由) 1. 任意合併協議会、法定合併協議会準備会において、議員の取扱いについて議論を行ってきた経緯がある。議員の定数特例の期間を7年強とすることで理解をしてきており、その旨議員、住民にも説明をしてきたことから、この結論を尊重すべきである。
2. 14市町村という大きな広域合併の規模のメリットを生かし、将来的に足腰の強い持続可能な自治体の建設に住民は理解を示している。一方周辺の小規模自治体の地域間格差がより進み、住民の声が届かないなどの心配や不安を払拭するためには最小限必要な良策である。
3. 特例期間の改正は編入先の議員の残任期間が短い場合に対しての措置と言われているが、全国的に例をみない広域での合併であり、合併後3年程度の期間では14市町村それぞれに地域の特性があり、住民がまだ一体性を感ずるには短いと思われるため、次の一般選挙4年を足した7年強の特例期間は絶対に必要である。
4. 定数を定めると立候補する意欲のある方を制限してしまうと言われるが、新市として行なえば、小規模自治体地域では一人の議員も当選できないという状況になることが予想される。住民を代表して地域としての意見を反映させる議員がいなくなることにより、ますます地域間格差が増大する恐れがあることを住民は不安視している。
5. 財政事情の厳しいことは、14市町村どこも同じである。交付税の特例期間である10年間は基本的には10年後に備える準備期間として捉えることができることから、議員の定数特例の期間を7年強とすることは決して理不尽なことではない。
6. 特例期間終了後は新市の議員定数は条例改正により38人となるものと考えるが、特例期間中の48人と比較すると、年間8千万円程度であるが住民としては負担の増よりも議員の確保を優先して欲しいと望んでいる。


市町村合併問題、十分な説明と住民の意思確認を
 小苗代の佐藤直彦さんの請願、吉川町議会で全会一致で採択。柿崎、頚城村でも住民が同趣旨の請願提出

 吉川町小苗代の佐藤直彦さんから町議会に出されていた「市町村合併について町民に対する十分な説明と町民の意思確認を求める請願」は、18日全会一致で採択されました。

 この請願で佐藤さんは、「(現在進められている合併協議の)内容が私たち町民に十分伝わってきません。このままでは、将来に大きな不安を感じますので、十分な説明をお願いします。 また、私たち町民にもいろいろな意見や提案がありますので、まちづくり基本条例にもとづいて、ぜひとも意見や意思を確認する機会をつくっていただきたい」と訴えていました。

 上越地域の14市町村で合併することについては、上越市で住民投票を求める直接請求の取り組みがはじまる見込みで、となりの柿崎町や頸城村でも佐藤さんの請願とほぼ同じ趣旨の請願が提出されています。

 請願採択を受けて、どのようにして十分な説明をするか、どんな形で合併についての町民の意思を確認していくか注目されます。

 柿崎町、吉川町、頚城村の住民が議会に提出した請願の内容は以下のとおりです。

【柿崎町】

請願のタイトル  

 市町村合併の可否について町民の意思の確認を求める請願書

請願者 

 柿崎町大字芋島  仙田幸造さん。

請願の趣旨
 
 市町村合併の可否については、廃置分合などの合併議案を議決する前に、柿崎町の全有権者を対象にして町民の意思を確認するようにしていただきたい。

請願の理由

 柿崎町は、上越市を中心とする1市13町村で構成する合併協議会において、上越市への編入合併を協議しております。合併の可否については、町議会で決定することが決められています。しかし、市町村合併はまさに市町村の存立そのものに関わる重要な事項であるとともに、将来にわたって町民生活に重大な影響を与えるものであり、町民自身の意思が最も尊重されるべきだと考えるものです。

 率直に言いまして、合併によって町民の生活がどうなるのか、十分な情報が提供されていません。町は合併後の町民のくらし、福祉、教育などがどうなるのか明らかにするとともに、合併の可否について町民との十分な時間をかけた協議をおこなうべきです。そのうえで、最終決定にあたっては町民の意思が最大限尊重されなければなりません。

 市町村合併の可否については、廃置分合などの合併案件を議決する前に、柿崎町の全有権者を対象にして町民の意思を確認する取り組みをおこない、その結果を最大限尊重することこそが、「地方自治」の本旨にも適合すると考えます。

【吉川町】
 
請願のタイトル 

 市町村合併について町民に対する十分な説明と町民の意思確認を求める請願書

請願者

 吉川町大字小苗代  佐藤直彦さん。

請願の趣旨

 市町村合併について、町民に対して十分な説明をお願いします。また、町民の意思を確認してください。

請願の理由

 吉川町では十月からまちづくり基本条例が施行されまして、町の様々な情報がいままで以上に公開され、住民参加もすすむものと喜んでおります。

 ところが、現在、上越地域十四市町村で合併協議がおこなわれていますけれども、その内容が私たち町民に十分伝わってきません。このままでは、将来に大きな不安を感じますので、十分な説明をお願いします。

  また、私たち町民にもいろいろな意見や提案がありますので、まちづくり基本条例にもとづいて、ぜひとも意見や意思を確認する機会をつくっていただきたいと思います。

【頚城村】

請願のタイトル

 市町村合併について町民に対する十分な説明と村民の意思確認を求める請願書

請願者

 頚城村大字上吉新田  渡辺吉造さん。

請願の趣旨

 14市町村合併について、法定協議会でかなり議論が進められてきていると思いますが、その後、村民に対し十分な説明がされていませんので、ぜひその場を設けて頂きたい。併せて14市町村合併の可否について頚城村の全有権者を対象にして村民の意志を確認できる方法を考えていただきたい。

請願の理由

 頚城村は、上越市を中心とする14市町村合併法定協議会に加わり、その後かなり合併内容が明らかになってきていると思います。合併の可否については、最終的には村議会で決定されますが、その前に以下のような方法を講じて頂きたいと思います。

 法定協協議会でどの様な14市町村合併の内容が明らかになってきたのか、住民懇談会(五地区位)等、議会・行政側で住民に対し十分説明の機会を講じていただきたい。

 上越市への編入合併であるが故に、どうしても上越市側の意向に沿う形で進められがちと思われるので頸北4町村の協議の場を設けて、合併後、禍根を残さない合併だったと村民が納得出来るよう法定協議会にのぞんでほしい。

 最終決定にあたっては、頚城村の全有権者を対象に村民の意思が最大限尊重される住民投票等の方法を講じることこそが地方自治の本旨にも適合すると考えます。


電算システム統合は重要課題、合併協議項目に加えるべきだ

 11月20日、上越地域合併協議会事務局は、14市町村の合併にともなう電算システムの統合にあたり、約17億円の経費が必要で、作業には1年近くかかることを明らかにしました。これは合併協議会が委託した業者の中間報告にもとづくものです。

 同報告によれば、関係市町村の電算システム統合は「上越市の稼動システムに各町村のデータを取り組むことを基本とする」としています。ところが、こうした方針を協議会で協議し、確認するようにはなっていません。また、どこがどんな形で発注するのか、経費をどう分担するのかについても、合併協議会幹部は、合併協議会での審議にゆだねる考えはなく、事務レベルでの調整ですませようとしています。

 17日と18日、私はは、この問題を取り上げ、町側の考えをただしました。質疑の中で、@関係市町村の担当課長会議で、関連事業費の負担割合、発注の仕方について話し合っているが、いつまでに結論を出すか決めていないこと、Aいつ発注するのがいいのか、慎重な検討をしていないこと、B事実上、合併の正式決定となる廃置分合議決前に、発注した場合、途中で協議会から離脱することのなった自治体は、それまでにかかった経費(その自治体負担分のうち)を負担しなければならないこと、などが明らかになりました。  全国の多くの合併協議会で、電算システムの統合を合併協議の項目として位置づけ、審議しています。上越地域合併協議会でも、重要な課題であることがはっきりしたいま、電算システム統合についても第1回合併協議会で確認した21の協議項目に加えて審議していくべきでしょう。

 私のこうした提起にこたえて、町側は合併協議会幹事会などで、電算システム統合を協議項目の1つに加えることを提案することを約束しました。

 なお、町側は、野呂議員の質問に答え、消防団に関しても協議項目に加える提案をしていくと言明しています。

「イラクへの自衛隊派遣延期せよ」と町議会が意見書提出

 吉川町議会は18日、「イラク復興支援に基づく自衛隊派遣の延期を求める意見書」を採択しました。全会一致でした。

 この意見書では、
1 終わりのない戦地と化したイラク現地へ、政府が検討している自衛隊派遣の計画を延期すること。
2 世界平和を願う我が国は、医療・医療器具や生活  必需物質の援助のほか、国連機構の中での技術供与  など、真の人道支援に重点化すること。  の2つを求めています。

「非核平和の町宣言」にふさわしくイラク派兵に反対を
  私の一般質問大要


 12月定例議会が17日から2日間の予定ではじまりました。一般質問には、野呂、高橋、加藤、橋爪、煤田、五十嵐の6議員が登壇、市町村合併や農業政策などの問題で町側の見解をただしました。

いま、全国民が最も心配しているイラクへの自衛隊派兵問題では、平和を願う思いを語り、政府に慎重な対応を求める声が相次ぎました。以下は、橋爪議員の質問の大要です。

【橋爪】私は、生まれてから今日に至るまでの間、一番幸せであり、誇りにも思ってきたことは、日本が戦争をしないことでした。それが今回の自衛隊派遣計画決定のよって危うくなってまいりました。「戦争をしない国」から「戦争をする国」への歴史的転換を決めた2003年12月9日という日、私はこの日を一生覚えておきたい。当町では、1986年(昭和61年)の9月議会で「非核平和の町宣言」をおこなっています。ぜひ、町長からも憲法と「非核平和の町宣言」に基づきイラク派兵中止を求める意見書を提出していただきたい。

【角張町長】いま、イラクの惨事に対し望むことは、一日も早い治安回復と、人道的復興であり、そのための日本における責務は何かを考え、外交努力は勿論のこと、一日も早い復興を願うものです。イラク派兵中止を求める意見書の提出につきましては、議会の皆様並びに町村会等関係機関の動向を見極めながら、検討してまいりたい。

【橋爪】もう一歩踏み込んだ答弁をいただけませんか。今年、「戦争体験集」を発行していただきましたが、書かれた人たちは、二度と戦争してほしくない、との思いで様々な体験をつづられております。「非核平和の町宣言」にふさわしい取り組みでした。今回のイラク問題も、こうした願いに応え、派兵中止を求めるべきです。

合併協議は住民不在、もっと住民の声を反映させるべき

【橋爪】この間の合併協議の特徴は、対等、平等の精神が後退し、編入する側の論理が強まっていること、合併協議会にみられるように、発言は一部しかなく、全体で自由に伸び伸びと議論する形になっていないこと、そしてもう1つ、住民不在といっていいほど、合併協議に住民の声が反映されずに進行していることであります。これまでの地域でのまちづくりを最大限生かし、新市全体がまとまり輝く。こうした新しいまちづくりは、いまのような形の協議、話し合いからは生まれてきません。

【角張町長】上越地域合併協議会で発言される委員の方は、ごく一部に限られております。今後、設置されてある小委員会の運営の活用を考慮し、小委員会の中でも議論が広がるよう協議に臨んでまいりたいと思います。各種資料につきましては、現在14市町村が共有していますが、上越市の資料の先行開示については、慎重なる意見を申し上げているところであります。木浦会長が協議会の場で表明している「合併の方式は編入であっても、気持ちは新設とし、対等平等の立場で合併協議を行うという立場に変わりはない」という言葉を信じてまいりたい。住民説明会につきましては、事務事業の調整が終了し、新市建設計画が確定した段階、つまり新市の姿が決まり次第、廃置分合議決前に開催したいと思っております。

【橋爪】合併に関する情報は14市町村で共有することはもちろんだが、住民との共有も大事。いまの情報提供の仕方ではよく分からない。もっとよく分かる、正確な情報を伝え、新市の姿が決まるもっと前の段階で、町民の意見や提案を聞く。そういう風にしていただきたい。

【角張町長】(新市建設計画が決まる)もう少しまえの段階での住民懇談会は検討させていただきます。
(12月19日)


合併協議はもっと民主的に」「住民との情報共有ができていない」
頸北5町村の議員有志が集まり、合併問題で協議

 市町村合併について情報交換し、住民の意思を確認する流れをつくろうと開催した頸北議員懇談会。8日の夜、大潟町役場会議室を会場に開催されました。

 集まったのは、頸北5町村の15人の議員。懇談会では、参加議員がそれぞれ自己紹介したあと、現在進められている合併協議と各町村の取り組みについて情報交換しました。このなかでは、「議員の定数及び任期の問題で典型的に見られるように、合併協議の仕方が民主的でない」とか、「合併協議会がスタートしたのに、住民への口頭説明をやっているところがないなど、住民との情報の共有ができていない」などの指摘がありました。また、この懇談会の呼びかけのメインだった住民投票については、大潟町の条例制定の取り組み経過が報告され、今後どうしたら実現できるか、意見交換しましたが、時間がなく、次回、合併協議の諸問題のなかで深めていくことになりました。

 懇談会には、上越市議会に「合併の賛否を問う住民投票の実施を」という請願をだした会の代表・高野誠さんも駆けつけ、今回の請願に至るまでの経過や合併にたいする思いを語っていただきました。高野さんの勇気ある行動に続く人が頸北の地でも登場してくれれば、と思います。

 今回の懇談会は、けっこういい雰囲気のなかですすめられました。頸北の町村議員が合併問題で懇談するのは久しぶりのことでした。今後、この会が継続できれば、協力、共同して合併問題に向うことができるかもしれません。次回は23日、夜7時から。場所は、吉川町多目的集会場会議室です。
(12月14日)
 

町議会総文委が長野県松代町を視察

 3日、4日と町議会総務文教常任委員会で視察に出かけてきました。視察先は長野市松代町と日義村。今号では松代町についての報告です。松代町(まつしろまち)は歴史の町。戦国時代、上杉、武田が争った川中島合戦の史跡があり、真田十万石の城下町でもあります。真田邸や松代藩の文武学校もあり、その周辺は歴史と文化の香りがいっぱいです。

 同町は1966年(昭和41年)に周辺市町村とともに長野市と合併し、これまで「周辺部」として衰退の一途をたどってきました。しかし、近年、NPO法人「夢空間・松代のまちと心を育てる会」などががんばり、活発な地域おこしを展開、合併で消えた自治エネルギーを復活させたと全国から注目を集めています。同会の事務局長・香山篤美さんから約2時間、同町が合併によってどうなったか、どんな取り組みをしてきたかを学びました。

 合併前の役場職員は約100人、町議28人。合併後、職員は5分の1の20人に、議員は3人(松代に住む議員)になりました。地域要求をみんなでまとめて、市長に陳情するものの行政はなかなか動かず、遠い存在となります。町の顔だった町長がいなくなったこともまちづくりにとっては大きなマイナスとなりました。

 しかし、合併せずに残った商工会議所、それに公民館が地域づくりでがんばり、近年、その活動が実を結びます。観光客は年間約30万人集まるほどになりました。香山さんの所属する「夢空間・松代のまちと心を育てる会」は、商工会議所内のまちづくり委員会の主要メンバーが呼びかけてつくったもの。従来の団体長を集める方式ではなく、市民一人ひとりが主体的に参加する方式でやったところ、中高年の男性だけでなく、若い世代、女性も参加するまちづくりの活動体に発展しました。

 興味深かったのは、住民の町にたいする意識の変化過程です。多くの住民は、自分たちの住んでいる町についてよく知りません。だから毎月、地域の歴史や文化を学習し、お寺めぐりや町屋・路地裏めぐりなどを町内外の人たちと大勢でやって松代の魅力を発見、再認識していくことを大切にしてきました。こうして自分たちの住んでいるところに誇りを持ち、「松代は素晴らしい」という人たちが増えていったということでした。

 こうしたなかで人力車を走らせるグループの誕生にはじまり、町屋、武家屋敷、お寺など松代を丸ごと博物館にする取り組みへとまちづくりが発展していきました。最近では、高校生たちがデザインし、お寺めぐりのスタンプをつくる、女性グループが美術愛好家たちの協力をえて「松代カルタ」をつくっているという取り組みもはじまっています。

 視察後、委員の間で話題となったのは、役場、農協、商工会などの組織の大切さと「自分たちの住んでいる町の魅力をよく知らない」という事実です。「商工会の合併の話が出ているが、なんとしても守らなければ」「もっと足元をしっかり見つめなければいけないね」などの声があがっていました。
(12月8日)

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