おはようございます。今朝は寒いと思ったら、やはり雪が降り始めていました。すでに2㌢ほど積もりました。山間部はブルが出たことと思います。写真はわが家の前です。
昨日は農政建設常任委員会でした。高田公園のトイレには車イスの人が利用できないところや入り口に段差があるところがあります。委員会で私は、この問題をとりあげ、質問しました。
私は、一昨日の厚生常任委員会において、上越市心身障害者福祉団体連合会のみなさんの陳情が全会一致で採択されたことを紹介、「陳情で最初にとりあげられたのが高田公園のトイレだ。上越の観光の顔、シンボルである高田公園においてトイレのバリアフリー化が十分されていないということだった。すでに市長にも申し入れがされ、みなさんは着々とやっておられることと思うが、どういう状況になっているか」と質問しました。これに対して都市整備部の波塚参事は、「整備計画に基づき、トイレについてもできるところからやっていきたい」と答えました。
私は、「陳情者はいっときも早くという思いで市長や議長に陳情している。いつごろまでにバリアフリーとなるのか」と再質問しました。波塚参事は、「順次換えさせていただきたいと思っている。トイレ改修の年次計画を持っているわけではないので、みなさん方の要望をお聴きし、優先順位を判断しながら、できるところからやっていきたい」とのべました。
今後、高田公園だけでなく、市内の公園トイレ全体の現状を調べ、改修を求めていきたいと思います。
午後2時半からは第7回信越県境地域づくり交流会でした。
博物館や美術館、水族館などはたまに行って展示物を見るところと思っていたら大間違い。そこには地域の宝物が、場合によっては世界の宝物がある。私たちの身近にあって、地域づくりにつながっていく。いま、私たちが未来のために何をなすべきかも見えてくる。それがミュージアム。昨日の信越県境地域づくり交流会に参加して、私の見方が大きく変わりました。
「博物館は名刺のようなもの、自分たちのふるさとを語るときの使える材料になっているべきだ。博物館は自己認識、自分探しの場。過去の人類の歩みを確認し、未来を考える場」「歴史を変えていくのは有名人だけではなくて、日常的な部分で努力している人はいろんな意味で社会を変えていく」と訴えたのは基調講演をした長野県立歴史館の笹本正治館長です。ある人に「笹本さんの話からは感動をもらえますよ」と言われていたのですが、その通りでした。
信越県境の地域にある博物館などはじつにさまざまです。昨日のトークセッションに参加した野尻湖ナウマンゾウ博物館長・近藤洋一さん、水野美術館学芸員の高田紫帆さん、十日町情報館主査の高橋由美子さん、上越市立水族博物館「うみがたり」館長の櫻健太郎さんの話がまた面白く、惹きつけられました。
まずは近藤さんの話。長年にわたり野尻湖発掘を続けた人ですが、「ナウマン象は日本で重要な化石。掘っていけば4万年、5万年の歴史がわかる。どんな場所にも歴史の痕跡があって、足元に重要な学ぶべきものがある」と言われました。ちなみに野尻湖の発掘で化石発見第1号はナウマンゾウの大腿骨で、発見者は上越市の中学生だった(当時)と言うことでした。
続いて「信州を代表する美術館・水野美術館」(笹本正治さん)の高田さん。仙台市出身ですが、「いつのまにか長野にずくずくしている(方言?)」と言います。水野美術館は日本画を専門に展示する美術館です。日本庭園があり、しだれ桜と紅葉がきれい、それに館内には畳を敷いた空間もある。それだけでも行ってみたくなりますが、お薦めはコレクション展だということでした。「毎回、同じ作品でも違う切り口で紹介している」そうですので、学芸員としての高田さんの作品紹介、これは現地でお聴きしたいものだと思いました。
十日町情報館の高橋さん。老齢になっても読書を諦めない。良書を読む人たちが多い。高齢化を盛んに言うが、大事なことを高齢の人を巻き込んだ地域づくりだ。この視点にはハッとさせられました。「100冊の本を読むのか、1冊の大事な心の友を得るのか」という問いかけも新鮮でした。市民に参加してもらって写真整理を行い、「地域映像アーカイブ」を構築する、大量の蔵書に囲まれた図書館の広い空間で夜、コンサートや講演会もやる。うーん、ここも一度、行ってみたくなりました。
地元、「うみがたり」館長の櫻さん。櫻さんも仙台市出身。1年間の入館者目標を半年で実現したことで注目されていますが、私が一番惹きつけられたのは、「何度も見てもらいたいのは成長する姿だ。生き物もそうだし、施設もそうだし、われわれスタッフもそうだ」という発言でした。こういう姿勢で水族館運営にあたっているということを聞いて、正直うれしくなりました。それともう一つ、「うみがたり」から見た夕陽の映像、最高でしたね。
トークセッションでは、進行役がパネリストの発言を促したり、誘導したりしてテーマに迫っていくことに成功すると心に残ります。昨日の笹本正治さんの進行は見事でした。例えば、「博物館などが地域づくりに提供できるものは何ですか」という問いかけに「うみがたり」館長の櫻さんは、「淡水魚の展示コーナーは地味で苦労しているが、上越には絶滅しそうな生き物がけっこういる」と紹介しました。これに笹本さんが、「淡水魚の世界がなくて、もっとその背後にある森の豊かさがなくて、海が豊かになるわけがない。そういう意味では、そこをしっかり展示してくれることが、私たちの故郷を見つめ直す大きな力になる」とコメントしました。私は富山和子の「森は生きている」「海は生きている」の世界を思い出しました。
このほか、昨日は、近藤さんなど4人の報告に、美しい日本語で新鮮なコメントを寄せた国際日本文化研究センターのキャロリン・ワグーラさんの発言にも感動しました。全体として、地域づくりの大事な視点、ポイントをいくつも学ぶことができました。参加して良かったです。
きょうはこれから直江津に行きます。