昨晩の高田区地域協議会でのことです。いったい市役所の人たちは何をしに来たんだろうと不思議に思いました。(仮称)厚生産業会館基本構想案について、高田区地域協議会の人たちに、「これまで長期間にわたり議論していただきありがとうございました」というお礼の言葉もなく、「どのように構想を直したら了承していただけるのでしょうか。今夜はみなさんの声をお聴きにまいりました」という言葉もない。あったのは、同地域協議会が提出した不適当答申に添えられた意見に対する市の通知書を「丁寧に説明」することだけだったのです。
市は(仮称)厚生産業会館を高田公園内に設置するという基本構想案を9月に同協議会に諮問。それに対して協議会は、10月30日、「建設は時期尚早」「ホール施設、公民館、子ども施設の複合型施設にするのは不適当」などの意見を付して「基本構想案は不適当」との答申を出していました。市の通知書は、協議会が提出した(仮称)厚生産業会館基本構想案についての答申に対する市の考えをまとめたものです。12月議会で市長は、不適当との答申に対して、「市の考えを丁寧に説明するとともに、広く市民の声を聴くためにパブリックコメントを実施していく」とのべていました。
昨晩は小林都市整備部長が通知書の中身について説明したのち、地域協議会の委員から質問や意見表明がありました。委員からは、「何が何でも造るという感じがした。どうしても金を使いたいなら、収入を得ることを先に考えたらどうか」「私たちが出したものが何一つ入らない、当初計画そのものでパブコメに出していいのか。ちっとや変えなさいよ」「案でいくと陸上競技場のメインスタンドの拡張はほぼ不可能となると指摘しておいた。どんな検討をしたか。関係団体と相談したか」「駐車場は公園内全体でみれば大丈夫だという考えは疑問だ」などという声が続出しました。部長などが答弁していましたが、市の方針に理解し、推進すべきだとのべたのは整備検討委員会の委員を務めたTさんだけ、委員全体の理解を得るには程遠い状態でした。
市は(仮称)厚生産業会館基本構想案についてのパブリックコメントを20日から来月の25日までの期間のなかで実施するとしています。しかし、地元の地域協議会の答申を事実上、尊重しないで強引に前に進めるのはいかがなものでしょうか。これでは、全国の多くの自治体から先進的だとして評価されてきた地域協議会の仕組みも台無しです。それといまひとつ、市の幹部は、「建設を望む声は多い」としていますが、新市建設計画の変更に関する地域協議会での議論の中では、今の時期に建設することについて疑問の声がたくさん出ていました。市長に対する評価にも大きな影響を与えること必至です。