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「柏崎刈羽原発再稼働反対」請願、平良木議員の賛成討論

 午前中に行われた「柏崎刈羽原発の再稼働を認めないよう求める請願」に関する討論には、日本共産党議員団から平良木哲也議員が立ちました。賛成討論は中川議員も行いました。しかし、反対討論はなし。請願審査を行った総務常任委員会で「意見表明」したから討論しないと言うのかも知れませんが、本会議で「なぜ反対なのか」を明らかにすべきだったと思います。

 以下は平良木議員の討論です。

 私は、日本共産党議員団を代表して、請願第6号「柏崎刈羽原発の再稼働を認めないよう求める請願」に関して賛成の立場で討論を行います。
 福島第一原子力発電所の重大な事故では、いまだに6万を超える方が県外での不自由な避難生活を強いられているほか、いまだに放射能に怯えながら福島県内で生活している人々が大勢おられ、そのご苦労は察するにあまりあります。これらの方々は、故郷を奪われ、住まいや財産をも奪われ、そのうえ放射能による被曝と、将来の生命や健康まで脅かされているのです。
 このような悲惨な事故は二度と起こしてはなりません。しかし、福島第一原発事故では、放射能がいまだに拡散しており、事故の完全収束には至っていないほか、原因究明にもほど遠い状況です。
 ところが、こうした状況にも関わらず、政府は柏崎刈羽原発を2013年度中に再稼働させることを含む東京電力の再建計画を認定しました。これを受けて東京電力は企業再建のために、同原発の再稼働ありきで準備を進めています。
 こうした暴挙はとうてい許されるものではありません。
 そもそも原子力発電所の事故は、ひとたび放射性物資が大量に放出されると、その被害が空間的にも、時間的にも、社会的にも限定なしに広がり続け、人類は、それを防止する手段を持っていません。また、福島原発事故で大気中に放出された「死の灰」は、原子炉内総量の1割程度で、放射性ヨウ素やセシウムなどは1~2%に過ぎないと言われており、もっと大量に放出される事故も想定されます。まして、福島第一原発の1.8倍で、世界一の規模である柏崎刈羽原発では、ひとたび過酷事故が起こると、その被害は計り知れません。
 そして、その想定はきわめて現実的です。現に中越沖地震では、甚大な被害を受け大事故寸前になりました。大事故に至らなかったのは、たまたま偶然にことなきを得たにすぎません。また、柏崎刈羽原発の周辺には活断層が存在し、大規模な地震が繰り返し起こることも指摘されています。
 さらに、原子力発電所は、その稼働を続ける限り、処理する方法のない「核のゴミ」が増え続けます。核のゴミと言われる使用済み核燃料を安全に処理する技術はありません。すでに日本の原発からは2万4千トンもの使用済み核燃料が発生しており、再稼働すれば、プールは数年で満杯になることが明らかになっています。
 逆に、この夏は、大飯原発の再稼働を強行した関西電力管内を含めて、「原発なしで猛暑の夏を乗り切る」ことができることが実証されました。電力に心配はないのです。
 また、原発の再稼働をやめる決断をすることによって、年間4500億円にも上る原子力予算を再生可能エネルギーの研究開発や利活用に振り向けることができ、二酸化炭素の排出削減も進めることができるのです。
 一部に、代替エネルギーの解決策や雇用の問題もあり、原発の再稼働反対は、無責任な議論だという意見もあるようです。しかし、重大事故で命や財産を根こそぎ奪われては、代替エネルギーや雇用どころではありません。目先の経済に目を奪われて、命に関わる危険性をそのままにすることの方が無責任なのではないでしょうか。
 また、代替エネルギーの解決策ですが、今後再生可能エネルギーに本気で取り組めば、現在計画されている原発の再稼働とさして変わらない費用で解決でき、その後のランニングコストは原発どころか、通常の化石燃料よりもずっと定額で運用できることが、ドイツなどの例が証明しています。
 雇用の問題も、原発の廃炉にむけた作業に20年以上の期間がかかることや、その費用として5兆円にものぼる原発埋蔵金があることなどから、すでに解決策は準備されています。
 なお、以上述べたことのほか、柏崎刈羽原発には、市民団体も指摘している固有の問題もあります。その一つは、中越沖地震によるダメージが加わった配管や原子炉が、次に起きる地震に耐えることができず、重大な過酷事故を起こし、福島原発以上の大惨事になることが予想されることです。また、二つ目には、周辺の地盤が非常に軟弱であり、中越地震では想定をはるかに超えて大きな被害を受けた点です。今でも原発の構造上不備があることが指摘されています。
 加えて、同原発を管理する東京電力は、たび重なる事故隠しやデータ改ざんを繰り返すなど、管理能力が根本的に欠けている点も指摘されています。
 こうしたことから、柏崎刈羽原発の再稼働は、市民、県民の命と暮らしを守るためにはとうてい許すことができません。
 この願いは、すでに多くの市民共有のものとなっており、このたび請願を出された市民団体が請願とともに携えてこられた市民署名が、19127筆にものぼっていることが、そのことを物語っています。
 したがって、この度の請願は、きわめて妥当なものであり、市議会としても諸手を挙げて採択すべきものと考えます。
 以上、市民の思いを真っ向から受け止めて、原発再稼働をなんとしても許さないとの決意を込めて、賛成討論といたします。

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2012年12月17日 12:45に投稿されたエントリーのページです。

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