昨日の総務常任委員会報告の続きです。委員会では付託された一般会計補正予算などの議案審査の他、所管事務調査として「将来的な行政組織の再構築に向けた総合事務所の在り方について」及び「自治基本条例の検証について」が調査されました。このうち、「総合事務所の在り方」についての調査状況をお知らせします。
行政側が昨日、新たに示したものは、産業建設グループ業務の集約に関連した組織体制及び職員配置です。次長の専任化等による業務管理とサービス確保、集約先の総合事務所においては専門性と組織的対応力の強化、木田庁舎にあっては、自治・地域振興課内へ(仮称)産業建設室を設け、専任の職員を置き対応することなどです。
今回、市が示した方針について、私からはまず、「産業建設グループがいなくなる総合事務所においては、(道路、農業、観光などの)産業建設グループ関連の照会、相談、書類の受理などは総務地域振興グループ内に概ね3人の専任の担当職員を置くとしているが、この人たちはもっぱら産業建設グループ関係の仕事をすることになるのか」「次長が農業委員会駐在室の職員を指揮監督するようになっているが、次長も農業委員会職員となるのか」と尋ねました。これに対して岩野人事課長は、「相談窓口に置く職員は専任という位置付けだが、状況に応じては総務・地域振興グループの業務もやってもらう」「次長は農業委員会駐在室長を併任する」と答えました。
木田庁舎に集約されるところについては、「(農林水産部など3つの部)に集約される頸城区、三和区、名立区の職員は繁忙期に元の総合事務所にちゃんと戻って仕事ができるのか」「木田庁舎に集約される場合、関係する部の中に各区担当を置くとなっているが、その必要がある課と必要がない課がある。どう整理しているか」「(仮称)産業建設室の体制、どういう時にどういう役割をするのか、指揮監督はどうなるのか」などを問いました。岩野課長は、「繁忙期には各区担当だけでは足りないこともある。その場合は、状況に応じて関係課の事業担当を一定数派遣することになる」「すべての課に各区担当がいるとは思っていない。早急に詰めていきたい」「頸城など3区の市民から木田庁舎に直接お尋ねになることもあろうかと思っている。その場合、どの課に行っていただくかなどを考慮している。関係課につなぐだけではなく、その処理の進行管理をしていく。人数は室長を含め4人を想定している」と回答しました。
最後に市側に訊いたのは来春の人事異動についてです。「職員はどこへ行っても地域に熟知してもらわなければならないが、来春の人事異動では平成23年度、24年度のように区在住職員を極端に減らすことのないようにしてもらいたいが、どうか」との私の質問に、土橋総務管理部長は、「(地域を熟知した職員配置については)基本は内部の職員教育で対応してまいりたい。ただ現実的には、いまでも一定の地域在住者を置くなど配慮している。その辺は現状を基本に考えてまいりたい」と答えました。
他の委員からは、「(仮称)産業建設室を提案しているが二重組織になっているのではないか。なぜ必要なのかわからない。地域協議会に下ろしていくと反発が出ると思う」「平成25年度の職員については、できるだけ減らすことなく、検証結果に基づいて人数を決めてほしい」「(人事異動については)この2年間のやり方はバランスを欠いた急激なやり方だった。これが現実に、住民の不安や不満を持つことにつながった」「(今回の提案は)一見して組織が複雑でわずらわしくなったと感じた。何でここまで複雑にしなければならないのか」などの質問や意見が出されました。
市側が今回示した方針の概要は以下の通りです。
まず、①すべての総合事務所において、次長を専任化し、産業建設グループ関連業務の対応状況などの進行管理及び全体的な指揮・監督を担わせる。また、総務・地域振興グループ長も専任化し、地域振興の推進体制を強化する。
②集約先の総合事務所においては、現行の産業建設グループを産業グループと建設グループに分離して設置し、専門性を高める。さらに産業グループは、農政班と産業観光班により構成する。建設グループは、整備班と管理班により構成する。それぞれのグループの各班に各区担当の職員を配置し、日常業務を展開する。
③集約先以外の総合事務所については、現行の産業建設グループの関係業務に係る照会・相談、書類の受理などの業務は、総務・地域振興グループが担うこととし、専任のグループ長を置くとともに、専任の担当職員を概ね3人を増員配置する。総務・地域振興グループには専任のグループ長を置き、次長の指揮・監督の下で産業建設グループの窓口関連業務を統括する。
④集約先の木田庁舎については、関係総合事務所から集約する人員を、木田庁舎の関係課等(産業観光部・農林水産部・都市整備部の各課及び農業委員会事務局)に配置する。関係する区を担当する職員を明確にするとともに、職員間の相互連携及び支援の態勢を整え、弾力的な対応を図る。組織横断的に対応するため、自治・地域振興課内へ新たに室(仮称は産業建設室)を設け、専任の職員を置き対応する。
このほか、予算、入札の管理についてはこれまでとは違ったやり方をすることが示されました。予算要求及び執行管理は、原則として、集約先の総合事務所及び集約先の木田庁舎が一括管理することとし、これまで木田庁舎で集中管理していた予算のうち、可能なものは集約先の総合事務所へ配当する。入札事務は、電子入札の対象案件の拡大に伴い、全て木田庁舎(契約課)で執行する。ただし、業者選定は、従来どおり各総合事務所と協議して決定するという方針が明らかにされました。