毎年1回開かれている上越市議会と長野市議会の交流会が昨日、行われました。昨日は直江津の学びの交流館で高田瞽女の文化を保存・発信する会の市川信夫さんを講師に瞽女のことを中心に語っていただきました。私たちの手元には高田に関する資料が配布され、市川さんの講演の途中、ドキュメント映画「瞽女さんの唄が聞こえる」が放映されたこともあって、私としては越後高田を見直すとてもいい研修会になりました。
講演の前に受講者の机の上に配られた資料の中に、たぶん、季刊雑誌「直江の津」に掲載されたものだと思いますが、上越市教育委員会の中西聡さんが書かれた、「『高田』のまちにこめた祈り」がありました。この文章で、高田城築城や寺町に関する考察がじつにおもしろい内容でありました。高田築城にあたっては、防衛とか交通の面から位置が定められたものではなく、新しい城の位置の吉凶を占い、福島城の真南に移動した。そして、占いに従ったのは高田城が軍事目的ではなく、戦のない平和な城下をめざしたものではないかというものです。これが単なる推測ではなく、地図との格闘、古文書資料の分析の中から導き出したものだけに説得力があります。ここでは書きませんが、寺町の位置の考察も参考になりました。
市川信夫さんの講演は初めて聴きました。瞽女さんについての研究は地道なもので、市川さん自身は「学校の先生」「研究者」といったイメージが強かったのですが、昨日の講演を聴いて、こんなにも庶民的な方だとは思いませんでした。市川さんが映画「ふみ子の海」に出演した時、俳優の高橋恵子さんから背中をさすってもらった。あの時、「これまで生きていて良かったと感じた」というエピソードの紹介で、ますます市川さんが好きになりました。講演や映画「瞽女さんの唄が聞こえる」で、懐かしい風景や話が次々と出ました。高田の雁木や町屋などの魅力がいっぱい出てきたと思います。高田を見直すいい研修会となりました。
研修会が終わってからの交流会では、上杉おもてなし武将隊のみなさんが力強い演武を披露してくれました。また、議員にクイズを出して、当たると塩をプレゼントする。なかなか面白い企画で会場を沸かせました。昨日の交流会を準備してくださったのは議会事務局のみなさんかと思いますが、これまでの交流会の中でも一番良かったです。感謝します。長野市議会の日本共産党議員の野々村さんや小林さんなどとも交流できました。