上越市は昨年の6月から入札にあたって予定価格を事前公表から事後公表に切り替えました。その結果、昨年度の落札率は前年度の90.48%から一気に94.4%に跳ね上がったことが明らかになりました。これは昨日の総務常任委員会で私の質問に答える中で市側が明らかにしたものです。
委員会で私が問題にしたのは、市側が、「予定価格の事後公表として、入札の競争性・透明性のさらなる確保を図った」として事後公表を評価したからです。しかし、入札結果を見る限り、入札に参加した業者の高値落札を促しただけで、競争性や透明性が高まったとはとても言えません。
私の質問に答えて市側は、入札の競争性が「高まった」ことを示しているとして、「事後公表後、入札が複数回に及ぶケースが増えた」ことも明らかにしました。2010年度、2回以上の複数回入札および入札が不調に終わったケースは7件、1%(入札総数644件)でした。それが昨年度は、116件、19.5%(同592件)にもなったというのです。しかし、再入札が増えたことをもって競争性が確保されたというには無理がありますし、公正な入札であったかも疑問です。実際、再入札になったケースでは「談合の状況証拠」だといわれている一位不動がいくつも見られるからです。
予定価格を事前公表から事後公表に切り替えることを促したのは建設業界であり、全国の都道府県に通知まで出した総務省・国土交通省です。入札制度はいま、曲がり角に来ています。ここら辺で、いま一度、公正、競争性のある入札制度改革についてしっかりと議論していく必要があります。