市議会の中山間地対策特別委員会のメンバーと地域づくり推進員、中山間地域元気な農業づくり推進員、市役所の担当職員が集まって、意見交換会を開催しました。テーマはもちろん、上越市の中山間地対策をどう進めるかです。
最初に9人の推進員さんたちから活動報告をしてもらいました。まずは、顔と名前を覚えてもらうためにいろんな努力をしておられるんですね。各戸まわりだけでなく、イベント、集会に顔を出す、一緒に草刈りをする、「仕事のじゃまをしながら」見守りをする、「たっしゃかね」という便りを作って配布する、推進員さんは、それぞれの持ち味を出しながら一生懸命でした。なかには、「なかなか話に乗ってもらえない」ケースもあったといいます。でも、顔を覚えてもらう努力の効果は出ます。集落づくり推進員については正式スタートから一年以上が経過し、さすがに「何者かという声はなくなった」そうです。
実際の仕事の内容はじつに様々でした。「簡易水道が壊れたので、地域の人たちと一緒になって直した」「助成金の手続きを手伝った」「お年寄りたちがバス待ちのため、2時間もボーッとしているというので、バス停まで行って、バスを待ち、バスに乗ってみた」「町内会長さんの協力を得て、集落アンケートを実施。いまその結果報告をしている」「地域から出て行った人たちを対象に『摘み草御膳』を食べるイベントを計画し、取り組んだ」「古い法人組織の解散の手続きを手伝った」私が知らないことがたくさんありました。
活動をやるなかで確かな手応えを感じ、さらに意欲を持って前に進んでいる人たちが何人もいました。「回っている集落だけでなく、(周辺を含む)地域全体を何とかしなくてはいけないと、盆踊りの復活に取り組んでいる」「集落は人が出入りすると活気づく。『こけ』を売り物にできないかと思っている」「母ちゃんたちはどんどん話をしてくるが、こちらは持たない。それでチームを作って一緒にまわることにした」「どこの集落を見るにしても女性の目が大事だ」次々と出される情報、考えに惹きつけられました。
意見交換で議論の対象にしたのは、①空き家、廃屋対策、②除雪、③地域おこし協力隊、④女性の視点、⑤人材確保、⑥本当に必要な支援は何か、の6項目でした。時間の関係で全部をやれずに終わってしまいましたが、賑やかになったものがいくつかあります。
その一つは、「地域おこし協力隊の導入について」です。「協力隊といっても受け入れ体制が重要だ。マネジメントと事務力が求められる」「単なる数値で網をかけるのではなく、手上げ方式でやるべきだ」など発言が相次ぎました。また、「本当に必要な支援は何か」についても活発な発言が続きました。「一番困っているのは冬季間の雪の問題だ。除雪支援は要援護者だけでなく、集落全体、集落ぐるみで考えないといけない」「かつてブルを除雪と災害対応で配置したことがある。バックホーを集落に配置できないか」「若者が雪で懲りて出ていくという現実がある。雪問題を解決しないと生活できない」「大事なのは人材をどうするかだ」等。今後の委員会活動の柱を考える上でとても参考になりました。