「国民健康保険税の医療給付費分と介護納付金分と比較すると、後者の方が収納率が低い。」「上越市の介護保険料はなぜこれほど高いのか。市民の負担は妥当なのか。議会で検討してほしい」こうした陳情が上越地域高齢者協議会から議会に寄せられたのは5月のことでした。市議会は23日の厚生常任委員会でこの問題を審議しました。
行政側が提出した資料によると、医療給付費分と介護納付金分の平成22年度分の収納率を比較すると、後者の方が90.3%で医療給付金分の92.4%より2%ほど低くなっています。また、滞納世帯の割合を見ても、介護保険第2号被保険者の属する世帯(滞納世帯割合12.0%)の方が属さない世帯(8.8%)よりも3.2%高くなっています。野澤健康福祉部長は「我々も相当議論してきた。いまの制度の中でもう少し状況把握が必要だという問題意識を持っている」としたものの、この原因については分析しきれていないとのべました。
滞納世帯の理由別状況(平成22年度決算)も明らかにされました。全体で2837世帯ありますが、滞納理由のトップは「意欲欠如」で51.3%、「生活困窮」や「営業不振」などの経済的な理由によるものは約20%でした。これについて日本共産党議員団の平良木議員が、「いまの生活を見たときに、大きな負担感があって払いきれない人まで『意欲欠如』に入れるべきではない」と主張しました。これに答えるなかで野澤部長は注目すべき答弁をしました。同部長は「『意欲欠如』という内容は丁寧に確認する必要がある。これまで収納課にお任せしてきたが、担当課の実務として、状況把握の意味でもっと踏み込むべきと思っている。20%の在り様はもう少し詰めて整理していくべきだと思っている。払えない人は払えない、払える人からは絶対いただく。その線引きを責任と自信を持ってやることから滞納対策はスタートする」と答えたのです。この答弁がどう具体化されるか注目していきたいと思います。
介護保険料についても興味深い資料が提出され、審議されました。これについては追って報告します。