大島区総合事務所の地区別懇談会が12日から始まっています。同区での地区別懇談会は合併後初めてと言います。旭地区で昨晩行われた懇談会を傍聴してきました。テーマは2012年度の大島区の主な事業、スーパーやまざくらの経営状況、大山温泉あさひ荘の現状と課題の3つ。会場には田麦、竹平を中心に約30人の人たちが参加しました。予定した時間をオーバーするほど関心は高かったですね。
私が最も関心を持っていたあさひ荘問題については西田総合事務所長が平成17年度から23年度までの入込数の動き、収支状況を説明した後、市の柴山産業観光部長が補足発言を行いました。柴山部長の発言は6月議会では聴くことがなかった情報を含んでいて、とても興味深いものでした。同部長の補足発言の大要は次の通りです。
昨日、保倉地区で説明した時、「市は6月議会では再開経費を計上すると聞いていた。しかし、あさひ荘が会社として持っていた施設設備の購入経費と浄化槽など維持管理経費合計約1400万しか計上しなかった。市として再開するという考えはどうしたのか」と質問があった。
産業観光部は観光施設としてあさひ荘をどう再開したらいいか、3月から6月議会に向けて予算提示すべく取組を進めてきた。経営形態がどうあれば後年負担が少なくてすむのか、経営主体はどなたからやってもらえば一番みなさんから利用してもらえるのか、この施設がみなさんにとってどういう施設であるべきか、こういうことを考え合わせながら、最低、日帰り入浴を何とかしたいと検討してきた。そのためにはどれくらいのコストがかかるかはじきだしたら、2800万くらい必要だとなった。
経営主体については地元の業者さんにもあたった。近隣の上越市内のいくつかの業者さんにも声掛けをしてきた。いずれもこの状況では厳しい、施設が老朽化している、引き受けても利用者は競合し合っているので増加、維持は難しい。減少を覚悟してやらなければならないという部分では、指定管理者にはなりたくないというのがほとんどだった。残された道は直営管理、日帰り入浴で維持する(ということになる)。約4万人の日帰り客がいたが、そのうち4割が地元という実態だった。
われわれがなぜ慎重になったかと言うと、市内の19施設このまま維持できるかということがある。合併に伴う交付税の特例措置がなくなる。そした時に、平成32年には市の財政状況は(このままだと)71億円の赤字になる。全体の19施設をどうしたらいいかを考えなければならない。あさひ荘はあさひ荘としての在り方を別に考えるべきだ。全体の調整の時期は確実に数年後にやってくる。数年後にはどこの施設が残るのかという話になる。早めに再開したいという気持ちはみなさんと同じだ。確かに泉質がいいので私もフアンの一人だ。すぐ直前に市全体の施設をこれからどうするかということが迫っているので、理解してほしい。よりよい形であさひ荘をどうしたいいかみなさんと協議したい。
参加者からの発言は、「市は筆頭株主として会社に対してどういう指導をしてきたのか」「なぜ、市として強硬な指導をしなかったのか」「会社が経営計画を出したら検証しなければならない。きちっとさせるのが行政ではないのか」「調理人が変わってから(経営状況が)違ってきた」「将来的な展望を持ってやらないといけない。地域がみんな参画する形をとらないといけないのではないか」「問題はこれからだ。再開まで時間がかかるとお客が逃げてしまう。ある程度、プロの人たちに入ってもらうことも必要なのでは」「経営戦略的なものを何か市から出してほしい」などです。とても活発でしたね。
地区別懇談会はこの後、大島地区、菖蒲地区でも開催されます。残念ながら、市議会総務常任委員会の視察と重なるので参加できませんが、市民の皆さんの願いをしっかり踏まえ、早期再開に向けてがんばりたいと思います。