6月定例議会の初日でした。提案された一般会計補正予算などについては、総括質疑をしないで、委員会審査で対応できる内容との判断をし登壇しませんでした。ただ、杉田議員は大島あさひ荘の運営をどうするかなど2点を問いただしました。村山市長は答弁のなかで大島あさひ荘の再開に関しては極めて慎重な姿勢を示しました。
今回の補正予算では、株式会社あさひ荘が取得した資産のうち、源泉のポンプ制御盤、空調循環ポンプ、送迎用車両など「大島あさひ荘」の施設に必要な資産を同社の破産管財人から買い取るもの経費、約1042万円(消費税込み)を計上しています。これらについては、「本来は市が整備すべきものと認められる資産」だから購入するという説明でした。
注目の大島あさひ荘の今後について市長は、「市ではこれまでの間、施設を再開する場合に想定される運営形態、運営主体などについてコスト面を含め検討をしてきた。その結果、利用者数の減少傾向が続き、飛躍的な収支の改善が困難であることや、築後30年を経過し、老朽化の著しい施設の修繕費が今後かさむ実態も明らかになって来ており、また、地元の大島区内では同施設の事業運営に意欲を持つ引き受け手が現在は見当たらないなど、短期間での施設再開は非常に厳しい状況であることがわかってきた。地元からは早期の再開を求める声があるが、このような採算性が厳しい状況の中での再開は、結果として多額の財政負担を伴うこととなり、また、周辺の類似施設との再配置の観点からも広く市民の皆さんの理解を得るうえでは課題が多い」とのべました。
また、市長は、「昨年10月、市は第4次行政改革大綱に基づく公の施設の再配置計画を決めた。平成26年度までに約1000ある施設のうち概ね1割を再配置することを目指している。そのなかで温浴施設については、直営施設を含め、総じて施設が競合しているだけでなく、全体として収益面での課題を有している。施設設備の老朽化も進んでいる。こうしたことから、施設の今後の維持、運営の検討にあたっては、5年先、10年先を見つめつつ、それぞれの地域にある施設をどうしていくべきか、地域住民や関係する皆さんと真剣な議論を積み重ねていく時期が来ていると考えている。あさひ荘についても、同施設の固有の状況を踏まえつつ、こうした考えのもとで地域の人を含め議論、検討していきたい」とも述べました。
大島区住民を中心に大島あさひ荘の再開を望む声が強く、今議会では再開に向けた積極的な方針が示されるのではとの期待もありました。しかし、今回の市長発言は行政改革大綱に基づいた対応をしていくことを繰り返すものでした。