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基幹的総合事務所の試行、4月実施を断念

 上越市はこの4月から安塚区、大島区総合事務所の産業建設グループを浦川原区総合事務所に集約して災害対策などをを進める方針でしたが、今日から始まった市議会定例会において村山市長は4月当初からの実施を断念することを表明しました。これは市民クラブの本城議員の総括質疑のなかでのことです。

 本城議員の質疑は、「総合事務所のあり方の見直しについて、市民の意見を聴きながら着実に取り組むとはどのように理解したらいいのか。市民の意見で当初の方針を断念することがありうるのか」というもので、どちらかというと、市長の方針を支持する立場から行われました。市議会のホームページで市長の答弁を繰り返し聴き、答弁をまとめてみました。

 先日、安塚、大島、浦川原の3区での「市長と市民の意見交換会」の様子にふれながら、村山市長は、次のようにのべています。「『どうしてこの地域が先なのか』『合併後はあまりいいことがなかった』などご意見が相次ぎ、対話の糸口を見いだせないまま、13区いっせいで実施すべきとの強い御意向を確認するにとどまった。現時点においては、住民の皆さんと行政との認識に隔たりが大きく、安塚区、大島区、浦川原区の皆さんの拒否感が根強い状況において、このまま4月から実施することは、何よりも大切にしなければならない地域の皆さんと行政との信頼関係を大きく損なうものになると危惧した。こうした状況を考え、まずは13区全体のブロック割やそれぞれ基幹的な事務所の設置場所などについて13区の皆さんとも一定の道付けをつけることを先行させる必要があると考えている。そのとりまとめの後、改めて具体的な実施について3区の皆さんと協議させてもらいたいと思っている。この状況の中では4月当初からの実施は難しいと考えている」。再質問でも同趣旨の発言を繰り返しました。

 村山市長は断念という言葉を使ってはいないものの、答弁は事実上、断念したものとなっています。答弁にもあるように、今回の断念は、直接的には意見交換会で関係区の市民から理解してもらえなかったことにありますが、これまで安塚、大島区地域協議会や町内会長連絡協議会などが強く反発し、運動を進めてきたこと、意見交換会後、反対署名運動が始まったことなどが大きな影響を与えました。今後については、「13区全体のブロック割やそれぞれ基幹的な事務所の設置場所などについて13区の皆さんとも一定の道付けをつけることを先行させる」とのことですが、これも簡単なことではありません。総合事務所の見直しは、その区に暮らす人たちへのサービスがいまよりも良くなり、地域の活性化につながるものでない限り、常に反対の渦に巻き込まれることでしょう。

 

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コメント (2)

ドンカズ:

ホーセ様
 総合事務所問題、上越市全体の問題として考える事は出来ないのでしょうか。13区だけの事としてとらえず、市全体の住民対策、地域発展、および総合事務所の権限強化など、本当に住民が必要な区割り施設としての検討が必要に思います。区割りの変更問題は、市全体として28地域の中を効率的変更とする事が必要に感じます。
 これを考えた時、頚城地域の成り立ちがヒントとなる様に感じます。東頚(保倉谷)・頚北(佐水、犀浜)・頚中(夷守)・頚南(物部・板倉)・高田(高田まわり)・直江津(今町)・和田・金谷・春日山・津有(大道)・諏訪、保倉(保倉)・名立、桑取(名立谷・桑取谷)等など・・。
愚案ですが・・。ドンカズ

 おっしゃるとおり、総合事務所問題は13区だけの問題ではなく、全市にかかわる問題です。そうしたなかで、13区については、各区の境界を越えて組織再編をすることには私自身、強い抵抗感があります。それそれの区の歴史と個性をふまえた、全市の均等的な発展の道が狭められてしまう気がするからです。都市内分権の枠組みは13区でいいのではないでしょうか。ただ、災害など、場合によっては各区の連携、共同が必要だとは思います。

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2012年02月28日 23:47に投稿されたエントリーのページです。

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