12月議会はきょうが最終日でした。注目されたことのひとつは副市長人事案件です。これは、12月いっぱいで副市長を退職し県庁に戻る稲荷善之氏に代わって、12月1日に辞職した山岸行則氏を副市長とすることに同意を求めるもの。記名投票の結果、賛成33、反対11で同意することになりました。写真は投票風景です。
投票に先立つ討論には5人が登壇しました。わが議員団からは上野議員が登壇し、「提案された山岸氏は、長い政治活動の中で培われたさまざまな見識を持ち、議員在職中には、議長として議会改革にも積極的に取りくまれた実績ももっている。一般論としては、議員経験者が副市長として市政に関わることはありうることだ。しかし、12月1日まで現職議員として二元代表制の一方で市長の政治執行をチェックしていた人が、日を置かずして執行機関幹部に登用されることは疑問だ。また、今回の副市長登用の要請と内諾にいたる動きは、山岸氏が現職議員であったにもかかわらず、議長や会派代表者会議、議会運営委員会などに、正式には伝えられておらず、議会としては、まさに寝耳に水の状況であり、議会をまったく無視するものだとの声もある。今回の提案は、二元代表制のもとで議会の役割と権限が縮小され、今でも強い権限を持つ首長の力を強め、議会の形骸化につながりかねないものだ」と反対理由をのべました。
上野議員以外の討論も一部ですが紹介しましょう。まずトップに登壇した水澤議員は反対の立場から、「山岸氏が任期を全うし、次の選挙に出馬せず、引退が確定した後であれば、ほとんど問題はなかったと思う。行政のプロとしての村山市長からの信じがたい提案にただ、ただ驚いている。周到さもなければ手堅さもない、ただ唐突で性急であり、違和感がある」とのべました。
賛成討論のトップは山岸氏が先日まで属していた市民クラブの塚田俊幸議員。同議員は、「市長が市政遂行にあたって最も必要とする人材登用の提案であり、市長の考えをしっかりと受け止めなければならない。山岸氏は常に住民自治の定着したまちづくりを追求するとともに、開かれた議会活動をめざして活動してきた。議員経験で培ってきた政策能力を持ち、常に市民目線で市政の課題と解決策を見極め提言してきた。豊富な経験をいかす立場で頑張ってもらうことは多くの市民の利益につながるものだ」と強調しました。
新政の田村議員も賛成討論でした。同議員は、「これから合併の真価が問われる時だ。議会と行政は車の両輪と言われているが、両者を熟知している山岸氏は大きな強みだ。議長として4年間、旧上越市はもとより13区の市民の声を真剣に聞き、行政施策へいくつかの提案を行ってきた。行政財政に明るく、先見性と指導力のある山岸氏に期待する」とのべました。
討論の最後は永島議員。「山岸氏とは政党もイデオロギーも違うが、一人の人間としての技量は大変立派なものがある。行政は仕事が遅いなど市民は不満を持っている。それを解消するのは大事なことだが、山岸氏は官僚上りではない、一般市民の代表だ。行政のどこがどうなっているか一番熟知している人だ。村山さんは長年の行政マンだが、山岸氏に政治的な観念からの行政改革、職員の指導してもらいたい。上越市にとっては大事な時だ」と賛成しました。