高田世界館で越後弁サミットがあるというので参加してきました。私自身、日頃からお国言葉をふんだんに使った文章を書いているので、とても関心があったのです。サミットでは、昨年、高田弁のCDを出した有沢栄一さんが、「伝えていきたい故郷のことば」と題して講演、その後、新潟県内の6地区から6人が登壇して、それぞれの地区の言葉について語りました。
サミットでは、同じ県内でも使う言葉はずいぶん違うものだということを改めて確認しました。特に新発田市の松川美恵子さんのお国言葉は東北弁の影響を受けていて、くせのある言葉だなと思いました。6人が夏目漱石の「吾輩は猫である」の冒頭部分をお国言葉で語りました。「吾輩(わがはい)は猫である。名前はまだ無い。どこで生れたかとんと見当(けんとう)がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。吾輩はここで始めて人間というものを見た」という部分です。下線の付いたところをクリックして聴いてみてください。
憲法前文の最初の部分については、村上市の加藤悦郎さん、糸魚川市の吉原久美子さん、上越市の石塚正英さんがお国言葉で読みました。これは動画でごらんください。
今回のサミットに参加して、同じ上越地方であっても、糸魚川市、旧高田の言葉のなかには、「なしなし」「すっぺこっぺ」「やーはい、やーはい」など私が使っている言葉と微妙に違っているものがあることを知りました。お国言葉では、怒りの言葉ひとつとってみてもグレードがあることもわかりました。これはおもしろかった。私がふだん使っている「おっかさ」は敬語だと有沢さんから解説がありました。「おらちのおっかさ」という言葉は、これからも「えんりょしねで」「いっぺこと」使おうと思います。