新潟県津南町議会が13日、「自然エネルギーの開発と普及、プログラムを決めた原発からの撤退を求める意見書」を衆参議長や内閣総理大臣などに提出することを決めました。新潟県内では、上越市議会が6月議会に「原子力発電所の段階的縮小と再生可能エネルギーへの転換・促進を求める意見書」の提出を決めていますが、「原発からの撤退」を求めた意見書提出は津南町議会が初めてです。
同議会が提出を決めた意見書では、原発事故について、「事態はいまだ収束の目処が立っていないとともに、放射線物質による被害が続いて(いる)」とし、「世界では既に原発から太陽光をはじめ風力、波力、バイオマスなど自然エネルギーへの転換が図られていますが、日本のエネルギー政策は大きく立ち遅れている。原発事故から国民の命と暮らしを守り、未来に向かって希望が持てる国にしていくために、政府は自然エネルギーの開発を進め、プログラムを決めて原発から撤退すべき」と訴えています。
津南町議会の意見書提出情報を知り、その後、14日、15日の各紙を読んでみましたが、どういうわけか、この記事は掲載されていませんでした。こういう重要情報をなぜ伝えないのでしょうか。全文をファックスにて入手しましたので、以下にその全文を掲載します。
自然エネルギーの開発と普及、プログラムを決めた原発からの撤退を求める意見書
去る3月11日に発生した東日本大震災によって福島第一原発が重大な事故を起こしてから半年になりますが、事態はいまだ収束の目処が立っていないとともに、放射線物質による被害が続いています。また、原発周辺で生活する10万人以上の住民が避難を余儀なくされ、農水産物の生産や出荷など地域経済に重大な被害を与えています。
世界では既に原発から太陽光をはじめ風力、波力、バイオマスなど自然エネルギーへの転換が図られていますが、日本のエネルギー政策は大きく立ち遅れています。原発事故から国民の命と暮らしを守り、未来に向かって希望が持てる国にしていくために、政府は自然エネルギーの開発を進め、プログラムを決めて原発から撤退すべきです。
世界有数の地震国日本は、原発立地の条件が悪く、また、原発技術は未完成で危険であり、放射性物質の処理方法を確立していないなど問題点が多いため、政府は現状を厳粛に受け止め原発から撤退を決断し、自然エネルギーの開発と普及、促進、低エネルギー社会への移行に全力を挙げるよう求めます。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。
平成23年9月13日
新潟県中魚沼郡津南町議会
議長 吉野 徹