今回の豪雨では農地、農業用施設にも大きな被害が出ました。私が現地調査したなかで最もひどい被害現場は大島区足谷です。ここは十日町市(旧松代町)寺田の西側にあります。これまで豪雨により大きな被害が出たのは今回で3回目だそうです。同地で稲作経営をしている2人の農業者から案内してもらいました。沢沿いにある棚田の、低い方から高い方へと歩いてみました。
まず、足谷川にそそぐ水路の末端部です。木がつっかえ、水が流れなくなり、そばの田んぼに水が流れ込みました。そばの田んぼの耕作者は、「これでは水をのめない。農災の復旧工事は原型復旧が基本とはいうが、これまで設計を変えてくれと繰り返し言っても実現しなかった」と語っていました。
山から、沢から流れ出た水は鉄砲水となって水路を破壊し、田んぼの中に大量の岩や土を運びました。
すごい破壊力でしょう。6枚目の写真の真ん中で大きく割れているのは市道足谷入場線です。右側の水路では、はけきれず、道路本体も壊してしまいました。
案内してくれた耕作者の方は、「水路の大きさが適当であったかどうかが、まず問題だ。また、水路の角度も問題だったのでは」と言っておられました。そうそう、水が下へ流れて行く時に水圧を下げる工夫も欲しいとも言っておられましたね。
上の方から水路と田んぼを見た時の写真も2枚ごらんいただきましょう。ここの被害面積は写真だけではよくわかりませんが、約2町歩だということです。
さて、災害復旧をどうするかです。耕作者の方はいつもの災害査定のペースだと冬までに工事が終わらないのではないかと心配されていました。となると、応急本工事(査定前着工)ということも考えて対応しなければならないかも知れません。