きょうの市議会ではもうひとつ大きな出来事がありました。上越市中山間地域振興基本条例が全会一致で可決されたのです。中山間地対策の条例は京都府綾部市や福島県などいくつかの自治体で制定されていますが、議員提案で制定されたのはおそらく全国で初めてでしょう。
条例づくりがスタートしたのはいまから3年前の5月です。議会内に中山間地対策特別委員会(宮崎政國委員長)が設置され、この間、委員会を27回、条例の策定作業を行う作業部会を14回開催したほか、桑取地区や大島区への現地調査、綾部市や米原市などへの先進地視察、市内9会場で開催した「市民の意見を聴く会」、パブリックコメントなどを行い、議会が主体となって条例をまとめてきました。特別委員、議会事務局がよく頑張り、そして行政の立場からも関係職員が知恵を出してくれました。本当によかったです。
制定された中山間地域振興基本条例は前文、条文ともに「です、ます調」の文体で書かれています。これは、わかりやすくという思いから採用されました。条例は、「中山間地域の振興について、基本理念を定め、並びに市の責務及び市民の役割を明らかにするとともに、中山間地域の振興に関する施策の基本となる事項を定め」ています。そして、中山間地域の自然環境を保全することや中山間地域の集落の実情に応じて生活環境の向上を図ることなど7項目を内容とした施策の策定等に関する指針を定めています。市は、市民の意見及び中山間地域の現況を把握し、中山間地域の振興に関する施策に的確に反映させるために必要な措置を講ずるとともに、毎年、中山間地域の振興に関する施策の実施状況等について議会に報告し、これを公表しなければなりません。
提案理由の説明に立った宮崎委員長は、「このたび提案した条例は、市が中山間地域の振興に関する施策を継続的に推進していくための基本となる事項を定めたものであって、具体的な事業等を実施する条例ではありません。まずは、市民全体の共有の財産である中山間地域に目を向け、市長や議会、市民が一体となって中山間地域を支え、守っていくことの決意を現し、この条例にそって様々な施策が行われていくことを明示したもので、まさに、これが中山間地域の振興に向けた第一歩である」とのべました。
条例の全文、及び条例の逐条解説は近く、市議会のホームページに掲載されます。