昨日は一般質問の最終日でした。私は最後から2番目、長野県北部地震、原子力災害対策、地域事業費制度見直し問題を取り上げました。私が通告した質問項目はすでに何人もの議員が取り上げていましたので、そこでの議論の到達点を意識して質問しました。
長野県北部地震では、被災者生活支援制度の拡充を国に働きかけることを求めました。というのは、上越市大島区などで全壊2、大規模半壊2、半壊15という被害が出ているにもかかわらず、上越市のような人口規模となると、全壊が10以上でないと適用外ということになっているからです。大島区に関して言えば、合併前の大島村なら適用されていた(適用基準は全壊2)ことを考えると、このままというわけにはいきません。それに全壊の世帯で最高300万円、一部損壊、店舗などは対象外というのも現実に合わないものです。市長は、「被災世帯数を基に法の適用が決まる現行制度のあり方には課題も多い。このたび県がとられた措置(公平性確保の観点から県独自に法適用と同等の支援をする)のような被災者支援制度の弾力的運用の必要性などについて、市長会等も通じて、国に働きかけてまいりたい」と答弁しました。
原発問題。市長は、「いまの原発をどう思うか」との私の質問に答えて、「これまで国や電力事業者が唱えてきた『原発は安全』という前提が崩れ、『制御安全』により成り立ってきた原子力発電所の存立基盤が大きく揺らぎ、根底からの見直しが必要な状況となっている」とのべました。私は、再質問で、使用済み核燃料が全国で5万9000体、1万3530トン(このうち、柏崎刈羽原発だけで1万3160体)にも上っていることなどを紹介し、「いまの原発は本質的に未完成の技術だ。期間を定め、原発からの撤退を求めていく必要がある。少なくとも原発の新増設に反対を」と訴えました。市長は、「当面言えることは、休止しているもの、これから点検に入るもの、確実に安全が確保されるまでは再開するということは私たちの心情にそぐわない」と答えました。
地域事業費制度の見直し問題で、合併前上越市の区域で来年にも枠配分を超える見通しとなったことなどから、市長は見直し案を示していますが、こうした事態となった要因と責任を明確にすることが大事です。責任について市長は、「課題が見えた時点で説明責任を果たすべきであり、議会の皆さんとも認識を共有しながら、議論を深めることが必要ではなかったか。これまでの経緯等について、議会や市民の皆さんに詳(つまび)らかに説明し、課題解決に向けて、真摯に議論を重ねることが大切であると考え、制度の見直しを提起してきたものでありますし、このことこそが、『私の責任を果たす』ことである」とのべました。地域事業費制度は14市町村間の合併時の約束事です。それが守れなくなったら、まず謝るのが行政のトップのあり方だと思いますが、今回も謝罪はありませんでした。見直し案をどこで最終的に決めていくか。今議会での議論を聞き、「最終的には市長の政治決断」という答弁に疑問を感じました。合併が議会の議決で決まったことを踏まえれば、合併時の大事な約束事は最終的に議会が決めていくことが筋だと思います。この点、議論で深めたかったのですが、残念ながら時間がありませんでした。