友人から、「学校の教科書での原発の記述が話題になっているけど、読んだことある?」と聞かれました。まだ、読んでいませんでした。それで、上越市教育プラザ内の教科書センターへ行って中学生の社会科教科書を見てきました。いずれの教科書も「資源・エネルギー」「新たなエネルギー開発」のところで書かれています。出版社によって、原子力発電の安全性について記述があるもの、まったくないものなど、ずいぶん違いがありました。今度、高校生の教科書も読んでみたいと思います。
「日本はおもに、火力、原子力、水力によって発電しています。火力発電は比較的効率のよい発電方法ですが、二酸化炭素を多く排出するという課題があります。原子力発電は二酸化炭素の排出量が少ない発電方法であり、総発電量のなかですでに大きな割合をしめていますが、事故や放射能への不安から、根強い反対運動があります」(『中学生の公民』帝国書院)
「原子力発電は、アメリカやヨーロッパでは早くから行われてきた。資源が豊かでないわが国でも、安全性に配慮しながら発電量の3分の1は、二酸化炭素をほとんど出さない原子力によっている。さらに、新しいクリーン・エネルギー開発への取り組みも行われている」(『新しい公民教科書』扶桑社)
「わが国では、温暖化の原因となる二酸化炭素を出さない原子力発電が、発電量の30%を占めます。安全性に対する疑問や放射性廃棄物の処理の問題もありますが、国は対策に取り組んでいます。いっぽう、風力発電やごみ発電など新しいエネルギー源の開発や、水素が燃料の自動車の開発なども進んでいますが、現状では発電量が少なく大きな費用がかかるなどの課題があります」(『中学社会、公民的分野』日本文教出版)
「原子力は、少ない燃料で大きな電力を得られ、二酸化炭素を排出しないなどの利点があるいっぽう、安全性への疑問や放射性廃棄物の処理・処分の問題もあり、対策がすすめられている。また、現在は石油のような大出力を得られないが、太陽光や風力、地熱なども実用化されてきている」(『中学生の社会科、公民』日本文教出版)