市議会総務常任委員会(委員協議会も)、月例議員懇談会、議員勉強会と会議続きの一日でした。
総務常任委員会では現在パブリックコメントにかけられている第4次上越市行政改革大綱(案)について総務管理部より説明があり、質疑を行いました。
第4次上越市行政改革は今年度から4年間の行政改革の基本方向と取組を定めるものです。行政側が大綱(案)のポイントとして示したのは、①地域主権を生かした自治体改革、②「事務事業総ざらい」で総括した課題の改善、③将来的な財源不足への対応、④第3次行政改革の課題の改善と成果継承、の4点です。村山市長が掲げた「すこやかなまち」づくりを下支えするものとして位置づけています。
説明後、委員からは、行革大綱の目標、組織機構改革、「新しい公共」などで質問や注文が相次ぎました。
行革大綱(案)に数値目標が入っていないのはなぜ
私はまず、今回の大綱案には数値を入れた具体的な目標が入っていないことを問題にしました。第3次行革大綱では、単年度収支の黒字化と貯金27億円の維持、土地開発公社の保有土地125億円の削減などをかかげていました。行政側は、「第4次行革では、大綱では記載せず、行革推進計画の中で記載していく」とのべましたが、なぜ大綱にかかげないのかについては説得力のある説明がありませんでした。大綱で大目標も数値目標も掲げないというのは理解できません。合併前上越市の地域事業で解決することになっている土地開発公社問題などがあいまいにされなければいいのですが。
組織機構改革に関して大綱(案)は、「13区の総合事務所のあるべき姿や木田庁舎との役割分担を見直す」としています。私は、「東日本大震災を経験して、改めて市役所が市民の命と暮らしを守るうえで大切な役割を果たしていると感じた。災害時などのことを考えると、13区は地元職員が多い方がいい。見直しというが、何が問題なのか」と質問しました。市村総務管理部長は、「(今の状態では)技術職員などが機動的に動けないなどの問題がある。防災のことを考えると、総合事務所職員は地域のことを熟知している人を配置していくことが大切だ。今回、大幅な異動人事を行ったが、4割から5割はそういう人を配置している」と答えました。総合事務所職員体制については、中郷区選出の吉田議員も、「防災については、土地勘がないと対応できない。危機感を持っている」と発言しました。
地滑り対策、万全を期せ
総務常任委員会の委員協議会では、行政側から長野県北部地震への対応、東日本大震災避難者受け入れ等について報告がありました。長野県北部地震の被害状況ですが、4月14日現在、人的な被害は重傷者1人、軽傷者3人です。建物被害は、住家で全壊1、大規模半壊1、半壊2、一部損壊187という報告がありました。被災者支援に関しては、これまで半壊以上の世帯にたいして見舞金が支給されたほか、住宅リフォーム促進事業を活用した支援などが行われています。
私は地滑り対策と被災住宅の支援、雇用促進住宅大潟宿舎での避難者の食生活などについて質問や確認をしました。
まず、地滑り対策です。「大島区の菖蒲や西沢で何人かの住民の方から融雪期を迎えて地滑りが心配だという声を聴いている。万全を期してほしい」と訴えました。馬場危機管理監は、「地滑り対策については、県の関係機関もあるので遂次連絡を取りながら融雪期に備えた対応ということで万全を期すよう連絡体制をとっている」と答えました。
被災住宅支援について私は、「マスコミ報道では十日町・津南地震という言い方がされている。(上越市の大島区などの)被災者の皆さんは(報道でも、行政側の支援でも)平らに扱ってほしいという思いがある。大島区地域協議会が近々、被災住宅支援策について十日町市と同等にという意見書を提出されるとのことだが、これに応える努力を」とのべました。馬場危機管理監は「一部損壊、応急措置については県の方で同等のものということで動いている。再建支援法についても県の方で同等のものを立ち上げることになっている。違いが出るとすれば、一部損壊の住宅リフォームのところかと思うが、当市としては特別枠を設けて、雪解け後に着手しても枠がなくなることがないように備えをした」とのべるにとどまりました。十日町市では、補助対象工事に要する費用の20%という点は上越市と同じですが、限度額は20万円(上越市は10万円)です。被災者支援という角度から、ぜひ改善してほしいものです。
雇用促進住宅を避難所とされている人たちの炊事については、党議員団の上野議員が市役所に働きかけ、自炊ができる電気器具などの整備がすすめられることが約束されています。委員協議会では、その点、どうなっているか確認しました。馬場危機管理監は、「新潟県と福島県との協議のなかで、雇用促進住宅を避難所として使われることについては問題ない。その中で食事の提供についても、もしご自分で食事を準備されるので、弁当はいらないよということであれば、それは避難所であっても差し支えないということになっている。ご自分で作られるには冷蔵庫とかガスコンロなどが必要となる。いま、その手配をしているところだ。ただガスコンロはすぐ集まらない状況にある。ご希望されるところを優先に配置をしていきたい」と答えました。
地震関連では、他会派議員も質問に立ちました。清里区選出の笹川議員は、被災した住宅支援について、私と同じく改善を求めました。また、三和区選出の宮崎議員は、「市独自でも地震計を(菖蒲地区などに)設置できないか」との質問しました。これにたいして馬場危機管理監は、「県の考え方とすり合わせながら、(観測体制は)どうあればいいのかというところから検討していきたい」と答弁しました。
原子力災害時の避難計画など見直しへ
報告はなかったのですが、原子力災害に関連して質問が出されました。笹川議員は、「上越市内のモニタリングポストは(保健所の)1個所だけでいいのか」「水道水の放射能検査は上越環境科学センターでもできるようにしてほしい」と訴えました。馬場危機管理監は、「今後、検討が必要になる。環境科学センターについても、早めの対応ができるかどうか確認をしたい」と前向きでした。
番外議員の石平議員は、「上越市は(地域防災計画の中に)原子力災害対策を盛り込んだ自治体だ。他市に先駆けて対応していく必要がある。その辺が見えてこない。県や柏崎・刈羽原発などにたいして、市として、明確な意思表示が必要だと思う。どうなっているか」と追及しました。答弁の中で馬場危機管理監は、「これまでEPZ(防災対策を重点的に充実すべき地域の範囲)10キロという中で、(地域防災計画の中に)独自に原子力防災対策を盛り込んできた経緯がある。10キロというのは、福島原発の事案とはまったく適合しないという状況になっている。避難計画なり、避難マニュアルの作成が必要ということで内部的な検討に入っている。また先般、県の防災会議の原子力部会の方から声がかかり、19日に会議があった。そこで見直しの必要性について発言してきた。東電の柏崎・刈羽原発の所長さんもおられたので、地震、津波、発電設備の問題についても発言させていただいた」とのべました。