市幹部による地域協議会めぐりが始まりました。市が今年行った事務事業の総ざらい、中期財政見通し、地域事業の見直しについての説明と意見交換が主たる目的です。初日のきょうは三和区、安塚区、大島区、吉川区の地域協議会で行われました。このうち、大島区と吉川区の地域協議会を傍聴してきました。
まず大島区地域協議会。3つの説明の前に、要援護世帯除雪費助成事業についての今冬の方針と同区地域協議会が7月に提出した要援護世帯除雪費助成事業の改善を求める意見書に対する回答についての説明がありました。
市の今冬の方針では、議会での提案や大島区の意見書などをふまえていくつかの改善が図られました。①助成限度額は現行通り(多雪地域6万5600円、その他地域4万1000円)とするが、助成区域の区分けについて見直し、大島区と牧区の全域を多雪地域としたこと、②除雪費の助成の際には、これまで業者の領収書の確認が必要でしたが、請求書の確認でも請求できるようにしたこと、③合併前上越市の業者名簿を区の対象者にも配布するなど全市での協力体制を整えたことなどです。
大島区の意見書では、①玄関前から県や市などの除雪路線に至るまでの取付道路についても助成対象とすること、②自然落雪式住宅で軒下の堆積した雪も助成対象にし、助成限度額を引き上げることなど4項目が掲げられていました。本日の口頭による回答では、①に関しては、「取付道路が除雪道路に面していない私道などであっても対象」と現行の同事業実施要綱で認めている、避難路であるかどうかは問わないとのことでした。また、②についても、「2階の窓をふさぐほど堆積し、危険な状態となる場合は対象としている」として認めました。これらは関係総合事務所などに通知を出して徹底するとのことです。
さて、事務事業の総ざらい、中期財政見通し、地域事業の見直しについての説明と意見交換です。市の担当者がどんな説明をするか注目しました。率直に言って、議会での説明よりもわかりやすかった。特に財政課、政策調整課の副課長の説明がよかったですね。「臨時財政対策債は普通交付税のキョウダイです」「私には4人の子どもがいます。いまごろは、学校からの帰りの時間です」わかりやすさと親しみやすさを意識した説明でした。
意見交換。「今回の説明に来られた趣旨は何ですか」と石塚会長に問われ、「今回は地域協議会のみなさんと話し合うスタート。問題提起として受け止めていただきたい」と土橋財政担当部長が答えました。委員からは、「地域事業と地域事業費は表裏一体だ。分離して考えろというのはおかしい。こういう論理は旧上越市に都合のよいもので、13区にとっては何でこういうことを持ち出されるのか理解できない」「何で新市建設計画の事業まで傷をつけなければならないのか。これだけの資料だけでは理解できない。当初の財政フレームはこうだった、こういう事情でこうなったというものを示してもらいたい」などの厳しい意見が出ていました。
吉川区地域協議会は夜の会議でした。夜の時間が遅くなりましたので、地域事業の見直しについてだけ書いておきます。委員からはここでも激しい意見が出ました。「地域事業は合併当初からの約束の事業だ。市民は合併した時に(地域事業に)期待してきた。あれも切る、これも削るとなると区民は良しとしない。誰のせいでこれらの事業が廃止となるのか」「人間は夢や希望を持って生きている。(市道整備で)1年間に100メートルしか進まないところがあった。でも、これから進むことに希望を持っていた。ここでピタッとやめたとなると何に希望を持てばいいのか」怒りの感情が前面に出た発言が相次ぎました。