9月議会の一般質問が先ほど終わりました。いつもなら、「やれやれ、これで終わったか」という気持ちになるのですが、今回は楽々した気分にはなれません。市政運営はどこかおかしい、これでいいのかという思いが強く残ったのです。
きょうの質問では「事務事業の総ざらい」をとりあげました。どういう具体的な指針、方針でセルフチェックをおこなっているのか要綱などがあったら示してほしいという質問に、「今回は行政自らのチェックだから」との理由で具体的なものは示さず、議会のみなさんは自分たちのやり方でやってほしいという答えが返ってきました。また、「市民の評価の声を聴く機会を設けるべき」との主張に対しても、「準備期間を設けて廃止」と区分した事業について、「必要に応じて、関係の皆さんへの説明等を行うこととしており、その過程において、議論を進めていきたい」とのべるにとどまりました。「事務事業の総ざらい」は行政のチェックだからこそ、そのやり方がいいのかどうかを市民の代表として議員がチェックしようというのに資料は示さない。市民の声を幅広く聞こうとはしない。これでいいのかと思いました。
「事務事業の総ざらい」の対象事業には地域事業も含まれるという見解には違和感を持ちました。地域事業については旧上越市、13区の地域協議会の意見を聞いて進めるというルールがあります。現在の地域事業は市長が諮問をし、地域協議会から答申をもらって決まってきた経過があります。もし特定の地域事業を「廃止」あるいは「準備期間を設けて廃止」とした場合、再び地域協議会に諮問して最終的に決めていくことになるのでしょうが、これでは前の諮問と答申は何だったのかということになります。そもそも、地域協議会は地域のことは地域で決めるという考え方で設置されたものです。今回のやり方は地域の自主性を侵す可能性があるので、もっと慎重に対応していただきたいと思います。
信越本線(脇野田駅)移設事業についての答弁も納得のいかないものでした。この事業については4月28日に新潟県と上越市がJR東日本に対して「自社線の施設変更として取り組んでほしい」と要請し、6月21日に、JR東日本から「一括在姿譲渡」など4つの条件付きで設計・施工を受けましょうと回答が来ました。そして、県と上越市がこの条件付き回答でいいですよという文書をJR東日本に出したのは7月9日でした。質問では、JR東日本の条件付き回答について、県と上越市が話し合い受諾することにした日はいつかと聞いても答えは返ってきませんでした。それだけでなく、7月9日の文書に「受諾」という文言が入っていることについても、最初は、承知していないという答弁だった(あとで訂正)のです。この間、当局が議会に提供した情報は、6月22日の「JRの回答」の要旨くらいなもの。議会には十分な情報提供をと繰り返し求めましたが、市長や担当部長は「これまでキチンと出している。何一つ隠していることはない」とかたくなな答弁を続けました。JR東日本の回答を正式に受諾したという基本的な情報すら議会に提供せずに、「キチンと出している」という答えはいただけません。「市民がど真ん中」の市政がこんなことでいいのでしょうか。