きょうの市議会文教経済常任委員会はメモをとるのが忙しかったですね。市民生活や営業にかかわる重要なやりとりがいくつもあったからです。
まず鳥獣被害対策です。国がソフト、ハード両面で支援する鳥獣被害特措法による対策は来年度も継続の見通しであることが明らかになりました。
稲作や酪農などの経営をしている武藤議員は、「電気柵は非常に効果があった。これに頼った地域についてはほぼ完ぺきに防止できた。国の対策は平成22年度で終わりだ(特措法では、被害防止期間は3年を想定)が、市としてどのように考えているか」と質問。これに対して笹川農業振興課長は、「8月末の概算要求の内容では、事業費は半分に減るものの、事業は継続される見込みだ。国県の動きを見ていきたい」と答えました。
上越市においては、これまで対策を講じてきた地域以外の山間部でも被害の兆候が出てきています。また、平地でもイノシシ、カモシカなどの被害が広がっています。それだけに事業継続は歓迎です。
中山間地域の農業を維持し、耕作放棄地を増やさないためには、中山間地域等直接支払交付金を十分活用できるようにすることが大きな課題のひとつです。
武藤議員、上野議員の質問に答えて笹川農業振興課長は、上越市における今年度の取り組みについて報告しました。それによると、「広域集落協定」は6協定(74集落が参加)となる見込とのことでした。清里区櫛池地区で取り組まれた「広域集落協定」は大島区、安塚区、牧区、旧上越市桑取地区に広がりました。また、「広域」とまではいかないが、複数の集落が連携した協定は13協定(38集落参加)になるということです。全体として、交付金総額は2期目と比べてほぼ横ばいで、協定集落は10集落ほど増えるといいます。
同交付金制度はスタートしてから10年が経ち、今年から第3期に入っています。1期目から2期目に移行する時はハードルが高くなって、リタイアした集落がいくつも出たのですが、2期目から3期目への移行にあたっては、持ちこたえたようです。笹川課長の説明では、「昨年度、土地利用計画を集落で作ってくださいとお願いしてきた。守りたいけど守れない土地があれば、色分けしてください、誰が守るかも記入を、とお願いしてきた」とのことでした。笹川課長の言う、「人を呼び込むシステム」づくりができるかどうか、今年は正念場を迎えます。
文教経済常任委員会では先日、市に対して干ばつ対策を万全にするよう申し入れをしました。きょうは委員会審査後、委員協議会が開催され、市内の天水田等の干ばつ被害状況及び対応について農林水産部から報告がありました。
それによると、8月15日以来、降雨のない日が20日以上続いていて、牧区、大島区、板倉区、浦川原区、吉川区などで79㌶もの水田で被害が出ていることが調査の結果、明らかになりました。また、今後の天候次第ではさらに95㌶で被害が拡大する恐れがあるとのことです。報告した野口農林水産部長は、「実の入った穂」と「実の入らない穂」を両手に持ちながら、「被害の出た田んぼを見てきたが涙が出そうになった。まずは農業共済の方できちんと損害補償をしてほしい。溜め池設置要望があれば、県単事業を使って対応していきたい」と語りました。
報告を受けて上野議員は、「農業共済だけでは農家はかわいそうだ。市としても独自に災害対策をとれないか」と質問。これに対して野口部長は、「基本は共済からきちっとやっていただくことだ。田んぼの地割れについては今から対応する必要がある。県と連携して早急に方向性を出したい」と答えていました。
写真は牧区平方地内で2日に撮影したものです。