奈良市のホテルからの発信です。きょうから総務常任委員会の視察です。北陸本線を使って約6時間、西宮市に到着しました。西宮市に出かけたのは、同市が昨年4月に施行した「参画と協働の推進に関する条例」について学ぶためです。
「参画」というのは、市民などが政策立案、実施などに自主的に参加することをいい、「協働」とは、市民などと行政がまちづくりにおいて共に行動することをいいます。「参画と協働によるまちづくり」に焦点を絞った条例制定は全国でもあまり例がありません。それだけに、制定の背景や中身に関心を持ちました。
同市がこの条例を制定した背景には、阪神大震災をきっかけに行政と地域住民が一緒になって何かできないかを考える機運が高まったことなどがあげられていましたが、決定的だったのは、前市長が同条例に意欲を持っていたことだと感じました。内容面では、政策立案や住民投票制度、協働事業の提案などが入っていたものの目新しいものがありませんでした。
今後、行政と市民などが一体となった取り組みが多くなっていくだけに、こうした条例制定は増えていくものと思います。ただ、私は、こうした条例制定よりも前に自治基本条例を制定した方がよかったのではと思いました。そうでないと、まちづくり全体の方向性が見えないし、議会の役割も明確にならないからです。
きょうは、カバンの中に井上ひさしの『ボローニャ紀行』(文春文庫)を入れていました。電車の中で読み始めたら、やめられなくなりました。「文化による街の再生」などまちづくりはどうあるべきかを教えてくれる絶好の本だったのです。