地域経済の再生にむけて
自治体学校は2日目。きょうは一日中、分科会です。私は「地域経済の再生に向けて」という分科会で勉強しました。
午前は3人の学者の講演でした。
福井県立大学の小川雅人准教授の講演テーマは「都市縮小時代のまちづくり」。国立社会保障・人口問題研究所の推計では、2030年~2035年には97.9%の市町村で人口は減少するとのことです。都市のほとんどが「縮小する」時代がやってきます。「都市商業は人口が減る社会がやってくることを前提にした方法を考えるべき」「コンパクトシティは方向としてはあるかも知れないが、5年間で一定の成果をあげるというのは不可能だ」「いつの時代も、まちづくりは、そこで生活する人の意思と誇り。商業の活性化はあくまで結果だ。熱い思いをもってそこに住み続ける、その結果、いい商業地ができる」「商業は単独では存在できない。第一次産業から第三次産業まで地域で循環する産業がなければならない」との話は説得力がありました。
「生活密着型」公共事業への転換をと訴えたのは名古屋市立大学の山田明教授です。構造改革が進むなかで公共事業は最盛期の4割くらいになりました。相変わらず過大需要予測に基づいて空港やダム建設が行われていますが、同教授は空港を各県にひとつずつ造る時代ではなくなっていることを認識する必要があると指摘します。そのうえで、「効率優先の公共事業『改革』ではなく、足元から維持可能な社会を見据えた本格的な改革が求められている」「社会資本の蓄積を踏まえ、新規投資よりも更新投資、維持管理をまずは優先すべきだ」と生活密着型への転換を訴えました。講演の中で山田教授はダジャレを連発しました。「商店街をどうしようてんがい?」「イオンも厳しくなってきたが、もういおん」「導水路をどうすいろ」などと言うたびに会場は笑いが起こりました。ダジャレを連発して聴衆を引きつける講演は初めて聴きましたが、おかげで楽しく学ぶことができました。
最後は日本大学の永山利和教授の「公契約条例(法)はなぜ必要か」でした。この問題はこれまで私や平良木議員が一般質問でとりあげてきた問題です。同教授は、公契約条例(法)に取り組むことになった背景や野田市に続いて国分寺市や世田谷区などいくつかの自治体で制定の動きが広がりつつあることを紹介するとともに、条例制定に消極的な人たちの主張(たとえば、「法令に違反しない限りにおいて」という自治法上の規定にひっかかるなど)を次々と論駁しました。同条例が制定された後、これを支え、さらに改善していく運動が大事だとも言われました。話の中で、千葉県で取り組んでいる「橋守事業(ほしもりじぎょう)」についてもふれ、中小業者に仕事を回す取り組みの大切さを訴えておられました。
3本の講演に共通していたのは、地域に暮らす人たちや中小業者への連帯でした。講演はいずれも参考になるものばかりでしたね。
昨日、きょうと写真を撮ったのですが、パソコンにデータを移すケーブルを家に忘れてきましたので、写真は明日の晩、掲載します。
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