菅内閣の支持率が急落していると報じられています。内閣が出来てわずか1カ月ほどしか経たないのになぜ急落したのか、その要因はいろいろあろうとは思いますが、最大の要因は、消費税増税を大企業の法人税率引き下げとセットで打ち出していることにあると思います。
「セット」というのは、「組み合わせて一揃いにすること」(ヤフー百科事典)をいいます。実際、マニュフェストではどうなっているのか確認してみました。
菅さんのところでは、「強い経済」の柱のひとつに「法人税率引き下げ」が位置付けられていました。そこには、「法人税制は簡素化を前提に、国際競争力の維持・強化、対日投資促進の観点から見直しを実施します。あわせて、中小企業向けの法人税率の引き下げ(18%→11%)、連帯保証人制度、個人保証の廃止を含めた見直しを進めます」と書いてあります。そして「強い財政」の「今すぐやること」の5番目に、「早期に結論を得ることをめざして、消費税を含む税制の抜本改革に関する協議を超党派で開始します」とあります。完全に「セット」になっています。
これまでの消費税と大企業減税の関係はどうなっているか。ずばりあらわしている図があります。
89年4月の導入以来、国民が納めた消費税額の累計は約224兆円。一方、89年度の税収と比べた各年度の法人3税(法人税、法人事業税、法人住民税)の減収額累計は約208兆円。消費税収はそっくりそのまま法人税の減収の穴埋めに用いられてきた計算になります。これまでも消費税は大企業減税の穴埋めに使われてきたし、これからも続けられる。そうなれば、反対の声が高まり、支持率にも影響を与えるのは当たり前ですね。