本日午後、滝沢逸男議長に会い、並行在来線問題で緊急申し入れを行いました。6月議会には、新潟県と沿線3市で1億5000万円出資し、並行在来線を運営していく経営主体を設立する提案がされています。しかし、新聞報道などによると、糸魚川市議会がこの動きに反発を強め、6月議会に提案されるかどうかは不透明だと言われています。いうまでもなく、並行在来線を運営していくためには沿線の関係自治体の連携は不可欠です。申し入れは、こうした事態打開のためのものです。
そもそも今回の出資金の提案は、新潟県並行在来線開業準備協議会の経営委員会で経営計画についての審議の成果が見えない中でされています。
5月12日の記者懇談会で村山市長は、「ここまで来ると(6月議会での提案は)難しいのではないでしょうか。例えば、会社の資本などの議論が全くないわけです。どれだけの資本を持ち、どのようなことをするためにスタートし、時系列的にこのようなことをしていこうという全体の色が見えないとなかなか難しいと思います。このような会社を作るから出資してほしい、出資しましょうという話になるのだろうと思います。会社の内容が出てこないと資本金の額も固まらないのではないでしょうか」とのべていました。それだけに今回の提案には唐突感があります。
「JRの経営参画を含め『政府・与党申し合わせ』を抜本的に見直しこと」を求めた3月議会意見書は政府国交省の『政府・与党申し合わせ』見直しの動きにインパクトを与えるものとなりました。この意見書の趣旨に照らしても今回の提案についてはもっと慎重であるべきでした。
日本共産党議員団では、今回の提案に至る一連の経過をただすとともに、3市、3市議会が連携して対応できるように全力を尽くす決意です。以下は本日の申し入れ全文です。
2010年6月7日
上越市議会
議長 瀧澤 逸男 様
日本共産党上越市会議員団
団長 橋爪 法一
「上越地域3市議会並行在来線対策協議会」開催に関する緊急申し入れ
向暑の候、貴職におかれましてはますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。また、日頃より市民の声を生かす市議会運営に尽力されておられることに敬意を表します。
さて、今議会には、並行在来線対策事業の一つとして、経営主体設立のための出資金支出の補正予算が提案されました。
この議案に関しましては、新幹線開業後も並行在来線を存続させるとともに、運営にあたって当市や市民に過度の負担を強いることのないようにすることが求められていることから、慎重な審議が求められております。さらに、当該3市の足並みをそろえ、一体として取り組んでいくことも重要な前提課題となっております。
また、県開業準備協議会の経営委員会では、今後の公的負担額がさらに膨らむ見通しであると報道されています。
こうした現状を考えると、当議会としては、3月26日に政府関係機関に意見書を提出したとおり、「JRの経営参画を含めて『政府・与党申し合わせ』を抜本的に見直すこと」をはじめ、あらゆる手だてをとりながら市民負担軽減に向けた取り組みを強めることが求められております。
一方、並行在来線対策では、市民の足をしっかりと守っていく立場で、一昨年秋に「上越地域3市議会並行在来線対策協議会」が設立されましたが、ご承知の通り、この協議会はその目的として「並行在来線を存続させるとともに、運営に当たっては、政府与党申し合わせを見直し、沿線自治体や地域住民に過度の負担を強いることのないよう国・県・JRに働きかけていくこと」としています。
つきましては、市民の利益を守る立場から、「上越地域3市議会並行在来線対策協議会」を緊急に開催し、「① JRの経営参画を含めて『政府・与党申し合わせ』を抜本的に見直すことを求めていくこと、② 今回の経営主体設立の案件について3市議会が足並みをそろえていくこと」を協議するよう申し入れます。