3月議会が午後2時15分、終了しました。土日を挟んでいるとはいえ、2日からずっと緊張してきましたから、「ああ、疲れた」という感じです。きょうは委員長報告、討論、採決と続きました。原稿は書きましたが、私は登壇せず、議員団の仲間たちががんばってくれました。
きょうの一番の話題は私たちが一般会計の当初予算に賛成したことでしょう。これまで、私が一般会計の当初予算に賛成したのは町議時代を含めたったの1回でした。今回も議員団の中ではいろんな議論があり、迷い、党の上級機関の指導も受けて最終的に議員団で判断しました。賛否の判断で迷ったのは私たちがこの間、力を入れてきたスクールバス無料化などで大きな前進があった一方で、学校給食民間委託の流れが今回も強まったことです。また、市民合意が必要な施設づくりの検討をスタートさせようとしている点も気になりました。こういうところを討論でどう書いたかは、実際の原稿を読んでみてください。
以下、討論の全文を掲載します。
今議会に提出された平成22年度一般会計予算案は、私たち日本共産党議員団が、長年にわたり市民生活を守るために掲げてきた政策の中でも、特に重視してきた政策を複数にわたり実現する予算案となっています。この点を高く評価し、賛成するものであります。
具体的にあげますと、一つは、スクールバスの無料運行であります。これは、合併協議により、合併前上越市の制度に基本的に合わせるとしていたものを、多くの市民の切実な願いに応え、市民本位に修正するものであります。このように、いったん方向を定めたものであっても、市民の要望に沿う形で適宜修正するという姿勢はきわめて重要であります。
二つめは、中山間地域における集落の暮らしを守り、さらには活力の維持・向上を図るための地域集落支援事業を実施するとしたことであります。平成18年度における調査よりもさらに対象を広げ、中山間地域が抱える課題や行政ニーズを把握する集落支援員を配置するなどの取り組みは、全国の先進をいく取り組みとして評価するものであります。
さらに、三つ目は、私たちが一貫して要求してきた国民健康保険特別会計への引き続く法定外繰り入れであります。今年度の4億3千万円には及ばないとはいえ、新たに2億円の繰り入れを行い、国保税の値上げを押さえたことは、国保加入者のみならず、すべての市民への大きな励ましであります。
このほかにも、子ども医療費助成の拡充、教育補助員・介護員の増員、私立高校授業料補助拡充、一連の中小企業振興策や雇用対策など、市民生活を守る政策の実現を図る予算が盛り込まれていることも、評価できる点であります。
これらは、市民福祉を実現する機関としての自治体のあるべき姿に立ったものであり、今後とも貫き通していただきたいと期待するものであります。
鳩山政権は、後期高齢者医療制度の廃止や労働者派遣法の抜本改正など、昨年の総選挙で掲げた国民生活を守る公約を次々に先送りし、国民の怒りをよんでいます。上越市政にあっては、こうした国のやり方に一線を画し、あくまでも市民生活を守りぬく姿勢を今後とも貫いてほしいと考えます。
その一方、いくつかの懸念を含んでいますので指摘せざるを得ません。
懸念の一つは、学校給食の民間委託を推進しようとする姿勢を変えていない点です。安上がりであるという理由で民間委託を推し進めながら、先日の一般質問でも指摘させていただいた民間委託による問題点、危険性を、市民が納得できる形で払拭する説明が行われていません。また、偽装請負になるのではないかという指摘に関しても、いまだに説得力のある説明がなされておりません。
なによりも、給食民間委託を突破口に、アウトソ-シングを推し進めることにつながりかねないこうした姿勢は、きわめて危険であります。今後はこうした民間委託については、根本的な見直しに向けて、是非最大限の努力をすべきであると考えます。
なお、次年度以降もこうした民間委託が拡がるようであれば、その点を重視した対応をせざるを得ないことを申し添えます。
二つめの懸念は、市民的合意が必要な(仮称)厚生産業会館や、新水族館などの施設建設の検討がされようとしている点です。これらは市長の公約であり、その実現を目指すとしています。しかし、市長が記者会見でも明らかにしているとおり、市長の公約すべてを市民の皆さんがOKしたわけではありません。これら施設は、それぞれについて市民的な合意が必要な施設であります。それだけに、市民生活を圧迫しないよう数年間を見通した財政計画を提示した上での計画策定とすべきです。また、経済活動の地域内循環を念頭に置き、どんな地域経済を作っていくのか、そしてそのために必要なものであるのかどうかを見据えた上で計画すべきです。さらに、市長が繰り返し強調している住民自治の精神を生かす上でも、住民参加で設計し、住民参加で運営できるものにしていくことが重要であると考えます。今後の問題として、以上の点を勘案し、慎重に取り組むべきことを要請し、討論といたします。
読んでいただいてお分かりのように、私たちは今回の予算に賛成したのであり、今後、ずっと賛成することにしたわけではありません。毎回、議員団で議論し、賛成できるものかどうか決めていくことになります。討論の中で「懸念すること」としてあげたことが次年度はどうなるか、注目していくことになります。