私用で新潟へ行くことになり、党中央委員会の党旗びらきの衛星中継は新潟県委員会の会議室で見ました。党旗びらきでの志位委員長の挨拶はその年のたたかいの方向を見定める上で参考になります。今年の熱い焦点となる沖縄の米軍基地と日米安保体制問題、経済危機をどう打開するか、委員長からはこの2つの問題で具体的な話がありましたが、改めて重要だなと思ったこと、これは新鮮な提起だと感じたことがいくつかありました。
そのひとつは沖縄の普天間基地問題。沖縄県民の願いはもともと無条件返還であり、県内どころか県外移設も沖縄県民は望んでいない。望んでいるのは完全撤去だということです。そういう中で中曽根元首相が、「今年は安保改定から50年になる。安保の維持か改定かそれとも廃止かをめぐって激論が起こるだろう」と言っているというのは初めて知りました。今年は、沖縄はもちろんのこと日本全土で国民的一大運動を展開し、安保廃棄の多数派をつくるうえで画期的な年にしようという委員長の提案は大歓迎です。
経済と暮らしを立て直すビジョンの問題では、2つのことが政策のカギを握っていると指摘がありました。ひとつは、この9年間に大企業が200兆円もため込んだ内部留保を社会に還元させること。その筆頭に最低賃金の抜本的な引き上げ、労働者派遣法の改正が上げられたのは当然です。いまひとつは、社会保障削減路線でつけられた傷あとを速やかに回復すること。後期高齢者医療制度の速やかな廃止、障害者支援制度の応益負担の廃止などがそれにあたります。これらは大企業、財界に気兼ねをしていて民主党政権がなかなか手を出せない問題です。ここでも経済立て直しを着実に進めるうえで国民の闘いが重要な役割を果たしますね。
最後にもうひとつ。先日、ある党会議で「党大会の決議での党建設計画も重要だが、詩人の土井大助氏の詩集『10年たったら』のような長いスパンでの目標設定が必要だ」と申し上げましたが、私の党大会決議案の読み方が浅かったことを知りました。志位委員長は挨拶の最後で、決議案に触れながら、「党躍進を勝ち取れる歴史的チャンスがやってきている。半年後の参院選で必ず躍進し、2010年代を党躍進の歴史的な時期にしていこう」とのべました。10年というスパンを意識していることは明瞭でした。