昨日とは打って変わって晴れ。きょうは市議会議会基本条例策定検討委員会の日帰り視察です。視察地は会津若松市。高速道路で片道3時間半の道のりを往復しました。自分が運転したわけでもないのに家に戻ったらぐったりでした。
同市に市役所にマイクロバスが着いてみんなびっくりしたのは庁舎です。1937年(昭和12年)に建設した建物とかで、ミニ国会議事堂といった感じでした。議場も厳粛かつ落ち着いた雰囲気がありました(画像)。「ここに立つと質問も変わるね」と言う議員もいました。私が気に入ったもののひとつは大きな時計です。ゆっくりと振り子が揺れて時を刻む様子、懐かしくなりました。ただ近くの工事の音が議場に遠慮なく入ってくるので、この場で審議するには不自由なこともあるだろうなと思いました。
さて、本題。同市の議会基本条例は昨年の6月に施行されました。全国でも栗山町、三重県に次いで3番目と聞いています。説明を聞いて、まず感心したのは、議会制度検討委員会設置にあたっては、議員だけでなく、公募市民や学識経験者も入れたことです。どこの議会基本条例でも市民参画を重視していますが、条例づくりの当初の段階から市民に入ってもらうのはとても大事だと思いました。それと議員の間で理解を深めるために条例策定過程の節目、節目で全員協議会を開催してきたというのも重要だと感じました。
会津若松市の条例で注目してきたことのひとつは議会の「議決責任」です。これは議案等を議決した時の市民への説明義務、議会運営に関する説明義務を内容とするものですが、これを明記しておかないと「議員間の討議による合意形成」が担保されないということでした。ここらへんの切り口は上越市議会でも検討してみる必要があります。
もうひとつ、市長の反問権、これは議員の質問の趣旨の確認や質問の根拠、背景をたずねる範囲ではありますが、「江戸のかたきは長崎で」ということも心配されているのか現実にはなかなか行使できにくいようです。同市では条例施行後まもなく1年半になりますが、まだ行使されたことがないそうです。
それから議員間討議。これは議会の委員会で重要案件だと共通認識があり、賛否が分かれるような場合に行ってきたそうですが、試行しながらあるべき姿を求めているのは上越市議会と同じでした。
きょうの視察研修で勉強になったのは条例そのものについては言うまでもないことですが、条例制定後の会津若松市議会の対応についても参考になりました。逐条解説がないのでこれではまずいのではと思っていたのですが、議会報などを使って「市民との意見交換会」「議員間討議」の実例を示しながら、市民の皆さんから理解を深めていただく工夫はすばらしいものでした。また、条例の「不断の評価と改善」についても体制ができていました。おそらく、会津若松市議会の条例はどんどん進化していくでしょう。これからも注目です。