今朝の新潟日報文芸欄に妻の俳句が載りました。囀(さえず)りや最期の言葉聞き取れず。これは父が亡くなる前日の夕方、妻が最後に父を見舞った時のことを詠んだものです。この時は私も一緒でした。5分ほど父のそばにいて、ふたりで病室を出ようとした時でした。父が大きな声で「おい!」と私たちを呼び止めたのです。久々に父の「おい!」を聞いてびっくりした私たちは病室に戻り、「じいちゃん、何?」と尋ねたのですが、父はいっぱい喋ったものの、何が言いたいのかさっぱりわかりませんでした。振り返ると、あの時、父が何を言いたかったのか、とても気になります。この俳句にはその気持ちをこめたのでしょう。
さて、きょうから6月議会がはじまりました。市長の提案理由の説明、常任委員長の報告、人事院勧告に関連する条例審査、討論、採決などが行われました。
総括質疑では、党議員団を代表して上野議員が登壇、緊急融資支援と一般職の期末手当・勤勉手当のカットについて質疑を行いました。
上越市は昨年11月以降、信用保証料補助制度の拡大、経営改善支援資金緊急金融対策特別枠の創設と同資金への利子補給、さらに、元金の返済猶予及び全ての市制度融資の借換えを可能にするなどの対策を講じてきました。上野議員はまず、これまでの緊急金融支援策の効果の総括について市長の見解を求めました。市長は、「経営改善支援資金において、一般枠と特別枠を合わせ、昨年12月から本年3月までに当初の見込みをはるかに上回る565件、約50億円もの利用があった」ことを明らかにし、中小企業の資金繰りの緩和のための資金需要に応えることができたと答えました。
融資枠の拡大については一定の評価をしつつも、「売り上げ見込みを含む資金繰り計画書の提出を求められた」「税金の滞納があり、融資を認めてもらえなかった」などの事例をあげ、より借りやすい環境をつくることを求めました。市税の滞納や金融機関の滞納があってもぎりぎりの状態の中で融資を必要としている事業主の声に応えるよう訴えたのです。これに対して沢海産業観光部長は、「さらなる踏み込みが可能かどうか精一杯研究してまいりたい」と答弁しました。大いに期待したいと思います。
いまひとつ、一般職の夏季一時金カット問題。上野議員は、「内需拡大、消費活性化が求められている時にこれと逆行する一般職の夏季一時金を削減することは、市域の消費拡大に水を差すものだ」として、市内の消費動向への影響を問いました。市長は、「減額の規模から見て、影響が全くないとは言えないが、民間企業における夏季一時金の大幅な減額がうかがえる中で、民間と公務員の一時金に大きな乖離を生じさせないように実施するものだ。消費動向への影響を懸念して手当を減額しないとすれば、市民の皆さんの理解は到底得られない」と答えました。上野議員は再質問などで、「まだ民間企業従業員ベースでの約70%の民間企業が一時金の支給について未定であるときに減額措置をとることには問題がある」「人事院勧告やそれに基づく県人事委員会の調査結果は十分とは言えない」などと反論しましたが、消費を冷え込ませる形で官民の一時金格差を「是正」するのは理解しがたいですね。
今回の夏季一時金カットは一般職だけでなく市長、市議会議員など特別職についても対象です。党議員団では上越市内の経済への影響、市民世論はどうかなど議論を重ね、地域経済に大きな影響を与える一般職については反対し、特別職については賛成することにしました。