上越市にはオンブズパーソン条例があります。県内でもめずらしい先進的な条例です。目的は、「市民主権の理念にのっとり、公正な立場で、市政運営に関する苦情を適切かつ迅速に処理し、及び市政運営を監視し、並びに市政運営の過誤等の是正又は改善のための意見の表明、勧告又は提言を行うことにより、市民の権利利益の擁護を図」ることです。きょうの総務常任委員会で、私としては初めてオンブズパーソンの活動で質問しました。
じつは、昨年度のオンブズパーソンの調査によって、「市からの通知書や決定書の中に行政不服審査法に基づく教示文の記載のないものが見受けられた」というのです。もし、「この処分について不服がある場合は、この処分があったことを知った日の翌日から起算して60日以内に市長に対して審査請求(異議申立て)をすることができます…」という文がなかったために、不服があっても何も行動しない市民がいたとしたら大きな問題です。オンブズパーソンの調査では、調査した決定書などの様式の12件中、教示文がなかったものは2件(様式の数と言った方が正確かな)見つかったそうです。
こうした事実が判明し、オンブズパーソンは市に改善を求めたとのことでしたので、事務局長にききました。「条例では、オンブズパーソンは、苦情等の調査の結果、必要があると認めるときは、関係する市の機関に対し、意見の表明、勧告又は提言をすることができるとあるが、改善を求めたのは意見の表明ですか、勧告ですか、提言ですか」。返ってきた答弁は、「条例に基づかないやわらかな要請で、総務部長に提出しました」。びっくりしましたね。市民の権利利益の擁護にたずさわっておられる立場からの発言とは思えなかったからです。委員会資料には、昨年度の成果として「教示文の徹底が図られた」とありましたが、質問してみたところ、約1500ある通知書、決定書などの様式のなかで教示文があるかないかのチェックはまだ全部終わっていませんでした。こんなことでいいのでしょうか。
きょうの委員会審査では、このほかにもこんなことでいいのかと思う答弁がいくつかありました。日頃から頑張っていてくれる職員の発言だけに残念に思います。総務常任委員会は明日も続きます。