午後から市議会中山間地対策特別委員会でした。今回から2つの分科会に分かれて中山間地振興条例づくりに向けて具体的なワーキングに入りました。第1分科会は条例の前文と目的を担当し、第2分科会は他の条文を担当することになりました。私は第1分科会所属で、副責任者です。日頃から考えていることを自由に、のびのびと話し合うよう心がけました。
上越市の市域の6割は中山間地です。平地をぐるっと囲むようにして中山間地がある。全国の中山間地と同じように人口の減少が著しく、農林水産業が衰退し、集落機能は低下の一途をたどっています。じゃあ、そういうなかでこの上越市の中山間地の特色、特徴はどこにあるのか、どういうところに中山間地の価値を見出していくのかという議論になりました。上越市の中山間地の最大の特徴は「重たい雪」です。板倉区が積雪8メートルという世界記録を持っていることでわかるように豪雪地帯を抱えていて、海に近いことから雪質は重い。この重たい雪がマイナスにもプラスにも作用してきた歴史があることにみんなが注目しました。
さて、その中山間地ですが国土保全、水源涵養などの役割を果たしています。分科会のメンバーはどんな価値を見出しているか。私は、「ホッとする」「昔ながらの助け合いの精神が残っていて、人間らしい暮らしがある」ことをあげました。都市部と中山間地のどちらでも暮らした経験を持つ中川議員がなるほどと思わせる発言をしました。「垣根が低くて、隣近所の温かい交流がある」「いろんな社会問題の解決のヒントがある」「中山間地は水や食料の供給元になっている」。研修生を毎年のように受け入れている武藤議員は、山や森の中に住んでみたいという青年の声を紹介しました。
大島区の岩野議員の「中山間地にいたいんだけども生活できないから出ていく」という発言を契機に、何が問題かについてもたくさんの発言がありました。一番の問題は農林業での所得が補償されていないこと、雇用の場がないことでした。所得を求めて平場へ出ていく。次に、やはり雪です。「雪さえなければ、ここは最高」という言葉に代表されるように、雪が暮らしに重くのしかかっている。これをなんとかしないと年をとっても暮らす気になれないのです。
きょうの収穫は、「中山間地と平野部のどちらもある上越市においては、双方の利点を生かして交流し、お互いの発展策を考えていくことが大切である」、このことが何人かの議員から指摘されたことでした。山に住む人たちが里や浜に住む人たちのために貢献し、里や浜に住む人たちが山に住む人たちのためになる。理想のように見えるかも知れませんが、同じ市の中にあるのですから、これを意識した具体策を検討しないともったいない。そう思います。
次回はワークショップ方式で分科会を進めることにしました。市議会の委員会でのワークショップは初めてです。おもしろくなってきました。