長野県信濃町で動きのある廃棄物最終処分場建設問題で、党妙高市議団の皆さんと上越市議団全員で下流域の水土里ネット関川水系(関川水系土地改良区)を訪れ懇談してきました(画像)。
同ネットは昨年来、上越地方の反対運動の中心になり、農林水産団体をまとめる役割を果たしてこられました。冒頭、太田三男理事長が、「建設を計画している業者は下流域の農林水産業者に対して説明しないでいいという姿勢だった。私たちは連絡協議会をつくって署名活動などの運動を進めてきたが、行政もようやく重い腰をあげた。3月3日に署名簿を持って長野県と業者のところへ行く。向こうの出方がどうなるか、いまのところわからないが、何はともあれ断固反対だ」と挨拶されました。
続いて同ネットの玉井英一事務局長がなぜ信濃町の最終処分場計画に反対してきたのか、最新の情報も含めてこれまでの経過を説明してくださいました。玉井事務局長によれば、「春先の融雪期の地滑りなどで関川が汚染される可能性があり、ここを一番懸念している」とのことでした。玉井事務局長は元県庁マン、望月妙高市議とは顔なじみです。丁寧でしかもわかりやすい話し方をされるので、好印象を持ちました。
懇談の中で注目したことのひとつは信濃町が山形大学の川辺孝幸教授に依頼した建設予定地周辺の地質調査結果です。昨日、川辺教授から信濃町に報告された内容によると、建設予定地は数十万年前の地層の上に岩屑流堆積物が堆積し、さらにその上に崩壊堆積物や野尻ローム層が堆積していて、崩壊しやすい地質構造となっています。しかも、いくつもの断層、伏在断層があることが確認されています(川辺教授の地質図・地質構造図)。川辺教授は、「地震動によって大規模な地滑り・崩壊を起こす危険性をもった地域」だとしていますが、これは重大な内容です。
昨日、新潟県と妙高市、上越市が長野県に申し入れた内容と関連する動きについても話題になりました。この申し入れは、①上越地域の農林水産関係者が意見を表明できるようにすること、②上越地域の農林水産関係者が懸念している事項に対して説明責任を果たすよう業者に指導すること、③建設計画について適宜適切な情報提供をお願いしたい、というものです。このなかで長野県の廃棄物対策課長が、3月に施行される新たな廃棄物条例によって、「県外からも生活環境保全の見地から意見を言うことは可能」と説明しています。また、新潟県内の地元紙報道ではわからなかったのですが、信濃毎日新聞は、建設を計画している業者が、新たな条例施行後に改めて設置手続きを始める意向を示したと報じています。こうした事態を受けて、こちらがわの運動も考えていく必要があると、意見交換をしました。
きょうはこのほか、午後から「中山間地域における集落間連携推進大会」が行われました。清里区櫛池地区農業振興会が取り組んできた集落間連携を全市に展開し、農地と地域農業を守ろうという趣旨です。リージョンプラザコンサートホールには中山間地域をかかえる区内から350人ほどが集まりました。
清里区櫛池地区農業振興会の小山文男会長と羽深明治事務局長の話は先日の市長と市民の「現場でトーク」でもお聴きしましたが、ふるさとを守ろうとする愛情と哲学に満ちています。すごい取り組みだと思いました。
市役所農業振興課の笹川肇副課長は、「集落間連携による中山間地の振興」についての市の方針を説明しました。同副課長は、「取り組みの基本は集落にある。どうやったら地域を守っていけるか、その手法のひとつとして集落間連携を考えていただきたい」「櫛池地区農業振興会に行って、パソコンをみてたまげた。中山間のシステムがあり、その横に農地・水のシステムもあった。これからは地域全体で事務能力を持たないと国県の補助事業に乗れない」とのべました。方言丸出し、間をいかした堂々とした語りはますます快調でした。
会場には市議会の中山間地対策特別員会のメンバーも何人か参加していました。きょうの大会の内容も踏まえて大いに議論していきたいと思います。