今議会で最も注目されている文教経済常任委員会が開かれました。きょうは、㈱よしかわ杜氏の郷を中心とする第三セクターについての質疑が活発に行われました。
市が管理している施設については指定管理者制度を導入しているところがほとんどです。今回、いくつかの施設で、指定管理者の指定が議題になりました。議論のなかで注目したことのひとつは、永島委員の発言です。永島委員は、選定委員会の構成メンバーをどうするかについて、「実際、経営に携わっている人が少ないのではないか。現場で汗水だして働いた人を入れた方がいい」と提案しました。これは一考に値するものだと思いました。また、党議員団の上野委員は市が議会に報告している「出資法人等経営状況報告書」の中の「経営状況の予備的診断」の評価の仕方について言及、A1(単年度黒字。健全又は複数年の経過で判断を要する)という評価をしてしまうことが会社経営の総合的な判断として良好であるとみなされてしまいがちであり、問題だとのべました。この点は先の総括質疑でも矢野議員が問題にしていましたが、再検討すべき課題だと思います。
さて、㈱よしかわ杜氏の郷へ市が1億2200万円の増資をする問題です。3日の総括質疑から5日を経過していますので、きょうの時点でどれだけ深まるか、3者協議での新たな到達が報告されるか、大きな関心を持って傍聴しました。
結論から言うと、期待した新たな報告はほんのちょっぴり、議論もほとんど深まりませんでした。何人かの委員が会社の新役員体制について、もっと踏み込んだ答弁をと求めましたが、答弁は3日の総括質疑のレベルと比べてもあまり深まりのないものとなりました。例えば、「市として(社長をどうするかなど)どういう提案をしていく予定なのか」という質問がありましたが、提案ともいえる言及はまったくありませんでした。
これまでよりも一歩踏み込んだ答弁があったのは民間からの役員、吉川区からの役員に関してぐらいなものです。澤海産業観光部長はそれぞれについて、「酒の業界というよりは杜氏の郷のいまの販売ルート、いまの支配人とも協調しながら売上を伸ばしていける人材」「区民の方から認知していただける方はだれか、ファンクラブや地域協議会などの方から意見を聴いている」とのべました。あとは、「最終的な調整をしているところ。もう少しの時間をいただきたい」との繰り返しです。この言葉は、これまでの委員会でも何回も使われてきた言葉です。この時点に来ても、まだ使わなければならなかったのでしょうか。
きょうの委員会での議論は役員体制、市と地域協議会との関係に関するものが中心でした。最後の採決、これは増資分を含んだ一般会計補正予算ですが、党議員団の上野委員と市政クラブの2委員、合わせて3人が退場・棄権するなかで行われました。賛成は創風クラブ、公明党など7、反対は無所属の永島委員のみでした。党議員団は採決直前の打ち合わせで、きょうの議論では㈱よしかわ杜氏の郷を安心して存続させられる担保がない、また区民アンケート(15日開封、集計)での世論の確認ができていないなかで賛否は決められない、として棄権を決めました。