市民の声を市政に反映させて市民参画によるまちづくりをすすめることは重要なことです。きょうの市議会総務常任委員会では、その手法のひとつ、パブリックコメント制度の条例化について議論が行われました。
すでに、市民の声を聞く会や市民検討会などを経て、条例素案が出来あがりつつあります。委員会に示された概要によれば、目的は、「自治基本条例に基づき、市民との情報共有と市民参画の推進」とあります。次に何を対象にするかですが、この点については、①市の憲章、宣言または基本的な計画若しくは指針、②市の理念又は基本方針を定める条例、③市民に義務を課し、又は権利を制限する条例又は規則など、とされています。ここでは何を対象としないかについても明らかにしています。意見提出期間は、これまでの「おおむね1月」を「30日以上」とすることに。やむを得ず30日以上の期間を設けることができない場合は理由を公表して実施するとされています。意思決定及び結果の公表ですが、提出された意見を尊重することはもちろんのこと、提出された意見に対する考え方を公表する義務を明確にすることも定められる、となっています。
今回の条例化にあたっては、6月議会で大問題になった直江津図書館・社会教育館についてのパブリックコメントの扱いをどうしたか、を抜きに議論できません。行政側の「時間がないという都合」で期間を短くしたこと、寄せられた意見についての検討結果を返さない段階で議会提案したことなどが市民や議会から不信を招くことになりました。
きょうの委員会で行政側は、素案そのものを示さず、概要だけ委員会に公開して委員の声を聴こうとしました。これでは政策形成過程が見えませんし、自治基本条例が定める、「市長等が市民に対して、政策の立案、実施、評価と見直しに至るまでの過程と内容について説明責任を負う」ことに照らしてもおかしいので、指摘しておきました。また、パブコメの結果を返さずに議案提案をすることができない内容にするよう求めました。次回の委員会は来月の9日の予定です。どういう素案が出てくるか、よく見て、しっかり意見を言いたいと思います。