きょうの文教経済常任委員会は緊張感あふれた委員会でした。㈱よしかわ杜氏の郷の再建問題で市は、JA、会社とのこれまでの協議の到達点について報告し、意見を聞きました。
私たち党議員団が注目してきたことがいくつかあります。これまでの会社の経営陣の責任分として増資する額はどれくらいになり、そのなかで各役員の増資割合はどうなるか。最大の株主であるJAえちご上越が増資に応じるかどうか。新経営陣がいつからスタートし、どんな体制になっていくのか。新たに参画を求めるとしていた民間企業はどこか、などです。
3者協議のなかで会社への増資については、金融機関から求められる予想損失補償額相当分、1億2200万円を市が増資する。現経営陣は役員が会社へ貸し出した金額プラスアルファ2100万円を経営者責任分として出資する。JAは増資はしないが、会社が軌道に乗るまで当分の間、職員派遣を続けることになりました。会社経営陣の増資額は妥当かどうか、役員の出資割合はどうかという質問には、「役員の中にはすでに現役を退かれている人が多い。そのなかで出ている(数字だ)。出資割合が確定しているかどうかは感知しているところではない。役員さんたちの話し合いの中で精いっぱい出せるところを出されてきた」と市側は答えました。
会社経営陣は一時も早く交替し、出直し、そのなかで再建策を…今回もそうした発言が委員の中から出ました。株主総会など所定の手続きが必要ですので一定の時間がかかります。市側はこの点について触れ、次のようなスケジュールを示しました。12月の段階で臨時株主総会を開催し、1月から「暫定政権」(市担当部長)についてもらい、コンサルタントと成功報酬的な契約を結んで新しいやり方をやってみる、次期(来年7月1日から)から新たな経営陣が参画する、というものです。注目の新たなスポンサー企業とはまだ協議中とかで、現段階では名前は明らかにされませんでした。
こうした到達点に立って、市は12月議会に増資を含んだ一般会計補正予算を提出することを明らかにしました。12月議会の日程は25日の議会運営委員会で決まりますが、市では、それまでに吉川区内7か所で市民説明会を設け、十分な説明のうえ理解を求めていくということです。後は吉川区地域協議会への諮問をどうするかです。これは遅くとも議会開会日までに諮問し答申を得ることになると思っていたら、小関議員の質問に答えて、諮問しないで上程していく方針だという答弁がされました。これには唖然としましたね。
上越市地域自治区の設置に関する条例の第7条2項に掲げられた「地域協議会の意見を聴かなければならない」対象ではないから諮問しないというのですが、そもそも地域の重要課題について関係住民の声をちゃんと聴くために地域協議会が設置されたはずです。同条の1項に照らしても、市長が諮問することは、今回の場合、当然だと思います。日程に追われ、大切なことを忘れていませんか、と言いたい。
きょうの文教経済常任委員会には吉川区から地域協議会メンバーなど7人が傍聴されました。